東北森林科学会誌
Online ISSN : 2424-1385
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20 巻, 1 号
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特集「東北地方における低コスト再造林」
総説
報文
  • 櫃間 岳, 八木橋 勉, 松尾 亨, 中原 健一, 那須野 俊, 野口 麻穂子, 八木 貴信, 齋藤 智之, 柴田 銃江
    原稿種別: 報文
    2015 年 20 巻 1 号 p. 16-18
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
     コンテナ苗が,東北地方の厳しい気候下で良好な成長ができるのか,また徒長気味にも見えるコンテナ苗でも良好な成長をするのかを確かめるため,最大積雪深が1m前後である岩手県二戸市浄法寺町と宮城県白石市において,裸苗とコンテナ苗の成長を植栽後3成長期間に渡って計測した。その結果,岩手県の事例では,コンテナ苗の方が裸苗よりも樹高,直径成長ともに速かったが,宮城県の事例では裸苗の方が初期成長が速かった。両試験地の環境差による影響も考えられるが,植栽されたコンテナ苗の形状比に大きな違いがあり,これが,植栽後の成長に影響したものと考えられた。このため,コンテナ苗は東北地方でも良好な成長をする能力はあるが,そのためには,植栽時の形状比を低く保つ必要がある可能性が示された。
記録
報文
  • 鈴木 祥悟, 由井 正敏, 青山 一郎, 中村 充博
    原稿種別: 報文
    2015 年 20 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
     白神山地暗門調査地で,なわばり記図法による繁殖鳥類モニタリング調査を継続し,2009年と2014年の群集構造を明らかにした。調査を開始した1996年以降,調査期間を通じて群集組成は類似しており,キビタキ,ヒガラやシジュウカラなどが優占する典型的な「本州中北部ブナ林」の鳥類群集となっていた。2014年の調査では,人間の廃棄食物を好むハシブトガラスが出現したことから,入林者に食物ゴミ管理を徹底するよう注意喚起する必要がある。
  • 久保田 多余子, 岡本 隆
    原稿種別: 報文
    2015 年 20 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
     森林総合研究所東北支所構内スギ林において開空度と降雪遮断率の関係を測定し,これまでの研究結果と比較した。林分の降雪遮断率は31.5%から68.2%までの空間分布を示し,平均で41.9%±7.8%であった。これは降雨期の遮断率(19.1%)よりも大きかった。開空度は1.4%から31.0%の範囲にあり,平均で10.2%±8.0%であった。林分内の開空度と降雪遮断率には弱い負の相関がみられた。複数の調査地間で開空度と降雪遮断率の関係を比較した結果,それぞれの林分内では開空度と降雪遮断率に負の直線関係が見られていても,林分間で比較すると両者の関係はかならずしも直線ではなく,開空度が大きくなると降雪遮断率が指数関数的に減少する傾向がみられた。
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