東北森林科学会誌
Online ISSN : 2424-1385
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8 巻, 1 号
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論文
  • —小岩井農場山林における事例—
    杉田 久志, 猪内 次郎, 百目木 忠之, 田口 春孝, 岩根 好伸, 大石 康彦, 昆 健児
    原稿種別: 論文
    2003 年 8 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2003/03/31
    公開日: 2018/03/19
    ジャーナル フリー
    針葉樹人工林を天然更新により有用樹種を含む多様な広葉樹によって構成される森林へと誘導する施業法に関する研究の第一段階として,小岩井農場山林のカラマツ人工林における2つの事例について更新林分の構造を解析し,それに関わる要因について検討した。主林木本数伐採率50%の強度間伐を行い,中下層木をすべて伐採,林床植生をすべて刈り払い,枝条を除去するために重機で走行したことによって地表の落葉層が剥ぎ取られた部分が生じた牧道試験地では,処理10年後にはウダイカンバを主としてホオノキ,ミズナラ,ウワミズザクラ,ヤマグワ,アズキナシ,アカイタヤ,ミズキ,シラカンバ,ダケカンバなどが更新していた。幅20mの帯状皆伐を行い,重機による地掻きを行った白川試験地では,処理7年後にはウダイカンバを主としてシラカンバ,ミズナラ,カラマツ,アカマツ,ヤマグワなどからなる更新林分が成立していた。これらの事例は,林冠疎開と地床処理の組み合わせによってカラマツ人工林の伐採後に有用樹種を含む多様な樹種により構成される広葉樹林への誘導が可能であることを示唆している。
報文
  • —秋田県田沢湖試験地の事例—
    和田 覚, 澤田 智志, 石田 秀雄, 小坂 淳一
    原稿種別: 報文
    2003 年 8 巻 1 号 p. 10-13
    発行日: 2003/03/31
    公開日: 2018/03/19
    ジャーナル フリー
    秋田県田沢湖町のブナニ次林内に,用材生産を目的とした間伐試験地を設定した。1980年に下層間伐,1985年に上層間伐を実施し,その後15年間の成長を調査した。間伐区は無施業区に比較して1.34〜1.39倍の材積純成長量があり,枯死木の抑制や成立個体の均一化等からも間伐効果が認められた。間伐の強度としては中庸度程度の間伐,東北地方ブナ林分密度管理図による収量比数0.7程度への調整が,大径木の材積成長を促進する上で効果的であった。
  • 國崎 貴嗣, 三石 麗
    原稿種別: 報文
    2003 年 8 巻 1 号 p. 14-18
    発行日: 2003/03/31
    公開日: 2018/03/19
    ジャーナル フリー
    主要樹種の年輪解析により,落葉広葉樹の混交したアカマツ人工林の階層発達過程を推定した。アカマツは,高い樹高成長量と保育作業による広葉樹繁茂の抑制で順調に成長し,林冠層を形成した。除伐直後に発生したコナラとヤマウルシは,当初アカマツと同程度の樹高成長量を示すものの,その後樹高成長量が低下し,亜高木層を形成した。リョウブ,ノリウツギも除伐直後から発生するものの,樹高成長量は低く,低木層を形成した。
記録
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