日本冷凍空調学会論文集
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33 巻, 1 号
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研究レビュー
  • 藤本 悟, 平良 繁治, 滝澤 賢二, 今村 友彦, 党 超鋲
    原稿種別: 研究レビュー
    2016 年 33 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー
    地球温暖化の防止のために,冷凍空調用機器に使用されている冷媒の低GWP 化が求められている.低GWP 冷媒として,R1234yfR1234ze(E)R32 等の冷媒や,それらの混合冷媒が候補として考えられているが,これらの冷媒は微燃性を有している.微燃性冷媒の幅広い実用化のためには,燃焼性に関する基礎データを集積し,安全性の評価手法を確立することが不可欠である.本レビュー論文は,国内外における温暖化防止のためのHFC 冷媒規制の動向を解説するとともに,冷凍空調機器の微燃性冷媒を使用時の安全性評価を行う際に必要な冷媒の着火と消炎に関する基礎燃焼特性および冷媒漏洩時の着火可能性についての研究成果を解説した
原著論文
  • 高市 健二, 平良 繁治
    2016 年 33 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー
    2011 年から開始した家庭用エアコンの燃焼性ハザードに対するリスク評価は対象製品の全てで評価を終了した.本レポートではそのリスクアセスメントの評価手法について概括し,冷媒リークシミュレーション,着火源評価,FTA の評価などを通して,壁掛けエアコンでの各微燃性冷媒によるリスク評価結果が得られた過程を示す.また家庭用エアコンでリスクが高い1 対1 接続の床置き形エアコンのFTA 結果から見直しやリスク低減策により着火確率が許容値以下になった経緯も記述する.
  • 矢嶋 龍三郎, 木口 行雄, 関根 卓, 佐々木 俊二, 伊藤 俊太郎, 山下 浩司, 観音 立三
    2016 年 33 巻 1 号 p. 23-39
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー
    地球温暖化影響の低い微燃性冷媒R32 を使用したビル用マルチエアコンのリスクアセスメントを行い,室内・室外の使用時や保管・据付・修理・廃棄時における,最も厳しい各設置ケースにおける着火確率を求めた.冷媒の漏洩速度や急速漏洩の発生確率は,市場で漏洩事故を起こした製品の穴径調査や急速漏洩に伴う顧客やサービスマンの申告数から求めた.未対策の事故確率が許容値を超えた場合には,事故の発生確率を100 年に1 回以下とする安全対策を提案した.これらの安全対策により,着火事故の発生を許容レベル以下のリスクに低減出来ることを明らかにした.今後は,これらの安全要件を技術基準としてまとめ,業界として確立していくことが望まれる.
  • -許容可能な火災・火傷事故発生確率に抑えるための安全対策-
    上田 憲治
    2016 年 33 巻 1 号 p. 41-55
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー
    僅かな燃焼性を有する冷媒R1234ze(E),R1234yf,R32 は地球温暖化係数が低く,ヒートポンプへの採用が期待されている.これら冷媒を機械室に設置される水冷チラーと屋外に設置される空冷ヒートポンプに使用した場合の火災・火傷等の事故確率を算定した. 算定には同一構造となる従来機器の漏洩事故統計データを分析し,急速漏れ,噴出漏れ事故を対象とした.着火源の抽出では同時期に報告された微燃性冷媒の燃焼特性を用いた.その結果,適切な機械換気を備えることで事故確率は3.89× 10-12 件/台・年となり安全とされる値より十分小さいことが判った.
  • Zuozhou CHEN , Akihiko SHIMIZU , Eiji HIHARA , Chaobin DANG
    2016 年 33 巻 1 号 p. 57-63
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー
    The positions where shock waves happen inside ejectors vary based on working conditions and dimension of ejectors, and the influence from shock waves occur would finally affect the overall performance of ejectors. In this research Schlieren photography method is adapted to visualize the characteristics of shock waves inside the ejector. Comparison of driving flow characteristics between converging nozzle and de Laval nozzle are conducted in the free-jet condition, and the converging nozzle is applied into the ejector to investigate driving flow expansion inside mixing section. By combining visualization experiment and numerical simulation results, the characteristics of shock waves occur in the driving flow are concluded, and the relationship between driving flow expansion and ejector`s performance is also discussed in this research.
  • 橋本 加奈子, 小林 正三, 山下 倫明
    2016 年 33 巻 1 号 p. 65-71
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2017/03/31
    [早期公開] 公開日: 2016/01/31
    ジャーナル フリー
    凍結貯蔵したゴマサバとマサバの肉質の違いを明らかにするため,両種の筋肉のpH および硬さを測定し,凍結肉における氷結晶生成を観察した.未凍結肉においてpH は両魚種間で差違は認められなかったが,普通筋横断面に対する破断強度はマサバ筋肉に比べてゴマサバ筋肉の方が低かった.凍結中の普通筋における氷結晶サイズはマサバ筋肉に比べてゴマサバ筋肉の方が大きかった.凍結貯蔵した筋肉を解凍し,普通筋横断面に対する破断強度を測定した結果,マサバ筋肉に比べてゴマサバ筋肉の破断強度は低かった.以上の結果から,凍結中の普通筋の氷結晶サイズは,マサバ筋肉に比べて,ゴマサバ筋肉の方が大きかったことから,ゴマサバ筋肉の組織構造はマサバのそれと比べて脆弱であり,凍結貯蔵中に比較的大型の氷結晶が形成されることが推定された.また,未凍結の鮮魚および凍結解凍後のいずれの筋肉においても,マサバ筋肉に比べて,ゴマサバ筋肉の方が柔らかかったことから,凍結前の筋肉の組織構造が凍結解凍後の品質にも影響を及ぼすと考えられた.
  • -第1報:気液共存曲線および臨界軌跡の測定-
    東 之弘
    2016 年 33 巻 1 号 p. 73-79
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2017/03/31
    [早期公開] 公開日: 2016/01/31
    ジャーナル フリー
    オーガニックランキンサイクル用作動媒体として期待されている2成分系混合作動流体R 245fa +R 134a 系の熱力学的性質である気液共存曲線および臨界点を,90.00, 70.00, 50.00, 30.00, 20.00 mass%R 245fa の5組成について測定した.気液共存曲線は,密封された圧力容器内の試料のメニスカスの消滅を,直接肉眼で観察することにより決定した.また,メニスカスの消滅位置および臨界タンパク光による着色の様子を注意深く観察することにより,臨界温度および臨界密度を決定した.さらに決定した5組成の臨界定数を使って,R 245fa + R 134a 系混合作動流体の臨界定数の組成依存性を表す臨界軌跡を決定し,その相関式も作成した
  • -第2報:PρTx 性質および臨界圧力の測定-
    東 之弘, 赤坂 亮
    2016 年 33 巻 1 号 p. 81-92
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2017/03/31
    [早期公開] 公開日: 2016/01/31
    ジャーナル フリー
    オーガニックランキンサイクル用作動媒体として期待されている2成分系混合作動流体R 245fa +R 134a 系のPρTx 性質を,90, 70, 50, 30, 20 mass% R 245fa の5組成について,等容法を利用した測定装置を使って測定した.また,PρTx 性質の測定においては,メニスカスの消滅の観察で決定した臨界密度近傍での等容線に沿った測定も行い,同じくメニスカスの消滅の観察により決定した臨界温度に対応する圧力として臨界圧力を決定した.さらに決定した臨界圧力の組成依存性を表す臨界軌跡の相関式を作成した
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