Japanese Journal of Tropical Medicine and Hygiene
Online ISSN : 2186-1811
Print ISSN : 0304-2146
ISSN-L : 0304-2146
18 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • M. ZAHEDI, D.A. DENHAM, P.J. HAM
    1990 年 18 巻 4 号 p. 271-283
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    Surface characteristics of microfilariae and developing stages of Brugia pahangi in its natural vector, Armigeres subalbatus were assayed using fluorescein isothiocynate conjugated lectins. The following lectins were used : wheat germ agglutinins, lentil agglutinins, Helix aspersa agglutinins, Concanavalin A agglutinins, kidney bean agglutinins, asparagus pea agglutinins and pea nut agglutinins. It was observed that developing stages of B. pahangi the mosquito showed a dynamic surface carbohydrate characteristics. The larvae change their surface coat configuration frequently during the 10 day observation period. However, blood dwelling microfilariae and fully matured infective larvae obtained from the mosquito's head showed little or no binding affinity for the lectins tested. It's postulated that the rapid turnover of the surface carbohydrates, while development of the larvae is taking place, is the worm's response to a 'hostile' mosquito environment.
  • M. ZAHEDI, D.A. DENHAM, P. J. HAM
    1990 年 18 巻 4 号 p. 285-293
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    Surface lectin binding characteristics of microfilariae and developing stages of Brugia malayi in Armigeres subalbatus are presented. Ar. subalbatus is not a vector of B. malayi. The following lectins were used : wheat germ agglutinins, lentil agglutinins, Helix aspersa agglutinins, Concanavalin A agglutinins, kidney bean agglutinins, asparagus pea agglutinins and pea nut agglutinins. Frequent change in surface carbohydrate moieties on developing stages of B. malayi was observed. However, blood dwelling microfilariae and mature infective larvae showed little binding affinity for the lectins tested. It is postulated that B. malayi larvae evaded the mosquito immune system by continuously changing their surface carbohydrate moieties.
  • 杉山 広, 柴原 壽行, 片平 じゅん, 堀内 貞治, 冨村 保, 吾妻 健, 波部 重久, 川島 健治郎, PUNSIN KETUDAT, ...
    1990 年 18 巻 4 号 p. 295-300
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    タイ産ヒロクチ肺吸虫のラットおよびマウスへの感染試験を行い, 宿主適合性を調べた。ラット16頭およびマウス3頭に本虫のメタセルカリアを15-20個ずつ経口投与し, 投与後78日あるいは253日に剖検したところ, 虫体の回収率はラットでは平均40.8% (投与後78日に剖検) あるいは5.3% (同253日に剖検), マウスでは平均40.7% (同78日に剖検) であった。ラットから回収した虫体の約89%は幼若虫であり, いずれも骨格筋から検出され, 成虫は胸腔から検出された1隻 (回収虫体の約2%) に過ぎなかった。一方マウスから回収した虫体は総て幼若虫であり, その約88%が骨格筋から検出された。試験ラットあるいはマウスの骨格筋由来の幼若虫を, 本虫の好適終宿主であるネコに経口投与したところ, 幼若虫の95% (ラット由来の幼若虫) あるいは100% (マウス由来の幼若虫) が感染して肺に虫嚢を形成し, 投与後49日に糞便内排卵を開始した。以上の成績から, タイ産ヒロクチ肺吸虫のラットおよびマウスに対する宿主適合性は低いものの, 鶴歯類は待機宿主として本虫の生活環の維持に主要な役割を果たし得ると思われた。また, 鶴歯類を対象とした本虫感染状況の野外調査では, 骨格筋からも虫体検出を試みる必要があると考えられた。
  • 清水 眞澄, 七戸 和博, 月舘 説子, 藤田 紘一郎
    1990 年 18 巻 4 号 p. 301-310
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    Mongolian gerbil (スナネズミ) の被毛色突然変異体 (white spotted-agouti, albino, black およびwhite spotted-black type) について, 成長と繁殖に関してagouti typeと比較した。しかし, 被毛色間に有意差は見られなかった。出生時体重は3.09, 性成熟後の3カ月齢では各被毛色共, 雄は約609雌は約529であった。体重の明らかな性差は, 生後6週齢から出現した。平均産仔数は4.2から4.8匹, 産仔の性比は, 雌が雄よりやや多い傾向にあった。分娩間隔の変動は非常に大きく, 25~30日のものが全分娩の20%前後, 半数以上が31~40日であったが, 51日以上のものも20%近くを占めた。このばらつきの原因としては, 後分娩発情があること, その際着床遅延が起こること, 性周期が不規則であること, および卵巣水腫の発生頻度が高いことなどが考えられた。また, 被毛色の遺伝様式についても検討を行った。ラットやマウスと同様の被毛色を制御する遺伝子が, gerbilにも存在することが明らかにされ, albinoおよびblack typeの被毛色は, 常染色体性劣性遺伝子によって支配されていることが示唆された。
  • 池田 照明, 及川 陽三郎
    1990 年 18 巻 4 号 p. 311-316
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    我々は, 大平肺吸虫外皮抗原を認識するモノクローナル抗体2種類 (MS-Mab, AS-Mab) を作製したことを前報にて報告した。MS-Mabは, メタセルカリア期から成虫期まで存在する幼虫期主要外皮抗原を認識し, AS-Mabは, 終宿主感染後に形成される成虫期主要外皮抗原を認識した。今回, これら2種モノクローナル抗体と他種肺吸虫抗原との交差反応性を検討し, 併せて他の寄生蠕虫抗原, 特に吸虫類抗原との反応性も検討した。
    大平肺吸虫, ウェステルマン肺吸虫および宮崎肺吸虫の各成虫抗原と2種モノクローナル抗体との間でのオクタロニー反応では, MS-Mabは全ての肺吸虫抗原に対して互いに融合する1本の沈降線を形成するのに対し, AS-Mabは大平肺吸虫抗原以外とは反応しなかった。他の寄生蠕虫 (吸虫3種, 線虫と条虫各1種) の成虫抗原とのオクタロニー反応では, これら2種のモノクローナル抗体は, いずれの抗原に対しても反応性が認められなかった。虫体切片による蛍光抗体法では, MS-Mabはウェステルマン肺吸虫と宮崎肺吸虫に対して, 大平肺吸虫の場合と同じく外皮シンチチウムと外皮細胞に結合し, 一方, AS-Mabは大平肺吸虫のみにしか結合しなかった。
    これらの結果は, MS-Mabが肺吸虫属特異性エピトープを持つ外皮抗原を認識し, AS-Mabが大平肺吸虫種特異性エピトープを持つ外皮抗原を認識することを明らかにした。
  • 狩野 繁之, AHMED AYOUB EL GADDAL, 鈴木 守
    1990 年 18 巻 4 号 p. 317-324
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    日本人輸入熱帯熱マラリア患者の血清を入院時より治療後にかけて, 約2カ月間継時的に採取し, それぞれの血清中の免疫グロブリンと反応する熱帯熱マラリア抗原分子につき, ウェスタン・プロット法により調べた。その結果, 感染初期血清中の免疫グロブリンが特異的に47kD抗原と結合すること, しかし, 入院後57日目の血清は, 47kD抗原との反応性が著しく弱まってしまうことが見出された。この間, 間接蛍光抗体法によって測定された特異的免疫グロブリンの力価は, 1 : 256と変りなく高値を示した。同様の事実が, 4名の日本人熱帯熱マラリア感染においても確認された。この知見は, 47kD抗原特異的免疫グロブリンは, 現在の熱帯熱マラリア感染, もしくは, 極めて近い過去において起こった熱帯熱マラリア感染を反映する特徴的な抗体であることを示している。日本人患者において見出された以上の知見をもとに, スーダンにおいて野外調査を行い, 低流行地, 中等度流行地, 高度流行地の住民につき, ABC-ELISA法により抗体価を測定した。さらに, それぞれの流行地において血清が得られた例について, 各血清と47kD抗原との反応性をウェスタン・プロット法により調べた。その結果, 現在末梢血液中に熱帯熱マラリア原虫が証明された例では, 1例以外はすべて47kD抗原結合性免疫グロブリンが確認された。また, 現在原虫は証明されないが, 極めて近い過去に感染を受けたと想定される住民から採取された高抗体価血清も, 47kD抗原と強く反応した。しかし, 一部の高抗体価血清では, 47kD抗原との反応性が示されなかった。これらの血清供与者は, 過去のマラリアの累積結果が高抗体価として表現され, 現在および近い過去において熱帯熱マラリア感染はなかったグループと判断された。以上の実験結果から, 熱帯熱マラリア原虫の47kD抗原は, 疫学上, 現在もしくはごく近い過去のマラリア流行を捉える上で, 有用な抗原であると考察された。
  • MARISEL MALDONADO, 一瀬 休生, MARGARITA SAMUDIO, ANTONIETA DE ARIAS, 坂本 信, ...
    1990 年 18 巻 4 号 p. 325-332
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    マウス線維芽細胞内で増殖したAmastigote (Am-C) およびcell-freeの液体培地中で増殖したAmastigote (Am-T) を固相抗原としたELISA法を用いて, 患者血清に対する反応性の検討を行った。AmastigoteはG-1株およびTulahuen株の強毒, 弱毒クローンから得られたものを用いた。抗原として用いたAmastigoteは超音波破砕した後, 不可溶性部分を含んだままで, マイクロタイタープレートに固相として用いた。血清は1例の急性期患者を含む51例のシャーガス病患者血清, 1例のシャーガス病との混合感染患者血清を含む10例の皮膚リーシュマニア症患者血清, および3例のシャーガス病, もしくは皮膚リーシュマニア症との混合感染患者を含む10例のトキソプラズマ症患者血清を用いた。その結果, 調整法の異なるそれぞれのAmastigoteの間, およびクローン間, 株間でもそれぞれにおいてかなり高い相関が見られた。強毒株を固相抗原として用いたELISAにおいて高い反応性が, またcell-freeの液体培地中で増殖したAmastigoteを用いたELISAにおいて高い特異性が見られた。通常のEpimastigoteを用いたELISA法で陰性であった1例の急性期患者血清は, G-1-T, H-23-Tにおいて陽性と判定された。
  • 市澤 知子, 加藤 裕美, 持塚 いずみ, 栗田 雅史, 瀬野尾 一孝, 鈴木 了司
    1990 年 18 巻 4 号 p. 333-339
    発行日: 1990/12/15
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    Giardia lamblia cysts were found in the stool of 25 patients for health screening and in 3 inpatients at the laboratory of the Fujieda City Shida General Hospital, Shizuoka Prefecture from March 1988 to December 1989.
    Epidemiologic investigation showed that there are no the common source such as drinking water, travel or animal contact. It may be given as a conclusion that human giardiasis in Fujieda and its neighboring towns are indigenous and the transmission appears mainly to occur from person to person.
feedback
Top