日本特別活動学会紀要
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最新号
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特集:特別活動と学校経営
  • 長谷川 祐介
    2026 年34 巻 p. 2-3
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー
  • —教育経営学の観点から—
    元兼 正浩
    2026 年34 巻 p. 5-14
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー

    本稿は、特別活動と学校経営について、両者の学術的な関係性を検討し、研究上、実践上の課題を考察することを目的とする。先行研究の検討の結果、特別活動研究は主に学級に焦点が当てられ、学校経営全体には関心が薄いこと、他方、教育経営学研究はマクロな制度改革分析に関心が向かい、学校内部への注目は下がっていることが確認された。また、教育課程経営論においても特別活動の位置づけは脆弱である。しかしながら、特別活動は教職員間の協働を促進したり、学校の文化を形成したりする重要な活動であり、経験的カリキュラムとしての特別活動をマネジメントのハブとして評価し、教職員の協働と自治、文化的リーダーシップの観点から再認識することが必要である。

  • 石川 博久
    2026 年34 巻 p. 15-24
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー

    特別活動を組織的・計画的に実践すれば、学校経営が充実するわけではない。筆者の校長としての経験から言えることは、特別活動のそれぞれの活動での体験を通して、子供が学び身に付けた資質・能力を各教科等の授業実践における学びや生徒指導における規範意識・行動等と複合的に関連させた取り組みを積み重ねることが、学校経営の充実につながるということだ。そのためには、校長と教師が学校課題を踏まえた改善策について話し合い、子供一人一人の成長と、子供と教師が共に幸せを実感できる学校づくりを思い描きながら学校経営計画を作成し、校長を始めとする教師が俯瞰して学校教育を捉え、チームとなって取り組んでいくことが重要なのである。

  • 青木 由美子
    2026 年34 巻 p. 25-33
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー

    特別活動は、人格の形成や望ましい人間関係の構築に寄与している。そのため、学級経営や学校経営にとって大変意義深い学習活動である。一方で特別活動の課題は、学校や教員によって取組に温度差があったり、異校種の連続性が十分でなかったりする現状がある。そこで筆者は、自身の特別活動の研究経験を生かし、2校の中学校長として、また小平市の教育長として、特別活動の推進に力を入れてきた。学校においては、校内研究の柱を特別活動として取り組み、また小平市では「こだいら特別活動の日」を設定し、市内全小中学校で特別活動の推進に取り組んでいる。これまでの筆者の経験に基づく「特別活動と学校経営」について論じていきたい。

研究論文
  • —リチャード・ウェリングと「全米自治委員会」に着目して—
    猪股 大輝
    2026 年34 巻 p. 35-45
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー

    20世紀前半アメリカにおいて、学校への生徒自治制普及運動を展開した団体として1904年にリチャード・ウェリングが設立した「全米自治委員会」(National Self-Government Committee)がある。本稿は、ニューヨーク公共図書館所蔵の全米自治委員会文書などの一次史料を用い委員会の活動内容を明らかにした。全米自治委員会は市政改革運動の一環として公民教育や自治制の普及を位置づけ、講演・出版活動、ニューヨーク市の学校訪問と地域の生徒会連合づくり、生徒自治制や公民教育に関する調査活動、教育委員会等へのロビー活動を通じ、特にニューヨーク市における生徒自治制普及に大きな役割を果たした。

研究ノート
  • —M-GTAによる質的分析に基づく成長のプロセス—
    冨田 幸子
    2026 年34 巻 p. 47-56
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー

    近年、ブラック校則の問題が注目される中、全中学校の生徒会執行部が交流を重ねてきたA市では、令和6年度校則をテーマとした生徒主体の話し合いが実施された。本研究は、それに関わった教員の視点からM-GTAの分析手法を用いて取組の意義及び生徒の成長を分析した。その結果、対話を促進する仕組みと教員の支援的関与が討議の活性化に資するとともに、心理的安全性の確保された環境下で生徒が校則の本質について深く熟考していることが明らかとなった。この取組はその後各校での主体的な生徒会活動へと発展しており、特別活動が目指す資質能力である「多様な他者と協働する力」「よりよい社会の形成に参画する力」を育む教育的意義の高い取組であった。

実践研究
  • —いじめ未然防止に向けた全校的アプローチとその効果—
    岡田 康孝
    2026 年34 巻 p. 57-68
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー

    本研究は、いじめ未然防止を目的に、特別活動の教育的特質を尊重しつつ、ポジティブ行動支援(PBS)の理念を「援用」した学校全体のプログラムを構築し、その効果を検証した。全校集会、学級活動、児童会活動の3段階で、児童の主体的な目標設定・実践、肯定的フィードバック、データ活用を重視した。結果、児童の当事者意識の高まりや内発的動機づけの促進、いじめを許容しない支持的な学校風土の改善といった肯定的な成果が示唆された。他方で、低学年へのより個別化された配慮や、学校全体の自治的活動における児童の関与の質的向上、そして継続的な当事者性の育成、とりわけ自治的活動への参画と改善への意識の涵養には課題も残された。

  • 教師の指導と子どもの自治のアンビバレンスに向き合う
    小泉 琢磨, 京免 徹雄, 林 尚示, 天野 幸輔, 小田 純也, 相庭 貴行, 平野 修, 鈴木 純一郎
    2026 年34 巻 p. 69-79
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー

    本稿では、エジプトのTokkatsuから学んだことを生かして、新たなスタイルの学級会を実践することで、教師の指導と子どもの自治のアンビバレンスについて考察した。新たな学級会のコンセプトは、児童が純粋に希望する議題について、全員が納得できるまで妥協せずに話し合うことである。その成果と課題を量的・質的に分析した結果、子どもの自由と教師のつくる枠組み、双方の意義が再確認された。また、アンビバレンスに向き合う方策として、学級会の多元化、隠れたカリキュラムの意識化、マルチモダリティな授業研究という示唆が得られた。越境経験を通じた双方向の学び合いは、国際モデルとしてのTokkatsuの発展にも寄与する。

  • —中学生の生徒会活動と生徒会役員選挙に対する関心・理解を高める—
    高瀬 邦彦
    2026 年34 巻 p. 81-91
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/03/27
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,教科等横断的な学びの視点から,特別活動の各活動である生徒会活動と中学校社会科公民的分野を横断させ,中学生の生徒会活動・生徒会役員選挙に対する関心・理解を高めることにある。本研究では,生徒会活動と公民がそれぞれ抱える実践上の問題について整理したうえで,双方の問題を解決し,生徒会活動の主権者教育としての効果を高める授業を開発・実践した。実践前後の生徒の変化を統計的に調査するため,生徒会・選挙への関心・理解をたずねる6つの質問項目を作成し,事前・事後アンケートを行った。アンケート結果を対応のあるt検定で分析したところ,全ての項目において統計的に有意に上昇し,十分な効果量が認められた。

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