正常児と機能的構音障害児の文の再生率を、文を樹形図で表記したときの階層の数と自立語の数を変数として構成した文に関して測定した。1,3,5年生の正常児のべ14名とそれらの学年に相当する機能的講音障害児のべ25名に、音声で提示した文を口頭で直後再生させた。その語音を検者が文字化して、a)文法的文という観点から処理した再生率とb)系列刺激項目という観点から処理した再生率を求めた。その結果、正常児の再生率はa)で91%、b)で72%であった。機能的構音障害児の再生率はa)で77%、b)で57%であった。そして、これらの再生率は5%のt検定で統計的に有意な差であった。また、これらの再生率は両被験者群で発達的な様相を示した。そして文を階層の数と自立語の数で分類したとき、どの項についても正常児が高い再生率を示した。
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