特殊教育学研究
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16 巻, 1 号
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  • 池 弘子, 斉藤 義夫, 小林 重雄
    原稿種別: 本文
    1978 年 16 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 1978/07/15
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    1組(4枚)で1つの話になっている絵カード13組を使用した面接により得られた知能障害児の話しことばを分析し、正常児との比較を行なった。被験児は、知能障害児群がM .A.6歳〜7歳11か月の養護学校中学部生徒28名、正常児群がM.A.6歳〜7歳11か月の小学校1年生31名とM .A.8歳6か月〜9歳5か月の小学校3年生30名であった。分析は、文章の長さ、文の長さ、接続詞の使用、接続助詞の使用、終助詞の使用に関して行なった。その結果、知能障害児の話しことばの文章溝造は、終助詞の使用に特徴があることが示唆された。つまり、文章の長さ・文の長さ、話の展開からみた知能障害児の話しことばの文章構造は、同M.A.の正常児より劣っているが、対人的な面と関係が深く、社会的な発達と関連があると考えられる終助詞の使用に関しては、同M.A.の正常児より発達している傾向が認められた。
  • 神園 寿子, 小川 仁
    原稿種別: 本文
    1978 年 16 巻 1 号 p. 14-23
    発行日: 1978/07/15
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は、語音の「ききにくさ」の程度を他覚的に規定することを目的とした。被験者の感じる「ききにくさ」が他覚的に規定しうるならば、これと自覚的な語音聴力検査結果を比較検討することによって、語音聴力検査の結果の解釈に客観性を加えることができよう。健聴な大学生に単音節をヘッドホンより、ききやすい条件と3種類のききにくい条件で提示し、それぞれの正答率と脈波振幅の変化との関連を比較した。ききやすい条件では約90%の正答率が得られ、脈波の変化は小さく(平均0.4mm)、ききにくい条件では50-60%の正答率しか得られず、脈波は大きな変化を示した(0.5〜0.6mm)。また、脈波振幅の変化と正当率は負の相関を示した。ききにくい条件でききとりを行い、正答率が低下するほど、脈波の変化振幅は大きな変化を示したことから、脈波振幅の変化が「ききにくさ」の指標となると思われる。
  • 渡辺 勧持, 小塩 允護, 中島 章雄, 三宅 信一
    原稿種別: 本文
    1978 年 16 巻 1 号 p. 24-36
    発行日: 1978/07/15
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    自己刺激行動(SSB)に耽ることは人や物との交渉による成長の機会を失うことにつながる。SSBの性質を検討するために、施設の生活事態差がSSBと外界に向けられた行動(ODB)に与える影響を時間見本法、行動目録法によつて調査した。結果は1、大集団のディルームの自由時間事態でSSBが最も多くODBが少ない。療育事態では<SSBの低減、ODBの増大>の方向へ伸び、食事事態では<SSB、ODBともに減少>する。2、事態差がSSB、ODBに与える影響には個人差がある。クラスタ分析によつて、事態差に影響されず常にSSBが多くODBの乏しいグループI、II、SSB、ODBが比較的多く共存するグループIII、療育事態で<SSBの減少・ODBの増大>の方向へ大きく伸びるグループIV、Vが見出され、各グループのSSB、ODBの特徴から重度精神遅滞児のSSBについての検討が行なわれた。
  • 蘭 香代子
    原稿種別: 本文
    1978 年 16 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1978/07/15
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本児は、口蓋裂のため開鼻声音となり、Ka行音をHa行音に、Ra行音をNa行音に発語していた。筆者は、脳性マヒ児の発語動作訓練を工夫し、週に1度、1時間ずつ2ヶ月間にわたり、発語訓練をした。訓練は、経過から3つの段階に分けて考えられる。1)Ka行音とHa行音の相違、Ra行音とNa行音の相違を聴覚で区別する訓練、2)Ka行音、Ra行音の発語動作訓練(口動作の訓練、とくに舌口内壁つけの訓練)、3)Ka行音、Ra行音の入った概念語を獲得する訓練。その結果、Ka行音とRa行音の発語動作ができるようになり、Ka行音やRa行音の入った概念も把握できた。
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