特殊教育学研究
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23 巻, 4 号
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  • 村上 由則
    原稿種別: 本文
    1986 年 23 巻 4 号 p. 1-15
    発行日: 1986/03/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    血友病性関節症の発生を子どもの身体成長との関連で捉えて、療育の視点を得ることを目的として思春期・青年期にある5名の血友病児の出血動態を分析し、次の知見を得た。1)血友病性出血は年齢とともに増加し、特定部位に集中する傾向がある。2)出血の増加-集中傾向の発現様相は、漸進型と突発型の2種類に区分できる。3)出血の増加-集中傾向が顕著なのは、身長の年間増加量が最大となった年の翌年である。4)好発部位の出血以前10日間の出血動態は、3)で述べた年とそのほかの年ではその様相が異なる。出血の増加-集中傾向が顕著な年には、重症出血の3-4日前に他部位の軽症出血が多く観察される。この軽症出血の発生は漸進型で顕著である。以上より、血友病性関節症の抑制には、子どもの身体成長と日常の出血動態を考慮した療育が不可欠であることが示唆された。
  • 中山 文雄
    原稿種別: 本文
    1986 年 23 巻 4 号 p. 16-27
    発行日: 1986/03/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は、精神遅滞児教育における授業過程の実態を明らかにするための基礎的研究として、授業分析の方法を検討することを目的とする。分析カテゴリーは、Flanders,N.A.の相互分析カテゴリー(FIAC)に修正を加えた授業分析カテゴリーを用い、精神遅滞児養護学校(3学級)、精神遅滞児特殊学級(3学級)の授業を対象とし、授業記録をもとにカテゴリー分類を行った。その結果、授業分析カテゴリーは、精神遅滞児養護学校・特殊学級における授業分析の方法として適用できることが示唆され、次のことが明らかになった。1)精神遅滞児養護学校・特殊学級の授業では、学習動作、説明、例示的動作、単純応答、指示、発問、促し動作のカテゴリーに出現頻度が多く見られた。2)教師発言率が児童発言率を大幅に上回り、しかも児童の自発的発言は極めて少なく、教師の主導性の強い授業展開であり、教師の説明→発問→児童の単純応答の授業パターンであることが示された。3)授業では、教師は発言と例示的動作を結合して提示し、それに対し児童は発言より動作による応答を主としており、この傾向は児童の知能障害が重度化する程顕著であることが認められた。
  • 今野 俊彰, 須藤 貢明
    原稿種別: 本文
    1986 年 23 巻 4 号 p. 28-36
    発行日: 1986/03/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    短期記憶から長期記憶への情報の転送能力に優れた者は問題解決課題(Wickelgrenの6本の矢の課題)において良い成績を示すという仮定をたて、普通児とろう児を被験者にその研究を行った。情報の転送能力は直後自由(系列)再生実験から得られた系列位置曲線の初頭部位より求めた。普通児(小学1.2.3年生)においては系列位置曲線の初頭部位の想起量を基に想起量の多いグループと少ないグループが構成され問題解決課題の成績とのG-P分析が行なわれた。初頭部位の想起量が多いグループは問題解決で良い成績を傾向として示した。中等部ろう児は個人差が大きいので記憶課題と問題解決課題の成績が個別に検討され、記憶課題で初頭部位の想起量が多かった被験児は問題解決課題で良い成績を示した。また、普通児とろう児の間の問題解決課題の成績の差を情報処理的に検討・考察した。
  • 成田 滋
    原稿種別: 本文
    1986 年 23 巻 4 号 p. 37-44
    発行日: 1986/03/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本稿は、単一被験者実験計画法(single-subject experimental designs)における問題点を内的妥当性と外的妥当性の二つの視点から検討した。これらの妥当性の重要性は、学習活動や行動における変容がその被験者や社会的状況にあって有意義であるかということと、普遍化しうるかどうかにかかわっている。内的妥当性は、観測値の信頼性、実験手続の明確化、データの反復収集などに関係し、一方、外的妥当性は、行動変容の一般化にかかわり、どのような対象について実験結果は妥当するか、どのような条件下で類似した結果の再現が可能かを問う。ここでは、単一被験者実験計画法における妥当性を脅かす問題点を指摘しながらいくつかの手掛りに言及し、最後に単一被験者実験計画法の制約を妥当性との関連で考察した。
  • 加藤 元繁
    原稿種別: 本文
    1986 年 23 巻 4 号 p. 45-50
    発行日: 1986/03/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 池田 由紀江, 菅野 敦
    原稿種別: 本文
    1986 年 23 巻 4 号 p. 51-58
    発行日: 1986/03/29
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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