特殊教育学研究
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29 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 小田 浩伸, 北川 忠彦, 糸永 和文
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1991/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    精神薄弱養護学校小学部児童48名を対象に、坐位及び立位における姿勢の実態分析を行った結果、全児童の97.9%になんらかの歪みや不適切なパターンを持つことが明らかになった。そして歪みや不適切なパターンは年長になっていくほど顕著になっていく傾向があり、また行動に問題がある児童の姿勢は、特に歪みや不適切なパターンが顕著であった。そこで、17名の児童に姿勢指導として動作訓練を週3回、1回あたり5〜10分間のマンツーマン指導で適用した結果、顕著な姿勢改善及び改善された姿勢の定着がみられた。これは姿勢指導としての動作訓練の取り組みが、自己の統制から離れたものになっていた姿勢緊張を随意制御下におくことができるようになり、身体各部相互の関係の自己制御獲得に役立ったものと考えられる。また姿勢の改善に伴い行動の変化もみられたが、姿勢の制御過程における自分の身体への能動的働きかけが、主体的態度(構え)を形成し、行動の制御をもたらしたのではないかと考えられる。
  • 大塚 玲, 宮坂 由喜子, 神園 幸郎
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 1991/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    優れた暦計算能力をもつ自閉症者4症例に対して、その暦計算の処理機構について検討した。その結果、次のような知見を得た。1.本研究で対象とした4症例すべてにおいて、優れた記憶機能が介在していた。したがって、暦計算能力の出現の背景には優れた記憶能力の存在が想定された。2.暦計算能力の差異性を規定しているのは、暦の記憶範囲における違いもさることながら、暦の規則に関する知識量および暦の規則を利用した演算アルゴリズムの洗練度合に負うところが大きい。3.上記の観点から暦計算者の方略は、全面的な記憶依存による記憶依存型、簡単な暦の規則の適用によって記憶範囲外の年代を補う規則利用型、暦の構造から独自の演算方略を編み出し、利用するアルゴリズム主導型の3タイプに類型化された。
  • 中村 満紀男
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 1 号 p. 23-37
    発行日: 1991/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    19世紀後半のアメリカ合衆国で設立された通学制聾学校の設立過程とその意義を、寄宿制学校の内部的問題およびアメリカ社会の発展と関連させて検討した。通学制学校の第一の源は下層聾児に対する教育機会の補充であり、第二は特定上層による口話法の導入であった。寄宿制学校は、現実的な立場から、対象を限定した大都市の補充的な通学制学校に賛成した。しかし1880年代以降、通学制と口話法を一体化した学校が小都市に拡大する段階では、通学制学校は、寄宿制に否定的な理念を装備する。通学制・家庭・公立学校・口話法は、親の願望を満たし、「正常」児との近似と社会適応を達成させ、州にとって倹約となる。この理念は、中産層以上の親の願望を充足し、下層には順応を要求する。通学制学校の理念が受容されるには、都市の改革的な実業家と専門職によって主張された、世紀末の社会混乱を抑制し、新秩序を形成しようとするプログレッシビズムのイデオロギー、同化論へ方向づけられることが必要だった。
  • 大北 啓子
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 1991/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    脳性まひ児の動作改善を目的とした動作訓練は、不適応行動の改善や心理的活動の開発にも有効であることが示唆されている。本研究では、四這いでの多動と重度精神遅滞を伴う3歳男児における動作訓練の過程を分析し、その効果を検討する。また、動作訓練によって子どもが自己と自分の身体、および自己と外界との関係性に気づき、自分自身の制御に至る過程を明らかにする。一年間の訓練経過は、動作課題の遂行状態および訓練者の動作補助に対する受け入れの変化から5期に区分された。訓練の結果、動作および多動、対人行動、手操作に改善がみられ、重度精神遅滞児への動作訓練適用の効果が示唆された。主な変化点を以下に示す。(1)誘導に応じて、自分の動きを調整しながら動作課題を遂行することが可能となった。(2)訓練時に泣くことが減少した。(3)多動が減少した。(4)自分の手を見たり、動かすことが出現した。(5)介助に対する抵抗が軽減した。
  • 田上 隆司, 梅 次升, 鄭 春恵
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 1991/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 相馬 壽明
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 1991/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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