特殊教育学研究
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29 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 木舩 憲幸, 立花 晴美
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 3 号 p. 1-6
    発行日: 1991/12/27
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究では精神薄弱児の人物画における明細化の性差に関する問題を解明するために、男性画と女性画を描かせて、その男女差をWISC-RのIQとの関連で検討した。その結果、精神薄弱児においてはIQの高いほど人物画得点の高いことが明らかとなった。しかし、男女別に人物画得点とIQとの関連を見てみると、IQの重度と中度レベルでは男女差が見られないが軽度レベルでは男女差が見いだされた。また、男性画と女性画には男女ともに差が見られなかった。
  • 遠矢 浩一
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 3 号 p. 7-17
    発行日: 1991/12/27
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    This study analyzes the outcome and effectiveness of a specific application of verbalization training with a patient suffering from constructional disorder resulting from damage to the right cerebral hemisphere. The procedure initially involves assessment of visual-spatial agnosia in a cube construction task. If it is found that agnosia interferes with the construction process, training in visual cognition is commenced. Following improvement in visual-spatial agnosia, verbalization training is implemented. This involves the therapist guiding the patient in explanation of dimensions of the cube construction task. The patient is required to describe specific features of the task-figure, and to then reconstruct it (without reference to the task-figure) describing each stage of the construction process. Findings based on two case studies of patients exhibiting right cerebral hemisphere deficits suggest that the application of this specific approach to verbalization training improves the speed and efficiency of the cube construction task.
  • 高原 朗子
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 3 号 p. 19-28
    発行日: 1991/12/27
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は自閉症児・者の認知の特性を「統合モデル」という概念により検討するものである。統合モデルは、「取り入れ」から「意味付け」、さらに「維持」という3つの段階から成っている。スクリーニングテストにより「取り入れの段階」をパスしたと判断された32人の自閉症児・者(6〜26歳)が第一・第二実験の被験者となった。第一実験では位置関係の理解課題を用いて16人の自閉症児・者を16人の健常児(4〜6歳)と比較することにより「意味付けの段階」を、さらに第二実験では、同様の手続きで「維持の段階」を検討した。その結果、自閉症児・者は取り入れられた情報を意味付けること及び、それらを維持することが困難であった。一方、健常児については第一・第二実験ともに言語理解能力の発達がパフォーマンスに影響を与えることが示された。本研究の結果より、統合モデルにおける意味付けと維持の段階の困難性が自閉症児・者における認知の特性の1つであることが推察された。
  • 太田 正己
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 3 号 p. 29-37
    発行日: 1991/12/27
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    教師の指導性を高めるために研究授業を参観する方法が、学校現場では一般的にしばしば行れている。しかし、参観の視点が明確にされていないと、教師みずからそこから学び指導性を高めることは難しい。そこで、認定講習「障害児の指導法」を受講した現職の教師60名への「授業参観の視点」の調査1および全国国立大学附属養護学校・特殊学級(57校)の教育実習の手引等における「授業参観の視点」(18校に掲載)の調査2を行い、その結果を分析、比較し、検討した。その結果、両調査とも上位3項目の視点は、教材・教具、子どもの活動、教育目標で共通していた。しかし、現職の教師全体では各視点(項目)間の関連性を意識した、授業のポイントを押えた見方が弱かった。特に、子どもの活動については授業の中で漠然と見ていることが明らかになった。しかし、障害児教育経験年数3年以上の教師ではこの傾向は少なくなっていた。
  • 谷 浩一
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 3 号 p. 39-45
    発行日: 1991/12/27
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本稿は、精神発達遅滞を伴う脳性まひ児(K.Y.児)に立位・歩行の獲得を目的とする訓練を実施した事例研究である。ここでは主として、膝立ちや立位の訓練において子どもに腰や下肢に力を入れさせる場合、床に対して平行な外力に対処するような入れ方がよいのか、それとも床に垂直な力を入れさせるのがよいのかについて検討された。そして、平行な外力に対処させるための訓練としてはバランス保持訓練が用いられ、垂直な力を入れさせる訓練として動作訓練(踏んばり、踏みしめ、踏みつけ訓練)が用いられた。今回の訓練結果をみる限り、床に対して垂直な力を入れる動作ができるようになることと立位・歩行動作の獲得との間に関連があることが示唆された。また、その子に適した範囲内であれば子どもは不安定な状態から安定状態へと向かって主体的な努力を開始し、その努力が立位や歩行の獲得へとつながることが確かめられた。
  • 遠藤 眞, 塚越 昌幸
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 3 号 p. 47-53
    発行日: 1991/12/27
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    動作対話法は、腕肩の動作を媒介にして治療者が子供との交流を図り、そのことで子供の発達を促進しようとする治療法である。本事例研究では、4歳の重度精神遅滞児に動作対話法を適用した事例を取り上げ、その治療経過についての分析を行った。動作対話の経過では、初め治療者とかかわることを回避していた本児であるが、治療が進むにつれ、動作を媒介として治療者と積極的にかかわるようになり、そのかかわり方の様式も向上していった。それに応じて日常生活でも、本児と外界との交流が活発となり、本児の行動様式も発達して、それが本児の家族や保母、子供達へのかかわり方、遊びの変容となって現れた。動作対話における治療者との交流の仕方の変化の特徴と、日常生活場面における人や事物との交流の仕方の変化の特徴には類似性が認められた。
  • 岡崎 裕子
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 3 号 p. 55-59
    発行日: 1991/12/27
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 広瀬 信雄
    原稿種別: 本文
    1991 年 29 巻 3 号 p. 61-66
    発行日: 1991/12/27
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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