特殊教育学研究
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41 巻, 1 号
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  • 松崎 保弘
    原稿種別: 本文
    2003 年 41 巻 1 号 p. 3-13
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    初任者研修は、大学等の養成教育を踏まえて実施される最初の現職教育であるが、特殊教育諸学校においては、新規採用教員の約半分が特殊教育を専攻していない。そこで、養成教育が初任者研修の効果に及ぼす影響を明らかにするため、特殊教育専攻の初任者74人(専攻群)と専攻しなかった初任者85人(非専攻群)を調査した。特殊教育諸学校の初任者は小・中学校の初任者より初任者研修を評価する傾向にあるが、専攻群と非専攻群では必要とする研修項目や有効とする研修方法等に違いがあった。また、初任者研修受講後に、非専攻群は専攻群より教師として高い自己評価を示す傾向があった。さらに、専攻群では教師になった満足感と研修への意欲等が相関したが、非専攻群では特にそのような傾向はみられなかった。これらの結果から、養成教育と初任者研修の関連、将来の力量形成について考察した。
  • 黒田 吉孝
    原稿種別: 本文
    2003 年 41 巻 1 号 p. 15-24
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は初期言語発達にある自閉症児の大小概念の獲得の特徴を検討した。本研究では具体的「対」概念と抽象的「対」概念という考えを導入してこの問題を検討した。前者では、「お父さんと赤ちゃん」の人形(実験3)と、「お父さんと赤ちゃん」の言葉(実験2)が呈示された。後者では、「大きいと小さい」の言葉(実験1)が呈示された。それぞれの実験で、子どもは大きい対象を選択する必要があった。自閉症児は幼児群(平均生活年齢4:5、平均発達年齢3:1、平均発達指数69)と学齢児群(平均生活年齢14:5、平均発達年齢3:9、平均発達指数27)からなっていた。対照群は、発達年齢が2歳代と3歳代の健常児と知的障害児であった。自閉症幼児群は健常幼児群よりも成績が劣っていたが、反応傾向は健常幼児群や知的障害児群と似ていた。一方、自閉症学齢児群は、3課題とも他の群よりも成績が悪かっただけでなく、特異的な傾向をしめした。また、各実験において、彼らの中に大きい対象を選択せずに対象の名前を言うケースが比較的多くみられた。自閉症学齢児群における大小概念獲得の困難さの原因にこのような反応が関係していることを指摘した。本研究ではさらに初期言語発達にある自閉症児の具体的な「対」概念と抽象的な「対」概念の関係についても考察を加えた。
  • 高良 秀昭, 今塩屋 隼男
    原稿種別: 本文
    2003 年 41 巻 1 号 p. 25-35
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    自己教示が知的障害者のメタ認知に対してどのように影響するかを検討する目的で、実験研究を行った。その結果、メタ認知の実行機能については、実験群(自己教示群)の実行機能が、統制群に比較して有意に高まった。さらに、実験群の実行機能の得点は、コバート・リハーサル段階で有意に高まった。この効果は、実行機能の得点が低いグループで、特に顕著にみられた。一方、メタ認知的知識に関しては、実験群のみに特有な変化は認められなかった。このような点から、自己教示は、知的障害者のメタ認知の実行機能を活性化するが、メタ認知的知識には大きな影響を及ぼさないことが示唆された。さらに、自己教示により活性化された知的障害者のメタ認知、特に実行機能は、1年後においても活性化が維持されることが明らかになった。
  • 平澤 紀子
    原稿種別: 本文
    2003 年 41 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 菅野 和恵, 山根 律子
    原稿種別: 本文
    2003 年 41 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 2003/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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