日本語の書字障害評価検査作成のための基礎データを求めるために、任意に抽出した小学校15校の1年生〜6年生までの通常学級在籍児童の視写書字速度を測定した。有意味文課題と無意味文課題をそれぞれ5分間書き写す手続きによって速度を測定した。有意味文課題5,481名(男子2,829名、女子2,652名)、無意味文課題5,478名(男子2,827名、女子2,651名)のデータを分析した結果、有意味文課題、無意味文課題とも学年が進むにつれて書字数が増加しており、1分間の書字数と学年との関係は回帰直線で示すことができた(有意味文課題y=3.9x+9.0;無意味文課題y=3.7x+6.6)。男女差があり、両課題の全学年で女子のほうが書字数は多く、統計的に有意差があったのは、有意味文課題では1年、3年、4年、5年、6年、無意味文課題では3年、4年、5年の学年であった。
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