徳島文理大学研究紀要
Online ISSN : 2432-4248
Print ISSN : 0286-9829
99 巻
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GAD 抗体とIA-2 抗体の2 種抗体同時検出法の開発
  • 河野 友晴, 沼田 聡, 黒田 暁生, 安田 哲行, 宮下 和幸, 坂本 扶美枝, 片上 直人, 松岡 孝昭, 松久 宗英, 橋田 誠一
    2020 年 99 巻 p. 1-8
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2021/07/16
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    【目的】1型糖尿病の診断や発症予知には,GAD抗体,IA-2抗体の測定が有用であるが,それぞれの抗体は,陽性率の高い時期が発症年齢や罹病期間により異なるため,1種類の抗体検出では陽性者を見落す可能性がある。そこで,GAD抗体と IA-2 抗体の同時検出法を開発したので報告する。【方法】陽性血清から調製したモデル血清(n=24)と糖尿病患者血清(n=28)を用い同時検出法の検証を行った。なお,GAD 抗体,IA-2 抗体検出には超高感度 ELISA(ICT-EIA)法を用いた。【結果・結論】モデル血清では,実測値/予想値比は71〜136%,的中率は24/24(100%)となった。また,1型糖尿病患者血清では,敏感度(57.1%)と特異度(100%)であり,個々の抗体の単独測定に比較し,良好な結果を示した。さらに,個々の抗体の測定により得られた陽性および陰性に対する的中率は28/28(100%)であった。全ての検体で,いずれかの検体が陽性または2種の抗体が陽性の検体は,1回の同時検出法により陽性と判定することができ,その有用性が示唆された。

  • 眞田 佳輝, 橋田 誠一, 犬伏 知子
    2020 年 99 巻 p. 9-18
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2021/07/16
    研究報告書・技術報告書 フリー

    女子大生の栄養状態と運動機能との関連など様々な視点からの生活活動指導により今後発症する可能性のある骨粗鬆症や転倒による骨折のリスクを低減させることを目的に足指筋力と栄養の関連について調べた。女子大生を対 象に食事調査体格足指筋力骨量の測定を行い足指筋力の第一四分位(A群)と第三四分位(B群)の体格お よび栄養素摂取状況を比較した。また調査期間(約3 カ月間)に学生同士で栄養・生活活動指導を行い足指筋力 上昇群と低下群に分け栄養素摂取量等の変化を調べた。B群はA群に比較してたんぱく質エネルギー比率が有意に高く豆類その他の野菜魚介類を多く摂取していた。足指筋力上昇群はCaビタミンB1 B2 レチノール当量ビタミンKB6 葉酸が有意に増加しショ糖は有意に減少していた。足指筋力は脚筋肉量を増やしショ糖 摂取を減らし乳類摂取を増やすことにより増加することが示唆された。

  • 生田 和重
    2020 年 99 巻 p. 19-25
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2021/07/16
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,これまでに蓄積した投稿文データを対象に,簡明度,印象度,語彙の多様性や共起ネットワークについて分析した。その結果,今後の学習で注意すべき点を明らかにすることができた。たとえば,文の簡明度は改善されているので,これまで通りの指導を継続する。文の印象度については,かな/漢字比やビッグワード発生率を適正値に近づけることの大切さを,学生たちに知ってもらう必要がある。そのために,ひらがな表記を推奨する語句やそれを含む文例を教材としてまとめていく。また,多様な語彙を駆使するためには,やみくもに投稿文を作成するだけでは不十分である。テーマに関連する情報を調べたり,その結果を分かりやすくまとめたりする方法を学習する必要がある。そのために,今後の学習では調査やまとめの時間を十分に設けていく。このような寄り道こそ大切であり,それによって学生たちは表現力や創造力を高めることができると考える。

  • 小畑 千晴, 中島 富美子, 青木 宏
    2020 年 99 巻 p. 27-34
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2021/07/16
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    本研究は,若者のストーカー被害の実態調査を行ったその報告である。警察庁によれば,ストーカー被害相談が増加している。特に被害者の4割が20代であるが,以前より暗数が多いことが指摘されていた。そこで,大学と警察が協力し,県内の大学生を対象にストーカー被害の実態調査を行った。その結果,7人に1人が被害にあっていることが判明した。

  • 植田 莉奈, 犬伏 知子, 松下 純子, 小川 直子, 橋田 誠一
    2020 年 99 巻 p. 35-42
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2021/07/16
    研究報告書・技術報告書 フリー

     徳島県の2017年の糖尿病死亡率は19.8人(10万人当たり)で全国1位である。その影響は子ども達にも影響しないかと,小学生の食事摂取状況を調べ,将来の生活習慣病の発症予防に繋げることを目的に調査を行った。対象は,徳島県の小学生595人(男:288人,女:307人)で,2012年12月,2013年6月と7月,2014年6月に行った。食事調査は,「簡易型自記式食事歴法質問票」を自宅に持ち帰り,保護者に最近1カ月間の食事内容を思い出して記入してもらった。 地域別では男子において,郡部児童が果実,穀物を多く摂取し,女子では,緑黄色野菜,嗜好飲料を市内児童が多く摂取していた。ローレル指数別では,女子において油脂類に有意差がみられ,太め群が有意に多く摂取していた。油脂類摂取は肥満と関連していることが示唆された。野菜の摂取量は,最も多く摂取している児童は,男子では痩せ群,女子では普通群であった。

  • 岸田 久美, 三島 瑞穂, 長弘 千惠, 喜多村 定子, 吉永 純子
    2020 年 99 巻 p. 43-49
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2021/07/16
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    看護職者の職務満足度が高ければ離職率が低いとされているが,勤務継続と職場環境に関する研究や職務満足度と職場環境との関連研究は少ない。そこで,勤務継続意志と職務満足度および職場環境の関連を明らかにすることを目的とした。調査協力の得られた89人に,無記名自記式質問紙を配布,80部回収した。分析は,基本統計,因子分析,職務満足度尺度の高低で分析を行った。 職務満足度尺度は,職場環境に対する満足度,看護職者の自律性,看護ケアにおける自信の3因子が認められ,職務満足度の高い群は,職場環境に対する満足度と職場の勤務継続意志との間に関連がみられた。職務満足度の低い群では,看護職者の自律性と職務継続意志との間に相関がみられた。自律性が高まれば離職を考えなくなる,看護職を継続するという結果であった。これらより,離職防止には看護職者として自律性を重視し,専門性を高め自己啓発できる職場環境が必要であることが示唆された。

  • 高松 むつ子, 長弘 千惠, 仲野 宏子, 津川 恵子, 森脇 智秋
    2020 年 99 巻 p. 51-57
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2021/07/16
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    子どもの遅寝や睡眠不足が問題とされているが,生活習慣と睡眠に対する意識・情報との関連に関する研究は少ない。そこで,3歳児の睡眠の実態を把握し,家族の生活習慣と睡眠の関連を明らかにすることとした。 3歳児健診を受診した343名に無記名調査用紙を配布し,246名が回収された。調査内容は,属性,生活習慣,睡眠状況,等であった。分析は,記述統計,早寝群(22時以前就寝)と遅寝群(22時以降就寝)で比較した。 結果,平均起床時刻は,7時30分,就寝時刻は21時47分,睡眠時間は9時間48分であった。18%に睡眠の困り事があり,「なかなか寝ない」,「夜泣き」であった。早寝群では7時前起床が多く,定時の朝食摂取,20時前までに夕食摂取,テレビ等の視聴は2時間以内で,遅寝群は保育園児に多く,母親が児を伴っての夜間外出が多かった。 今回の3歳児の平均睡眠時間は推奨時間より短く,遅寝は夕食・入浴時刻,テレビ等の視聴,夜間外出が関係し,これらの改善が早寝に繋がると示唆された。

  • 児嶋 輝美, 河内 奈穂, 古本 奈奈代
    2020 年 99 巻 p. 59-66
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2021/07/16
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    3歳未満児の保育において音楽表現は重要な保育内容の一つであり,実践には発達の理解が不可欠である。本研究では,保育書の音楽表現に関する記述を整理し,テキストマイニングによる分析を用いて3歳未満児の音楽表現の姿14項目を示した。さらに,その姿が実際の子どもにあてはまるか否かについて検証するために,徳島県A市の保育所と認定こども園においてアンケート調査を行った。その結果,半数程度の項目では保育書の記述にあてはまったが,あてはまらない項目もあった。今後,さらに対象を拡げて検証することが課題である。また,全般に男児より女児の方があてはまる割合が高く,特に「うた」に関して男女の違いが示唆される結果となった。

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