糖尿病
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17 巻, 5 号
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  • Harry Keen
    1974 年 17 巻 5 号 p. 397-400
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 第1報血管障害との関係について
    佐々木 陽, 堀内 成人, 北村 次男, 中川 史子, 乾 久朗
    1974 年 17 巻 5 号 p. 402-411
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病における脂質代謝異常ならびにその血管障害への影響について検討した. 対象は, 大阪成人病センターを受診した糖尿病例 (DM) 715名で, また対照として人間ドック受診者中の糖代謝正常例 (nORM) 573名, 境界例 (BDL) 1,095名を選んだ。
    DM群はBDL群, nORM群に比し, コレステロールの高値を示すものが多く, とくに女に多い. 一方, トリグリセライド値もDM群とくに男に高値を示すものが多くみられた.
    高コレステロール血症は男女とも肥満との関係が明らかであるが, 血管障害との関係は顕著ではなく, わずかに冠硬化群にコレステロール高値を示すものが多くみられたに過ぎない. また高トリグリセライド血症も肥満との関係がみられるのみで, 血管障害との関係は全くみられなかった.
    偏相関分析の結果, コレステロール値は性別と肥満, トリグリセライド値は肥満との間にそれぞれ有意の正の相関がみられたが, コレステロール値と心電図スコア (冠硬化) との関係は有意でなかった. また主成分分析の結果, 血管障害と高血圧との関係が著明であること, コレステロールとトリグセライドはともに肥満と関連するが, 両脂質はかなり離れて位置づけされることなどが見出された。
    以上の検討の結果から, わが国の糖尿病の血管障害は高血圧性変化が主流をなし, 脂質代謝異常の影響は少ないと考えられた.
  • 第2報都市と農村の住民の血清脂質の比較
    佐々木 陽, 堀内 成人, 鈴木 隆一郎, 乾 久朗
    1974 年 17 巻 5 号 p. 412-419
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    血清脂質レベルが地域的条件に大きく影響されることに着目し, 糖尿病における脂質代謝異常ならびに血管障害と地域差との関係について検討した. 対象は大阪府下の農山村の住民237名と大阪市および近郊の居住者2,383名である.
    血清コレステロール値は, 男女とも都市居住者に高値で, 都市, 農村とも女に高値を示すものが多い. しかし, 血清トリグリセライド値は, 男では都市の方が高値であるが, 女では逆に農村の方が高値であった.
    血管障害の頻度は, 高血圧は農村に高率であるが, 冠硬化は圧倒的に都市に高率である。この成績と前述の結果と照らし合わせると, 冠硬化とコレステロールとの関係は示唆されるが, トリグリセライドとの関係はむしろ否定的である。
    農村の対象について相関分析を行うと, 鷲レステロール値はGTT空腹時値, またトリグリセライド値は肥満とGTT空腹時値と相関するが, ともに心電図スコア (冠硬化) と関係は見られなかった.
    また主成分分析の結果によると, 心電図スコアは高血圧性変化との関係が密接で, 脂質代謝, とくにトリグリセライドとの関係はほとんどみられなかった.
    以上の結果から, 糖尿病の場合においても脂質代謝は地域的な条件に影響されることが極めて大きく, 糖代論異常は単にこれを修飾するにすぎないといえる. また脂質代謝異常の血管障害に対する影響も明らかでなかった。
  • 稲田 満夫, 風間 善雄, 蔵田 駿一郎, 笠木 寛治, 高山 英世
    1974 年 17 巻 5 号 p. 420-426
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    治療前より6ヵ月以上約4年間にわたり, 外来にて治療経過を観察し得た糖尿病患者129例の: コントロール状態をretrospectiveに検索し, 糖尿病治療法の選択基準を作成した.
    先ず, 糖尿病の3ントロール状態は, 体重, 空腹時血糖値および耐糖試験でのIRI反応の3因子と密接な関係にあると考えられた.
    そこで, 対象患者よりコントロール良と判定された80例について, それらの治療内容と上記の3因子との関係を検討した.かくして, 肥満糖尿病患者 (標準体重を10%以上超過するもの) で, 空腹時血糖値180mg/dl以下, IRI遅延反応 (ΣIRI>101) を示すものは, 食事療法単独でコントロール可能であった.空腹時血糖値180mg/dl以上, IRI遅延反応を示すものでは, 食事療法に経口糖尿病剤の併用された例が約半数にみられた.次に, 非肥満糖尿病で空腹時血糖値180mg/dl以下, IRI遅延反応を示すものは, 食事療法単独で, またIRI低反応 (ΣIRI<100) を示すものは, 経口剤の併用が必要であった, 非肥満糖尿病で空腹時血糖値180mg/dl以上の症例では, IRI反応の遅延反応および低反応を示すものいずれも, 食事療法に経口剤投与またはインスリン注射が必要であった.
    以上の成績に基づいて, 作成された糖尿病の治療法選択の基準は, 糖尿病の治療指針として, また治療効果の大体の予測を可能にする点, 日常臨床に利用するのに有用と考えられた.
  • 小林 孝好
    1974 年 17 巻 5 号 p. 427-432
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    KKマウスの腎糸球体変化は生直後より現われ, 生後3ヵ月を境に二相性の変化を現わすことはすでに報告した. 後期の変化は糖尿病性糸球体硬化症と類似の象を示すが, 生後3ヵ月までにみられる糸球体変化はメサンギウム基質への多量の沈着物を主体とした変化であり, 肝障害時の糸球体変化に類似していた. そこで, 今回の研究では生後1日より20ヵ月までのKKマウス肝について病理組織学的に検討した.
    その結果, KKマウス肝臓においては生後1ヵ月を境に二相性の脂肪化, および, 生後4ヵ月以降での腫瘍性変化とがみられる.
    二相性脂肪化の内, 初期の脂肪化は生後1日から3週までの短期間にみられる. 肝細胞は微細な脂肪顆粒でみたされ, 細胞質は泡沫状を示している. この変化は生後4週では正常肝細胞にまで回復している. 後期の脂肪化は血糖値の上昇に伴って現われ, 初期にみられた脂肪顆粒と異なり, 不規則な大きさの脂肪顆粒が小葉中心性にみられる.
    一方, 生後1-2ヵ月頃より肝細胞は著しく大きい細胞質・核を示し, しばしば核分裂像を示す。生後4ヵ月頃より結節性増殖を示し, 組織学的には肝腺腫の像を示している. この結節性変化は生後17ヵ月以後では100%の発生率を示している.
  • 鈴木 洋
    1974 年 17 巻 5 号 p. 433-441
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能尤進症, 甲状腺機能低下症患者および正常対照者に0.59/kgの塩酸アルギニンを30分間にて点滴静注し, 経時的に採血し, インスリンおよび血糖値を測定した. 正常対照者はインスリン, 血糖共に30分に頂値を有し, その時のインスリン増加分 (IRI) は32.5±3.0μU/ml, 血糖増加分 (BS) は16.6±3.7mg/dlであり, 甲状腺機能尤進症患者では, インスリン, 血糖共に低ないし無反応であり, 30分IRIは2.6±1.9μU/mlであり, 30分BSは29±3.1mg/dlであった. 一方, 甲状腺機能低下症患者では, インスリン, 血糖共に高反応を示し, 30分IRIは87.6±19.9μU/ml, 30分BSは42.0±12.9mg/dlの頂値を示した. 血清サイロキシン, T3レジンスポンジ摂取率, 基礎代謝率, 甲状腺1明摂取率の各種甲状腺機能検査所見と15, 30, 45, 60分1RIとの間には有意 (p<0.01) の逆相関々係を認め, 特に15分でその関係は著しく, 以後漸減した. 各種甲状腺機能と15, 30分4BSとの間にも逆相関々係を認めたが, IRIほど著明ではなかった. 以上の成績からアルギニンによるインスリン分泌は甲状腺機能を良く反映していると思われたが, その機序に関しては今後更に詳細な検討が必要と思われる.
  • 作田 学, 木全 心一, 三木 英司, 小坂 樹徳
    1974 年 17 巻 5 号 p. 442-449
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病合併症としての皮膚病変のうち, 血管病変に起因すると思われるものは, 動脈硬化性と考えられるものと糖尿病性細小血管症によると考えられるものとに大きく分けられるが, 我々は最近後者に属するとされるBullosis diabeticorumの1例を経験したので報告する.
    患者は45歳の男子で, 33歳に糖尿病を発症して後, 不十分な治療を続け, 頭部癖症の治療および糖尿病のコントロールを目的として入院した, 入院後, 右下肢および左下肢に1回ずつ特別な誘因なしに, 大水疱を発生した. 組織像は前者は表皮下水疱で, まもなく潰瘍化し2ヵ月後に瘢痕を残して治癒したが, 後者はおそらく表皮内水疱と思われ, 2週間後には特別な治療をせずに瘢痕を残さず治癒した. 光顕で真皮の小血管壁の肥厚が認められたが, 電顕では筋内毛細管壁の著明な肥厚が確かめられた. この病変に関する文献的考察を加えて報告する.
  • 岡田 奏二, 河西 浩一, 大藤 真
    1974 年 17 巻 5 号 p. 451-452
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Five male guinea pigs were immunized by subcutaneous injections of bovine crystalline insulin emulsified in Freund's complete adjuvant. The guinea pig anti-bovine insulin sera (GPABIS) were kept at-20°C until used.
    The experiment was carried out by using the multiple well double diffusion technique. Phosphate buffer saline (0.05M, pH 7.2) was used for the preparation of a 1.0% agar gel.
    GPABIS produced a precipitin line with porcine as well as with bovine insulin. Monocomponent pork insulin also produced a precipitin line. The bovine and porcines precipitin lines were fused completely with the monocomponent precipitin line.
    It was demonstrated that GPABIS contained precipitating insulin antibodies and produced precipitation with monocomponent insulin.
  • 加地 浩, 井出 肇, 相川 忠弘, 村尾 誠
    1974 年 17 巻 5 号 p. 453-456
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    In metabolic disorders, such as diabetic ketoacidosis, it is well known that a characteristic breath order is one of the distinct symptoms of patients. In view of this we have engaged in the quantitative analysis of acetone concentrations in the expired alveolar air (alv-Ac) using the gas chromatographic method. Venous blood β-hydroxybutyrate (B-βHB) was also determined using the enzymatic method. In the normal subjects, the fasting level of alv-Ac was 0.9+0.3, μg/L (n=39) and B-βHB was 0.06±0.07mM (n=33). In the diabetic patients, the levels of both alv-Ac (2.37±2.40, μg/L) and B-βHB (0.283±0.204mM) (n=9) were higher than in the normal subjects. Thus, a correlation was shown (r=0.9626). A subject with diabetes mellitus accompanied with hyperthyroidism has also been described in whose case an improvement of the fasting level of alv-Ac and B-βHB parallel with an improvement in the level of blood sugar was observed during his period under treatment with insulin and an antithyroid drug.
    In patients with hyperthyroidism, the level of alv-Ac was unexpectedly high (2.96±2.71μg/ L) (n=8), especially in two cases: 7.2 and 6.9, μg/L, respectively.
    Hereafter, changes in blood and urinary ketone bodies should be reevaluated in comparison with alv-Ac levels under various conditions.
  • 三村 悟郎
    1974 年 17 巻 5 号 p. 457-462
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 特にインスリン自己注射について
    吉沢 国雄
    1974 年 17 巻 5 号 p. 463-466
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 特に分泌との関連について
    仁木 厚
    1974 年 17 巻 5 号 p. 467-472
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 金沢 康徳
    1974 年 17 巻 5 号 p. 473-476
    発行日: 1974/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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