糖尿病
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20 巻 , 6 号
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  • 青地 脩, 吉田 俊秀, 吉田 秀雄
    1977 年 20 巻 6 号 p. 689-693
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    スルフォニール尿素剤 (SU剤) で長期治療を行う場合, 投薬量が増加して行く症例がみられ, その原因として食事療法の乱れが考えられる.食事療法の良否を知る1つの目安として体重の増減をしらべ, それと投薬量の増減, 血糖調節状態の推移を同一のSU剤により長期間 (5-7年) 治療を行っている糖尿病患者97例について検討を加えた.使用されたSU剤はGlycodiazine, Glyclopyramide, Glibenclamideの3種類である。SU剤の長期効果の判定は, 使用期間を前半と後半にわけ, 両期間の血糖値のcontrol状態, SU剤の使用量より, 後半効果のおちなかったものをI群, 効果が落ちたがなお有効であったものをII群, 無効となったものをIII群とし, 各群別に体重増加者, 減少者の数および各群別の前半, 後半の平均肥満度を求めて比較検討した.
    各群の症例数は各SU剤ともI群が最も多くIII群が最も少なく, 同一のSU剤で長期にわたり治療できることを示していた.また, 各SU剤ともI群で体重減少者の数が最も多く, 前後の平均肥満度の差を比較しても各SU剤ともI群では後半の肥満度は減少し, I群あるいはIII群と有意差を認めた.これらの成績は食事療法が正しく守られて, 体重が標準体重に向って減少していった症例ではSU剤の効果がおちないことを示すものであると考える.
  • 斎藤 玲子, 雨宮 禎子, 笠原 督, 平田 幸正
    1977 年 20 巻 6 号 p. 694-700
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    SU剤長期使用患者における血管合併症の発生および進展をretrosPectiveに検討した.未治療患者に同一治療を3年以上継続しえたSU群165例, インスリン (1群) 23例, 食事単独 (D群) 48例を対象とし3, 5, 10年の血管合併症の頻度を比較した.心電図の異常率はSU群の治療前後では大きな変動をみとめなかったが, I群では5年10年と順次増加した.しかし両群間に有意の差をみとめなかった.網膜症の頻度はI群の5年10年がSU群のそれに比し有意の増加を示した。蛋白尿の頻度は3群間に有意の差をみとめなかった.次に同一人に10年以上継続して同一治療法を続けえたSU群55例とI群11例について1年毎に10年間経年観察を行った.SU群の心電図異常出現率は除々に増加するのに対しI群のそれは4年以降急激に増加し7, 9, 10年でSU群との間に有意の差をみとめた.網膜症の発生, 進展率はSU群では5年で増加するがその後ほぼ一定した.一方1群は5年以降階段的に増加し9, 10年でSU群に比し有意に高率であった.蛋白尿は両群それぞれ8年以後増加するも推計学的に有意ではなかった.以上の成績よりSU剤を長期にわたり投与しえた症例でみるかぎり, 心電図, 網膜症, 蛋白尿の異常とその進展はインスリン治療のそれに較べいずれも低率であった.すなわち10年間SU剤の継続投与をうけても血管合併症の面からみてよくコントロールされた症例の決して少なくないことを示した.
  • 長井 新一郎
    1977 年 20 巻 6 号 p. 701-710
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/09/13
    ジャーナル フリー
    健常者21例, 肝疾患42例, 糖尿病47例につき4099alactose経P負荷試験を施行し, 林らの判定基準に従いGa1.TT 0-1度の正常群, 2-4度の異常群, 5-6度の高度異常群について血中lactate, Pyruvate, L/P比の動態を検索した.正常群 (0-1度) では, 健常者, 肝疾患, 糖尿病いずれも負荷後60分のlactateの上昇が著明で120分後前値に復する傾向をとった.pyruvateは, 肝疾患では有意の変動がみられなかったが健常者, 糖尿病でlactate同様一過性の上昇を示した.L/P比は, 健常者で90分後にPeakをもつ一過性の上昇を示したが肝疾患, 糖尿病で有意の変動はみられなかった.異常群 (2-4度) では, 肝疾患, 糖尿病ともにlactate, pyruvateの負荷後の上昇が軽度であった.その傾向は, 高度異常群 (5-6度) でさらに著明となった.galactose負荷後120分までのlactateとpyruvateの間に健常者, 糖尿病で著明な相関がみられ, 肝疾患では全くみられなかった.すなわちgalactose経口負荷試験は, lactate, Pymvateの変動と密接な関係をもち, 肝のcytoplasmaのredox potentialを知る指標として意義があり, 林らの判定基準は臨床的に応用し得た.また, galactoseはglucoseよりもredox sensitiveであることが観察された.Gal.TT異常の群において, lactateとNEFAの間に正常群ではみられなかった有意の負の相関関係が認められ, 肝のgalactose代謝障害に際し, 脂肪組織の代償的関与が推察された.
  • 中川 昌一, 中山 秀隆, 佐々木 嵩, 渡辺 卓二, 青木 伸, 工藤 守, 花井 尚志, 入山 緑朗
    1977 年 20 巻 6 号 p. 711-719
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Monocomponentinsulin (MCインスリン) の抗原性を臨床的に調べるため, インスリン未治療糖尿病7名, 従来のインスリン (Gインスリン) 既治療者11名 (従来のインスリン治療中アレルギー反応を呈した患者2名を含む) をMCインスリンで治療を行い, 血中結合抗体, 総インスリン量, アレルギー患者についてはIgE抗体の推移を調べた. なおその他にC-インスリン既治療者10名を選び, 従来通りのインスリンを続け対照とした.
    初回治療者7名中6名は抗体値および総インスリン量の上昇を全く起こさぬか軽度の上昇にとどまり, 1例は急速な上昇を起こし, 1年後に至るまで低下傾向を示さなかった.既治療者では, C-インスリンの使用継続の対照群が変動は著明ながら, やや上昇傾向を示したのに反し, MC-インスリン転換群では定期的に検査しえた10例中の抗体は1例を除いて下降し, 両群の間に統計的有意差を認めた.
    イソスリン・アレルギー患者では, MC-インスリン治療により, 1例は結合抗体, IgEインスリン抗体の低下を起こし, アレルギー現象も消失したが, 1例は抗体の低下を起こさずアレルギー現象も持続した.
    以上の結果より, MC-インスリンはC-インスリンに比し, 抗原性は低いが完全に無抗原性ではなく, 感受性の高い一部の患者では抗原性を示すことがあると結論した.
  • 川合 厚生, 葛谷 信貞
    1977 年 20 巻 6 号 p. 720-727
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    100gブドウ糖を経口摂取した際の血糖 (G) と血清インスリン (1) の変動から, インスリン分泌反応 (CIR) とインスリン末梢活性 (A) を同時に測定しようとするSluiterらの方法を検討した結果, 1) ブドウ糖負荷後早期のGとI/Gの間には正の直線関係が認められ, 非肥満健常人の平均直線式より, 彼らのいうCIR=100・I/G・(G-70) が妥当な式であることを確認した.2) CIRと30分インスリン産生指数との間には高い正の相関関係が認められた (r-0.94, P<0.001) 3) Aとインスリン感性指数との問には正の直線関係 (r=0.89, P<0.001) が存在した.4) 採血間隔を15分間とした時に比して, 30分間の時のA値は真値よりも平均+18.8%(-10.9%-+48.1%) 偏異した.
    この方法を応用して以下の知見を得た.1) ドック受診者244名についてしらべると肥満度が高くなる程CIRが増し逆にAが低下する傾向が認められた.2) CIRとAいずれにも年令, 性による差異は証明されなかった.3) 耐糖能低下と共にCIRとAは平行して減少した.4) 同程度の耐糖能低下を示す肝疾患患者では, 対照者に比しCIRが有意に高く, Aが有意に低かった.5) 健常者にデキサメサゾン2mgを投与後10時間目でAには有意の低下がみられた.また, CIRには有意差はみられなかったが, 10名中8名に増加がみられた.
    以上, 本法により, 2つの独立した指標-β 細胞分泌能と末梢インスリン活性-を同時にそしてかなり正確に推定できると結論された.
  • 星山 真理, 桜川 信男, 品田 章二, 金子 兼三, 林 睦子, 松岡 松三
    1977 年 20 巻 6 号 p. 728-735
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性血管病変の成因の1つとして凝固線溶系の関与が以前より想定されてきた. 著者らは45名の真性糖尿病患者の血液凝固線溶能一二血液凝固因子第II, V, VII, NIL X (F. II, V, VII, VIII, X) antithrombinIII (AT III), fibrinogen, antiplasmin (Apl), serial thrombin time (STT), 血清丘brin分解産物 (FDP), 血小板第4因子 (PF4) を検索した. 糖尿病患者の血液凝固線溶能はPF4高値, AT III減少傾向, fibrinogen増加, Apl減少を示し, 年令, 罹病期間, 血清脂質レベル, 重症度との間に関連は認められなかった. PF4, AT III, fibrinogen, APlの変動は糖尿病性細小血管症を有する群で最も強く認められたが, 網膜症の軽・重や神経症や腎症との間における差異は認められなかった. FBSとPF4の関連をみると, FBS140mg/dl以上でPF、高値のものが77.8%, AT IIIとPF4の関連をみるとAT III 72%以下でPF4高値のものが61.5%, AplとSTTの関連をみると, Apl 92%以下でSTTが24秒以内のものは65.9%に認められた. すなわち, PF4は増加し, そのheparin中和作用は増強することから, AT IIIのF. Xaに対するimmediateinhibitory actionlは相対的に減弱し, F. Xa優位をひき起こしてfibrinogenからfibrinへの転換をすすめる. したがって, PF4高値とAT III減少とfibrinogen増加から糖尿病患者では血栓形成傾向を有すると考えられ, 長期にわたることは糖尿病性血管病変-ことに細小血管症の成因に積極的に関与することが推察される.
  • 笠間 俊男, 内田 迪子, 田村 典子, 横井 喜代四, 島 健二
    1977 年 20 巻 6 号 p. 736-741
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    正常絶食犬に4用量 (0.5, 1.0, 5.0, および10.0μg/kg) のグルカゴン製剤を皮下投与し, 経時的に血中IRG, BS, およびIRIを測定してグルカゴンの吸収とその生物学的作用との関連について考察を加え, 若干の結論を得た.
    血中IRG濃度曲線から薬物の吸収速度論的な考察を行い, 次のパラメーター値を得た.
    この値よりグルカゴン製剤の吸収は非常に速かであることが判明した. 一方, 生物学的作用の1つである血糖上昇作用は薬剤の吸収が早いため作用の発現も速かであるが, 効果の強さは血中IRG濃度とは比例せず, maximal effectが存在した. なお, 血糖上昇作用を惹起するグルカゴンの最小投与量は0.5μg/kgであることが判明した.
    グルカゴンのもう1つの生物学的作用であるインスリン分泌刺激は, 血糖と同様に作用の発現が早く, 投与後15分が頂値となった. この反応には用量反応性が認められたが一過性で, 投与後45分には各用量ともに元値に復した. その時点においての血中IRG濃度は用量比例関係にあり, 反応ピーク時と矛盾した結果となったが, これにより, グルカゴンの膵ラ氏島直接刺激によってインスリンが一旦分泌されると, 何らかの内的防御機構が働いてインスリン分泌を抑えることが示唆された.
  • 佐々木 嵩, 中山 秀隆, 渡辺 卓二, 尾崎 士郎, 青木 伸, 織田 一昭, 栗原 義夫, 佐藤 光男, 中川 昌一, 牧田 章
    1977 年 20 巻 6 号 p. 742-747
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    腹水肝癌細胞AH-66のインスリンレセプターの性状を検討し, 癌細胞膜には親和定数が9.0×109M-1, 2.8×109M-1の2種類のレセプターの存在を確認した。これらの親和定数は正常ラット肝細胞膜における定数とほぼ等しいが, 高親和性レセプターの結合容量は正常肝の57%増加を示した. 癌細胞膜と1251-インスリンの結合におよぼすconcanavalinAの競合効果は正常肝とほぼ等しかった. 癌細胞膜と125I-インスリンの結合に対しグルカゴン, ACTH, HGH, TSHは競合せず, AH-66細胞のインスリンレセプターはインスリンに特異的であった. 測定系にN-ethylmaleimideの添加は, 対照に比べ親和定数, 結合容量特異的1251-インスリン結合のすべてを増加させた. AH-66癌細胞のインスリンレセプターは正常肝に比べ, 親和定数は等しく結合容量の増加もわずかにすぎなかったが, 癌細胞の異常な発育増殖を考えると, 癌細胞系, 腫瘍組織系の中には膜レセプターの変化を伴うものが存在する可能性が予測された.
  • 笠間 俊男, 内田 迪子, 田村 典子, 横井 喜代四
    1977 年 20 巻 6 号 p. 748-752
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    グルカゴンが血糖を上昇させることは良く知られた事実であるが, 低血糖に対する効果はあまり報告されていない.そこで, 臨床応用を考慮して, インスリン低血糖に対してのグルカゴンの効果を投与時間を種々変えて, 正常犬において検討した.
    実験は42時間絶食した正常犬にインスリンアクトラピット (0.4U/kg) を前投与し, 投与後15分, 30分および90分に各グルカゴン10μg/kgを皮下投与して血糖を経時的に測定して検討した.
    インスリン投与後15分および30分にグルカゴンを投与した場合は, いずれもグルカゴン投与後30分においてインスリンのみを投与した対照群に比して有意に高い血糖値を示したが, グルカゴン効果は一過性で, 以後血糖は下降し, インスリン投与後90分以降は対照群と同程度の血糖の推移を示した.
    一方, インスリン投与後90分にグルカゴンを投与した場合は, 投与後15分から60分にかけて対照群に比し有意に高い血糖値を示し, 特に, 頂値であるグルカゴン投与後30分および45分においては正常血糖値より10%も高い高血糖となった.このことは, 前投与したインスリンによってglycogen synthetaseがactivateされ, glycogen合成が促進されたためと思われる.
    以上のことから, 臨床上, インスリン低血糖に対してグルカゴンを投与する場合はその投与時期を考慮する必要があるものと思われる.
  • 石川 三衛, 葛谷 健, 松田 文子, 坂本 美一, 吉田 尚
    1977 年 20 巻 6 号 p. 753-760
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    びまん性間質性肺炎と肝硬変を合併し, 著しい高γ-グロブリン血症とマクロアミラセミアを呈したインスリン抵抗性糖尿病の1例を報告した.症例は45才男性, 飲酒家.3年前より糖尿病として経口糖尿剤で加療, 半年前より呼吸困難, 下肢痺痛出現し入院した.両下肺野にVelcro音を聴取, 脾腫, 太鼓ぽち指, 手掌紅斑, くも状血管腫を認めた.糖尿病はインスリン抵抗性を示し各種市販インスリン製剤を試み, 一日92単位でコントロール困難であったが, モノコンポーネント製剤の使用でインスリン需要量は著減した.血清総蛋白9.2g/dl, γ-globulin3.9g/dlと高値で電気泳動でpolyclonalgammopathyを呈し, 主にIgGの増加を認めた.高アミラーゼ血症を認めたのに対し尿アミラーゼは低く, Gelchromatographyおよび抗IgA抗体を用いたAfnnity chromatographyでその大部分がIgAに付着したマクロアミラーゼであった.また, インスリン抗体価はAcid ethano1抽出法で5.4mU/mlと高かったがモノコンポーネントインスリン使用により著減した.免疫沈澱法ではインスリン抗体はIgGであった。本症例ではびまん性問質性肺炎および肝硬変症がありこれにより高γ-ゲロブリン血症をきたし, それに伴ってインスリン抵抗性と同時にマクロアミラセミアをきたしたとも考えられ, おのおのの病態が複雑に関連し興味ある1例と思われる.
  • 竹内 章, 竹沢 久武, 小林 正己, 星野 林次郎, 安部 理, 長沢 亮, 小林 節雄
    1977 年 20 巻 6 号 p. 761-766
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    本例は本邦では稀とされる高カイロミクロン血症と急性膵炎がみられた妊婦糖尿病の1例であり報告する.28才の妊娠8ヵ月の女性である.家族に糖尿病や高脂血症を認めない.昭和50年10月8日乳靡血清に気づいたが全く自覚症状はなかった.4日後に熱発し激烈な心窩部痛, 頻回の嘔吐がみられ, 同14日死産した.各脂質は母体胎児でそれぞれTriglyceride 7592, 60mg/dl, T. Cholesterol 1506,108mg/dl, FFA5.58, 0.36mEq/lで母体の血中各脂質が異常高値なのに胎児のそれはほぼ正常であった.Chylomicroneの出現, pre-β-リボ蛋白の増加があるのでFredricksonのV型に相当する.右季肋部に膵偽嚢腫を触れ試験開腹した所, 膵周囲に多数の脂肪壊死性肉芽を認め, 消化器症状とあわせ急性膵炎と診断した.Insulin治療と分娩を懊機に乳魔血清は消失し各脂質は漸次正常化したので, この高カイロミクロン血症は妊娠と糖尿病という2つのInsulin不足をきたす要因が相乗的に働いたために生じたものといえよう.一般にTriglycerideが1000mg/dlを越えると膵炎を起こすといわれる.高脂血症と膵炎の因果関係については明確な結論は得られてないが, 本例の場合, 高脂血症発見後4日間の無症状期の後に消化器症状が出現したことは, 膵炎が高脂血症の原因となったとは考えにくくむしろ高脂血症が膵炎をひきおこしたと考えた方が臨床的には矛盾が少ないものと思われた.
  • 臼倉 教臣, 楠 憲夫, 吉光 康平, 岸谷 正雄, 東福 要平, 馬渕 宏, 黒田 満彦, 竹田 亮祐, 井川 一正
    1977 年 20 巻 6 号 p. 767-773
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    本邦における腎乳頭壊死の報告は1976年栗林らの集計によると51例で, このうち糖尿病を合併した例は38例と高率である.尿中組織片排泄から本症の診断がなされた例は3例にすぎない.我々は糖尿病性家族歴を有し, 糖尿病性三徴を合併した症例で尿中組織片排出から腎乳頭壊死を疑い, 剖検でこれを確認したので報告する.
    症例: 男, 49才, 母親に糖尿病を認め糖尿症性腎症による尿毒症で死亡している.38才 (1965年) のときはじめて糖尿病と診断され一時的にインスリン治療をうけて以後放置.47才 (1974年) のとき, 口潟, 多飲を認め第1回入院, Diabetic triopathyの状態でインスリン治療をうけコントロール良好で退院.以後, 外来通院中 (1976年11月) 尿路感染をみとめ第2回入院.尿培養で緑膿菌 (4.3×104) をみとめ, 腎不全状態が悪化し血液透析を開始した.その経過中に尿中に8×5mmの組織片を排出し腎乳頭壊死の存在が疑われた.入院第49病日に腎不全で死亡.剖検所見では, 両側腎の髄質型乳頭壊死をみとめた.腎糸球体は典型的な結節性病変を呈し, 輸出入動脈の硝子化がみられた.膵ではラ氏島の減少, 部分的硝子化がみられた.
  • 宮下 孟士, 豊島 博行, 野中 共平, 垂井 清一郎, 島 健二
    1977 年 20 巻 6 号 p. 774-782
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン産生腫瘍のインスリン分泌被抑能を検索する目的で, インスリン低血糖時における内因性インスリン分泌動態を血中C-peptide immunoreactivity (CPR) 変動を指標に, 本症患者において検討した.
    症例は42才, 男子.10年来低血糖様症状を訴える.術前空腹時血糖値は34~86mg/dl, 血中IRI値は17~37μU/mlであった.絶食試験開始20時間後に血糖値は12mg/dlと低下, その際の血中IRI, CPRはそれぞれ23μU/ml, 4.45ng/mlであった.手術により重量2.0gのラ氏島腫瘍を摘除した.本症例にMC actrapid insulinを0.1U/kgの割でshotで静注するインスリン負荷試験 (ITT) を術前および術後29日目に行い, 血糖, 血中CPR変動を正常者のそれらと比較した.血糖値は術前では30分後, 術後では45分後にそれぞれ26, 50mg/dlと最低値に達し, ほぼ正常者に類似するパターンを示した.一方, 血中CPRの最低値は術前および術後でそれぞれ前値の71.9, 32.5%で, 前者は正常者の39.9%に比し明らかに高値であった.この事実は本症におけるインスリン分泌被抑制能が減弱していることを示すものであり, したがってこの現象を本症診断の一指標に用い得る可能性が考えられる.
  • 老籾 宗忠, 石原 一秀, 佐伯 進, 森田 聡一郎, 日下 孝明, 馬場 茂明
    1977 年 20 巻 6 号 p. 783-789
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    本邦におけるミオグロビン尿症の報告は少ないが, 最近低カリウム血症に由来すると考えられるミオグロビン尿症を経験した.症例は62才, 主婦, 3年前より糖尿病を発見され, glibenclamide 2.5mgでコントロールされていたが, 1976年6月末頃よりコントロール不良となり, 7月初旬急速に下肢脱力, 筋力低下が増強し, 入院した.体重は1ヵ月で10kg減少した.入院時意識清明であったが, 脱水所見が強く, 両下肢の自動運動は不可能であった.入院時血糖710mg/dlで, 尿中ケトン体は陰性であり, 血中滲透圧375mOs/mlと脱水に加えて電解質異常.即ち血清ナトリウム174mEq/l, カリウム1.9mEq/l, および心電図上では低カリウムの所見を呈した.さらに血清CPK3260wu/mlで, 尿は茶褐色で, ミオグロビン尿であった.入院後脱水, 電解質補正に努めたところ, 電解質の正常化につれて筋脱力は改善し, 入院第8病日には歩行可能となった.精査の結果原発性アルドステロン症は否定された.本症は梅雨明け頃の急激な気候の変化に対する気候馴化不良が糖尿病のコントロール悪化に重なり, 脱水および低リウム血症を生じ, それによるミオグロビン尿症が発生したと考えられ, これらについて考察した.糖尿病の経過中に脱水, および電解質異常を介したこのようなミオグ寮ビン尿症の発生する可能性があり, 今後注意されるべき病態と思われる.
  • 進藤 俊彦, 小熊 茂, 横山 正一, 鏑木 恒男
    1977 年 20 巻 6 号 p. 790-792
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Verapamil, a calcium antagonist, is known to inhibit glucose-induced and sulfonylurea-induced insulin release in vitro. However, there have been no reports on in vivo effects. The effect of verapamil on the peripheral IRI, blood sugar (BS) and calcium levels was investigated in thirteen normal subjects.
    Verapamil, 5 mg, given to four subjects intravenously, caused a slight, but not significant, decrease in IRI, IRI/BS at thirty minutes. A fifty grams oral GTT was performed on nine subjects. Two days later, fifty grams of glucose was administered orally with verapamil 40 mg P. O. and 5 mg I. V. to the same subjects, who had been orally pretreated with 200 mg verapamil in the previous two days. Verapamil inhibited the IRI rise significantly at thirty minutes, but had no effect on BS and calcium levels at any time. The BS and IRI peaks were found at sixty minutes with the verapamil load while both peaks were found at thirty minutes during usual GTT.
    These findings were consistent with in vitro studies even with the possible lower concentration of verapamil in vivo.
  • 土井 邦紘, 馬場 茂明, Mladen Vranic, Cecil C. Yip
    1977 年 20 巻 6 号 p. 793-796
    発行日: 1977/12/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Recently, immunoreactive glucagon, gastrin, somatostatin and VIP have been found both in pancreatic and in gastrointestinal tissues. The pancreas develops from entodermal cells that arise from the foregut. This suggests that insulin might also be found in gastrointestinal tissues.
    Normal dogs were caused to fast overnight and were subjected to laparotomy under nembutal anesthesia, and the stomachs were removed. Mucosal scrapes were obtained from upper part of the stomachs. The extraction procedure was essentially that described by Kenny. Bio-gel P-30 columns, equilibrated with 3 M acetic acid were used to separate the mucosal extract. Chromatography showed two major peaks of immunoreactive materials. One of those eluted corresponded to 125I-insulin. The amounts of immunoreactive insulin (2.7-9.1 ng/g wet tissue) were quite high. The other appeared in the void volume. On using polyacrylamide disc gel electrophoresis, the pool containing the insulin fraction showed immunoreactivity with electrophoretic similar mobility to that of bovine insulin.
  • 1977 年 20 巻 6 号 p. 800a
    発行日: 1977年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 20 巻 6 号 p. 800b
    発行日: 1977年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 20 巻 6 号 p. 801
    発行日: 1977年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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