糖尿病
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20 巻 , 5 号
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  • 河西 浩一, 岡田 奏二, 石田 俊彦, 仁科 喜章, 柳生 史登, 町田 周治, 大藤 真, 姫井 孟
    1977 年 20 巻 5 号 p. 559-565
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者に手のこわばりを呈するものがいることに気づいたのでその臨床所見について報告する.患者は男子3名, 女子2名で, 年令は47~60歳, 罹病期間は7~22年で, 4名がインスリン1日28~40単位, 1名が経口血糖降下剤を投与されていたが, いずれも血糖のコントロールは不良であった.4名が指節関節痛を訴えており.疼痛, 腫脹, 運動障害は近位指節関節に著明であった.関節液貯留はみられなかった。手のこわばりは朝起床時にもっとも著しく, 時間とともに徐々に軽減していくが, こわばりの持続する時間は長かった.こわばりの程度が強いときには握力も低下していたが筋萎縮はなかった.5名の患者全員に正中神経の運動および知覚神経伝導速度の遅延を認め, また他にも何らかの糖尿病性神経障害がみられたが, 神経障害の程度とこわばりの程度とは必ずしも相関しなかった.血清学的にもRAテストやCRPは常に陰性であり, 免疫異常所見や, 高尿酸血症もみられなかった.指のX線所見では軽度の骨粗鬆症や骨皮質のエロジョンや小嚢胞状変化など骨関節炎の像がみられた.手のこわばりは血糖が低下し, 糖尿病状態が改善してくるとともに軽減した.この状態はdiabetic stiff handと呼称されるべきものと考えられるが, 糖尿病性神経障害に加えて, 軽度であれ, 骨関節炎やその他の上肢の病変によって起こってくるものと思われる.
  • 大森 安恵, 嶺井 里美, 佐中 真由美, 横須賀 智子, 佐久間 正志, 平田 幸正
    1977 年 20 巻 5 号 p. 566-573
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    わが国における糖尿病妊婦の実態を知る目的で, 全国200ベット以上の病院を対象に, アンケート調査によって昭和46年から50年末における糖尿病妊婦分娩例について調査した.
    昭和50年度における糖尿病妊婦分娩例は, 157例, 総分娩数100,431例で, その頻度は, 0.15%であった.調査した5年間の糖尿病妊婦分娩例は364症例, 377分娩, 378児であった.年々増加の傾向がみられた.糖尿病発症から分娩までの罹病期間は平均3.9年で, 5年間の調査では, 年々罹病期間の延長する傾向はみられなかった.妊娠中の糖尿病の治療法は, インスリンが最も多く32.4%, 経口剤治療5.6%, 食事療法25.2%放置3.7%, 妊娠中治療法の変わったもの31.8%, 不明1.3%であった.児の周産期死亡率は378児中41例10.8%で妊娠中糖尿病の治療を行わなかった放置群に最も多く35.7%, ついで経口剤18.8%, インスリン治療群13.9%, 食事療法群3.4%の順であった.胎児および新生児の奇型は21例にみられ (5.7%), 放置群で最も多く, 食事療法で最も低く, インスリン治療と経口剤治療群では, 奇形の頻度に有意差はなかった.奇形を除く新生児合併症は, 低血糖が最も多く13-6%, 呼吸窮迫症候群9.6%, 高ビリルビン血症2.5%, 低カルシウム血症1.1%であった.
    児の周産期死亡率と奇型の頻度が放置群に最も高率であったことは, 妊娠中の糖尿病の厳格な治療の必要性を改めて示唆するものであった.今回の調査からは経口剤が催奇性を促進するという有意な経果は得られなかった.
  • 奥野 魏一, 多胡 基, 福田 煕, 岡本 勝彦, 柏原 魁, 竹中 秀夫, 島 健二
    1977 年 20 巻 5 号 p. 574-579
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    グルカゴンを正常人に1.0, 0.1, 0.01 mgの3量を筋注時の血糖上昇およびインスリン分泌反応を検討し, すでに報告した静注時における結果と比較した.
    1.血糖上昇反応はこの3量で用量反応が認められ, 最大血糖上昇度は1mg, 48.7±3.3;0.1 mg, 22.5±3.9 mg/dlであるが, 0.01mgでは有意の血糖上昇はなかった.1 mg投与時の血糖頂値, 血糖面積はともに筋注が静注にまさり, 頂値へは30分以降に, 前値へは120分後に戻った.投与量減少とともに頂値に達する時間は早く, 高血糖持続時間は短かくなる.静注では以上の3量間には用量反応の成立しなかったことと明らかな対比を示した.
    2. インスリン分泌反応は静注法と同-じく用量反応があり, 最大分泌度は1mg, 44.9±6.9;0.1 mg, 15.7±2.2 μu/mlであるが, 0。01mgでは有意の追加分泌はなかった.1mg投与時, 頂値は30分で得られ, 分泌は120分持続した.投与量減少とともに頂値に達する時間は早く, 分泌持続時間は短かくなる.静注に比し分泌の頂値は筋注で劣る.
    3. 以上の成績よりグルカゴンを臨床的に使用する際目的が低血糖からの回復にある時は1 mgの筋注が最良の手段であり, また目的がインスリン分泌刺激の場合には1 mgの静注法が最適と考えられる.
  • 中川 昌一, 斉藤 昇, 中山 秀隆, 佐々木 嵩, 渡辺 卓二, 青木 伸
    1977 年 20 巻 5 号 p. 580-586
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    E型インスリン抗体は即時型インスリン・アレルギーの原因抗体として臨床上重要であるが, 従来使用されて来たPrausnitz-KUstner反応, Radioimmunodiffdsion, Polystylene tube immunoabsorbent assayは種々の難点があった.われわれは, Radioallergosorbenttestの原理を用い, 血清IgE型インスリ ン抗体の測定を試みた.確実なインスリン・アレルギー患者6例では, 健康者およびアレルギーを呈しない インスリン治療患者に比べ, 有意に高値を得, うち1例はMC-インスリンの使用により臨床症状の消失とともにRAST値は著明に低下した。本法は, 非IgEインスリン抗体により若干の阻害を受けるため完全に定量的ではなく, 種属特異性の検出には不十分であるが, 半定量的に血中IgE型インスリン測定を行い得る簡便な方法として臨床上価値あるものと考える.
  • 岩崎 良文, 向野 栄, 山本 俊夫
    1977 年 20 巻 5 号 p. 587-593
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    rat 肝の cho-esterogenesis 系の HMG-CoA reductase は飼料中の脂質によって誘導されることはすでに報告した.今回は飼料中の脂質量とHMG-CoA reductase 活性の関係.脂質と insulin投与, および脂質とcholesterol 投与の HMG-CoA reductase 活性と血中cho-esterol レベルにおよぼす影響について検討した。使用した飼料は, 0%脂質飼料, 5%脂質飼料, 10%指質飼料と20%脂質飼料および10%脂質飼料に1% cho-esterol を添加したもので, 朝8時より夕6時までの間, 定時に3回合計60カロリー量をtube-feeding で投与した.飼料中の脂質量と肝の HMG-CoA reductase 活性は, すでに5%脂質飼料群でも0%脂質飼料群に対して高活性を示すが10%脂質飼料投与群の方がより高活性を示した.10%6脂質群と20%脂質群では酵素活性に差を認めなかった.insulinは2u/1009体重を, 動物処理前2時間半に正常およびaUoxan 糖尿 rat に投与したが, 投与飼料中の脂質の有無にかかわらず著明な活性の上昇を示したが, 脂質による活性上昇と insulin による上昇とはなお相加的であった. 10%脂質飼料にcholesterol を添加した飼料を, 実験3日より投与した群ではHMG-CoA reductase 活性は著明に低下し, 脂質による効果はほぼ完全にblock された.
    血中cholestero1値は, cho-esterogenesisの大幅な変動にもかかわらず, 前報と同様に有意の差を示すものは少なかったが, 糖尿群に cholesterol添加飼料を投与したもののみ, 正午のch.lesterol値が上昇した.同群のHMG-CoA reductase 活性は低値を示しており, これは血中 cholesterol値の調節因子がcholester ogenesis 系以外に多岐にわたっていることを示している.
  • 高取 悦子, 高橋 千恵子, 林 正雄, 平田 幸正
    1977 年 20 巻 5 号 p. 594-601
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当科で糖尿病の治療開始後5年間にわたる糖尿病性網膜症の推移を検討した.5年間におけるScottIV以上の重症網膜症への進展は初回眼底所見Scott 0では0.4%, Scott Iaでは3.1%, Scott IIでは10.0%, Scott III aでは23.8%であった.糖尿病の治療開始後1年毎の5年間にわたる網膜症の発症率, 進展率は治療開始後1年間でもっとも高率であった.治療開始後1年間における網膜症の発症率, 進展率はその間のニントロール不良群で有意に高率であった.またコントロール良群でも, コントロール不良群でも初診時空腹時血糖値180mg/dl以上のもので, 初診時空腹時血糖値179mg/dl以下のものにくらべ, 有意に高率であった.観察期間の5年間に網膜症の著明な進展を示した22例における著明な進展を示した時期は22例中10例 (45.5%) が治療開始後1年以内であり, この10例中8例では初診時までの罹病期間が5年未満であった.
  • 河西 浩一, 岡田 奏二, 石田 俊彦, 仁科 喜章, 町田 周治, 柳生 史登, 後藤 彰夫, 川村 攻, 寺戸 国昭
    1977 年 20 巻 5 号 p. 602-609
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    腎合併症を有する高滲透圧性非ケトン性糖尿病昏睡では高ナトリウム (Naと略す) 血症群と低Na血症群に2大別することができ, かつ昏睡の予後は絶対的に不良であることを報告した.
    対象はわが国で報告されている高滲透圧性非ケトン性糖尿病・昏睡160症例中腎合併症を有する28例であった.この28例を血清Na濃度に従って分けると高Na血症10例, 低Na血症16例, 正常血清Na濃度2例であった.高Na血症群の血清Na濃度は平均165.1mEq/1であった.この群では10例中9例が死亡しており, 腎合併症としては糸球体硬化症が多かった.低Na血症群の平均血清Na濃度は123.1mEq/1であり, その他, 高カリウム血症や血漿CO2濃度や血液pHの低値を示した.この群では13例が死亡していた.腎合併症としては急性および慢性腎不全, 感染症, 糸球体硬化症その他種々の合併症が含まれており, 生前から重篤な腎合併症があったものと考えられた.前者は本症の本来の病態を示したのに対して, 後者では腎合併症による腎不全の所見も加わっているものと考えられる.16例中5例に腹膜灌流が, 1例に人工透析が行われており, うち3例が昏睡から回復していたことより, 本症経過中の急性腎不全状態に対してこれらの治療法も試みられるべきであると思われた.160例中腎合併症を有せず低Na血症を示したものが6例あったが, この群では血中尿素窒素は低く, 死亡症例もみられなかった.
  • 佐々木 陽, 鈴木 隆一郎, 堀内 成人, 松宮 和人, 荒尾 雅代
    1977 年 20 巻 5 号 p. 610-616
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Prediabetesへのアプローチの一方法として, 3歳3ヵ月で発病した小児糖尿病の血縁者で, 祖父母の同胞およびその子孫までに至る61名中55名の検査を行い, その糖代謝およびIRI反応について検討した.1) 糖代謝異常は55名中14名 (25.5%) にみられ著しく高率であった.これを患児の4親等以内の血縁者 (Group I) と5親等以上のもの (Group II) の別にみると, Group Iにやや頻度が高く, とくに0~19歳の若年層で7名中2名に糖代謝異常がみられた.平均血糖値は0~19歳の年齢層を除いて, 両Group間にとくに差はみられなかった.
    2) 糖代謝の正常な35名についてIRI反応を両Groupで比較すると, 患児と血縁関係の近いGroup Iでは血縁関係の遠いGroup IIに比しIRI反応が低く, またすでに報告したインスリン分泌の指標, IRI面積/血糖面積比も低下する傾向のあることが認められた.
    以上の結果, 糖尿病患児の糖代謝正常な近親者でもIRI反応が低下しており, prediabetesにおけるインスリン分泌の減退が示唆された.
  • 稲垣 勝則, 鈴木 邦男, 大西 晃生, 渡辺 斌, 光井 庄太郎
    1977 年 20 巻 5 号 p. 617-623
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Alloxan糖尿病ラットのneuropathyを定量的に解析するため, 経時的に腓腹神経を生検し, teased fiber studyを用いて, 神経線維直径と絞輪間距離を測定し, 健常群と比較検討した.神経線維直径と絞輪間距離は, 健常群, 糖尿病群とも, 直径が太くなるにつれて絞輪間距離は長くなる正の直線関係を示した.また, それらは健常群, alloxan投与後1週群は中枢, 遠位側とも1%, 2週群は5%, 3週群中枢側は5%の危険率で有意の相関を認めたが, 3週群遠位側および4週群では絞輪間距離のばらつきが大きく, 有意の相関は認められなかった.ついで各群において, 各直径に対する全髄節の絞輪間距離を測定した.健常群およびalloxan投与後1, 2週群は絞輪間距離の分布はほぼ一定であったが, 3, 4週群では, 漸次, 特に大径線維群に著明に, 各直径に対する絞輪間距離の分布は, ばらつきが増え, 1本の神経線維中に, 種々の長さの髄節を有する頻度が高くなる傾向を示した.以上の結果より, alloxan糖尿病ラットの腓腹神経の線維直径と絞輪間距離の変化は, alloxan投与後3週頃より, 遠位側に優位に認められはじめ, 糖尿病の経過とともに, 神経線維の各直径に対する絞輪間距離の分布は, ばらつきを増し, それは大径線維群に著明に認められた.
  • 酒井 英世
    1977 年 20 巻 5 号 p. 624-635
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ブタ骨格筋よりinsulin degrading enzyme (IDE) を精製し, その酵素学的な性質の検討を行うとともに, ラットを用いて血中insulinレベルと酵素活性との相関について検討し, IDEの生理的意義について考察した.
    IDEは.ブタ骨格筋より硫安沈澱法, Sephadex G-200 column chromatography, Ca3 (PO4) 2ゲル吸着法を骨子とする方法で, 100,000×g上清分画の352.1倍に精製された.本酵素は細胞内では大部分が上清分画に局在すると考えられ, その分子量は約140,000, 活性の至適pHは7.0附近、nsulin分解におけるKmは112nMであった.また, 本酵素はinsulinに対し高い基質特異性を示し, insulinをproteolyticに分解するものと考えられた.本酵素は91utathione-insulin transhydrog enase, insulin-specific protease, また, cathepsin群とは酵素学的に区別でき, 1つの独立したinsulin分解酵素であると考えられた.一方, 各種条件下のラットより個別にIDEを部分精製し, その活性をラットの体重, 血糖, IRIと比較した.その結果, 本酵素活性はIRIとのみ有意の正の相関 (r=0.631, P<0.01) を示し, また, 血中insulinレベルとよく対応して変動することが示され, IDEは血中insulinにより誘導されると考えられた.
    以上より, IDEは末梢において血中insulinレベルを調節するfeedback機構の1つとして機能している可能性が示唆され, 本酵素の生理的意義はこの点にあると考えられた.
  • 田坂 仁正, 竹居 真知子, 大井 一輝, 関根 万喜男, 雨宮 禎子, 小田桐 玲子, 平田 幸正
    1977 年 20 巻 5 号 p. 636-644
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性昏睡9例 (1例は糖尿病にhyperosmolar nonketotic comaを合併) にインスリン少量持続注入療法を行いその効果を検討すると共に従来の大量静注ならびに皮下注による昏睡の治療法と比較した.
    1. polyethylene syringeによるインスリンの吸着を検討した結果速効性インスリンを生理食塩水に稀釈して持続注入に用いる場合, 2-4U/mlの最終濃度であれば容器によるインスリンの吸着はみられなかった.
    2.来院時血糖値368mg/dlより1179mg/dlにわたる糖尿病性昏睡患者に5-10U/時間の速効性インスリンの持続注入を行い, 全例に良好な血糖値ならびに代謝の改善をみた.5Uと10U/時間で治療による差はみられなかった.
    3.血糖値が250mg/dlに低下するまでの使用インスリン量は平均36U, 血糖の平均下降速度は124mg/dl/時, 輸液量は平均2022mlであった.
    4.血中にインスリン抗体が存在しても血糖は良好に低下し, 125I-インスリン結合率は低値の症例は外因性インスリン注入により低下し, 高値の症例も持続注入の継続により低下した.
    5.従来のインスリン大量療法による, 血糖値250mg/dlまでの低下症例の平均インスリン使用量は460Uであった.同じく同血糖値レベルまでに要した時間は平均約9時間であった.
    以上の成績よりインスリン少量持続注入法は糖尿病性昏睡のすぐれた治療法であると考えられる.
  • 勝又 一夫
    1977 年 20 巻 5 号 p. 645-651
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    トルブタマイドは内服血糖降下剤として広く使用されているが, 膵外作用や長期連用時の副作用とくにそのメカニズムについてはなお不明の点が多い.これらの諸点を解明する手がかりとして, トルブタマイドの体内分布を体重100gのラットに10μciのトルブタマイド14Cを経口投与して, 経時的にマクロオートラジオグラフィーを作整して検討した.
    1. 経口投与されたトルブタマイド14Cは十二指腸, 小腸において3時間後には最大濃度に達し, それ以後, ゆるやかに減少した.盲腸における14C原子は5時間後から逆に増加し始め, 8時間後には最大に達した.直腸においても5時間後から増加したが, 盲腸よりも明白に低い濃度であった.比較的早い時期に胆汁中に14 C原子の急速な増加がみられることから, 吸収された14C原子の一部は胆汁から排泄されるが, 盲腸から直腸にいたる間に再吸収されたことが考えられる.しかし一部は糞便中にも排泄されるものと推定した.
    2. トルブタマイド14Cは, 肺, 肝, 腎, 甲状腺に高濃度に分布し, 次いで心, 膵, 副腎, 脾臓に多く, その他の臓器では濃度は少ない.なお膀胱中に早期から高濃度に14C原子の集積がみられた.
    3. 骨髄, リンパ管中にトルブタマイド14Cが最も多量に認められ, しかもその14C原子が8時間の観察期間中殆んど減少せず停滞する成績が得られた.
    14C原子が高濃度に集まる場所でトルブタマイドの作用が発現すると仮定すれば, 骨髄, リンパ管, 肺, 肝, 腎, 甲状腺, ついで心, 膵, 副腎, 脾臓が作用の場として重要であると思われる
  • 井出 肇, 相川 忠弘, 堺 紘, 近藤 宇史, 加地 浩, 村尾 誠
    1977 年 20 巻 5 号 p. 652-659
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    周期性四肢麻痺症患者の糖忍容力とインスリンの分泌反応を知る目的で, 甲状腺中毒性周期性四肢麻痺症患者12名と特発性周期性四肢麻痺症患者3名を対象として, 50%ブドウ糖500mlの静脈内負荷および経口的ブドウ糖負荷試験を行った.
    高張ブドウ糖液の静脈内負荷: 両疾患々者全員に麻痺が誘発された.両疾患群の血糖値は正常者 (4名) に比し著しい高値を示し, インスリンは逆に低値であった.血情Kは甲状腺中毒性周期性四肢麻痺症患者群で最も低下し, 特発性周期性四肢麻痺症患者群は軽度, 正常者群では変化がみられなかった.
    経口的ブドウ糖負荷試験: 正常者16名, 甲状腺機能充進症患者男性12名, 女性17名と対比した.血糖値は全疾患群とも高値を示した.インスリンは甲状腺機能充進症女性患者群で高値を示し, 甲状腺中毒性周期性四肢麻痺症患者群もほ黛類似した値をとり高値を示す傾向がみられた.特発性周期性四肢麻痺症患者群は低値であった.
    以上の成績は甲状腺中毒性および特発性周期性四肢麻痺症患者の糖忍容力が低下していることを示し, 特発性周期性四肢麻痺症患者のインスリン分泌能は低下しており, 甲状腺中毒性周期性四肢麻痺症患者のインスリン分泌反応は高張ブドウ糖液の経静脈的負荷に対しては不良であるが, ブドウ糖の経口的負荷に対しては逆に高反応を呈する可能性があることを示唆している.
  • 竹越 忠美, 井村 優, 竹内 伸夫, 井端 孝義, 西野 知一, 野々村 昭孝
    1977 年 20 巻 5 号 p. 660-666
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性三徴, 高血圧を有する糖尿病患者に排泄性腎孟撮影施行後急性腎不全となり剖検により典型的な腎乳頭壊死を合併した症例を経験したので報告した.症例は60才女子で15年前糖尿病を指摘されるもコントロール不良であった.昭和49年3月高血圧, 肺炎を併発し当科入院.糖尿病状態はセミレンテインスリン20単位でコントロール良好となる.昭和50年3月DIP施行し翌日より排尿困難をみとめ, 1週後より悪寒, 高熱, 肉眼的血尿, 乏尿, 白血球増多をみとめたため, 膀胱洗滌, 腹膜潅流を施行したが約5ヵ月後尿毒症により死亡した.剖検にて慢性腎孟腎炎と典型的な腎乳頭壊死をみとめた。輸出, 入動脈の動脈硬化性変化は高度であったが, 腎糸球体は皮質表層部では硝子化が強いが皮質深層部では殆ど硝子化はみとめられなかった.
    本症例では高度の動脈硬化性変化があり, それに高濃度造影剤注入による腎孟撮影が腎乳頭部の虚血ひいては壊死発現に促進的に作用したものと推定された.糖尿病を有する患者では排泄性腎孟撮影など高濃度造影剤注入に際しては特に慎重を要するものと思われる.
  • 中沢 道夫, 坂口 晋, 中村 周治, 河野 泰子, 川 明
    1977 年 20 巻 5 号 p. 667-670
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Twenty-nine unrelated Japanese patients with insulin dependent diabetes mellitus with juvenileonset (JOD) were HLA typed with special reference to family history.
    The following results were obtained.
    1) The frequency of BJW 22-2, a Japanese specific subclass of BW 22, was significantly (x2y= 20.7) increased in JOD, as a whole, compared with the control group.
    2) The frequency of B 5 was significantly (x2=16.4) decreased in JOD as a whole.
    3) Of twenty-nine JOD patients, twelve had a family history of maturity-onset diabetes (MOD), and seventeen had no apparent family history of diabetes mellitus. Among JOD patients with a positive family history of MOD, two with an insidious onset and one with a history of obesity before the onset were found. The incidence of ketonuria and emaciation was less frequent in this group than in the group without a positive family history of MOD.
    4) In the group with a positive family history no difference in phenotype frequencies of HLA was found when compared with a control.
    5) In the group without a family history, the frequency of BJW 22-2 was significantly (x2=19.7) increased and no patient had B 5. The frequency of a positive response in the leucocyte migration inhibition test, using mitochondrial fraction of islet cell as an antigen, was significantly higher in this group than in the group with a family history.
    These results suggest a genetical as well as clinical heterogeneity of so-called JOD.
  • 1977 年 20 巻 5 号 p. 671-679
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 20 巻 5 号 p. 680-687
    発行日: 1977/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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