糖尿病
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21 巻 , 3 号
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  • 竹居 真知子, 平田 幸正
    1978 年 21 巻 3 号 p. 185-190
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    9改正日本薬局方規格において, レンテインスリン製剤中の亜鉛量は, インスリン100単位当り0.20mgから0.30mgとされている.ところが米国では, 1977年, 第19改正合衆国薬局方追補3により, 亜鉛量の下限界が引き下げられ, インスリン100単位当り0.12mgとなった.このため, 米国製レンテインスリン製剤は, わが国の薬局方に合わないことになった.
    そこで, レントインスリン「リリー」の亜鉛量0.21mg/100単位 (A剤), および亜鉛量0.14mg/100単位 (B剤) の2製剤を用い, 当院入院中の6人の糖尿病患者で, crossover法により, 臨床上血糖上昇抑制作用および持続時間の差異の有無を検討し, 分散分析により次の結果を得た.
    1) 低亜鉛製剤においても, 現行製剤に比し同等の血糖上昇抑制作用を認めたが, より速やかに早朝空腹時血糖値に戻る傾向がみられた.
    2) 低亜鉛製剤においても, 注射後の血清IRIは現行製剤と同等の上昇およびその維持を示した.
  • 豊島 博行, 吉田 隆司, 野中 共平, 垂井 清一郎
    1978 年 21 巻 3 号 p. 191-202
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    正常者16例, 糖尿病者35例を対象とし, インスリン負荷試験 (ITT), アルギニン負荷試験 (ATT), 経ロブドウ糖負荷試験 (O-GTT) を施行し, 血漿免疫反応性グルカゴン (IRG), インスリン (IRI), 血糖の, 各種負荷試験における分泌反応を検討した.
    ITTにおいて, 正常者の血糖値は負荷前86±3mg/dlで負荷後20分に最低値33±2mg/dlにまで低下し, 糖尿病者では負荷前142±10mg/dlで負荷後45分に最低値42土5mg/dlにまで低下した.また全例に低血糖症状がみられた, その時のIRG値は, 正常者が負荷前64±11 pg/mlで負荷後30分に最高値262±45 pg/mlを示し, 糖尿病者では負荷前43±4 pg/mlで負荷後60分に最高値137±21pg/mlとなり, 糖尿病者のIRG反応は正常者に比し有意に低い (p<0.01) ことが認められた.またITTの際のIRG反応を糖尿病者間で比較検討すると, 空腹時血糖値とIRG分泌反応との間に有意な負の相関が得られた.
    糖尿病者24例において, O-GTTの際のIRI分泌反応と, ITTの際のIRG分泌反応との間に有意な正の相関が得られ, 膵A, B両細胞の障害の程度が平行する可能性が示唆された.
    正常者6例, 糖尿病者20例に行ったATTのIRG反応は, 従来の成績に一致して糖尿病者がわずかながら有意な高反応を示した.このように糖尿病者においては, ITTとATTの際のIRG分泌反応が正常者と比較して逆の結果を示したが, その理由として, アルギニン負荷時のIRG反応には膵外性グルカゴンの関与している可能性が示唆された.
  • 清野 裕, 池田 正毅, 倉八 博之, 桜井 英雄, 田港 朝彦, 後藤 康生, 井上 喜通, 門脇 誠三, 森 幸三郎, 千葉 勉, 吉見 ...
    1978 年 21 巻 3 号 p. 203-209
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病ではインスリンの分泌のみならず, グルカゴンの分泌にも異常が認められる.すでに糖尿病ではアルギニンに対するグルカゴン反応は過剰であり, このグルカゴン反応の異常は治療により是正されることが知られている.しかし糖尿病は膵A, B両細胞のブドウ糖に対する感受性の低下が特徴であるという見解もあり, 糖尿病の治療によってブドウ糖に対するグルカゴン反応がいかに推移するかは極めて興味深い.そこでこの点を明らかにする目的で未治療糖尿病者54例に対し, うち25例をインスリン, 29例をSU剤により治療し, 治療前後で509経ロブドウ糖負荷時のグルカゴン反応を比較した.治療前では両群共ブドウ糖に対するグルカゴン反応は空腹時より正常者に比し高値であり, 糖負荷後も正常者ではグルカゴンは前値に比し有意に低下するのに対し, 糖尿病では低下せずむしろ逆に上昇する例が多くみられた.一方糖尿病をインスリン, SU剤で治療すると両群とも空腹時グルカゴン値は低下したが, ブドウ糖によって抑制されないグルカゴン反応の異常は改善がみられず, アミノ酸の場合とは異なった成績が得られた.このことは糖尿病では恐らくB細胞のみならずA細胞にもブドウ糖認知機構に異常が存在し, 治療によっても是正されないことを示唆している.また, SU剤治療の場合のように治療によってブドウ糖に対するインスリン反応が必ずしも改善されない場合もあり, これらの事実はA細胞がブドウ糖を認識する際にインスリンが必要である可能性も考えられ, この点についてのより詳細な検討が必要である.
  • 伊藤 真一, 長岡 利子, 川口 尚志, 若林 孝雄, 桃井 宏直
    1978 年 21 巻 3 号 p. 211-218
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    即時型インスリンアレルギーの適確な診断を目的とし, RASTによりインスリンアレルギーにおける特異的IgE抗体の検出を試み, さらにインスリン各分画との関連性について検討を加えた.抗原として, 牛の粗インスリン結晶をSephadex G-50により分画した, a-, b-componentと, c-componentをさらにイオン交換クロメトグラフィーにより分離した精製インスリンの三者を使用し, 三者それぞれが結合したpaper discを作製し, 診断検査に用いた.正常対照群10名におけるRAST結合率は4.5±0.3%で, この値の2倍以上をRAST陽性と判定した.その結果インスリン使用糖尿病患者中, アレルギー症状のない症例は全例正常範囲であったが, 著明な臨床症状を認め, 皮内テストで確認しえた牛インスリンアレルギーの2症例は明らかに陽性を呈した.本法によりインスリン成分に対する特異的免疫反応を観察していることは, 3分画のdose response curveが片対数グラフ上, 直線関係を示したことと, 50% inhibition testの結果により証明した.RAST値が最高であった患者における50%inhibition testの結果, iahibitorとしてa-, b-componentは各々約2mgであるのに比し, 精製インスリンは50m9以上であった.以上よりRASTは, インスリンアレルギーの診断に有用であり, IgE抗体に対する関連性はインスリン各分画で差がみられ, 精製インスリンで弱いことが示唆された.
  • 星山 眞理
    1978 年 21 巻 3 号 p. 219-226
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリンと粥状硬化の関連は以前より注目されている.一方, インスリンの発見以後糖尿病の死因に心血管病変が増加傾向にあることから, インスリンの血管壁への代謝効果を検討することは臨床上重要である.著者は, 正常ラット (N群), アロキサン糖尿病ラット (A群), インスリン連続皮下投与したアロキサン糖尿病ラット (AI群), インスリン単独連続皮下投与ラット (1群) をそれぞれ20匹ずつ作製し, 3ヵ月飼育した後屠殺し, 各群の下行胸部大動脈を採取し, 凝血学的・形態学的検索と脂質分析を行った.凝血学的検索は大動脈抽出液中のCa再加時間とprOthrombin二段法によるthrombin産生能を測定した.脂質分析は, Folchの方法を用いて抽出した大動脈脂質をTLCにかけて, コレステロール・エステル (CE), 遊離脂肪酸 (FFA), 中性脂質 (TG), 遊離コレステロール (CH), リン脂質 (PL) を測定した.大動脈抽出液中の凝固促進作用はI>AI>A>N群の順に強く認められた.脂質分析では, N群と比してI, AI群ではCEの増加とFFAおよびPLの減少が認められた。形態学的には, N群と比してI群では内・中膜の増殖と脂肪沈着を認め, AI, A群では中膜の変性と1群よりは弱い脂肪沈着を認めた.
    以上の成績から, 過剰なインスリンは脂質代謝を介してかまたはその直接作用によって大動脈の粥状硬化発現に関与する可能性が推察された.
  • 笠原 督, 小田桐 玲子, 三原 俊彦, 大森 安恵, 水野 美淳, 平田 幸正
    1978 年 21 巻 3 号 p. 227-232
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    34歳の男性, 従来糖尿病を指摘されたことはなかった.炎天下にゴルフをした後より口渇, 多尿で発症, 翌日より嘔吐, 2日後コーヒー残渣様のものを嘔吐.無尿, 傾眠状態で救急外来を受診.消化性潰瘍による吐血, ならびに急性腎不全と診断され, 輸液を開始し, 利尿がついた時点で, 尿糖, 尿ケトン体が証明され, 糖尿病昏睡と診断された.血糖値968mg/dl, 血液pH7.23.直ちにケトアシドーシスとして治療が開始され, 血糖の降下, 尿のケトン体の減少をみたが, それにもかかわらず意識障害は十分に改善せず, 治療開始9時間半後より, 2回の下血とともに意識障害は増強し, 12時間後吐血1回, さらに14時問後激しい腹痛発作がおこり, 消化性潰瘍の穿孔が疑われた.しかし, 臭化ブチルスコポラミン20mgの皮下注射を契機に, 以上の消化器症状は消失, 意識も回復した.この吐血から7日目の胃透視では潰瘍を認めず, 胃内視鏡検査で幽門部から胃角上部にかけて, びらんと発赤を認め, 出血性胃炎と診断された.
    わが国では糖尿病昏睡に伴う消化管出血の記載は少ないが, 本例は吐血を伴ったケトアシドーシスとして入院, さらに回復期に一致して, 下血, 吐血とともに腹痛発作を起こし, 意識障害の一過性の増悪を示した1例である.
  • 廣瀬 賢次, 篠塚 正彦, 隆 元英
    1978 年 21 巻 3 号 p. 233-238
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ChlorpropamideによるADH分泌異常症候群 (SIADH) は, いまだ海外で少数の症例報告があるのみである.今回われわれが報告した症例は, 4年前よりchlorpropamide 500mgの内服を続けている49歳の男性糖尿病患者で, 併発したright pamsagittal meningiomaの術前および術後の時期に, hypomtremiaが偶然見出された.この低Na血症はchlorpropamideをacctohexamideに置換後消失したが, 7日間challengetestを行ったところ再現した (Na 136→114mEq/L).そしてこの際, 血清滲透圧の低下 (最低246mOsm/L) と尿滲透圧の上昇 (最高512mOsm/L), 尿中Naの排泄増加によるNaのnegativebalanceなどSIADHの主要所見が得られた.
    また血中ADHを測定した結果は, 前値4.3μU/ml, 6日後3.6μU/mlであって, chlorpropamide内服によるADHの持続的変動は認められなかった.一方本症例では, 著明な尿量減少, 体重増加といったADHの抗利尿効果と水中毒症状が出現せず, また中年患者である点が, 既報告例と異なっていたが, その理由として, 併用していたdiphenylhydantionのADH抑制作用, 血中ADHの軽度上昇による前準備状態の関与がそれぞれ推測された.さらに本例では, その尿中Na排泄増加, 低Na血症の発生機序に関して, 従来いわれているADHの抗利尿効果 (細胞外液増加) による以外に, natriuretic effectも考慮する必要があることも述べた.
  • 橋詰 直孝, 渡辺 渓子, 仁科 進弘
    1978 年 21 巻 3 号 p. 239-244
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病の際, 排卵に異常をきたしたり, 妊娠に影響することはよく知られている.しかし, その発生機序や障害部位については今まだ明らかにされていない.そこで妊娠中に糖尿病性ケトアシドーシスで初めて糖尿病と診断され流産した2症例を経験したので流産後の排卵機構に関して検討を加えた.
    症例1は23歳初回妊娠で妊娠25週目に糖尿病昏睡に陥り流産した.その後無排卵周期症が305日続き, 血糖がコントロールされた後にご排卵を認めついに再度妊娠した.
    症例2は29歳.2回の流産既往があるが糖尿病を指摘されたことはない.今回は妊娠33週目で糖尿病昏睡に陥り死産した.その後第2度無月経が350日以上続き, 血糖がロントロールされたにこもかかわらず排卵を認めなかった.
    2例とも糖尿病の発症あるいは糖尿病昏睡によるストレスおよびそれに続発した全身の代謝の大きな乱れが排卵異常の引き金になったと考えられた.Luteinizing Hormone-Releasing Hormone (以下LH-RHと略す) テストで中間型を示し, 排卵障害の部位は間脳および上位中枢にあたると推定された。また, 症例2において, premarinテストによりLH放出にご対するestrogenのpositive feedbackの機構は正常であることが示唆された.
  • 長岡 研五, 鍋谷 登, 桜美 武彦, 井村 裕夫, 田坂 捷雄, 浜島 義博, 久野 昭太郎
    1978 年 21 巻 3 号 p. 245-248
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    There is increasing evidence to suggest that insulin-dependent diabetes mellitus is connected with autoimmunity. Antibodies to pancreatic islet cells were detected by indirect immunofluorescence in highest prevalence in insulin-dependent diabetics. That this antibody was complement fixing and of the IgG class has been reported by Bottazzo and Lendrum. The 125I-C1q binding test for detecting soluble immune complexes in native unheated human serum has been modified by Zubler. This radiolabeled C1q binding test has high sensitivity and reproducibility among the various methods proposed for detecting immune complexes.
    The method was applied to the study of sera from 52 child patients (3-15 yr old) with insulin-dependent diabetes mellitus.
    The 125I-C1q binding activity (C1q BA) for the 52 sera, 9.47±2.58%, was significantly higher than the value of 6.94±2.57% for normal controls (p<0.005). Slightly higher values were seen in 3 patients with positive anti-DNA-antibodies.
    125I-C1q binding was not significantly increased in patients with positive antithyroid antibodies and insulin antibodies.
  • 山崎 義光, 七里 元亮, 河盛 隆造, 繁田 幸男, 阿部 裕
    1978 年 21 巻 3 号 p. 249-252
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    For the purpose of administrating insulin rectally, an insulin suppository was prepared by pestling porcine crystalline insulin with corn oil and surfactant (polyoxyethylene-9-laurylether). The final concentrations of insulin and surfactant were set at 10-50 U/kg and 2-4 w/w%, respectively.
    In normal dogs, a significant increase in mean plasma immunoreactive insulin concentration (IRI) (64, 88, 115μU/ml) was observed at 15 min after administration of the insulin suppository (2, 3 and 5 U/kg body weight, respectively), followed by a significant decrease in plasma glucose level (36, 38, 56%, respectively).
    Following suppository administration to depancreatized dogs at a dose of 5 U/kg, the mean peak IRI was 167μU/ml at 30 min, which was significantly higher than that in normal dogs (p<0.05, n=5).
    The main features of the insulin suppository so prepared were: 1) even at a dose of 2 U/kg by rectal administration, a marked increase in IRI was observed, and 2) insulin was absorbed more rapidly from the rectum than when injected intramuscularly.
    It was also shown that insulin is absorbed from the rectum to a greater extent in severe diabetic dogs than in normal dogs.
  • 1978 年 21 巻 3 号 p. 253-260
    発行日: 1978/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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