糖尿病
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21 巻 , 9 号
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  • 田坂 仁正, 関根 万喜男, 平田 幸正
    1978 年 21 巻 9 号 p. 805-812
    発行日: 1978/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン治療糖尿病患者において特にコントロール不安定型糖尿病の特徴を明らかにするために1-アルギニン309の30分間にわたる持続注入を行い, 末梢血中のC-peptide immunoreactivity (CPR), 膵グルカゴン, 成長ホルモンを測定し, その成績をインスリン治療安定型糖尿病の患者, 未治療糖尿病患者ならびに健常者の成績と比較検討した.対象はインスリン治療糖尿病患者でコントロール安定型の者11名, 不安定型11名, 未治療糖尿病患者10名, 健常者10名である.血中グルカゴンの最大反応は未治療糖尿病患者にみられ, ついで不安定型糖尿病にみられた.一方成長ホルモンでは健常者が最も高反応を示し, 糖尿病患者では未治療糖尿病, 不安定型糖尿病では有意に低値を示した。血漿CPRは不安定型糖尿病では特に低く, 反応も平低であり, 安定型糖尿病ではやや高値であり, 健常者が最も高反応でインスリンも高値であった.
    アルギニン負荷よりみた不安定型糖尿病の特徴はCPRを指標としたときインスリン分泌力の極度の低下と, 膵グルカゴンの高反応, 成長ホルモンの低反応であった.
  • 大森 安恵, 佐中 眞由美, 横須賀 智子, 佐久間 正志, 平田 幸正
    1978 年 21 巻 9 号 p. 813-822
    発行日: 1978/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    わが国にはまだ多数の糖尿病妊婦分娩例の報告がなされていない.私たちは昭和39年2月から52年2月まで, 13年間に糖尿病妊婦42例, 50分娩51児を経験したので, この臨床像を解析した.いわゆる妊娠性糖尿病は除外してある.
    13年間における非糖尿病婦人の総分娩例は6,506例で, 糖尿病妊婦分娩例の頻度は0.76%であった.妊婦の糖尿病の発症年令は, 12才から38才に分布し, 平均244才で, 分娩までの平均罹病期間は5.1年であった.50分娩例中妊娠中糖尿病の発症したものまたは, 妊娠時に糖尿病の発見されたものは5例 (10%), 10年以上の罹病期間をもつものは4例 (8%) であった.現時点では年々罹病期間の長い妊婦の増加する傾向はまだみられなかった.妊娠中の糖尿病の治療は, インスリン34例 (68%), 食事療法4例 (8%), 経口剤からインスリンに変わったもの, または食事療法に変わったものが, 各々5例ずつあった.
    妊娠中インスリン需要量の増加したものは18例 (52.9%), 減少11例 (32.3%), 不変2例 (5.8%) その他であった.
    妊娠中の糖尿病性合併症としては, 網膜症Scott IIからIIIに進行したものが4例 (8%) にみられ, Scott0またはIaのまま不変であったもの45例 (90%), Scott Ibで光凝固術を施行し, 悪化のみられなかったもの1例であった.妊娠を契機に腎症の悪化したものは3例にみられた.妊娠性合併症としては, 無症候性細菌尿が最も多く5例 (10%), ついで妊娠中毒症3例 (6%) であった.
    周産期死亡率は妊娠25週で早産となった1例を除く49分娩例中4例 (8.2%), 平均分娩時期は38.2週, 帝王切開27例 (54%), 経膣誘導分娩15例 (30%), 自然分娩8例 (16%) であった.平均生下時体重は3,549gで新生児合併症は, 低血糖が最も多くついで呼吸障害であった.
  • 小泉 順二
    1978 年 21 巻 9 号 p. 823-833
    発行日: 1978/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高糖質低脂質食 (以下, 高糖質食) と低糖質高脂質食 (以下, 高脂質食) による血中TGとIRI, IRGの変化を健康な非肥満者5名と肥満者8名で検討し, これらの相互関係を考察した.
    血中TG, 空腹時IRI, IRI/IRGは肥満群で有意に高値を示した (P<0.01), P<0.05).また, アルギニン負荷にて肥満群でインスリンおよびグルカゴンの分泌充進を認めた.
    高糖質食4日間, ついで高脂質食4日間の食事で, 血中TGは有意に低下し (P<0.01) 空腹時IRIは低下, 空腹時IRGは増加する傾向を示した (n.s.).肥満度と血中TG (高糖質食P<0.01, 高脂質食P<0.01), 肥満度と空腹時IRI (高糖質食P<0.05, 高脂質食P<0.05), 血中TGと空腹時IRI (高糖質食P<0.01.高脂質食P<0.01) を賄意の欄を示した.また滴糖質食より高脂質食の変化によるTGの低下は, 空腹時IRIの変化と有意の相関を示した (P<0.05).
    肥満の高TG血症はインスリンとの相関がグルカゴンとより強く, TG代謝にはインスリンがグルヵゴンより強く影響していると考えられた.さらに, 血中TGの変化にはインスリン以上に糖質摂取量が大きく影響していると思われた.
  • 日置 長夫, 細島 弘行, 能登 康夫
    1978 年 21 巻 9 号 p. 835-841
    発行日: 1978/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    [目的] 血糖降下剤の真の薬理と作用モードを解明する手段の1つとして, 今回はトルブタマイドとその代謝物の生体試料中の濃度の経時的profileを解析するため, GC-MS法による簡易同時分析法の確立が意図された.
    [方法] 島津LKB 9000 GC-MS (MID-PM), カラムOV-1, 1m×3mm, 200~250℃, 10℃/分の昇温, tolbutamide (T) とその代謝物 (OHT),(COOHT) に関し, m/e185,172,200が捕獲できるように加速電圧を設定, 標品および酸性血漿のエーテル抽出物をCH2Naでメチル化して検定した.
    [結果] 最少検出限界値は50pg, 検体量は血漿0.4mlで十分であった.本法は特異性, 迅速性に優れ, 上記を目的とする諸種実験の遂行により有力な情報をもたらすことが期待される.
  • 赤井 俊洋, 魚井 孝悦, 藤井 暁, 関 淳一, 和田 正久, 奥田 清
    1978 年 21 巻 9 号 p. 843-853
    発行日: 1978/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新しい血小板機能検査法として血小板アルドラーゼ放出率を開発し, これによって糖尿病患者における血小板機能を評価する試みを行った.これは血小板に含まれるアルドラーゼの多血小板血漿 (PRP) 中, および低滲透圧血小板人工浮遊液中に放出される割合をみるものであるが.糖尿病患者群ではPRP中で26.19土12.75%(健常対照群9.27土5.93%), 低滲透圧液中では55.94±20.04%(健常対照群31.98±7.96%) と健常対照群に比し有意に高値を示した.また, 健常群, 糖尿病患者群いずれにおいても, このアルドラーゼ放出率は血小板凝集能, 粘着能と正の相関を示し, このような一連の血小板機能検査法と何らかのかかわりあいをもつものであることが示唆された.一方, 合併症, コントロール状態と血小板凝集能, 粘着能, アルドラーゼ放出率との関係をみるとコントロール状態が良好でいまだ合併症のないものでも凝集能, 粘着能, アルドラーゼ放出率の高値を示すものもあり, 合併症, コントロール状態と血小板機能との関連についてはアルドラーゼ放出率を含めて, 今後さらに検討してゆく必要があると考えられた.
  • 太田 正之, 喜多 徹, 金 敬洙, 上田 良成, 小泉 順二, 馬渕 宏, 竹田 亮祐, 水上 勇治
    1978 年 21 巻 9 号 p. 855-864
    発行日: 1978/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高滲透圧性非ケトン性糖尿病昏睡に代謝性アシドーシスを伴った1例を報告する.症例は28年におよぶ糖尿病歴をもつ62才男性で, 糖尿病性トリオパチーを有していた.昭和52年6月初老期痴呆の加療中, 尿路感染症に罹患し嘔気, 嘔吐を認め, さらにインスリン注射の中断も加わり高滲透圧性非ケトン性糖尿病昏睡に陥った.血圧下降 (68/40mmHg) とともに尿量の著明な減少があり, 血糖3,685mg/dl, 血漿滲透圧466mOsm/L, 血中および尿中ケトン体陰性, 血中尿素窒素130mg/dl, 血清Na131mEq/L, K4.71nEq/L, Cl92mEq/L, 総コレステロール220mg/dl, トリグリセリド720mg/dlを示し, Cペプチドは測定限界以下であった.動脈血pH7.12, pCO2 29.6mmHg, 重炭酸9.6mEq/Lでanion gap 34.1mEq/Lで著明な代謝性アシドーシスの所見があり, 血中乳酸値44.2mg/dlと高値であった.入院後レギュラーインスリン1,124単位, 補液14,500mlに加え腎不全に対し血液透析を施行したが効果なく3病日に循環不全にて死亡した。本例の代謝性アシドーシスの成因として, 高滲透圧, 腎不全, 乳酸アシドーシスなどの多因子の関与が考えられた.
    本邦における高滲透圧性非ケトン性糖尿病昏睡204例中29例 (14%) に代謝性アシドーシスがみられ, 高死亡率の一因と考えられた.また軽度ながらケトン体弱陽性を示す例もあり, かような症例はケトアシドーシス昏睡との鑑別上注意を要すると考えられる.
  • 田坂 仁正, 笠原 督, 平田 幸正
    1978 年 21 巻 9 号 p. 865-871
    発行日: 1978/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    フェンホルミン内服糖尿病患者にみられた典型的な乳酸アシドーシスの症例を報告する.
    症例は59才の主婦で主訴は意識障害である.昭和42年 (50才) 頃より食慾充進, 口渇, 体重減少等あって43年7月糖尿病を発見, 始めは食事療法と高血圧の治療をうけていたがその後HB419 10mgとフェンホルミン100mgの併用となった.肝腎に著変なく, 網膜症Scott 0~1°, 昭和51年7月下旬下痢, 8月7日排尿痛出現し膀胱炎の診断を受け抗生物質を服用, 8日昼頃より悪心が出現した.抗生物質の内服は中止したが血糖降下剤の内服は続け, 10日から摂食不能, 昼より意識障害が出現し, 午後2時には昏睡となり, 4時30分緊急入院となった.入院時昏睡状態で, 体温は35.7℃, 脈搏微弱, 血圧56mmHgのショック状態で, 呼吸数30/分, チアノーゼあり, 心音微弱で深部反射消失, 血糖値200mg/dl, ヶトン尿なく, 動脈血pH6.95, base excess-31mEq/Lの代謝性アシドーシスで血漿乳酸値27.8mM, anion gap 41 mEq/Lの典型的な乳酸アシドーシスであった.電解質ではKの増加, 尿素窒素105mg/dl, GOT88U, GPT38U, 血漿膵グルカゴン1,021pg/ml, 血漿アミノ酸分析でアラニンの著増を認めた.重曹水, グルコース, 微量インスリン注入とプレドニゾロン投与により血圧は回復し, 意識障害はその後も続いたが, 4ヵ月後に知能障害をのこして退院した.
  • 1978 年 21 巻 9 号 p. 873-879
    発行日: 1978/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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