糖尿病
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22 巻 , 3 号
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  • 天野 道麿
    1979 年 22 巻 3 号 p. 425-433
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ラット単離ラ氏島を用いL-Asparaginase (LASP) のインスリン放出に対する作用について, L-ASPをin vivoならびに1妨1掬で作用させた実験で検討した.
    動物はWistar系雄性ラット (25o-350g) を用い, L-ASP2ooou/kg投与後6, 24, 48時間群について単離ラ氏島よりのインスリン放出をみた. またin vivoでL-ASPを作用させた実験として, L-ASP25u/ml, 50u/m1をそれぞれmedium中に添加して正常単離ラ氏島からのインスリン放出を観察した.
    L-ASPを投与した各群単離ラ氏島よりのぶどう糖刺激下のインスリン放出は, incubation30分間では対照群と大差ないが, incubation120分間ではL-ASP6, 24時問群で対照群の1.4倍から1.7倍のインスリン放出がみられた.
    L-ASP投与各群のラ氏島内インスリン含有量は, 対照群と比べて増加していた. さらに各群のラ氏島内インスリン含有量に対する, インスリン放出量の比は, L-ASP6, 24時間群では対照群に比し, 低下しなかった. しかしL-ASP48時間群ではぶどう糖100,300mg/dl両濃度刺激下で有意に低下していた.
    In vitroでL-ASPを作用させた実験では, LASP25u/ml添加した時のインスリン放出の抑制は不完全であった. L-ASP50u/mlを添加するとインスリン放出の抑制は明らかで, incubation120分後には, ラ氏島内インスリン含有量は, 対照群と比較して有意に増加していた.
    以上の, L-ASPをin vivo, in vivoで作用させた実験からL-ASPはstreptozotocin, alloxanなどのβ細胞毒と異なり, インスリン放出機構の阻害を示唆する成績がえられた.
  • 中野 忠澄, 井藤 英喜, 折茂 肇, 野間 昭夫
    1979 年 22 巻 3 号 p. 435-443
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Streptozotocin (Stz 80mg/kg・体重, 静注) 糖尿病ラット (DM群) の血糖・血漿脂質およびpostheparin plasma triglyceride lipase activity (PHTGLA) につき, 後者はprotamine sulfatdこよる分別測定法を用いて, 検討し, 次の結果を得た.
    1) DM群の血糖, 血漿トリグリセライド (TG), 遊離脂肪酸および総コレステロール値は, 対照群のそれらに比し有意に高値を示した. インスリン投与によってDM群をコントロールすると, その血漿脂質高値は改善傾向を示した.
    2) DM群のtotal PHTGるAおよびprotamine-inhibited PHTGLAは, 対照群のそれらに比し有意に低値を示した. インスリン投与によってDM群をコントロールすると, 低下したtotal PHTGLA値およびprotamine-inhibited PHTGLA値は, 対照群のそれらと同一レベルまで回復した. 一方, protamine-rcsistant PHTGLAは, DM群と対照群との間に有意差を認めなかった.
    3) 血糖値とTG値との間に有意の正の相関関係, および, 血糖値とtotal PHTGLAおよびprotamine-iahibited PHTGLAとの間に有意な負の相関関係が認められた。以上の結果より, Stz糖尿病ラットに伴う高TG血症はTGの異化障害すなわちPHTG五Aとくに肝外組織由来のPHTGLAの低下に一部起因していること, および, 肝外組織由来のPHTGLAはインスリンによる調節を受けていること, が示唆された.
  • 土井 邦紘, 河原 啓, 松浦 省明, 藤井 繁樹, 吉田 泰昭, 馬場 茂明, 吉田 宗儀, 金子 滋夫
    1979 年 22 巻 3 号 p. 445-451
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    各種動物における唾液腺の酸アルコール抽出物にはかなりの量のインスリン様物質が存在し, また唾液中にも分泌されていることを確認した. 509ブドウ糖経口負荷試験時の唾液中のIRIは有意に上昇し, 正常者では糖負荷後60分から90分にかけて頂値 (28土5μU/ml平均値土SE) となる反応を示し, その頂値は血中IRIの頂値 (60土7μU/ml) より30分ないし60分遅延していた。また境界型糖尿病でも正常者と同様に唾液中のIRIは反応し, その頂値 (30±7μU/ml) は糖負荷後90分にあり, 血中IRIの頂値 (60土11μU/ml) より30分ないし60分遅延していた. 糖尿病で血中IRI反応の良好な症例では, 唾液中のIRI反応も良好であり, 一方血中IRI反応の不良な症例では唾液中のIRI反応も低反応であった. このように血中IRI反応に対し, 唾液中のIRI反応も一部の例外を除いて, 時間差, あるいはレベルの差はあるが平行した反応を示した。しかしアルギニン負荷試験では, 血中のIRI反応は上昇したのにもかかわらず, 唾液中のIRIは全例負荷中に反応が認められず, 負荷終了時より上昇する傾向が見られた. また同時に測定したCPRは唾液中では全例無反応で, 前値から非常に低値であり, 唾液腺あるいは唾液中での分解を思わせた. 唾液から抽出したインスリン様物質のimmunoassay dilution curveは標準ブタ・インスリンのdilution curveと一致していた. またイヌの耳下腺, あるいはヒトの唾液より抽出したインスリン様物質の分子量はブタ・インスリンのそれとほぼ等しかった. しかしプロインスリンに相当する分子量のものは今回の実験からは認められなかった.
  • 勝又 一夫, 勝又 義直
    1979 年 22 巻 3 号 p. 453-459
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Tolbutamideがin vitroで白鼠肝mitochondriaのoxidative phosphorylationを脱共役することはよく知られているが, 100-150mg%の大量を要するため, in vitroにおける意義は疑問視されている.私は, tolbutamideの脂溶性に注目し, mitochondriaの膜の機能に影響を与え得る脂溶性物質との共存によってtolbutamideの脱共役作用が増強される可能性を推定した.本実験ではtolbutamideの脱共役作用に及ぼすpalmitate及びアルコールの影響をin vitro 70で白鼠肝mitochondriaを使用し酸素電極を用いて検討した.tolbutamideはDMSO, 0.25NN我OHで溶解した場合に比し, アルコールに溶解するとより強力な脱共役作用を示した。また0.1mMpalmitate及び0.4%アルコールとの共存下では10mg%tolbutamideが肝mitochondriaのRCI, ADP/Oを著明に低下させ0.1mMpalmitateと0.8%アルコールとの共存下では30mg%tolbutmideがRCIを1とし, ADP/Oを0にして完全な脱共役作用を示した.アルコールは電子スピン共鳴法による成績でmitochondriaの膜の流動性を変えることが報告されており, palmitateは膜を障害して脱共役作用を示すといわれている.したがって, これら二者の存在により, mitochondriaの膜に何らかの変化が起き, tolbutamideの作用が増強されたものと推定した.10-30mg%という, 従来報告されている100-150mg%より明白に少ない量のtolbutamideが肝mitochondriaのoxidative phosphorylationを本実験で採用した条件下で脱共役することが示された.
  • 雨宮 禎子, 斉藤 玲子, 笠原 督, 平田 幸正
    1979 年 22 巻 3 号 p. 461-470
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者について飲酒と血清トリグリセリド (以下TGと略す) および空腹時血糖 (以下FBSと略す) との関係を治療法別, 肥満度別, コントロール別に分け検討した. その結果, 飲酒群のFTGは非飲酒群のそれより高値を示す傾向があり, その中でもスルホニール尿素剤 (以下SU剤と略す) によって治療を受けている飲酒者 (n=79) のTG228.7土32、6mg/dlは非飲酒者 (n=125) の131.7土7.7mg/dlよりも明らかに高値 (P<0.001) であった. とくにコントロール不十分のままSU剤の使用を続けている60歳未満の年齢層の飲酒者のTG値は著明に上昇を示した. しかしながら, FBSに関しては飲酒, 非飲酒群間に明らかな差を認めなかった. また総コレステロール (以下TCと略す) は各治療群間および飲酒有無によっても, ほとんど差異は認めなかった.
  • 日置 長夫, 細島 弘行
    1979 年 22 巻 3 号 p. 471-477
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    [目的] SU剤の真の薬理と作用モードの解析を目的として, GC-MS法によるSUとその代謝物の測定系を確立し, 前回報告した. 今回はトルブタマイド静注時の本剤の血中動態を検索し, 本テストによる糖代謝異常の診断と薬剤の適応性の判定に関する新たな情報を得ることを試みた.[方法] 正常者, 甲状腺機能充進症, 軽症および中等症糖尿病患者に対し, トルブタマイドテスト施行時の血中T (tolbutamide).
    OHT (hydroxytolbutamide). COOHT (carboxytolbutamide) 濃度を前報に準拠して経時的に測定した.[結果] 1. 肝での糖新生の抑制. 2. insulin-releasingとhypoglyccmic potencyの解離3. βcellreceptorとextra pancfeatic両si重es説などを示唆する成績を得たが, 上記の各項を明白にするには, カテコラミソのinsulin rclcasingの抑制14) その他に関する多面的解析が今後十分実施されなければならない.
  • 三原 俊彦, 平田 幸正
    1979 年 22 巻 3 号 p. 479-484
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の代表的な糖尿病性合併症とされている神経障害, 網膜症, 腎症 (蛋白尿) をどのような組み合わせで有しているかという点に関して, その実体を明らかにする目的で本調査を行った. 対象は, 1976年1月1日より1976年12月31月までの1年間に東京女子医科大学糖尿病センターを受診した1,191名の糖尿病患者である. 神経障害, 網膜症, 蛋白尿の有無による組み合わせよりI型-VIII型の合併症分類型を設定した. すなわち, I型はいずれの合併症も有しないもの, II型は神経障害のみを有するもの, III型は神経障害と網膜症を有するもの, IV型は神経障害, 網膜症, 蛋白尿のすべてを有するもの, V型は蛋白尿のみ有するもの, VI型は神経障害と蛋白尿を有するもの, 孤型は網膜症のみを有するもの, 粗型は網膜症と蛋白尿を有するものである。合併症分類型別頻度は, I型17.8%, II型16.4%, III型18.5%, Iv型15.7%, V型9.5%, VI型8.1%, 顎型10.0%, VIII型40%であり, I型, II型, III型, IV型の頻度が高かった.糖尿病罹病期間と合併症分類型との間には密切な関連がみられ, 罹病期間の短いものでは, I型, II型, V型が多く, 罹病期間の長いものではIII型, Iv型が増加した. しかし, VI型, VII型, VIII型においては, 糖尿病罹病期間の長短と頻度との間に密切な関係はみられなかった. 調査時年齢, 初診時朝食前血糖値と合併症分類型との間には著明な関連はなかったが, Iv型, VIII型において高血圧の頻度が高かった.
  • 小林 武嗣, 吉光 康平, 岸谷 正雄, 臼倉 教臣, 中井 継彦, 竹田 亮祐
    1979 年 22 巻 3 号 p. 485-493
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年, 糖尿病の成因のひとつとして, ウイルス感染が注目されてきた. しかし, 後天性風疹罹患により, 糖尿病を発症したという報告はない. 今回, 我々は風疹罹患後に若年型糖尿病を発症した症例を経験した. 症例は17歳の男性で父が成人型糖尿病であった. 患者は風疹罹患後1-2ヵ月で体重減少と口渇が出現し, 高血糖 (空腹時血糖値: 260mg/dl), および尿糖, 尿ケトン体が出現し, 若年型糖尿病の診断のもとに入院した. 入院後, 食事療法で尿ケトン体は陰性となり, 尿糖量の減少とともに, 1日血糖値, 50gブドウ糖負荷時の血糖値も改善傾向を示した. 風疹hemagglutination inhibition titer (以下HI titerと略す) ははじめ526倍であったが, 後262倍と低下し, それに伴い, 100g glucose-glucagon-tolbutamide負荷 (以下100g GGTTと略す) に対する血清C-peptide immunoreactivity (以下CPRと略す) の反応も出現し, 膵ラ氏島の機能回復を示唆する成績が得られた. なお本症例は糖尿病発症経過中に心電図上II, III, aVFでT波の逆転が認められ, 心筋炎の合併が推定された. 以上の所見より, 本症例における糖尿病発症の原因には, 風疹罹患による膵ラ氏島障害 (insulitis) が関与した可能性が強く示唆された.
  • 横山 淳一, 山田 治男, 田嶼 尚子, 阪本 要一, 池田 義雄, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1979 年 22 巻 3 号 p. 495-499
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Measurements of amylase activity and its isoenzyme pattern in the serum and urine were made in 53 cases of various diabetic type. The transition before and after treatment was investiga ted in some diabetics. The following results were obtained.
    1) The serum amylase activity and its isoenzyme pattern were very similar between juvenile onset diabetes (JOD) and secondary diabetes mellitus due to chronic pancreatitis.
    2) Pancreatic amylase in JOD was significantly lower than that in maturity onset diabetes (MOD)(p<0.O01).
    3) The serum amylase activity was significantly increased after treatment of diabetes mellitus (p<0.001), but amylase clearance remained unchanged. The study on serum amylase isoenzyme indicated that pancreas-originating amylase was not increased in JOD, although both salivary and pancreas-originating amylase were increased in parallel in MOD.
    4) In the case of diabetic ketoacidosis, the serum amylase activity was low before treatment. In some patients, the amylase activity was markedly raised during treatment with small intravenous insulin boluses. The increased amylase activity was due mainly to salivary type.
    These results suggest that the production of amylase may be strongly dependent on the control of the diabetic state.
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