糖尿病
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22 巻 , 6 号
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  • 老籾 宗忠, 窪田 伸三, 高木 潔, 丹家 元陽, 吉村 幸男, 馬場 茂明
    1979 年 22 巻 6 号 p. 677-682
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々はHemoglobin AI (HbAI) をカラムクロマトグラフィーの改良により比較的迅速に測定した.糖尿病患者におけるHbAIは健常人に比較して高値であり, この糖尿病患者のHbAIは3ないし4週間前の空腹時血糖値に相関を示した.一方in vitroで40mMの高glucosemedium下での長時間の赤血球incubationによってHbAIの生成が促進された.この事実よりHbAI生成には高血糖が直接影響しているようであったが, in vitroでは5.6mM glucose mediumにおいてもHbAIの増加がみられ, HbAI生成には赤血球の寿命も関与しているようであった.
    脂質, 特にトリグリセリドと, HbAI, 及び2, 3-DPGとの間には特に有意の関係はみられなかった.
    重症の合併症を有する糖尿病症例におけるHbAIは, 合併症のみられない症例に比較して高値を示した.一方2, 3-DPGが低値を示した症例ではHbAIはおよび2, 3-DPG両面からの組織アノキシアの存在が考えられた.このような事実よりHbAIは糖尿病コントロール, 特にその合併症の進展把握に有用な指標の1つになりうるものと考えられる.
  • 日高 秀樹, 大角 誠治, 高月 權一, 原納 優, 阿部 裕, 繁田 幸男
    1979 年 22 巻 6 号 p. 683-691
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生体におけるインスリン感受性を計量化する目的で, ブドウ糖・インスリン・ソマトスタチγ を正常人8名, 耐糖能境界型の者9名糖尿病患者27名に静脈内負荷を行い得られた恒常血糖値よりブドウ糖利用に対するインスリン感受性指数 (ISI) を算出した.
    CPR, GH, IRGは本試験中抑制され90分以後には血糖はほぼ一定の恒常血糖値をとり, この血糖に反比例するI.S.I.を求めた.正常者に比し, 糖尿病, 耐糖能境界型異常群では有意のISIの低下々見たが, 糖尿病・耐糖能境界型異常者中にそれぞれ5例 (18.5%) お零び2例 (22.2%) に正常の値を持つもの炉見出された.同時にTGおよびFFAの減少を指標として観察した蹟輩代謝に対するインスリン感受性は, 正常者に比し糖尿病食事治療群および経口剤治療群では低下が見られたのに反レ・イγスリγ治療群では年常渚のそれと変らず, 脂質代謝におけるインスリン作用は治療により変化することが示された.一方ヂブドウ糖利用に対するインスリン感受性はインスリン治療群およびコントロール改善後も低下を認醐糖尿病群特徴的と考えられた.
    本試験ではプロプラノロール, エピネフィリン法に見られる血圧上昇もなく, また止血, 循環系その他に対する副作用は認めなかった.
    本試験は過去報告されたインスリン感受性試験に比し, 安全かつ正確であるといえる.
  • 岡 眞佐子, 島 健二, 田中 亮一, 太田 妙子, 田中 彰, 下村 泰樹, 熊原 雄一
    1979 年 22 巻 6 号 p. 693-699
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    最近, 欧米において, 食物線維が糖尿病コントロールに有効であることが報告された.そこで今回, 食物線維の一種であるガーガムが, 欧米人とは食習慣の異なる本邦糖尿病患者においても有効であるか否かを検討した.外来通院中の肥満を伴う4人の糖尿病者と1人の不安定型糖尿病者を対象とした.これら対象者に1日189のガーガムを4週間内服させたところ, 前者において全例糖尿病状態の改善一尿糖減少, 体重減少1~3kg, 空腹時血糖低下, インスリン減量, 血糖降下剤不要化が, 認められた.一方, 不安定型の1例では, 顕著な変化は示さなかった.なお, この間, 全例に耐えがたい空腹感の緩和をみた.また, 特記すべき副作用は経験されなかった.一方, 健常人5人と肥満を伴う糖尿病者5人に, 509ブドウ糖負荷試験 (50gOGTT) 単独と, 5090GTTにガーガム159併用負荷試験を行って, 血糖, 血中インスリン (IRI), モチリソ, グルカゴン, セクレチン濃度変化について検討した.健常人では, OGTT単独で, 90分の血糖は前値以下に低下し, 以後反跳的上昇をみ二相性であった.一方, ガーガム併用により, 90分の血糖値は非併用時よりも高く (P<0.004), 一相性となった.IRIは, 30分でOGTT単独時が, また180分でガーガム併用時が, 高値をとる傾向にあったが有意でなかった.血申モチリソ, グルカゴソ, セクレチン動態は・両群間で差がなかった.一方, 糖尿病者では, ガーガム併用時と非併用時の間で, 血糖, 血中IRI, ΣΔBS, ΣΔIRIに差はみられなかった.また, ガーガム有効性の機序について若干の考察を加えた.
  • 佐藤 徳太郎, 井上 美智子, 伊藤 正秋, 国分 勝, 斎藤 毅, 吉永 馨
    1979 年 22 巻 6 号 p. 701-707
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    年齢と性をマッチさせた糖尿病と非糖尿病各19例の胸部大動脈内・中膜の脂質成分の分析を行った.動脈硬化の高度のものにおいて動脈壁単位面積当たりの乾燥重量は増加し, 総脂質, コレステロール, 中性脂肪・燐脂質, 糖脂質および遊離脂肪酸も増加した.総脂質に対する脂質成分の比では, コレステロール含量が増加し, 中性脂肪, 燐脂質, 糖脂質および遊離脂肪酸は減少した.
    各脂質成分含量は糖尿病群において非糖尿病群より多い傾向を示したが有意差はみられなかった.
    単位面積当たりの動脈壁重量を動脈硬化の指標として動脈壁脂質含量の変化を検討した結果, 糖尿病において動脈硬化の進展とともに総脂質および各脂質の含量は増加した.その増加率はとくに総脂質およびコレステロールで著明であり非糖尿病の2.6倍であった.総脂質に対する各脂質成分の比と単位面積当たりの動脈壁重量との相関係数はコレステロールにおいて正数, 他の成分では負であった.統計学的に有意の相関は糖尿病群において認められた.
    以上の結果より, 糖尿病における動脈硬化には脂質とくにコレステロールの関与が, 非糖尿病におけるよりも大であると推察される.
  • 姫井 孟, 上原 偉男, 大西 武生, 内田 寛, 渕本 武文
    1979 年 22 巻 6 号 p. 709-716
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性自律神経障害の検査は, いままで簡単な他覚的検査法が少なく, 主に自覚症状によっていたが, 他覚的に自律神経障害をみいだす方法として, 心電図上のR-R間隔の変化を, 50gブドー糖負荷試験正常型245例, 境界型176例, 糖尿病型163例について計測し, 同時に行った自覚症状についてのアンケート調査との関係も調ベた.全例とも昼食後2時間以上たってから, 安静を保ち, R-R間隔が安定した時点で, 三栄測器Signal Processor 7506でR-R間隔を記録し, 更に深呼吸負荷時の変動を記録して, 深呼吸負荷時のR-R間隔変動の標準偏差と変動幅, 及び安静時標準偏差に対する深呼吸負荷時標準偏差の比を求めた.また若干例でAvionics Dynamic Electrocardioscanner Model 660 により記録した動的心電図から, R-R間隔のヒストグラムを求め, 正常人と糖尿病患者とを比べた.糖尿病ではR-R間隔の変動は正常人に比べて少なくなっており, 深呼吸負荷時の標準偏差, 変動幅, 安静時R-R間隔変動の標準偏差に対する深呼吸負荷時標準偏差の比はともに低下していた (p<0.001).これらの値は, 自律神経障害と関係の深い症状を訴えるもの, 末梢神経障害を有するものは, 神経症状のないものに比べて低下しており (p<0.001), 糖尿病罹病期間との間にも, 10年以上罹病しているもので有意の低下が認められた.
  • 森田 聰一郎
    1979 年 22 巻 6 号 p. 717-725
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン使用歴の全くない66歳の糖尿病婦人の血中に発見されたグルカゴン自己抗体の特性に関する研究報告である.患者は増殖性網膜症が進行し硝子体出血を伴う視力障害を来すまで糖尿病とは気付かずにいた。8年間にわたるトルブタミド治療に対して次第に抵抗を示すようになってきていたが, グルカゴン測定時に患者血漿蛋白と125 I-グルカゴンとの異常に高い結合が見られたことから検査が進められ, グルカゴンに対して特異的に結合する自己抗体の存在が明らかとなった.この自己抗体はImmunoglobulin Classでは, IgAに属し, L鎖の型はKappa型であることが判明した.PEG法による抽出により, 遊離グルカゴンと総グルカゴン量を測定してみたところ, 前者190pg/mlに対して, 後者はその10倍の1,900pg/mlという高いグルカゴン値を得た.酸-アルコール抽出法による抽出物からも血漿1ml当たりに換算して1,300pgと高い値を得た.高グルカゴン血および, グルカゴン自己抗体の成因が, グルカゴン産生腫瘍時のように, heterogenousなグルカゴンが大量存在することによっておこるのではないかとの考えは, ほぼ否定的である.また, A細胞の過形成があるかどうかということも, 現段階では確認されていない.しかし, 本症例に特徴的な増殖性網膜症と, 本症例のグルカゴン自己抗体を有する高グルカゴン血症との因果関係は, 示唆に富んだ病態として考えられ, 今後グルカゴン自己免疫病という一疾患単位として確立されることもあろうかと考える.
  • 松浦 千文, 川越 和子, 重信 卓三, 三好 秋馬, 松下 弘
    1979 年 22 巻 6 号 p. 727-733
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    疾病状態における509ないし1009糖負荷後の血中IRIやCPRの動態に関する研究は多いが, いわゆる健康人に関して検討したものは極めて少ない.著者らはドック検診受診者のなかから, IRIやCPRの異常が指摘されている耐糖能異常, 肥満および高脂血症のあるものを除いた対象229名 (男184名, 女45名) を選び, 経口509糖負荷後のIRIやCPRの動態について平均値土標準偏差を算出して観察するとともに正常範囲の設定を試みた.IRIおよびCPRの測定にはradioimmunoassayを用いた.
    対象の年齢は35~69歳にわたるが肥満指数は2.3±1.2%であった.空腹時, 負荷後30分, 60分および120分における血糖はそれぞれ, 84.3±7.8mg/dl, 132.6±23.6mg/dl, 110.7±27.0mg/dl, および76.1±16.8mg/dl, IRIはそれぞれ, 8.3±7.0μU/ml, 41.7±22.4μU/ml, 40.9±24.2μU/ml, および16.2±12.3μU/ml, CPRはそれぞれ, 2.1±1.2ng/ml, 6.3±3.4ng/ml, 7.6±4.0ng/ml, および5.0±3.1ng/mlであった.
    血糖およびIRIの頂値は糖負荷後30分, CPRの頂値は糖負荷後60分にみられた.
    空腹時, 糖負荷後30分, 60分, および120分における確率紙上の土2σの範囲は血糖でそれぞれ, 70~100mg/dl, 96~180mg/dl, 65~175mg/dl, および45~120mg/dl, IRIでそれぞれ, 1.0~19.5μU/ml, 15.0~95.0μU/ml, 12.8~90.0μU/mlらおよび9.0~58.0μU/ml, CPRでそれぞれ, 0.7~5.2ng/ml, 2.4~14.0ng/ml, 2.1~20.0ng/ml, および1.5~12.5ng/mlであった.
  • 横山 淳一, 阪本 要一, 景山 茂, 山田 治男, 渡辺 嘉久, 池田 義雄, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1979 年 22 巻 6 号 p. 735-741
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    41歳, 男性.大酒家.体重減少と上腹部痛を主訴に某医を受診, 糖尿病と膵炎を指摘され, インスリン治療が開始された.初回投与時よりインスリン抵抗性とアレルギーがみられている.その後, 閉塞性黄疸出現, 当院へ転院.インスリン抵抗性とアレルギーの共存を考、え, Conventional insulinからMonocomponentinsulinに代えたが, 200単位以上使うも, 血糖のコントロールは得られ難く, インスリン抵抗性を示した.インスリンアレルギーは局所アレルギーであり, 抗ヒスタミン剤投与の下にインスリン注射を継続した.インスリン抵抗性は125I-insulin結合率76%, total IRI 800μU/ml以上と, インスリン結合抗体価の著しい高値のためであった.インスリンアレルギーはIgE 4084IU/ml (RIST) と著しい上昇, Prausnitz-Kustner反応陽性, Radioallergosorbent testによるIgE型インスリン抗体強陽性であり, IgE型インスリン抗体の存在のためと判明した.
    膵頭部腫瘍の疑いで開腹したが, 手術診断は慢性膵炎であった.総胆管十二指腸吻合術を施行し, 膵炎は軽快に向かうとともにインスリン抵抗性, アレルギーの軽減, ならびに消失をみた.インスリン抵抗性とアレルギーの同時共存は極めて稀であり, インスリン結合抗体とIgE型インスリン抗体の産生が同時に高まり, 臨床徴候が発現したと考えられ, 膵炎との関連で興味深いと思われた.
  • 1979 年 22 巻 6 号 p. 743-751
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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