糖尿病
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24 巻 , 12 号
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  • 大井 一輝, 水野 美淳
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1173-1180
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病者の尿路感染は従来非糖尿病者の治療に準じて行われ, 代謝異常との関連は十分に検討されていない. 我々はSulfamethoxazole-trimethoprim合剤 (以下ST合剤) を少量長期投与して尿路感染の再発と血糖コントロールの検討を行った. 対象とした糖尿病の尿路感染は症状を伴うもの38例, 無症候性細菌尿58例であり, 無作為に選択された例とは言い難いが高齢者が多く, 膀胱内残尿 (93例中36例, うち16例が前立腺肥大, 5例は神経因性膀胱, 2例は腎結石, 1例は水腎症など) を有する例が多く, 尿路感染悪化要因を明確にし得なかったものは57例であった. ST合剤投与前の尿路感染発症頻度は平均1.15回/年であったが, 6か月以上本剤を投与した例では平均0.28回/年に減少した. 空腹時血糖は62例中28例で下降し, そのうち22例はインスリン. 経口剤または食事量を変えることなく血糖コントロールが容易となった. ST合剤投与終了後の尿路感染再発は, 投与期間の長短との関連は明確にしえなかったが, ST合剤投与前に比べて減少していた. 糖尿病性腎症合併例においても非合併例と同様ST合剤により尿路感染頻度は減少した. 糖尿病者では抗歯剤の長期投与により尿路感染症を抑止し糖代謝のコントロールを容易にすることが必要と考えられた.
  • 大野 誠, 伊藤 景樹, 斎藤 茂, 景山 茂, 池田 義雄, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1181-1190
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    不安定型糖尿病者15例を対象として, 人工膵島 (Biostator ®) による24時間の血糖連続モニターを施行, 次いで24-32時間のfbedbackcontrol (f.c.) を行なった. このさい得られた1日のインスリン (「イ」) 総注入量の約6割にあたる「イ」を, 個々の症例における「イ」注入パターンにもとついて, 朝と夕の中間型「イ」および速効型「イ」の皮下注量とし, 食前45-60分に混注・分割投与した. さらに1か月後に, 修正と改良を加えた「イ」皮下注法下における血糖連続モニターを6例に実施した. また, HbAIの経時的測定を全例に施行した. 人工膵島によるf.c.施行前のmean amplitude of glycemic excursions (MAGE) と残存膵B細胞機能との間には有意な負の相関を認めた.M値, mean blood glucose level (MBG) およびMAGEは, f.c.前と比較し, f.c.中および1か月後では有意に低下した. 1か月後の時点でのそれらは, 23.1±5.5,122±27mg/dl, 105±21m9/dl, と良好なコントロールが得られたが, MAGEが完全に正常化した症例は少なかった.fc.1か月後, 2か月後, 4か月後のHbAI値は, f.c.前の値と比較し有意に漸減し, 10%以下に維持された.f.c.後の「イ」皮下注法では, f.c.前のそれと比較し, 1日の総「イ」投与量が有意に増加したが, 特に速効型「イ」の占める割合が26.4±12.1%より40.3±11.5%へと著しく増大した.
    以上より, 人工膵島 (Biostator ®) は不安定型糖尿病の治療方針決定にさいして, 極めて有用であることが明らかとなった.
  • 佐藤 徳太郎, 井上 美知子, 星 晴久, 斎藤 和子, 伊藤 正秋, 国分 勝, 斎藤 毅, 吉永 馨
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1191-1197
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ストレプトゾトシン糖尿ラットの胸部大動脈コレステロール含量とヒドロキシプロリン含量および腎糸球体ヒドロキシプロリン含量を測定し, インスリン治療群および対照群と比較した. ストレプトゾトシン注射56日後の大動脈コレステロール含量は1糖尿病群において1.28%と対照群の0。85%に比し明らかに高く, インスリン治療糖尿病群では0.83%とその増加は抑えられた. また, 対照群における大動脈ヒドロキシプロリン含量 (μmoles/mg乾燥重量) は, 13日, 27日, 56日では各々0.249, 0.272, 0.322と日齢の増加とともに有意の増加を示した. 糖尿病群およびインスリン治療糖尿病群では対照群に比し増加は少なく13日では対照群に比し高値を示すものの56日では低値を示した. 対照群における腎糸球体の総アミノ酸に対するヒドロキシプロリン含量の比 (%。) も日齢の増加とともに増加し, 13日, 27日, 57日では各々70.8, 87.5, 96.6であった. それに対して, 27日と56日の糖尿病群では各々71.3%。および90.3%。であり基底膜成分の腎糸球体に占める比率の低下が推定された. インスリン治療糖尿病群においては対照群のレベルに回復していた. 以上の結果より, 糖尿ラットにおいて大動脈コレステロール含量および腎糸球体ヒドロキシプロリソ含量の変化は, 糖尿病発症後4-8週の比転的早期にみられインスリン治療によって正常化することが推定された.
  • 田坂 仁正, 井上 幸子, 岩谷 征子, 平田 幸正, 渡辺 純江, 内田 清二郎
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1199-1204
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1976年にUchidaらはBK virus (ヒトpapopa virus) を新生児syrian golden hamsterの脳に注射して悪性インスリノーマを発症させたが, 本研究ではこのようにして作られた悪性インスリノーマ, 悪性インスリノーマを皮下に継代移植しその後も依然として低血糖発症の機能性を保っている機能性腫瘍, 移植継続中に非機能性となった非機能性腫瘍について腫瘍を抽出し, Sephadex G50 supe面neにてゲル濾過し, proinsulin-like components (KC分画) 並びにインスリン分画を分けて各IRIを測定し正常膵と比較検討した.以下はその成績である.
    1) 悪性インスリノーマ, 機能性移植腫瘍並びに正常膵をゲル濾過したパターンは検討した限りでは三者間で差がなく, 特に前二者にPLC分画の増加を示す所見は得られなかった.
    2) 機能性移植腫瘍は移植世代が異なってもほぼ類似のインスリン含量を有し, 他方非機能性腫瘍は極端にインスリン含量も低値であった.
    3) 正常膵4例のインスリン分画量は2.73±0.40U/g (平均値±SE), PLC分画3.18±0.52%, インスリノーマ2例ではインスリン分画各3.70U, 2.32U, PLC分画平均3.37%であった.機能性腫瘍3例はインスリン分画3.63±0.60U/g, PLC分画は2.70±0.45%, 非機能性腫瘍はインスリンは非常に微量で0.0031±0.0015U/gであった.
  • 市原 利勝
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1205-1212
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞症の心機能には冠動脈狭窄度, 障害血管数, 梗塞巣の範囲が影響するが, 耐糖能異常が合併した場合, 心筋の細小血管病変が加わるとより低心機能に陥る事が想定される. 今回著者は, 心筋梗塞症の左心機能の分析をもとに耐糖能異常の心機能へ与える影響について検討を加えた.
    (1) 対象はいずれも冠動脈造影上有意狭窄病変を有するもので, 心筋梗塞症83例, 狭心症15例の計98例とした. 左心機能は左室拡張終期圧および容量, 駆出分画, 1回仕事係数, 収縮係数, 全末梢血管抵抗, 壁異常収縮指数につき検討した.
    (2) 対象各群の左心機能は上記の指標中, 1回仕事係数と全末梢血管抵抗を除くすべてによく反映されたが, 各指標に障害血管数を対応させ, さらにGTT型別に細分化して耐糖能異常の影響を検討したが型別に有意の差は認められなかった.
    (3) 有意差は認めるには至らなかったものの, 一般に多枝障害群においてD型は左室拡張終期容量が小さいにもかかわらず左室拡張終期圧は高い傾向にあり, 左室の拡張性の障害が認められた. これらの症例でも冠硬化の病型や梗塞巣の拡がりには差がない事から, 心筋のmicrOangiopathyを介しての影響が示唆されたが, 対象に合併する糖尿病が軽症で罹病期間が短かいものが多い事が明確な差異を生ずるに至らなかった原因と考えられた.
  • 老籾 宗忠, 石川 和夫, 川崎 富泰, 窪田 伸三, 高木 潔, 丹家 元陽, 吉村 幸男, 馬場 茂明
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1213-1217
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者で高値を示すhemo910binAI (HbAI) は腎不全患者でも高値を示した. この腎不全患者のHbAIをmicrocolumnによる測定のみならず, HbAIの分画測定を高速液体クロマトグラフィー-を用いて行った. さらにthiobarbituric acid (TBA) 比色法による測定も併用した.
    腎不全患者で高値を示したHbAIは血中尿素窒素 (BUN), 血清クレアチニンなどと相関した. HbAIの分画パターン上, 糖尿病患者ではHbAIに占めるHbAlc比が大であったが, 腎不全患者のHbAI分画パターンからはHbAIcのみならずHbAla+bも同様な比率で増加し, HbAIの分画比は糖尿病患者と異なり, 健常者の分画パターンに近似していた.
    一方column法とTBA比色法で同一検体を測定した成績からは, 糖尿病患者では両法間に相関がみられたが, 腎不全患者ではcolumn法で高値を示したHbAIはTBA比色法では高値を示さなかった. これらの事実は, 腎不全で生じたglucose以外の何らかの物質が直接Hbに結合し, 主として腎不全におけるHbAI高値の原因になっているものと考えられた.
  • 富長 将人, 久野 悟, 茂久田 修, 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 池田 匡, 武田 偉, 真柴 裕人
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1219-1223
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    初診時の糖負荷後インスリン反応から, その後の良好なコントロールを得るのに必要な治療法を推測し得るか否かをどetrospectiveに検討してみた.
    中等症以上の糖尿病患者を対象とし,(1) 良好なコントロールが得られた時点における治療法別に初診時の糖負荷後インスリン反応を比較してみると, 治療法による差は認められなかった. また,(2) 糖負荷後インスリン反応の有無別に治療法を比較すると, 食事療法単独でコントロール可能であった症例の占める率に差はみられなかったが, インスリン分泌のみられた症例においてはインスリン注射を必要とした例は1例もみられなかった. (3) 罹病期間1年以上と1年未満とで治療法を比較すると, 食事療法単独例の占める率は後者の方が大であった.
    以上より, 中等症以上の糖尿病者において, 初診時の糖負荷後インスリン反応から食事療法単独でコントロールが可能か否かの推測はできないが, インスリン分泌のみられる症例ではインスリン注射を必要としないでコントロールが可能であるといえる. また, 食事療法単独でコントロールが可能か否かの推測には, 罹病期間を考慮することがある程度有効であるといえる.
  • 松田 文子, 葛谷 健
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1225-1233
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の下肢閉塞性動脈硬化症 (ASO) について検討した. 1426名 (男781, 女645) のうち, ASOは22例 (1.5%, 男17, 女5名) で, 平均年齢67土9歳, 40歳代までには0, 50歳代5例 (1.2%), 60歳代10 (3.0%), 70歳代以上7 (5.1%) にみられた. 間歇性破行11例 (0.8%), 虚血性壊疽11 (0.8%), 下肢切断7 (0.5%) が含まれた. 動脈閉塞部位は足背動脈10例 (46%) 膝窩動脈9 (41%), 大腿動脈3 (13%) で, 後脛骨動脈単独閉塞でASOと診断されたものはなかった. 18例 (82%) は両側動脈の閉塞であった. 壊疽はすべて虚血性壊疽であり, 同期間の全壊疽症例35例の31%を占めた. ASO (+) 群と, 性, 年齢を対応させたASO (-) 群および71歳以上のASO (+) 群において初診時空腹時血糖値, 肥満度, 治療方法には差がなかったが, ASO (+) 群では初診時未治療のものが多くかつその後のコントロールも不良のものの率が高かった. 高血圧, 喫煙, 高脂血症とASOの有意の関係はなく, 高齢ASO (+) 群ではこれらの頻度はむしろ低かった. 著者が直接診察した糖尿病患者306名 (男160, 女146) では足背動脈拍動欠損は15例 (4.9%)(男11, 女4) で, 全例50歳以上であった. 後脛骨動脈拍動は個人差が大きく若年者にも非触知例があり, 虚血症状との相関にも乏しかった. いずれの指標を用いても下肢ASOの頻度は欧米の統計に比して明らかに低率であった. 下肢動脈閉塞の指標としては足背動脈拍動が適当と考えられる.
  • 奥野 泰久, 藤井 暁, 岡田 邦夫, 和田 正久, 井関 敏之, 小林 正, 繁田 幸男
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1235-1238
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The effects of long-term physical training on 1251-insulin binding to erythrocytes were studied in 18 normals and 12 non-insulin-dependent obese diabetics. The specific insulin binding in 10 well-trained athletes (5.33±0.51) was significantly higher than that in 8 sedentary subjects (4.08±0.54)(p<0.05). The binding variation was due mainly to an increase in insulin receptor concentation rather than a change in receptor affinity. The fasting plasma insulin levels were comparable in the sedentary subjects and well-trained athletes. These results suggest that increased insulin binding to insulin receptor may contribute, at least in part, to enhanced insulin sensitivity in well-trained athletes. On the other hand, no significant changes in receptor affinity or receptor number were observed between 7 trained diabetics (VO2 max 40%, 6 months) and 5 sedentary diabetics. Studies are now in progress to clarify the reasons for this discrepancy in results between the normal and diabetic groups.
  • 井出 幸子, 大野 誠, 田嶼 尚子, 池田 義雄, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1239-1241
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    To clarify the efficacy of home blood glucose monitoring in the management of diabetic pregnancy, 11 patients (IDDM 1, NIDDM 9, gestational diabetes 1) began home monitoring at 3-25 weeks of gestation. Seven of the 11 were B and 4 were C by White's classification. The protocol to be followed was: 1) FBG daily, 2) full profile weekly, 3) spot checks. According to the data obtained, the diet schedule was reconsidered and the insulin prescriptions were adjusted on an insulin sliding scale.
    After starting home monitoring, the FBG and HbAi levels improved from 115±23 mg/dl to 99±27 mg/dl and from 8.6±0.6% to 7.2±0.8%, respectively. During home monitoring, 8 insulin-treated patients increased their insulin dosage from 13±5 U/day to 30±13 U/day at delivery. Three cases treated by diet alone had to begin insulin at 25-35 weeks of gestation and their maximum dosage was 8-28 U/day. They returned to diet therapy after delivery. The pregnancy was uneventful except in one case. 5 delivered vaginal and 5 by cesarean section at 37-38 weeks of gestation. They gained weight by 6.8+3.0 kg during pregnancy. The mean body weight of the infants was 3100±267 g, which was not large for date. Neonatal hypoglycemia was observed in 6. No remarkable retinal changes were detected.
    The results obtained suggest that home monitoring si highly effective in controlling diabetic pregnancy.
  • 萬田 直紀, 中山 秀隆, 中川 昌一
    1981 年 24 巻 12 号 p. 1243-1245
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    It is well known that glycosylated hemoglobin, designated as hemoglobin AI (HbAI), and glucosylated albumin can provide useful information regarding long-term blood glucose control in diabetic patients.
    The present study was undertaken to determine whether the values of HbAi and glucosylated albumin might increase in dialyzed uremic patients without diabetes mellitus. In 16 subjects among 37 dialyzed uremic patients, the chromatographically determined HbAi values (8.23±1.54%, mean ±SD) were more than 2 SD above the mean for normals (7.70±0.41%). On the other hand, the glucosylated albumin values obtained by the thiobarbituric acid method indicated no significant increase in the dialyzed uremic patients (6.84±1.06%) as compared of normals (6.29±0.98%).
    In vitro studies of the HbAt values in red blood cells from normals showed significant increases at 5 days after incubation with a high concentration, of urea. When compared to the HbAI values without urea. However, in the dialyzed uremic patients, there were no significant correlation between HbAI values and serum urea (r=-0.14) and serum creatinine (r=0.22).
    Further studies are required to clarify the reasons for the increase in HbAi values in renal failure.
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