糖尿病
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24 巻 , 9 号
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  • 上田 幸生
    1981 年 24 巻 9 号 p. 877-890
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の脂質代謝異常を明らかにするため, 糖尿病患者血清をアガロースゲルリポ蛋白泳動により, 正常 (正常群), IIa型 (IIa群), IIb型 (IIb群), III型 (III群), IV型 (IV群), の5群にわけ, 各々超遠心によるリポ蛋白分析, Postheparin Lipolytic Activity (PHLA) の検討を行った.超遠心によるリポ蛋白分析はHavelの方法に従い, PHLAの測定はKraussの方法に従った.
    超遠心によるリポ蛋白分析の結果,
    (1) 正常対照に比し, 正常, IIa, III, IV群はVLDL-chol/VLDL-TG比が高値を示し, IIb, III, IV群はLDL-chol/LDL-TG比が低値を示した.これより, 正常, IIa, III, IV群はchol-rich VLDL, IIb, III, IV群はTG-rich LDLが存在し, ともにVLDL-remnantの増加を示唆した.
    PHLAの結果,
    (1) 糖尿病各群の, H-TGL活性は正常対照に比し有意に低値を示した.LPL活性は正常対照と差を認めなかった.また, III群のH-TGL活性は, 他の糖尿病各群に比しても低値を示した.
    (2) 正常対照, 糖尿病各群を含めた検討で, H-TGL活性はVLDL-chol/VLDL-TG比, LDL-TGと有意の負の相関を示した.
    以上の成績より, 糖尿病患者ではH-TGL活性低下によるremnantの増加が認められる.また, 糖尿病のIII型高脂血症の一因として, 少なくともH-TGL活性低下に伴うremnantの増加によることが考えられた.
  • 菅原 啓, 依田 敏行, 平田 徹, 後藤 由夫
    1981 年 24 巻 9 号 p. 891-896
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    過酸化脂質は, 老化や退行性変化, 動脈硬化症などの原因のひとつとして注目されている.糖尿病でも血中過酸化脂質が増加し, 血管合併症を有する患者でより高値を示すと報告されている.われわれは, 糖尿病患者136名, 健常者171名計307名について血漿過酸化脂質を測定し, 糖尿病性血管障害との関係について検討した.
    血漿過酸化脂質は, 性別, 10歳ごと年齢階級別の比較で, 糖尿病患者と健常対照群との間に有意差がなかった。年齢構成のほぼ等しい50歳以上の糖尿病患者の検討では, コントロールの良否, 治療法, 罹病期間などとは相関しなかった.しかし, 高脂血症合併群, 虚血性心疾患合併群では, 男女とも有意の高値を示した.網膜症の有無, 重症度とは相関しなかった.また, 腎症合併の女性群, 大動脈石灰化のある女性群では, 健常女性群に比して有意の高値を示した.
    以上の結果より, diabetic macroangiopathyを有する糖尿病患者で血漿過酸化脂質が高値であることが示唆された.過酸化脂質にはprostacyclin (PGI2) 合成阻害作用もあり注目されている.
  • 富長 将人, 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 池田 匡, 武田 悼, 真柴 裕人
    1981 年 24 巻 9 号 p. 897-900
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Chlorpropamide Alcohol Flushing (CPAF) が陽性の糖尿病者ではCPAF陰性の糖尿病者に比し, 糖尿病性網膜症の出現頻度が少ないとされているが, ニコチン酸の誘導体であるNicomol服用時のFlushingがCPAFと同様の意義を有する可能性を考え, 検討した.
    正常対照者23名, 糖尿病者98名を対象として, 空腹時にNicomol 200mgを経口投与した後, Flushingの出現の有無を観察し, 陽性例と陰性例とで糖尿病性網膜症の出現頻度を比較した.
    Flushing陽性率は正常対照者13%に対し, インスリン依存性糖尿病者9.1%, インスリン非依存性糖尿病者32.2%であった.糖尿病性網膜症の頻度はFlushing陽性者で27.6%であったのに対し, 陰性者では68.4%と高頻度であった (p<0.001).推定罹病期間を5年ごとに区切って比較すると, 罹病期間が長くなるにつれて, 両者間の差は減少し, 15年以上では両者間にほとんど差がみられなかったが, 10年未満では, Flushing陽性者には1例も網膜症が認められなかった.また, 両者間で, 年齢, 推定罹病期間には差がみられなかった.
    以上より, Nicomol Flushingの出現の有無が糖尿病性網膜症の出現に関する何らかの因子を間接的に表現している可能性が考えられた.
  • 池田 匡, 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 武田 倬, 富長 将人, 真柴 裕人
    1981 年 24 巻 9 号 p. 901-906
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症にはしばしば耐糖能障害がみられるが, その原因としてグルカゴンの関与も考えられるため, 20例の未治療甲状腺機能亢進症患者につき, 経口 (O-GTT) および経静脈ブドウ糖負荷試験 (IV-GTT) を施行し, インスリンならびにグルカゴン反応につき検討した.
    O-GTTの血糖曲線より, 正常型, 境界型, 糖尿病型の3群に分類し, インスリン (IRI) およびグルカゴン (IRG) については, O-GTTの30, 60,120,180分およびIV-GTTの1, 2, 5, 10, 15, 20, 30分の各時点における前値よりの血糖, IRIの増加分 (ΔBS, ΔIRI) の総和をΣΔBS, Σ ΔIRIとし, IRGの前値よりの減少分 (ΔIRG) の総和をΣΔIRGとし,、ΣΔIRI/Σ ΔBS,-Σ ΔIRG/Σ ΔBSを指標として検討した.
    O-GTTにおいては, 境界型, 糖尿病型を示す例でΣΔIRI/Σ ΔBS,-Σ ΔIRG/Σ ΔBSはいずれも有意の低値を示し, IV-GTTにおいては, O-GTT糖尿病型でΣΔIRI/Σ ΔBS,-Σ ΔIRG/Σ ΔBSともに有意の低値を示した.
    以上より, 甲状腺機能亢進症にみられる耐糖能障害の原因として, インスリンの相対的不足ならびにブドウ糖に対するグルカゴンの抑制障害が関与している可能性が示唆された.
  • 景山 茂, 伊藤 景樹, 大野 誠, 斎藤 茂, 池田 義雄, 種瀬 富男, 阿部 正和
    1981 年 24 巻 9 号 p. 907-913
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    人工膵島 (Biostator®) を用いて, インスリン療法中の糖尿病者20名 (insulin-dependent diabetes mellitus (IDDM) 4名, non-insulin-dependent diabetes mellitus (NIDDM) 16名, 年齢14~65歳) を対象にし, 24時間にわたって血糖の正常化をはかった。食事は3食すべて同一組成からなる人工膵臓食とし, 25~30kcal/kgを摂取させた.この条件下で必要としたインスリン総需要量 (イ総量, U/day) と, 午前0~3時までの間に必要としたインスリン基礎需要量 (イ基量, U/hr) を測定し, これらが糖尿病の病型・病態といかなる関係にあるかを解析した.
    IDDMでは, イ総量60.5±15.7U/day, イ基量1.33±0.31U/hr, NIDDMではそれぞれ, 57.6土28.2U/day, 1.19±1.13U/hrであり, イ総量, イ基量いずれにも有意差を認めなかった.NIDDMのみに関して, ΣCPRsng/ml以下の群ではイ総量73.5±27.1u/day, イ基量1.88±1.17u/hrであったのに対して, ΣCPR5~10ng/mlの群ではそれぞれ, 48.0±25.5U/day, 0.78±0.93U/hrであり, 後者でイ総量, イ基量のいずれも少なかった (P<0.10).
    なお, 人工膵島使用前におけるHbAIのレペルとインスリン需要量との関係をみると, イ総量についてはr=0.66 (P<0.01), イ基量についてはrmO.44 (Pく0.10) という相関を示した.これらの事実から, イ総量はHbA1のレベルで示される長期間の血糖コントPt-・ル状態によって強く影響されることが示唆された.
  • 佐々木 陽, 鈴木 隆一郎, 堀内 成人, 上原 ます子
    1981 年 24 巻 9 号 p. 915-921
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病治療にインスリンが用いられるようになってから丁糖尿病患者の生命予後は大幅に改善されてきたが, 現在なお糖尿病患者の死亡率は一般人口より高いことが指摘されている.今回われわれは日本人糖尿病患者の生命予後を知るために, 次のような10年にわたる経過観察を行い, 相対生存率を用いてその予後を検討した.
    対象は大阪府下の一地区において行った糖尿病の疫学調査で, 夕食後尿糖陽性のためにOGTTを含む精密検査を受けた507名である.
    1) 追跡開始時のOGTTが, 本学会基準 (血清値) で正常型および境界型のものは, 一般人口に比して実測生存率の有意の低下を示さなかった.また, 糖尿病型のうち, advanced typeは生存率の低下が著明であったが, mild typeは生存率の低下を示さなかった.
    2) OGTTにおける血糖値が, 空腹時値≧160mg/dl, 1時間値≧300mg/dl, 2時間値≧260mg/dl, 血糖面積≧750mg・h/dlのものには明らかな生存率の低下がみられた.
    3) 高血圧, 心電図虚血性変化, 蛋白尿を伴い, かつ耐糖能異常のあるものには生存率の低下がみられた.
    4) 10年間に111例の死亡があり, 各群とも心血管疾患が過半を占めた.このうち, 境界型および糖尿病型では有意に心血管疾患の増加がみられた.脳血管疾患, 心疾患も同様な傾向を示した.また境界型, 糖尿病型では肝硬変の増加傾向がみられた.
  • 日浅 芳一, 岩野 健造, 相原 令, 坂東 正章, 中井 義広, 片岡 善彦
    1981 年 24 巻 9 号 p. 923-930
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    冠動脈造影で有意な狭窄を示さない糖尿病患者の心電図変化の成因および有意な冠狭窄をもつ例の興奮伝導障害について検討した.対象は, 糖尿病患者で冠動脈造影上有意な狭窄 (≧75%) を認めず, 他に臨床上明らかな心合併症を有しない40例と有意な冠狭窄をもっ65例である.対照群として年齢および性を一致させた対象と同数の非糖尿病患者を用いた.
    冠狭窄のない糖尿病22例 (55.0%), 対照群11例 (27.5%) に何らかの安静時心電図の異常を認めた (P<0.05).運動負荷心電図では冠狭窄のない糖尿病群14例 (35.0%), 対照群4例 (10.0%) が陽性であった (P<0.01).心電図異常と左室造影異常との間には関連を見出せなかった.心電図正常で冠狭窄のない心筋梗塞症が1例存在した.Scott分類II度以上の眼底所見は, 心電図異常者に13/20 (65.0%), 正常者で4/14 (28.5%) に認められた (P<0.05).神経障害, 蛋白尿, 治療方法と心電図異常との間には関連が認められなかった.長期罹病者に心電図異常が多い傾向にあった.冠狭窄を有する例における興奮伝導障害の頻度は, 糖尿病群22例 (33.3%), 対照群6例 (9.1%) で前者が有意に多かった.
    冠狭窄のない糖尿病患者の高率な心電図異常の成因として, 眼底異常と関連があり, 左室造影に異常を認めない程度の変化から細小血管症による心筋傷害が示唆された.また, 糖尿病患者が冠狭窄を有すると興奮伝導障害を高率に併発することが明らかとなった.
  • 池田 匡, 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 武田 偉, 富長 将人, 真柴 裕人
    1981 年 24 巻 9 号 p. 931-936
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺ホルモン欠乏状態における膵内分泌機能を検討する目的で, 甲状腺摘出ラットを用い, 経静脈ブドウ糖負荷試験 (IV-GTT), アルギニン負荷試験 (ATT) および摘出膵灌流実験を施行し, その際のインスリンおよびグルカゴン反応を観察した.
    IV-GTTでは, 有意の高インスリン反応とともに有意の血糖上昇がみられ, ATTにおいては, 有意のインスリン低反応とグルカゴンの過剰反応が認められた。摘出膵灌流実験では, インスリンならびにグルカゴン反応ともに対照群とほぼ同様な反応を示した.
    以上の結果より, 甲状腺ホルモンの欠乏は, 生体に起こした何らかの変化により二次的にインスリンやグルカゴン分泌に影響を与えることにより, 糖代謝にも影響を与えているものと考えられた.
  • 森山 悦裕, 三家 登喜夫, 近藤 渓, 南條 輝志男, 岡井 一彦, 林 恒司, 上田 賀美, 猪尾 和弘, 宮村 敬
    1981 年 24 巻 9 号 p. 937-942
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病診断の国際的標準化を圏的として, 1979年NIHの“National Diabetes Data Group”より75g OGTTを用いる新しい診断基準が提唱された.わが国では現在50g OGTTの学会勧告値による判定基準が広く普及している.そこで正常者および軽症耐糖能異常者に50g法と75g法の両OGTTを施行し, その血糖反応, インスリン反応を比較するとともに両判定基準の比較検討を行った.
    その結果 (1) 正常群ではOGTT時の血糖反応は50g法と75g法でほぼ同等であったが, 軽症耐糖能異常群では75g法の方が50g法に比し血糖120分値は有意に高く, インスリン反応のpeakが遅れる傾向を認めた. (2) NIHの診断基準では糖尿病性網膜症を有する症例の一部が軽症に評価され見落されていた. (3) NIHの診断基準 (75g法) で, Diabetes Mellitus in Nonpregnant Adultsは, 50g法の血糖反応に換算すると血糖1時間値210mg/dl以上かつ2時間値140mg/dl以上にほぼ相当していた.
  • 村上 功, 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 池田 匡, 富長 将人, 武田 倬, 真柴 裕人, 山崎 逸枝
    1981 年 24 巻 9 号 p. 943-945
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    In order to assess their usefulness for studying endocrine and exocrine pancreatic functions at the same time, the PFD test and 50g O-GTT were performed together in 41 subjects.
    The results obtained were as follows.
    1) The PFD test had no effect on the blood sugar response in 50g O-GTT, and 50g O-GTT had no effect on the urinary excretion rate of PABA (6 hours).
    2) The urinary excretion pattern of PABA was delayed, but the urinary excretion rate of PABA (6 hours) exceeded 70% in 30 subjects with normal O-GTT.
    These results suggest that the PFD test with 50g O-GTT represents a usefull means for studying endocrine and exocrine pancreatic functions at the same time.
  • 1981 年 24 巻 9 号 p. 947-960
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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