糖尿病
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25 巻 , 3 号
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  • 長岡 研五, 井村 裕夫, 久野 昭太郎
    1982 年 25 巻 3 号 p. 175-180
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    発症直後のインスリン依存性糖尿病患者の血中には膵ラ氏島抗体 (ICA) が高率に証明される.ICAは間接免疫螢光法により証明されるが欧米で報告された白人のICA陽性率は, Pima Indians, ナイジェリア人, 米国黒人などのICAの陽性率に比し明らかに高い.本報は白人および日本人のインスリン依存性糖尿病患者それぞれ150名, 149名を対象としICAを検索し, 同時にHLAや抗甲状腺抗体, 抗胃壁細胞抗体等との関係をみた.
    その結果, ICAは罹病期間1年以内の白人では55%, 日本人では16.2%に認められ両群には有意差が認められた.抗甲状腺抗体の陽性率では両群に有意差は認められなかったが抗胃壁細胞抗体については白人の方が有意に高い陽性率を示した。また日本人ではICAと特定のHLA抗原との間には相関関係は認められなかった.
  • 岩崎 良文, 青野 充, 青木 矩彦, 山本 俊夫
    1982 年 25 巻 3 号 p. 181-187
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ラット肝においてコレステロール生合成系の律速酵素であるHMG-CoAreductase活性とマイクロゾームのコレステロール量を各種の条件下に測定し, 両者の関連について検討した.
    1) 正常のラットでは, コーン油の摂取による酵素活性の上昇とともに, マイクロゾームのコレステコール・エステル量は低下するが, 遊離コレステロール量は変動しない.ココナッツ油摂取でも, 同様の変化を見るがコーン油ほど著明な変化ではない.
    2) 正常ラットにおける酵素活性の日内変動時, およびインスリン投与後の酵素活性変動はマイクコゾームのコレステロール量の変化を伴わない.
    3) 正常ラットにおいて, コレステロール摂取後4時間で, 酵素活性は明らかに低下するがマイクロゾームのコレステロール量の変化は有意でない.しかし24時間後においては, 有意のコレステロール・エステル量増加を認める.
    4) ストレプトゾトシン糖尿病ラット群では, 酵素活性の低下を見るが, マイクロゾームのコレステロール量は有意差を見ない.
    これらの結果より, HMG-CoA reductase活性の調節因子には, マイクロゾームのコレステロール・エステルの増減を伴うコーン油, ココナッツ油摂取などと, 増減を見ないインスリン投与, 日内変動等に大別される.コレステロール摂取は初期には増減が明らかでないが, 24時間後にはコレステロール・エステルの増加が明らかになる.
  • 川合 厚生, 葛谷 信貞
    1982 年 25 巻 3 号 p. 189-195
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生体のインスリン (以下「イ」) 作用に対する感受性については, これまで主に糖代謝を対象として研究がなされてきたが, 脂肪代謝に対するものは乏しかった.本研究では,「イ」の抗脂肪分解作用に対する糖尿病患者の感受性について検討した.脂肪分解の指標として, 経ロブドウ糖負荷試験時, 分泌される「イ」に反応して減少するFFA量を選び, この減少量と内因性「イ」増加量の比から,「イ」の抗脂肪分解作用に対する感受性を推定した.対象は肥満度をマッチさせたインスリン非依存性糖尿病患者 (D群) 45名および健常対照者 (N群) 43名.FFA前値はN群360.3±113.5, D群538.9土168.7μEq/lで後者が有意に高かった.前値を基準として負荷後60分までのグラフ上の減少面積より算出したFFA減少 (ΔFFA) はN群429.7±269.5, D群422.5±257.1μEq/lで差はなかった.しかしΔFFAとFFA前値との間には, 両群共, それぞれ, 正の相関関係が認められたため, ΔFFA/前FFAを「補正FFA減少量」として計算した結果, N群 (1.12±0.51) に比しD群 (0.78±0.41) は有意に低かった.60分IRI増加量 (ΔIRI) はN群272±138, D群78±49μU/mlで後者の著減がみられた.
    「イ」感性指数 (=補正ΔFFA/ΔIRI) は, N群4.84±3.19に対し, D群は16.49±16.16と有意に大きかった.この成績は, インスリン非依存性糖尿病患者において内因性「イ」の抗脂肪分解作用に対する感受性が尤進していることを示唆する.
  • 土井 邦紘, 松浦 省明, 河原 啓, 馬場 茂明, 西川 和典
    1982 年 25 巻 3 号 p. 197-203
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    食物線維が持つ, 食後血糖上昇抑制作用や, 抗脂血症作用に優れた効果を期待するためには親水性食物線維で, しかも粘度の高いものを選ぶ必要があるとされている.本稿では, このような効果が優れて象り, 粘度が高いGuar Gumと我々がこれまで使用して来たGlucomannanとを粘度と生物作用の面から検討した.まず試験食 (646Kcal) 負荷試験に対するGuar Gum (3.99) あるいはGlucomannan (3.9g) の影響を糖尿病患者 (13名) で観察したところ, Glucomannanの食後血糖上昇抑制作用が優れていた.そこで両線維の絶対あるいは動粘度を測定した結果, 両粘度ともGlucomannan (絶対粘度: 最高, 194,800cps, 動粘度: 10.50cs) がはるかにGuar Gum (絶対粘度: 最高, 7,700cps, 動粘度: 2.82cs) より高いことが明らかとなった.しかし食物線維の差によることも考えられ, 次にGlucomannanの中でも粘度の高い線維 (194,800cps) と低い線維 (55,000cps) を選び, 試験食負荷試験に対する影響を正常添9名を対象に観察した, その結果対照と比較して高粘度線維投与群では負荷後採血したすべての時点で, 食後血糖の上昇は有意に抑制されたが, 低粘度投与群では対照と比較して食後血糖の上昇率はほぼ同率であった.なおこの作用はD-xylose負荷試験により消化吸収障害によるのではなく, 吸収遅延によるものであることも証明された.以上Glucomannanの粘度はGuar Gumより高く, これがGlucomannanの食後血糖上昇抑制効果が優れている一因と考えられた.
  • 及川 登, 阿部 隆三, 後藤 由夫
    1982 年 25 巻 3 号 p. 205-211
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Chlorpropamide alcohol flushing (以下CPAF) テストの有用性を血管障害の点から検討した.インスリン非依存性糖尿病者100例に, sherry40ml単独とchlorpropamide250mg服用12~18時間後にsherry 40mlを飲ませ, 顔面紅潮および額皮膚温上昇の有無からCPAF陽性, 陰性を区別した.なおsherry単独で顔面紅潮がみられた21例は今回の対象から除外した.CPAF陽性者は79例中46例58%で, 陰性者は33例42%であった.CPAF陽性群は陰性群に比べて, 糖尿病性網膜症や腎症の発生頻度が低く, この傾向は罹病期間が長くなるにつれ有意となった.しかし, 細小血管症の発症に関与すると思われる血糖, 脂質, β-Thromboglobulin, β-N-acetylglucosaminidase活性は両群で差がなく, 50gGTT時のインスリン反応も両群とも低反応であった.CPAF現象は細小血管症の発症および重症化を推測する指標となりうる可能性が示唆される.
  • 松田 文子, 葛谷 健, 杉田 泰雄, 坂本 美一, 川島 紘一郎
    1982 年 25 巻 3 号 p. 213-220
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    既報のradioimmunoassayを用い, 日常糖尿病患者に投薬される条件下でのghbenclamideの血中濃度を検討した.1ヵ月以上, 同一量のglibenclamideを服用していた糖尿病患者の早朝空腹時血漿薬剤濃度は投与量の増加とともに上昇傾向を示したが, 個々のばらつきが大きく, 検出感度以下の例も多かった.約2週間glibenclamideを服用している患者に2.5mgまたは5mgを1回服用させると血中濃度はそれぞれ90分, 120分に最高値82±27,149±60ng/mlに達し, 以後それぞれ2.7時間, 2.9時間の半減期で低下した.正常者における2.5mg1回投与後の最高値は72±32ng/mlで半減期は2.3時間であった.腎不全または肝硬変症を伴う糖尿病患者では2.5mg1回投与時の血中濃度の最高値は, 腎障害, 肝障害のない患者と有意差はなかったが, 半減期は各2.8時間, 3.5時間と後者で延長傾向を認めた.glibenclamide 5mg服用中の患者で朝1回投与法と朝夕分割投与法を比較すると, 薬剤の血中濃度は服用の都度上昇したが, 血糖, 血漿インスリンの日内変動にはほとんど差異はなかった.tolbutamide, acetohexamide, chlorpropamide服用中の患者血漿は本測定系の標識glibenclamideと抗血清との反応を阻害した.この交差反応により種々の血中スルフォニル尿素剤の定性的検出が可能であり, 同剤による低血糖昏睡患者の原因診断に応用出来る可能性がある.
  • 黒田 義彦, 中山 秀隆, 牧田 善二, 皆上 宏俊, 青木 伸, 栗原 義夫, 門田 悟, 小森 克俊, 萬田 直紀, 織田 一昭, 工藤 ...
    1982 年 25 巻 3 号 p. 221-230
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年, 携帯型微量注入ポンプを用いたOpen loop systemにより, 良好な血糖コントロールを得られた例が, 多数報告されている.しかし, その注入量決定の一般的方法は, 知られていない.我々は, 持続インスリン皮下注入療法 (Continuous Subcutaneous Insulin Infusion Therapy以下CSII) を採用し, 6名のインスリン依存性糖尿病患者に, 先ず, インスリンの基礎注量を決定し, そめ後各食前の追加注入を行う方法により, 良好な血糖コントロールを得る事ができた.
    CSIIと現行インスリン療法の各々の空腹時血糖, 空腹時IRI値の日差変動を比較すると, CSIIによるものが, より正常者に近く変動が少なかった.
    各食前の追加注入方式をBolus injectionとSquare wave injectionで比較したが, 両注入方式で, 血糖, 血中IRI値とも有意差はなかった.
    更に, 現行インスリン療法にて, 血糖コントロール不良であった膵全摘患者2名, 不安定型糖尿病患者1名に, 同様の方法でCSIIを施行した.前者は良好なコントロールが得られた.後者では, 低血糖, 尿糖, 尿アセトン体で改善が見られたが, 良好な血糖コントロール状態というには未だ不十分であった.
    しかし, CSIIは適応を正しく選択することにより, 現行インスリン療法に比し, より有用な血糖コントロールの手段であるといえ, 我々の行った注入量決定方式は, より簡便にかつ安全に良好な血糖コントロール状態が得られると考えられた.
  • 池田 匡, 茂久田 修, 浜崎 尚文, 徳盛 豊, 武田 倬, 富長 将人, 真柴 裕人
    1982 年 25 巻 3 号 p. 231-236
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺刺激ホルモン (TSH) の膵内分泌機能におよぼす影響を検討するため, 1単位のTSHを14日間にわたり腹腔内注射を行ったラットにつき, 経静脈ブドウ糖負荷試験 (IV-GTT), アルギニン負荷試験 (ATT) および摘出膵標本を用いた灌流実験を施行し, インスリンならびにグルカゴン反応を観察した.
    TSH投与ラットにおいて, 血清T3, T4値は有意に上昇し, IV-GTTでは, 血糖曲線には著明な変化がみられなかったが, インスリン分泌は対照群に比して有意の低反応を示した.ATT, 摘出膵灌流実験におけるインスリン反応には著明な変化がみられなかった.またグルヵゴン反応も, いずれの実験においても対照群との間に差はみられなかった.
    以上より, TSHの投与はラット生体において, 末梢甲状腺ホルモンの過剰を介してインスリン分泌に影響を与えるが, グルヵゴン反応にはほとんど影響を与えないものと考えられた.
  • 三原 俊彦, 大橋 博, 平田 幸正
    1982 年 25 巻 3 号 p. 237-242
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1976年1月より12月までの1年間に東京女子医大糖尿病センターを受診した糖尿病患者1,629名のprospective follow-up studyの登録3年後における調査成績のうち, 登録時の糖尿病性合併症 (神経障害, 網膜症, 腎症) の有無と死亡率, 死因との関係について検討した.登録3年後の追跡結果は, 生存者1,520名, 累積死亡者数106名, 累積生死不明者数3名であり, 生死に関する追跡率は99.8%であった.登録時の糖尿病性合併症の有無およびその程度と3年間の累積死亡率および死因との間に密接な関係がみられた.すなわち, 糖尿病患者全体としての3年間の累積死亡率が6.5%であったのに対し, 神経障害のあったもので8.1%, Scott Ia~IIIaの単純性網膜症およびScott IIIb以上の増殖性網膜症のあったもので, それぞれ7.6%, 10.1%, 蛋白尿 (++) および (+++) 以上のもので, それぞれ12.7%, 21.1%と高い死亡率を示した.登録時におけるこれら3つの合併症の組合わせと死亡率, 死因をみると, 神経障害, 網膜症, 蛋白尿のいずれもなかった401名の3年間の累積死亡率は2.5%で, 悪性新生物による死亡が多かったのに対し, これら3つの合併症をすべて有していた202名の死亡率は13.4%と高く, これら202名に性, 年齢をマッチさせた国民一般の死亡率の2.8倍 (p<0.01) であり, 死因として糖尿病性腎症, 虚血性心疾患が多かった。
  • 小野 英樹, 柴田 昌雄
    1982 年 25 巻 3 号 p. 243-245
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    N. S. Y. mouse is a new strain of congenital diabetic mice derived from the I.C.R. strain which possesses abnormal findings on small vessels of the glomerulus and is considered to be a useful model for human diabetes. According to the osmotic theory, intracellular accumulation of sorbitol has been implicated in the initiation of the cataract and the neuropathy resulting from diabetes.
    The present study was conducted to estimate the role of sorbitol on the development of renal disease in the N. S. Y. mice. In result, the concentrations of glucose and sorbitol were simillar in the kidney of N. S. Y. mice and age-matched nondiabetic controls. This result suggests that the activity of aldose reductase is low in the kidney of N. S. Y. mice and sorbitol does not play a main role in the appearance of renal disease in the N. S. Y. mice.
  • 佐藤 徳太郎, 久門 俊勝, 星 晴久, 伊藤 正秋, 斉藤 和子, 井上 美知子, 国分 勝, 斉藤 毅, 吉永 馨
    1982 年 25 巻 3 号 p. 247-250
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    In 5 cases of insulin-treated diabetics, glucose infusion tests were performed to examine the biological effect of insulin in vivo which was injected subcutaneously twice a day as usual. Intravenous infusion of 10% glucose solution was begun soon after the subcutaneous injection of insulin. The glucose infusion rate was determined according to the levels of blood glucose, which were measured every 30 min. The amounts of glucose infused to prevent falls in blood glucose reflected the insulin effect. During the test, the blood glucose was kept in a narrow range. The maximum effect of semilente insulin injected to 3 cases in the morning was detected at 4.5, 6.5, and 7hr after the injection, respectively. The maximum effect of insulin injected in the evening tended to appear earlier than that of the same kinds of insulin injected in the morning.
    These results suggest that the biological effect of insulin differs from patient to patient and according to the time of injection.
  • 1982 年 25 巻 3 号 p. 251-260
    発行日: 1982/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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