糖尿病
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26 巻 , 1 号
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  • 河原 啓, 森田 須美香, 松浦 省明, 吉田 泰昭, 土井 邦紘, 馬場 茂明
    1983 年 26 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性ヶトアシドーシスに対する治療としてのインスリン持続注入療法を用いてケトーシス時における血中膵グルカゴンおよび腸管グルカゴンの動態とその意義について検討した.
    5例の糖尿病性ヶトアシドーシスの症例と1例の非ケトン性高浸透圧昏睡の症例にレギュラーインスリソあるいはアクトラピッドインスリン5U/hr~10U/hrの持続注入療法を施行し, 経過中の尿中ケトン体, 血糖, 血中インスリン, 血中膵グルカゴンおよび血中腸管グルカゴン濃度を測定した.
    入院時の血糖値は333mg/100ml~985mg/100mlで, 生理的食塩水, リンゲル液で補液後, 5U/hr~10U/hrのインスリン持続注入療法を施行した.49.7mg/100ml/hr~105.0mg/100ml/hrの平均血糖下降率を示し, 尿中ケトン体は消失した. 注入開始2時間後の血中インスリン濃度は53.6μU/ml~291.1μU/mlを示した.
    血漿膵グルカゴン値は, 87.8Pg/ml~660pg/mlを示し, 血漿腸管グルカゴン値は20Pg/ml~1,300Pg/mlを示した. これらはいずれも, 治療開始時高値を示した症例にのみ, 低下傾向がみられ, ケトーシスとグルカゴンとの明確な因果関係は認められなかった.
    以上の結果, 糖尿病性ケトアシドーシスに対し, インスリン持続注入療法は有用であると考えられた.また, ケトーシスの成因に, グルカゴンの関与は重要であるものの, 全例が, 血中グルカゴン値の高値を示すわけでなく, 第一義的な成因はインスリンの作用不足にあるものと考えられた.
  • 古庄 敏行, 小坂 樹徳
    1983 年 26 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    2つの形質問の連鎖不平衡と連鎖, および連鎖平衡と連鎖の間に特定の関係があるとはいえない. とりわけ, 2つの形質問に相関があるということと, 連鎖があるということを混同してはいけない. 著者ら (1982) はすでに若年発症インスリン依存型糖尿病 (IDDM) とHLA-Bw54, DYT, DRw4との問の連鎖不平衡係数を推定したところ, 有意水準に達しないことを報告した. 今回, 同様の資料を用いて, Hastings (1981) の方法で組換値 (0) を推定した. その結果, いずれも, θ ≧0.5の関係がみられ, この資料に関する限り, IDDMを支配する遺伝子座位はHLAを支配する第6染色体以外に存在する傾向を示した.
    ただし, 本研究に用いたHastingsの方法にも問題がないとはいえず, この方法は連鎖不平衡係数が小さい時にはあまり有効でないということかもしれない. いずれにしても, 今後さらに再検討する必要がある.
  • 古庄 敏行, 北沢 幸夫, 内田 哲也, 後藤 由夫, 柿崎 正栄
    1983 年 26 巻 1 号 p. 17-28
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    空腹時血糖値を支配する遺伝子型と環境との相互作用に関する遺伝学的解析を試みるため, 北沢ら (1979) の資料を用い, 年齢群別, 時代別に血糖値の平均値, 分散, 分布の最低値と最高値および血糖値を支配する+遺伝子頻度を推定した. これらの推定値の加齢および時代への回帰分析を試みたところ,(1) 加齢への回帰係数で統計的有意水準に達するものは平均値および分散である. この場合, 一次回帰の傾向を示す. 分布の最低値と最高値および+遺伝子頻度ではほとんど有意な関係はみられない. しかし, このうち分布の最高値の観察値は期待値との差が有意で一次および二次回帰に適合しない. しかし, 数字の上から加齢にともなって大きくなる傾向を示している. (2) 時代への回帰係数で統計的有意水準に達するものは40~49歳群の平均値と分散のみであり, また, 分散と分布の最高値では回帰係数への適合性は不良である. また, +遺伝子頻度ではほとんど有意水準に達するものはみられない.
    以上, 一連の傾向から, 加齢および時代の推移による高血糖群の増加は, すでに古庄 (1982) が報告したモデルから, 遺伝子効果が加齢および時代の推移に伴って大きくなることが予想される. ここで注意しなければならないことは本研究の結果から加齢のみ, あるいは時代のみの効果を推定することは困難である. なぜならば, 戦後の生活様式の変動は著しく, 例えば20歳群と60歳群では生活環境も著しく異なるので, 加齢の効果の中に環境の効果も含まれる. この点を解析するモデルも考案したが, 現時代でこのモデルで解析可能な資料がないので, この点は今後の問題としたい.
  • 志鳥 真理子, 井口 利樹
    1983 年 26 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖忍容力低下のうち, National Diabetes Data Groupの判定区分で, impaired glucose tolerance (以下IGT) とされたもののcholesterol代謝に, いかなる脂肪酸組成 [多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸 (以下P/S)] の食事が有利かを明らかにすることを日的とした.
    本研究に志願した健常者6, IGT 4例を対象とし, 最初の2週間はP/S=1.00 (study I), 次の2週はP/S=3.10 (study II), 最後の2週はP/S=0.25 (study III) の食事を実際にとらせた.体重の増減は熱量を調節し阻止した.
    1. 全被験者では, total cholesterol, phospholipidなどはstudyIの値と比し, IIで減少 (p<0.05), LDL-cholestcrolは減少する傾向を示した.Study IIIでは, これら3者はいずれも有意に上昇した.
    2.IGTでは, total cholesterolはstudy Iの値に比し, IIで減少 (P<0.001), IIの値に比し, IIIで上昇した (P<0.01).LDL-cholesterolも同様な変化を示した.このような変化は, 健常者においてもみられた。他方, HDL-cholesterolはIGTにおいてのみstudy Iの値に比し, IIで減少 (P<0.01) したが, IIの値に比し, IIIでは有意な上昇は認められなかった.Apoprotein A-1 (以下ApoA-1) は健常者においてのみstudy IIIの値がIIと1のそれらより有意に上昇したが, IGTにおいては有意な変化は認められなかった.
    短期臨床実験である本研究からは, P/Sの変動によるtotal cholesterolやLDL-cholesterolの変化は急速であるのに対し, HDL-cholesterolやApoA-Iなどは緩徐に対応すると考えられた.このことは, とくにIGTにおいて多価不飽和脂肪酸食から飽和脂肪酸食へ変えたさい顕著であり, よって, 高cholesterol血をともないやすいIGTではP/Sが大きい食事を恒常的に摂取することが有利といえよう.
  • 高井 孝二, 松田 文子, 斎藤 公司, 山本 邦宏, 坂本 美一, 葛谷 健, 吉田 尚, 太田 明生
    1983 年 26 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性自律神経障害の一指標として, 深呼吸時の心拍数の変動を糖尿病患者57名 (年齢21歳~59歳, IDDM7名, NIDDM50名), および健常人78名につき測定し検討した。
    1分間6回の深呼吸 (5秒間吸気, 5秒間呼気) 時の心電図より脈拍最大変化量の平均値を算出しΔHRとした.健常人ではΔHRと年齢との間に負の相関を認めたが, 全例でΔHRは毎分10拍以上であった.従ってΔHRが毎分10拍未満のものを異常低下とした.糖尿病群ではΔHRと年齢とに相関はなかった.罹病期間5年以下の群では41%(9/22), 5年をこえる群では71%(25/35) にΔHRの異常低下を見た.罹病期間が5年をこえながらΔHRが正常域にとどまった7例中6例は食事療法のみ, あるいは経口剤で治療されていた.他の糖尿病性合併症との関係では, 網膜症, 持続性蛋白尿, アキレス腱反射消失, 振動覚低下等を有する群ではΔHRの低下が著明であったが, これらの合併症を認めぬ者でも既にそれぞれ23%, 38%, 23%, 31%でΔHRが低下していた、起立血圧下降とΔHRの問には有意の負の相関を認めた.罹病期間ごとにΔHR低下の頻度を他の糖尿病性合併症のそれと比べると, 罹病期間5年以下の群ではΔHRの低下は41%に見られ, 他の合併症より高率であった.これらの成績は潜在性の自律神経障害は糖尿病の早期より発現しうる合併症であり, ΔHRはこれを知る上で簡便かつ有意義な検査法であることを示す.
  • 池田 匡, 村上 功, 倉橋 明男, 徳盛 豊, 武田 悼, 富長 将人, 真柴 裕人
    1983 年 26 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ビタミソDの最終的な活性型代謝産物1α, 25-dihydr・xyvitaminD3の合成アナログである1α-hydroxyvitaminD3 (1αOHD3) の血糖およびインスリン分泌におよぼす影響を, ラットを用いた実験により検討し以下の結論を得た. 摘出膵灌流実験において, 10ng/mlの1αOHD3は直接的にもまた高濃度ブドウ糖刺激によるインスリソ分泌にも影響を与えず, bovinepara宅hyroidhormone (1ng/ml) の存在下においてもインスリン分泌にほとんど影響を与えなかった.in vivoにおいて1αOHD3 (250ng) の静注は, 血糖, インスリンに影響をおよぼさず, また経静脈ブドウ糖負荷試験の際の血糖, インスリン反応も1αOHD3前投与によってほとんど影響を受けなかった. 以上より, 1αOHD3は, ラットの血糖およびインスリン反応に対する急性効果はほとんどないものと考えられた.
  • 朝山 光太郎, 井上 義朗, 雨宮 伸, 大山 建司, 加藤 精彦
    1983 年 26 巻 1 号 p. 51-57
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肥満児において, 赤盈球インスリン受容体結合 (IB) とヘパリン負荷後血中リボ蛋白リパーゼ (LPL) および肝性トリグリセライドリパービ (HTGL) 活性を測定し, 高TG血症との関連性を解析した.IBはGambhirらの方法に準拠して測定し, LDLおよびHTGL活性の測定は免疫化学的測定法によった.ヘパリン負荷量は10単位/kg体重と, Allenらの循環血液量算出法に基づく補正投与量を用いた.5~16歳の顕性糖尿病を認めない肥満児35名を対象とした.
    肥満児には高TG血症を高頻度 (20/35) に認めたが, 著明な高コレステロール (chol.) 血症, 低HDLchol.血症はなかった.IBは肥満児では低値であり, 空腹時インスリン値 (n=18), OGTT時のインスリン面積 (n=18), 血清TG値 (n=20) のそれぞれの対数値と負相関を示した.LPL値は10単位/kg負荷時 (n=13), 補正投与量負荷時 (n=12) のいずれも小児正常値と差がなかった.血清TG値は空腹時インスリン値 (n=29) およびインスリン面積 (n=20) と正相関した.相対体重はIB, 血清脂質とは相関せず, 空腹時インスリン値 (n=29) およびインスリン面積 (n=20) と相関した.
    肥満児においては, 肥満度に依存しないインスリン感受性低下とそれにともなう高インスリン血症が高TG血症の成立に関与しており, TG処理障害の明らかな関与は認めなかった.
  • 岡 尚省, 持尾 聰一郎, 浅野 次義, 桑田 隆志, 阿部 正和
    1983 年 26 巻 1 号 p. 59-62
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病者では末梢神経障害や深部知覚障害がしばしば認められる. このような障害が著明な場合, 健常者などと比較して身体動揺の強い可能性は十分に考えられる. そこで, 重心動揺計を用いて開眼時, 閉眼時の重心動揺面積, Ao, Ac, および開眼時と閉眼時の重心動揺面積比, Ac/Aoを測定し, 身体動揺の程度を定量化した. なお, 身体動揺をみる際の主な指標は開眼時の動揺の程度 (Ao) と開眼から閉眼にした際の動揺の増強の程度 (Ac/Ao) でありそれらについて検討した. まず, Aoに関しては, 糖尿病者では健常者に比較して高値を示し, アキレス腱反射消失群や振動覚障害群では有意に高値を示した. 次に, Ac/Aoに関しては糖尿病者, とくに振動覚障害群では, 健常者および振動覚障害のない群に比較して有意に高値を示した. しかし, アキレス腱反射の存在の有無によってはAc/Aoは影響を受けなかった以上のように, アキレス腱反射消失や振動覚障害などの神経障害を有する糖尿病者では開眼起立時に身体動揺が, また, 振動覚障害のある糖尿病者では閉眼による身体動揺の増強が, 本検査上, 著明にみられた. このような糖尿病者での身体動揺は躯幹の運動失調のひとつとして捉えることができ, また, 本検査施行によって, はじめてその異常が明らかにされた点から「潜在的な運動失調」の存在の可能性が示唆された.
  • 三原 俊彦, 大橋 博, 平田 幸正
    1983 年 26 巻 1 号 p. 63-69
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1976年1月より12月までの1年間に東京女子医大糖尿病センターを受診した糖尿病患者1,629名について, 4年間prospective foUow-upstudyを行い, 糖尿病患者の肥満度と死亡率, 死因との関係について検討した。登録4年後の追跡成績は, 生存者1,486名, 死亡者140名, 生死不明者3名で, 生死に関する追跡率は99.8%であった. 登録時肥満度90%未満群, 90~109%群, 110~129%群, 130%以上群の4年間の累積死亡率は, それぞれ11.8%, 8.7%, 7, 4%, 3.6%で, 肥満度の高いほど死亡率が低かった. 一方, 登録時までの最大肥満度90%未満群, 90~109%群, 110~129%群, 130%以上群の累積死亡率は, それぞれ18.2%, 6.0%, 7.4%, 11.1%であり, 90~109%群の死亡率が最も低かった. 登録時における網膜症, 蛋白尿の有無により4つのグループに分け, 各グループ別に登録時肥満度と死亡率との関係をみたが, いずれのグループにおいても肥満度の高いほど死亡率が低かった. 登録時肥満度と死因との関係をみると, 肥満度130%以上群を除いた各群とも悪性新生物による死亡が最も多く, 肥満度が高くなるほど, 腎症, 感染症, 肝硬変症による死亡の割合が減少し, 虚血性心疾患, 脳血管障害による死亡の割合が増加した. 登録時までの最大肥満度と死因との関係では, 90%未満群で腎症, 虚血性心疾患, 脳血管障害による死亡がなく, 110%以上の各群では肥満度による死因の特徴がなかった.
  • 黒川 眞樹, 馬場 久光, 片桐 秀昭, 山東 博之
    1983 年 26 巻 1 号 p. 71-77
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    最近我々は, 50歳男性のインスリン依存性糖尿病患者に再発性眼筋麻痺を合併した症例を経験したので報告する.患者は罹病期間9年で血糖を, 130~170 g/dlでコントロール中, 左眼の動眼, 滑車, 外転神経麻痺で発症し4ヵ月後, 眼筋麻痺は回復した.2週後右動眼神経麻痺を発症し3ヵ月後, 麻痺は回復した.
    また当院の1953年から1980年の糖尿病入院患者2,597名中, 脳神経麻痺合併例は, 12症例で, 罹患神経は動眼神経6例, 外転神経1例, 動眼+滑車+外転神経i例, 顔面神経3例, 迷走神経1例だった.内眼筋麻痺を認めなかった.再発例は, 本症例-Case1とCase3 (Table3のCase3とCase4に各々該当する) に認められた.脳神経麻痺発症年齢は平均65歳 (50~75歳) で糖尿病罹病期間は平均12年 (5~30年) で血糖コントロール不良例は12例中3例に認めた.麻痺は1~4ヵ月で回復した.合併症は網膜症が5例, 腎症5例, 神経障害6例だった.
    日本の文献Lでの糖尿病に合併した再発性眼筋麻痺は12例あり, 平均発症年齢は61歳 (50~67歳) で, 糖尿病罹病期間は平均12年 (6~20年) で, 罹患神経は, 動眼神経8例, 動眼+滑車+外転神経2例, 外転+顔面神経1例, 動眼+顔面神経1例だった.内眼筋麻痺は2例に認められた.眼筋麻痺は1~4ヵ月で回復した.10症例が1回発症時血糖コントロール不良だった.再発期間は0.5~27ヵ月だった.合併症は, 網膜症が8例中5例に, 腎症が8例中4例に, 神経障害が7例中5例に認められた.
  • 松浦 省明, 河原 啓, 土井 邦紘, 馬場 茂明, 西川 和典, 竹田 正次
    1983 年 26 巻 1 号 p. 79-85
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性ケトーシスで入院後インスリン治療により浮腫を来した, いわゆるインスリン浮腫2症例を経験したので報告する.
    症例1は35歳女性, 糖尿病性ケトーシスで入院後, 単純インスリン30単位/日皮下注および輸液1,000ml開始後3日目より顔面, 下腿に浮腫が出現, その後浮腫は増強し, インスリン治療開始後10日目には左肺葉問と左下肺野に胸水が貯溜, 体重増加は入院時に比べ17.5kgに達した. そこでブメタニド1mg2日間経口投与したところ, 尿量の増加とともに浮腫は急速に減少した. 症例2は49歳女性, 糖尿病性ケトーシスで入院後, 単純インスリン30単位/日皮下注および輸液500ml/日を開始したところ, 6日目より顔面, 下腿に浮腫が出現, 10日目には右下肺野に少量ではあるが胸水の貯留を認め, 体重は入院時に比べ7kg増加した. 入院後の糖尿病認ントロールは良好なためインスリンを減量したところ浮腫は減少し, インスリン中止後に12日目の体重は50kgと入院時49kgとほぼ同体重にまで回復した. 以上2症例は, 入院時の検査にて, 腎機能障害 (PSP) を認めず, インスリン治療開始後に全身に浮腫が出現し, 利尿剤またはインスリンの減量により浮腫が軽減していることからインスジン浮腫と診断した. これらの浮腫の主な成因としては, 急速な血糖低下に伴い, 反動的に体液中へのNaの貯溜がおこりその結果浮腫が生じたものと考えられるが, 入院時共通に認められた低蛋白血症も浮腫発生の一因として考慮する必要があると思われた.
  • 佐藤 徳太郎, 星 晴久, 吉永 馨
    1983 年 26 巻 1 号 p. 87-89
    発行日: 1983/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The cholesterol contents of the a. posterior cerebral, a. subclavia sinistra, a. common carotid sinistra, a. coronar, and a. renal were determined in 6 nondiabetic and 21 diabetic autopsy subjects. The average ages of the nondiabetic and diabetic groups were 59.0 and 64.5 years, respectively.
    The dry weight of the arteries per length in the diabetic group was 1.40 to 2.96 times greater than that in the nondiabetic group. The contents of cholesterol in the arteries of the diabetic group were also 1.07 to 4.10 times greater than those of the nondiabetic group.
    The dry weight of the arteries per length in the nondiabetic group and the contents of cholesterol in the arteries could be expressed by the following regression equation: y=0.645 + 0.903x (r=-0.785, p<0.05) for the nondiabetic group, and y=2.470 +1.344x (r=0.917, p<0.001) for the diabetic group. The cholesterol content in the arteries between the diabetic group and the nondiabetic group could be expressed by the following regression equation: y=4.303-0.558x (r=-0.843, p<0.002).
    These results suggest that arteriosclerosis is enhanced in diabetics, especially in arteries where the cholesterol content is low.
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