糖尿病
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26 巻 , 4 号
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  • 高山 弘平, 酒井 茂利, 皆川 彰, 矢野 侃, 青山 昭徳, 渋谷 昌彦, 島袋 全哲, 冨山 元次郎, 平田 清司, 飯塚 和弘, 宮 ...
    1983 年 26 巻 4 号 p. 445-453
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    長期にわたる生理的活動の減少が物質代謝ことに糖質を中心とした代謝位相, 日内rhythmに及ぼす影響を検討した.8週間のbedrestによる血糖, インスリン, cortisol, thyroxine, glucagon, アミノ酸の6項目の値の推移が経過を追い測定された.患者群は坐骨神経痛, 結核, 骨盤骨折などで絶対安静におかれた14例で頭書の病名以外には今回の6項目の測定値およびその他の検査値にも異常なく, 対照群は患者群と同性, 同年齢の健康者20例で両群とも家族歴に糖尿病, 代謝性疾患のないものが選ばれた.血液試料は静脈穿刺により毎食前および20: 00, 24: 00, 4: 00の各時点の測定値により日内rhythmを観察した.bedrest群はbedに拘禁される前および拘禁後10日, 20日, 30日, 42日, 56日に採血された.インスリン感性指数はbedrestにより低下した.血糖, インスリン, thyroxineの1日の変動rhythmはbedrest延長に伴って激しく変化し, bedrest期間とcircadian-rhythmが密接な関連にあることが明らかにされたが, 血糖値との問に相関は見出されなかった.糖原性アミノ酸アラニンは血糖平均level上昇に伴い第4週を項値として増加したが, アラニン, 血糖両者とも以後第8週に向かい漸減し対照値に近づいた.これに反しglucagonは8週間のbedrest中, 漸次増加した-以上の所見から何等かの理由により余儀なくbedrestをとるに至った患者に就て, その患者のある時点の検査試料の成績を評価する時には, 日内rhythmがbedrestにより推移変動していることを考慮に入れる必要があることが示唆された.
  • 中村 稔, 永渕 正法, 桶田 俊光, 山口 啓輔, 高木 良三郎
    1983 年 26 巻 4 号 p. 455-459
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    実験的に抗ラ氏島細胞膜抗体を作製し, その細胞障害活性, 臓器および種属特異性について検討した.
    シリアンゴールデンハムスター (以下ハムスターと略す) の膵ランゲルハンス島 (以下ラ氏島と略す) を, 完全フロイントアジュバントと混じ, ウサギ皮下に数回注射することにより, 抗ハムスターラ氏島血清を作製した.抗血清はハムスター脾細胞に対して臓器非特異的抗体を含んでいたため, ハムスター肝臓, 脾臓ホモジネートにて, 脾細胞と反応する抗体が消失するまで吸収した.吸収後の抗血清は, ハムスターラ氏島細胞に対して, 補体存在下で, 32倍の希釈で50%の細胞障害活性を有した.また, 間接螢光抗体法にて, ラ氏島細胞表面と結合した抗ラ氏島細胞膜抗体の存在が確認された.この臓器特異性の高い抗ラ氏島細胞膜抗体は, ラット, マウス, モルモットなどの異種動物のラ氏島細胞とは, 交叉反応は認められず, 種属特異性が高いことが示唆された.
    以上のことより・本抗体は・糖尿病患者に検出される抗ラ氏島細胞膜抗体 (いわゆるICSA) とは, 種属特異性の点で異なることが明らかとなった.また, ハムスターラ氏島細胞膜には, 臓器および種属特異性の高い抗原が表現されていることが明らかとなった.
  • 竹越 忠美, 追分 久憲, 宮元 進, 井村 優, 竹内 伸夫, 篠崎 公秀, 西野 知一, 多々見 良三, 馬渕 宏
    1983 年 26 巻 4 号 p. 461-468
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者80名を治療法別に食事療法群27名, 経口血糖降下剤群29名, インスリン群24名に分け, HDL亜分画コレステロールに影響を及ぼす因子としで性, 年齢, 治療法, 肥満度, 空腹時血糖, 心電図, 喫煙量, 飲酒量, LDL・C, VLDL・C, VLDL・TGの11項目につきStepwise法による重回帰分析を行い以下の成績を得た.HDL2・Cは食事療法群では健常者に比してまた, 経口剤群ではインスリン群に比して有意に低下しており, 一方HDL3・Cは食事療法群, 経口剤群ともインスリン群に比して有意に上昇していた.HDL2・Cには性 (すなわち女性が男性に比して高値) は有意の正の, 肥満度は有意の負の相関を示し, HDL3・Cには飲酒量, LDL・Cが有意の正の相関を, また治療法 (すなわちインスリン群く経口剤群く食事療法群の順に高値), VLDL・Cが有意の負の相関を示した.そこで性, 年齢, 肥満度, 全血清, VLDL, LDL分画中の各脂質をマッチさせて検討すると男女とも経口剤群はインスリン群に比してHDL2・Cは有意に低値であった.糖尿病患者ではリポタンパク代謝の停滞 (中間比重リポタンパクの増加) がありその結果としてHDL (特にHDL2) コレステロールの低下がおこると考えられるが経口剤のHDL代謝への直接的な作用やアポタンパクへの影響も検討が必要と考えられる.
  • 大河原 久子, 町山 悦子, 壁井 信之, 桜井 靖久, 伊藤 正毅, 平田 幸正
    1983 年 26 巻 4 号 p. 469-475
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    成熟ラット膵島単離細胞の単層培養の作成とインスリン分泌能を観察したので報告する.実験にはウイスター系成熟雄性ラット膵を用いた.方法は, 摘出膵をコラゲナーゼで消化し, 遊離した膵島をヒコール比重分離法で収集した.さらにこれらの膵島をキレート剤と酵素との併用によって単離細胞とし, その単離細胞を25mm-組織培養用円形プラスチック・カバースリップ上でphosphodicsterase inhibitor (3-isobutyl-1-mcthylxanthinc;IBMX) を含む培養液で静践培養した.14日間の静置培養後, 培養内分泌細胞の機能を観察した.方法はRoseの灌流培養法 (circumfusion system) を応用したもので, 3.3mMD-glucoseまたは16.7mMD-glucoscを含む培養液をペリスタルテックポンプを用いて灌流した.細胞上を流れた灌流培養液はフラクションコレクターにて経時的に収集し, それら灌流培養液中のインスリン分泌量を測定した.
    それをグルコース刺激に対する培養膵内分泌細胞からのインスリン分泌能として評価した.この灌流システムにおけるインスリン分泌動態は典型的な2相性の分泌を示し, かつ繰り返し施行された高グルコース濃度の灌流時におけるインスリン分泌値には推計学的な有意差を認めなかった.
  • 永井 直子, 高山 澄子, 亀山 和子, 平田 幸正, 丸山 博
    1983 年 26 巻 4 号 p. 477-483
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    欧米における成績では, インスリン依存型糖尿病とインスリン非依存型糖尿病とでは, 遺伝の証明率は後者において明らかに多いとされている.わが国では, 罹病期間をほぼ同じくした病型別の若年発症糖尿病者の家族歴に関する調査は, まだ少ない点に着目して次の調査を行った.すなわち東京女子医科大学糖尿病センター受診者のうち, 20歳未満糖尿病発症者で, 1981年12月において3年以上経過, 年齢が20歳以上40歳未満の糖尿病患者148名を対象とし, 第1度近親の糖尿病者の有無を調査した.
    結果は148名中75名はインスリン依存型, 73名はインスリン非依存型であった.15歳未満発症者ではインスリン依存型が多く, 15歳以上発症者ではインスリン非依存型が急増した.インスリン依存型糖尿病75名中6名 (8.0%) にインスリン非依存型糖尿病の親, 2名 (2.7%) にインスリン依存型糖尿病の同胞を認めた.インスリン非依存型糖尿病73名中36名 (49.3%) に親の糖尿病, 12名 (16.4%) に同胞の糖尿病を認めた.ただし12名中9名は親にも糖尿病を認め, それらはすべてインスリン非依存型であった.すなわち39名 (53.4%) に同じタイプの糖尿病近親を認めた.なお非糖尿病対照者ではインスリン非依存型糖尿病の親を75名中4名 (5.3%) に認めたのみであった.
  • 根岸 清彦
    1983 年 26 巻 4 号 p. 485-496
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン依存型糖尿病患者 (以下IDDMと略す) 血清中に膵島細胞膜抗体 (以下ICSAと略す) が存在することが知られている.
    ICSAは臓器特異1生を有し, 種特異性には乏しいとされているが, 従来その検出にはラットあるいはマウス膵島細胞を用いて間接螢光抗体法 (以下IF法と略す) が行われてきた.
    本実験ではハムスターのインスリノーマ細胞 (In-111) を標的細胞として, 125I-抗ヒトIgG抗体を用いたradioimmunoassay (以下RIA法と略す) により糖尿病患者血清中のICSAの測定を行った.インスリノーマ細胞を用いてRIA法と125I-protein A binding assay法 (125I-protein ABA法) とによるICSAの測定値を比較すると, 両者間に良好な相関が認められ, かつこれらの方法によるICSAの検出はIF法による判定とよく一致するものであった.更にインスリノーマ細胞を用いたRIA法によるICSA測定値はラット膵島細胞あるいはハマチ膵島 (Brockmann小体) 細胞を用いた場合のICSA測定値ともそれぞれ良好な相関を認めた.
    そこで本RIA法にて44例の糖尿病患者血清中のICSAを測定したところ, 10例にICSA高値を認め, そのうち7例はインスリン治療患者, 3例はインスリン非依存型糖尿病 (以下NIDDMと略す) と考えられる非インスリン治療患者であった.これらの3例のうち1例に橋本病を, 他の1例に抗マイクロゾーム抗体価の高値を伴ったバセドウ病の合併を認めた.
    以上本RIA法にて種々の標的細胞を用いてICSAの測定が可能であるが, 特に培養維持したインスリノーマ細胞を用いる場合, 常に一定の条件下でICSAの測定が可能であり, 糖尿病患者血清中のICSAのスクリーニングに極めて有用と考える.
  • 横川 泰, 高木 良三郎, 小野 順子, 国広 潔
    1983 年 26 巻 4 号 p. 497-501
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ラットラ氏島細胞を用いてラ氏島細胞膜抗体 (Islet cell surface antibody: ICSA) 陽性と判定されたインスリン依存性糖尿病 (Insulin-dependent diabetes mellitus: IDDM) 患者2例 (症例1および2) と耐糖能正常なICSA陽性者1例 (症例3) および健常者対照5例の血清につき分散したハムスター・ラ氏島細胞に対する反応性を検討した.さらにラット, ハムスター各ラ氏島細胞および脾細胞に対する反応性を間接螢光抗体法を用いて検討した.症例1では, ハムスター・ラ氏島細胞70%, ラットラ氏島細胞59%に陽性を示し, 症例2は各々54%, 67%を示した.ICSA陽性健常者症例3では各々50%および58%で, 健常者対照では6.6%と11.6%であった.3症例ともハムスター・ラ島氏細胞に対しラットラ氏島細胞に対すると同様高率を示した.
    さらに, ハムスターのラ氏島細胞と脾細胞に対する反応性を比較すると, ラットの細胞と同じ傾向がみられた.すなわち対照ではいずれも20%以下の陽性率であったが, 症例1では両細胞に対する陽性率はいずれも高く, 症例2は前者に高く後者では健常対照例程度に低く, 臓器特異性を有すると思われた.症例3は耐糖能異常を示さなかったが, 両細胞に対して高い陽性率を示しジフテリア抗血清注射の既往が影響している可能性が考慮された.いずれの血清も種属特異性は示さなかった.以上, ヒトICSAの不均一性が明らかになったが・ハムスターのラ氏島細胞もラット同様ヒトICSAの検出に用いうることが分った.
  • 星 晴久, 佐藤 徳太郎, 伊藤 正秋, 斉藤 毅, 国分 勝, 井上 美知子, 斉藤 和子, 久門 俊勝, 吉永 馨
    1983 年 26 巻 4 号 p. 503-508
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    神経因性膀胱を伴う糖尿病にみられる尿路感染症は難治性であることが多い.我々は, インスリン持続皮下注入療法 (以下CSII) による血糖の良好なコントロールの後に, 難治性出血性膀胱炎の軽快をみた重症糖尿病例を経験したので報告する.
    症例は10年の糖尿病歴を有するインスリン治療中の63歳女性.血糖のコントロールは不良で, 58歳時に視力障害を認め, 光凝固と白内障の手術を受けた.また末梢神経症もみられるようになった.昭和55年11月 (62歳時) に出血性膀胱炎と糖尿病の治療の目的で当科に転科した.約100単位のインスリンを分割皮下注射し, 膀胱洗浄, 出血部位の電気凝固および抗生物質の投与を行ったが, 発熱, 血尿は出没し, 血糖のコントロールも不良であった.そこで転科7か月後にCSIIを開始した.基礎注入量を1単位/時とし, 各食前に4~12単位を追加注入した.その結果, 血糖は良好にコントロールされ, 6週後には発熱, 血尿はほとんど認められず退院した.
    退院後は, 家人による血糖測定のもとにCSIIを継続し, 血糖のコントロールは良好で, 発熱, 血尿などの症状はほとんどなく, 末梢神経症も軽快した.入院中, 退院後を通じて, CSIIによる事故は全くなく, 局所の疹痛, 腫脹などもみられなかった.
  • 1983 年 26 巻 4 号 p. 509-528
    発行日: 1983/04/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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