糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
27 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 本田 正志, 大森 安恵, 嶺井 里美, 佐中 真由実, 東 桂子, 秋久 理真, 平田 幸正
    1984 年 27 巻 2 号 p. 89-97
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の妊娠中に悪化する糖尿病性網膜症の増悪因子を検討する目的で, 糖尿病妊婦についてその血小板のimmunoreactive prostaglandin E (IRPG Eと略す) および血漿のimmunoreactive prostaglandin F (IRPG F と略す) を測定した.
    対象は糖尿病妊婦8名, 正常妊婦6名, 糖尿病非妊婦7名, 正常健常女性8名であった. 糖尿病妊婦8名中, 網膜症を有する者は3名であり, いずれも妊娠中にScott IIに進展した症例であった. 糖尿病妊婦の血小板IRPG E (7.9±4.0pg/105cell, Mean±SD) は正常健常女性 (3.9±1.7), 正常妊婦 (3.6±1.2) および糖尿病非妊婦 (3.5±3.2) のそれと比較して有意に高値を示した. 糖尿病非妊婦の血漿IRPG F (3.5±0.8ng/ml) は正常健常女性 (2.1±0.9) および正常妊婦 (1.6±0.4) と比較して有意に高値を示した. 糖尿病妊婦の血漿IRPG F (7.0±4.8) は正常健常女性および正常妊婦のそれと比較して有意に高値を示した. 糖尿病妊婦の血漿IRPG Fと糖尿病非妊婦のそれとの比較では, 糖尿病妊婦で高い傾向を認めたが有意差には至らなかった. 今回検討した症例中, 血小板IRPG Eおよび血漿IRPG F が共に最も高い値を示したのは, 妊娠中に網膜症がScott IIに進展した糖尿病妊婦であった.
    以上の成績から, 妊娠時の糖尿病性網膜症の増悪因子として血小板IRPG Eおよび血漿IRPG Fの関与が示唆された.
  • 橋詰 直孝, 渡辺 溪子, 岡田 詔子
    1984 年 27 巻 2 号 p. 99-105
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病ラットにおける生殖機能障害のメカニズムを明らかにするため, ウィスター-今道成熟雌ラットを利用してアロキサン糖尿病状態での性周期異常の頻度, 糖尿病発症との時期的関係, 視床下部, 下垂体, 卵巣機能を検索し, 性周期異常に対するインスリンの影響について検討を加えた.
    1) 性周期異常は75%に認められた.
    2) 性周期異常は糖尿病発症5-10日40.5%, 10-15日26.2%, 15-20日19%, 20-25H8.3%, 25日以後6%の率で発生した.
    3) 卵巣はPMS-G投与により反応を示した. 下垂体のLH-RHに対する反応性やLH, FSH含量は対照群と差がなかった視床下部LH-RH含量も対照群と差がなかった.
    4) アロキサン投与24時間目からレンテインスリン3単位10日間皮下注射した. その間, 性周期異常は認められなかったがインスリン中止により出現した. 更に, 発情間期が続いた糖尿病ラットにインスリンを投与したところ血糖値の高低に関係なく性周期は回復した.
    以上の結果からアロキサン糖尿病の性周期異常は三大合併症と異なり比較的早期に発生し, 視床下部の障害が認められた. この障害にはインスリン作用不足に基づく代謝異常が強く関与していることが推定された.
  • 徳盛 豊, 村上 功, 倉橋 明男, 久野 悟, 茂久田 修, 池田 匡, 武田 倬, 富長 将人, 真柴 裕人
    1984 年 27 巻 2 号 p. 107-112
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病におけるレニン分泌動態を明らかにする目的で, ストレブトゾトシン (以下STZと略す) 30mg/kg, 60mg/kg静注により作製した糖尿病ラットを用い, フロセマイド負荷試験ならびに摘出腎灌流実験によるin vivo, in vitroの検討を行い, 以下の結論を得た.
    (1) in vivoの実験においてSTZ 60mg/kg静注群の血漿レニン活性は, 基礎レベルおよび反応性ともに, 対照群, STZ 30mg/kg静注群に比し有意に低下していた.
    (2) in vitroの実験において, 腎からの直接的なレニソ分泌は, 対照群, STZ 30mg/kg静注群, STZ60mg/kg静注群の3群間で差が認められなかった.
    以上より, STZ糖尿病ラットにおいて, 腎からの直接的なレニン分泌には変化が認められなくても, in vivoでは, 基礎レニン分泌およびレニン反応性が低下してくる可能性が示唆された.
  • 関本 博, 片山 理, 松谷 芳英, 島田 修史, 中野 利美, 中山 正子
    1984 年 27 巻 2 号 p. 113-119
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Wistar系正常血圧ラットおよびspontaneously hypertensive rats (SHRと略す) 8~9週齢, 体重237±13g (M±SD) を対象にインスリン (1匹当り2.4単位を投与) 低血糖発作と脳動脈内皮の超微形態学的変化について検討した.
    1) 死亡率は対照正常血圧ラット群で16, 7%, SHR群で100.0%と有意差が見られた (P<0.01).
    2) 無処置の正常血圧ラット, SHRの走査型電顕所見で脳動脈内皮細胞のmicrovilliやmarginal foldsに形態学的相違が見られた.
    3) インスリン投与後, 両群に内皮細胞の剥離, 消失やmargiml foldsに沿って小孔の出現が見られた.正常血圧ラットよりSHRにこれらの損傷が著明であった.
    4) インスリン投与により脳動脈内皮の透過型電顕像で正常内皮細胞に隣接して原形質内の微細構造のほとんどが消失した内皮細胞が散見され, 赤血球の血管外への遊出も認められた.また同時に, 赤血球構造にも55.0%に変化が見られた.
    以上の結果からインスリン低血糖時には, 幾つかの脳血管内皮細胞の超微細構造に破綻が生じ細胞接合部から血液成分の血管外漏出や出血が惹起され, 特にこれらの障害はSHRに重篤であることが明らかにされた.
  • 木戸 靖彦, 細迫 有昌, 仲村 吉弘, 伊東 三夫, 早川 亨, 井田 英明, 浅野 喬, 菊池 正統, 布井 清秀, 牧 之博, 梅田 ...
    1984 年 27 巻 2 号 p. 121-129
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性網膜症および視力障害に関し, 1981年12月と1982年1月の2ヵ月間に福岡県下の16施設を受診した糖尿病患者3841名を対象に断而調査を行った.
    網膜症は29.8%, 網膜症のうち増殖型は4.6%の頻度に認められ男女差は顕著でなかった.白内障を有する症例は16.2%, 白内障手術後の症例は3.0%の頻度に認められた.
    網膜症は罹病期間11~15年で50.0%, 16~20年で62.8%, 増殖型も各々5.2%, 10.3%と, 罹病期間が長くなるほど高率に認められた.調査時年齢20歳以下の症例では, 罹病期間5年以内では網膜症は認められず, 6~10年の症例で24%に単純型網膜症が認められた.また, 高血圧の頻度は網膜症のない症例では14.5%であったが, 単純型網膜症を有する症例では24.7%であった.
    全受診症例3841名中, 一眼矯正視力0.1以下の網膜症による両眼視力障害は92名, 2.4%に認められ, うち両眼視力の和が0.04以下の失明者は48名, 1.2%であった.網膜症による片眼・両眼視力障害者153名における調査時年齢は平均55.9歳, 視力障害出現までの罹病期間は平均10.5年であり, 平均4.2年の放置期問がみられた.
    以上の成績から, 現在わが国では, 糖尿病患者の4~5%が増殖型網膜症に罹患し, 約1%が網膜症により失明しているものと推定される.
  • 細島 弘行, 山本 郁夫, 木越 俊和, 内田 健三, 森本 真平
    1984 年 27 巻 2 号 p. 131-138
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞, 高浸透圧性非ケトン性昏睡に乳酸アシドーシスを合併した糖尿病の1例を報告した.症例は67歳の女性で, 15年前からacetohexamide 1gr/日を断続的に服用していた.昨年12月からころんで動けなくなり, 当日家人の呼びかけに対して応答なく昏睡状態で緊急入院した.アセトン臭なく, 低体温低血圧, 脱水が著明で, 下肢にチアノーゼと皮下出血を認めた.検査所見で高血糖, 高浸透圧血症と著明なアシドーシスを呈したがケトン体は弱陽性であった.さらに高Na, C1血症のほか乳酸値174.8mg/dlと著明な高乳酸血症を示した.心電図では前壁中隔の梗塞像であった.入院後, インスリン少量持続注入, 補液, 重炭酸ソーダの投与, 陽圧呼吸による管理のほか, ジギタリス, フロセミドの投与を行なったが27時間後死亡した.この症例は, 高血糖, 感染, 脱水状態に心筋梗塞発作をおこし, さらにDICによると思われる出血が進行し, これらの諸因子が急激に心筋のみならず末梢組織のanoxiaをきたし乳酸アシドーシスに至ったと推測された.さらに本例は高浸透圧性非ケトン性糖尿病昏睡を伴っており, 乳酸アシドーシスの合併は極めて稀であると考えられた.
  • 三崎 盛治, 嶋 照夫, 足立 和秀, 住田 安弘, 熊沢 正継, 秋山 俊夫
    1984 年 27 巻 2 号 p. 139-141
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Transferrin (Tf) is the chief iron-transport protein in mammalian blood.
    Seventy-four diabetics 43 males and 31 females ranging in age from 14 to 79 yr were studied. In all cases, urine protein was negative, and Hb and liver function were normal.Serum fasting blood sugar (FBS), albumin, the integral IRI value after50gOGTT and Tf were measured.The Tf was estimated by laser immunoassay. There was no significant difference between the serum Tf levels of diabetic subjects and normal controls (287±43mg/dl vs.305±37mg/dl, mean±SD) However, the serum Tf levels in subjects with IDDM were significantly lower than those in the normal controls and subjects with NIDDM (249±41mg/dl vs.305±37, 299±36mg/dl;p<0.001).
    The serum Tf levels in diabetics were significantly correlated with the serum albumin levels (r=0.366, p<0.002, n=74), FBS (r=-0.338, p<0.02, n=55) and integral IRI values (r=0.608, p<0.002, n=25).
  • 坂田 茂樹
    1984 年 27 巻 2 号 p. 143-146
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Rabbit anti-human thyroxine binding globulin (TBG) was precipitated with 50% ammonium sulfate, followed by passage through a DEAE-cellulose column.The immunoglobulin G (IgG) fraction so obtained was covalently attached to Sepharose CL-4B and used as an immunoadsorbent of serum TBG.
    After treatment with charcoal to remove endogenous thyroid hormones, 25ul of serum from5 healthy subjects was incubated with 125I-T3 andvarious concentrations of cold T3, 8-anilino-1-naphthalene sulf nic acid (ANS), tolbutamide, chlorpropamide and glibenclamide, followed by immunoadsorption with anti-TBG Sepharose.
    The binding of 125I-T3 was inhibited by cold T3 and ANS, whereas sulfonylurea drugs exerted no effect on the interaction between TBG and T3 at concentrations of between 2 and 200mg per dl of serum.
    These results, in contrast to the previous report of Hershman et al., suggest that sulfonylurea drugs at serum concentrations which would be expected from their daily therapeutic doses, do not affect the interaction between TBG and T3.
  • 1984 年 27 巻 2 号 p. 147-173
    発行日: 1984/02/29
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top