糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
29 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 古守 知典, 河原 玲子, 雨宮 禎子, 吉野 正代, 平田 幸正
    1986 年 29 巻 2 号 p. 105-112
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    赤血球酸素解離能 (P50) を糖尿病性腎症とその透析例で検討した. 対象は腎症を有しない糖尿病43例, 透析未施行の糖尿病性腎症46例および腎症で血液透析を施行した20例である.血液の採取は非透析例では早朝空腹時に, 透析例では透析直前および直後に行った.
    1) 未透析糖尿病性腎症46例のP50 in vivo pHは26.0±2.3mmHgで腎症を有しない糖尿病より有意に高かった (p<0.01).
    2) 透析例を除く糖尿病の2群計89例において, P50 in vivo pHは血液pHおよび血色素濃度 (Hb) とおのおの負の相関を示した (p<0.001, p<0.005).また2, 3-DPGはHbと負の相関を, P50 pH7.4は2, 3-DPGと正の相関を示した (おのおのp<0.001).
    3) 血液透析20例では透析後P50 in vivo pH, 2, 3-DPG, 無機燐 (Pi) はいずれも有意に低下し, 血液pHおよびHbは有意に増加した.また透析前後におけるP50 in vivo pHは血液pHと, 2, 3-DPGはHbと負の相関を示した (おのおのp<0.001).P50 in vivo pHとPiとは正相関を有した (p<0.005).
    4) 透析後の赤血球酸素放出能は20例中18例で低下し, その低下率は0.5~37.3%であった.
    以上より未透析糖尿病性腎症のP50 in vivo pHは腎症を有しない糖尿病に比べて高値で, これは腎性アシドーシスに伴うBohr効果と腎性貧血による2, 3-DPGの代償性増加機転によると考えられた.また血液透析例での透析後のP50 in vivo pHの低下は, 血液pHの改善と高燐血症の是正および除水効果による2, 3-DPGの低ドによると考えられた.
  • 白石 三思郎, 佐藤 祐造, 押田 芳治, 吉岡 健太郎, 坂本 信夫, 山田 和順
    1986 年 29 巻 2 号 p. 113-120
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    われわれは, すでに糖尿病患者の長期臨床的観察により, 過インスリン血症の動脈硬化性血管障害の進展に対する多大なる関与を示唆する結果を得ている.そこで今回は, インスリンの血管壁への長期にわたる代謝効果を動物実験的に検討した.
    体重200g前後のWistar系雄性ラットをインスリン群 (I群: N=25), 生食群 (S群: N=15) の2群に分け, 前者にはレンテインスリンを20単位/kg.後者には生食水を毎日皮下注し, 12ヵ月後, 生化学的および形態学的検索を加えた.
    血液生化学的成績は, リン脂質および遊離コレステロール値が前者に大であった (p<0.05).
    大動脈壁脂質分析結果は, 中性脂肪値が前者に大であり (p<0.05), 中性脂肪/リン脂質 (p<0.05) および中性脂肪/総コレステロール比 (p<0.01) はともに前者で大であった.
    大動脈壁形態学的所見は, 光顕的にI群内膜はS群のそれに比し明らかに肥厚し, その組織は, エオジン好性線維束, 無定形基質および不規則に配列する長楕円形核を有する細胞より構成され, 電顕的に同部の線維質は, 膠原ならびに弾性線維様構造を示し, それらの細胞は, 細胞質内の徴細構造と形質膜下の表面小胞の存在より, 平滑筋性と考えられた.
    われわれは, インスリンの長期投与により, ラット大動脈に動脈硬化様病変を発症せしめることが可能であった. 以上の事実は, 過インスリン血症が糖尿病性動脈硬化様病変の発症進展に重要な役割を果たしていることを示唆している.
  • 猪股 茂樹, 伊藤 万寿雄, 大沢 佳之, 井上 正則, 正宗 研
    1986 年 29 巻 2 号 p. 121-129
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者55例 (A群: 蛋白尿陰性41例, B群: 間欠性蛋白尿5例, C群: 持続性蛋白尿9例) を対象に, SDS-polyacrylamide gel electrophoresis (SDS-PAGE) を用いて尿蛋白組成を分析し, その結果と腎生検, 尿中アルブミン排出率 (Albumin excretion rate: AER, μg/min) さらに最高3年にわたる尿蛋白の追跡調査などを対比し, 以下の成績を得た.
    (1) 糖尿病の罹病期間が比較的短く糸球体びまん性病変が (1~) 2度であれぽ, 尿蛋白泳動パターンはT型を示した.安前時AERは血糖コントロールが良好であれば正常であった.
    (2) 罹病期間が長く糸球体びまん性病変が2~3度あるいは3度となれば, 尿蛋白泳動パターンはIV型かG型を示した.安蓄時AERは血糖ロントロールが良好でも上昇する傾向にあった.半数以上の症例に網膜症があり, 増殖性網膜症もみられた.
    (3) この時期になると, 比較的短期間で間欠性あるいは持続性蛋白尿へ進展する可能性があった.
    (4) 腎病変の進展を抑制するには, 少なくともHbA1が8.0%以下になるように血糖を管理する必要があると考えられた.
    以上から, 糖尿病性腎病変の進展に伴って変化する微量尿蛋白の組成を, SDS-PAGEによって捉える方法は, 早期腎病変の把握や持続性蛋白尿の出現予知を可能にする臨床上有力な手段の1つであることが明らかになった.
  • 佐藤 徳太郎
    1986 年 29 巻 2 号 p. 131-135
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Microproteinuriaを示す糖尿病の臨床像を明らかにし, 糖尿病性腎症にみられる蛋白尿の特徴を調べるために, SDS-polyacrylamide gel clectrophorcsisにより尿中蛋白を分画し定量する方法を開発した. SDS-polyacrylamidc gel clectrophorcsis (x) とradioimmunoassay (y) により測定した尿中アルブミン含量との間には, y-0.040+0.664x (r-0.959, p<0.01) の関係が認められた. albustixにより尿蛋白陰性の糖尿病56例中30例 (53.6%) にmicroalbuminuriaがみられた. microproteinuriaを示す糖尿病群はnormoproteinuria群に比し糖尿病罹病歴が有意に長く, 高血圧の合併頻度も高い傾向を示した. また, microproteinuriaを示す糖尿病例においては, 尿中アルブミン含量は64.5%であり低分子蛋白が減少し高分子蛋白は上昇傾向を示した.
  • 田坂 仁正, 丸茂 恒二, 井上 幸子, 平田 幸正
    1986 年 29 巻 2 号 p. 137-143
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者 (35名) と非糖尿病患者 (21名) の剖検による膵尾部 (死後6時間以内) よりインスリン (IRI) ならびにC-peptide immunoreactivity (CPR) を抽出し測定した.特にこのうち糖尿病外来または病室にて6カ月以上経過を追跡し空腹時血糖値 (FSG) を死亡前1週を除きできる限り末期に近く15回測定して平均値のstandard deviation (SD) を計算し得た28名においてはFSGのSDと膵尾部IRIならびにCPRとの関係を検討するとともに生前の朝食負荷試験時の血中ΣCPRと膵IRIとの関係を検討し次の結果を得た.
    1. 糖尿病膵ではIRI, CPRともに非糖尿病者に比しその含量は有意に低い.
    2. 糖尿病患者のFSGは膵尾部IRIの著減とともにその変動性が急速に増加し, FSGの平均値のSDと膵尾部IRIはともに対数関係において負の右意の相関を示した (p<0.01, r=-0.67).膵CPRも同様に負の有意の相関を示した (p<0.01, r=-0.76).
    3. 繼尿病に合併せる肝硬変ならびに腎障害とFSGの平均値のSDの関係は腎障害で若干SDの低下がみられたが, ともに糖尿病全体のSDと有意差はなかった.
    4. 糖尿病死亡前3年以内に行われた朝食負荷試験における前, 60,120分の血清ΣCPRは膵尾部IRIと高度に有意な相関があった (p<0.01, r=0.953), 以上により糖尿病患者のFSGの不安定性は主に膵B細胞の荒廃に基因すると考えられる.
  • 平井 淳一, 羽場 利博, 竹越 忠美, 羽渕 靖治
    1986 年 29 巻 2 号 p. 145-150
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病治療によりST-T変化が短期間に改善した症例を経験したので報告する.
    症例1 73歳女性. 約2年の糖尿病歴を有し, 入院時FBS 195mg/dl, HbA1 10.3%, 眼底はScott Iaであり, 心電図はI, II, aVL, V3-6にてST低下, V1-3にてT波の陰転化を示していた. 糖尿病食1200Cal, glibenclamide 2.5~5.0mgにてFBSは140mg/dlに低下するとともに, II, V5-6のST低下は改善しflat~low T波も正常化した.
    症例2 44歳男性. 約1年の糖尿病歴を有し, 入院時FBS 214mg/dl, HbA1 10.9%, 眼底はScott Iaであり, 心電図はII, III, aVF, V6にてST低下を示していた. 糖尿病食1400Cal, Lente Insulin 8~18UにてFBSは161mg/dlに低下するとともに, II, III, aVF, V6のST低下は改善しT波高も正常化した.
    症例3 56歳女性. 入院10日前より口渇感を覚え, 入院時FBS 302mg/dl, HbA1 12.2%, 眼底はScott 0であり, 心電図はI, II, III, aVL, V4-6にてST低下およびII, III, aVF, V1-6にてT波の陰転化が認められた. 糖尿病食1400Cal, Lente Insulin 8~20UにてFBSは62mg/dlへ, 尿糖量は179g/dayから8g/dayに減少すると, II, III, aVF, V5-6のST-T変化は消失した. しかしFBS 257mg/dl, 尿糖量95g/dayと悪化したところII, V5-6にST低下が再出現してきた.
    以上3症例のST-T変化は, 細小血管症による心筋障害に代謝異常が加わり悪化し, 糖尿病治療により改善したと推察された.
  • 小林 哲郎, 伊藤 徳治, 小坂 樹徳
    1986 年 29 巻 2 号 p. 151-154
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Islet-cell antibodies (ICA) were measured in 198 patients with insulin-dependent diabetes mellitus (IDDM) and 177 non-diabetic controls using a standard indirect immunofluorescence method (IF method) and a newly established three-layer immunofluorescence method applying the biotinavidin system (BAS method) as described below.
    All sera were diluted 1: 2 in 10mM phosphate-buffered saline (PBS), pH7.2, applied to unfixed human pancreatic sections (5μm), and incubated at room temperature for 30min in a moist chamber. The slides were washed over 5-min intervals in PBS 3 times. Biotinated goat anti-human IgG (H+L) serum (Vector Labs., Burlingame, California) diluted 1: 150 in PBS, was then applied to the tissue sections which were then incubated at room temperature for 30min. The sections were then washed for 5-min intervals 3 times in PBS. Fluorescein-isothiocyanate (FITC)-conjugated avidin D (Vector Labs., Burlingame, California) diluted 1: 150 in PBS was then applied to the sections which were incubated at room temperature for 30 min. The sections were then washed for 5min 3 times in PBS.
    ICA titers detected by the BAS method correlated well with those determined by the standard IF method (rs=0.987, p<0.01). The BAS method had a sensitivity for ICA about eight times higher than that of the IF method.
    The overall prevalence of ICA detected by the BAS method (ICA-BAS) vs that by the IF method (ICA-IF) was 41%(82/198) vs 28%(56/198) in patients with IDDM. All 177 non-diabetic controls except one showed negative for ICA-BAS. ICA-IF was detected in none of these non-diabetic controls.
    In IDDM patients, ICA-BAS was positive in all cases less than 1 month after the onset of diabetes, while the prevalence of ICA-IF was 83%(20/24) during the same period. The prevalence of ICA-IF decreased rapidly with the duration of disease, reaching a value of 6%(3/55) in patients with a disease duration of 10 years or more. The incidence of ICA-BAS also decreased, although to a lesser extent than ICA-IF, with the duration of disease.
    These results suggest that in almost all Japanese IDDM patients pancreatic autoimmune processes occur immediately after the onset of disease. The higher sensitivity of the BAS method compared with the standard IF method was of significant diagnostic value, especially in diabetic patients with a long duration of disease.
  • 中村 正, 今岡 弘之, 伊藤 秀彦, 清水 正, 花房 俊昭, 鷲見 誠一, 河野 典夫, 野中 共平, 垂井 清一郎
    1986 年 29 巻 2 号 p. 155-157
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    DG-5128, a new α2-adrenergic blocking agent, was successfully used for the diagnosis of insulinoma in a 61-year-old female who showed normal responses of insulin to intravenous glucagon and of C-peptide to insulin-induced hypoglycemia. As compared to normal controls, oral administration of 150mg DG-5128 induced marked and prolonged increase of serum insulin level, resulting in concomitant hypoglycemia. These abnormalities were corrected to normal postoperatively. These results suggest the usefulness of DG-5128 as an agent for provocation tests of insulinoma.
  • 1986 年 29 巻 2 号 p. 159-194
    発行日: 1986/02/28
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top