糖尿病
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29 巻 , 6 号
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  • 工藤 幹彦, 貴田岡 正史, 武部 和夫
    1986 年 29 巻 6 号 p. 483-489
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ウイスター系雄ラットを以下の5群に分けた. 正常群 (C), STZ糖尿病群 (D): STZ 40mg/kg静注, インスリン群 (I): 糖尿病ラットにレンテインスリン4単位/日注射, Glibenclamide群 (G): glibenclamide (0.5mg/kg) を0.5%CMセルロースに懸濁させ経口投与, CMセルロース群 (CMC): 0.5%CMセルロース溶液投与. 1) ビタミンD欠正常Ca食を与え59日目に [3H] 250HD3 1.5μ Ci静注し, 3日後採血した.血漿よりビタミンD3を抽出し, Sephadex LH-20カラムで分画した. 2) ビタミンD欠乏食81日目に腎を摘出し遊離細胞を得た. 2×107個/McCoy 5a培養液5mnlに [3H] 25OHD3 0.2μCiを加え37℃15分間振盪した. 1) in vivo実験の結果: 1, 25-(OH) 2D3分画はD, I, C群の順に高値となりDとC群間に有意差があった. 24, 25-(OH) 2D3分画はD群で最も高値を示した. 3) in vitro実験の結果: 1, 25-(OH) 2D3分画はD, I, C群の順に高値となり3群間にそれぞれ有意差があった. G群はCMC群に比較し有意に高値であった. 24, 25-(OH) 2D3分画はI, C, D群の順縞値となり, DとI群間に有意差があった. 以上より, 糖尿病ラットの1, 25-(OH) 2D3の生成は抑制されており, インスリン注射したところ, 1, 25-(OH) 2D3の生成は回復し, 24, 25-(OH) 2D3の生成は抑制された.さらにglibenclamideは1, 25-(OH) 2D3の生成を亢進させ, ビタミンD3代謝に影響していることが判明した.
  • 高山 公吉, 永野 聖司, 高橋 昭三
    1986 年 29 巻 6 号 p. 491-497
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Lecithin cholestcrol acyltransferasc (LCAT) 活性を変動させる因子について検討し, 糖尿病におけるLCAT活性の変動とその機序について考察した.また, LCAT-脂質系のバランス破綻の際に出現すると考えられるlipoprotcin-X (Lp-X) の測定を利用して, 糖尿病ではLCAT-脂質系のバランスが保たれているか否かを検討した.
    未治療糖尿病群では, 対照群に比し, 血中脂質濃度, LCAT活性ともに有意に上昇した.LCAT活性は総コレステロール, 中性脂肪, リン脂質と強い正の相関を示し, 一方, γ-glutamylcysteinylglycine (GSH) を加えLCAT活性を促進させた場合の促進率は逆にそれら脂質と負の相関を示した.経口的に糖を負荷した場合, LCAT活性, 活性促進率はともに影響を受けなかったが, 脂質を経静脈的に負荷した場合, LCAT活性は負荷前値に対し, 5分後では平均11.5%の上昇を示した (p<0.01).その上昇は基質となるべき外因性脂質の変動とは必ずしも平行せず, 単に基質の影響とは考えられなかった.以上より, LCAT活性は脂質の影響を強く受けることが示唆され, また, 未治療糖尿病患者ではLCAT活性は上昇し, その機序は糖よりむしろ脂質の上昇に伴った変動と考えられた.Lp-Xは糖尿病患者全例において陰性で, また, 糖, 脂質ともに少量の1回投与負荷ではLp-Xは認められず, 脂肪乳剤の比較的大量で長期投与の症例においてのみ陽性となり, 糖尿病自体ではLCAT-脂質系のバランスに大きな破綻は生じていないことが示された.
  • 清水 弘行, 下村 洋之助, 高橋 正樹, 佐藤 則之, 森 昌朋, 大島 喜八, 小林 功, 小林 節雄, 田所 作太郎
    1986 年 29 巻 6 号 p. 499-504
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    食行動に及ぼすインスリンの作用を検討した.正常ラットに中間型インスリン (NPHインスリン, 8単位/日) あるいは生食を原則として1日1回, 明期直前 (午前6時, L-NPH群, L-生食群) または暗期直前 (午後6時, D-NPH群, D-生食群) に皮下注射し, 最近開発された群大式行動分析装置を用いて, 食行動の日内リズムを分析し次の結果をえた.
    (1), 血糖降下作用: 外因性インスリン投与による血糖降下作用は, L-NPH群とD-NPH群間で著変なかった. (2), 摂食量: L-NPH群はD-NPH群より明期で約5倍, D-NPH群はL-NPH群より暗期で約1.5倍増加し, 1日総摂取量はL-NPH群>D-NPH群であった. (3), 飲水量: インスリン投与時期にかかわらず飲水量は増加したが, その持続時間はL-NPH群>D-NPH群であった. (4), 体重増加量: インスリン注射8日後にすでに体重増加量は, L-NPH群>D-NPH群と明らかであった. (5), 自発運動量: 明期におけるL-NPH群を除いて, 外因性インスリン投与により自発運動量は, 減少した.この自発運動量への抑制効果持続時間は, L-NPH群>D-NPH群であった.
    以上の結果からインスリンによる血糖降下作用には大きな差がないにもかかわらず, インスリン注射時期により食行動や自発運動量に差異が認められ, ひいては体重増加にも結びつくことが示唆された.
  • 三沢 和史, 中山 秀隆, 青木 伸, 小森 克俊, 黒田 義彦, 小野 百合, 種田 紳二, 対馬 哲, 吉田 裕, 佐保 雅紀, 中川 ...
    1986 年 29 巻 6 号 p. 505-512
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒトインスリン製剤を用いて, 速効型と中間型を混合注射したときの速効型の吸収特性変化をin vivoで検討した.
    1) 絶食ウサギに速効型と中間型インスリンを混合 (2分間以内) または分離注射し, 血中IRIと血糖を測定し, 混合注射時の速効型の吸収特性変化を分離注射時を対照として検討した.
    Actrapid (AR), Monotard (MT), Regular (RI) およびNPHのヒトインスリン製剤を使用した.AR・MT (1対1, 1対3) 混合注射時にIRIピークに至るまでの時間が遅れ, 血糖最低値に至るまでの時間も遅れる傾向を示した.RI・NPH (1対1) 混合注射時にピークIRI値が低下し, 血糖最低値に至るまでの時間は遅れた.RI・NPH (1対3) 混合注射時にIRI動態上の差はないが, 血糖反応に若干の変化が認められた.
    2) MTL清 (1000×g, 20分間) とARを混合注射して亜鉛の及ぼすARのIRI動態変化を検討した結果, MT上清の混合比が増すほどピークIRI値は低下し, IRIピークに至るまでの時間は遅延した.AR・MT上清1対3とsemilente (porcinc)・生食1対3の血清IRI値の比較では両者に差はなかった.
    以上の成績より, AR・MT混注時にMTの割合が多くなるほどARの吸収は遅延し, 1対3で, ARはsemilenteに酷似したものに変化すると考えられた.また, RI・NPH1対1混注時にRIの一部は皮下で不溶性となり, RIの吸収は減弱すると考えられた.
  • 若林 茂, 香川 昌平, 中尾 啓子, 青木 政幸, 宇都宮 譲二, 松岡 瑛
    1986 年 29 巻 6 号 p. 513-519
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    5mM Galactose+0.1mM 2-deoxyglucoscを添加したglucose-free, TCM 199 (仔ウシ胎児血清: 以下FBSと略す;10%含有) を用いて7日間培養した新生児ラット膵単層培養細胞を用い灌流実験を実施し, 以下の成績を得た;1) 本培養膵B細胞は16.7mM glucose, 10mM leucineおよび10mM 2-ketoisocaproaをcを含むTCM 199 (FBS 0.5%含有) による30分間の一定濃度刺激に対し, いずれも著明な後期相分泌を伴った二相性分泌応答を示した.また, 非代謝性Ieucine analogucであるβ-aminobicyclo-(2, 2, 1) hcptalle-2-carboxyllc acid (以下BCHと略す) の10mM刺激もまた二相性分泌を誘起したが, 10mM valine刺激は一相性分泌を示した.2) Glucose, leucincおよび2-ketoisocaproateによる60分間の濃度勾配刺激に対しては, いずれも用量反応的なインスリン分泌増大を誘起した.3) 16, 7mM Glucoseを含むTCM 199 (FBS 10%含有) による刺激に対するインスリン分泌およびcAMP放出は, 10μM forskolin, 1mM 3-isobutyl-1-mcthylxanthineの添加により, それぞれ著明な増大を示した. 4) Glutamine代謝はlcucinc, 2-ketoisocaproate, BCHの存在下において増大したが, valineにはglutamine代謝を増大させる効果はなかった.
    以上の成績よりみて, 新生児膵培養B細胞はglucosc-free, 5.5mM galactose+0.1mM 2-deoxyglucose添加TCM 199 (FBS 10%含有) を用いても充分生育し, かつ成熟膵に類似した機能を獲得している可能性が示唆された.
  • 遠藤 素夫
    1986 年 29 巻 6 号 p. 521-529
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ラット摘出膵灌流, 単離膵ラ島を用いて, H1 receptor agonlstである2-pyridylethylamine dihydrochloride (pyridylethylamine), およびH2 receptor agonistであるimpromidine trihydrochloride (impromidine) の膵insulin分泌に対する作用を検討した. さらに, histamineとadrenaline作動性神経系との関連を観察するためα-blocker (phentolamine), およびβ-blocker (propranolol) を添加し, その影響を検討した. 摘出膵で8.4mM glucose灌流下pyridylethylamine 0.1μ Mの添加は, 有意にinsulin分泌を抑制し, この抑制作用はphentolamine 1μMにより軽減された. Impromidine 0.1μM単独添加ではinsulin分泌に影響を及ぼさないが, phentolamine 1μMの前処置によりinsulin分泌はやや上昇し, propranolol 2μMの前処置により, insulin分泌は減少する傾向を示した. また, 単離ラ島で8.4mM glucose存在下にpyridyletyylamine, およびimpromidine 0.1μMを添加した場合, insulin分泌に変化は認められなかった.
    以上より, histamineは, 膵insulin分泌に影響を及ぼし, その作用の一部にadrenaline作動性神経系が関与していることが示唆された.
  • 河野 幹彦, 坂本 美一, 高井 孝二, 斎藤 寿一, 松田 文子, 葛谷 健, 吉田 尚, 清水 英男
    1986 年 29 巻 6 号 p. 531-538
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    若年発症糖尿病とIII型高脂血症の合併症として経過観察中, 著しい高カイロミクロン血症に引続き急性出血性壊死性膵炎を合併して死亡した症例を報告する.
    19歳時, 発疹性黄色腫が出現。23歳第1回入院時に, III型高脂血症とインスリン非依存性糖尿病と診断された. リポ蛋白リパーゼ (LPL), 肝性トリグリセリドリパーゼ (HTGL) はともに活性が低下していた. 初回入院時は食事療法, 第2回, 第3回入院時はグリベンクラミド, インスリン療法により, 高血糖, 高脂血症, broadβbandはいずれも改善したが外来時のコントロールはしばしぼ悪化した. LPL, HTGL活性は高脂血症と逆相関をもって変動し, 高脂血症改善時には, 活性は上昇したが, 正常値には達しなかった. 27歳時, 突然, 腹部激痛, 嘔吐を来して入院. 高脂血症 (トリグリセリド9000mg/dl, コレステロール1,000mg/dl, カイロミクロン著増) と急性膵炎と診断した. すでにショック状態であり, インスリン療法, 交換輸血などを行ったが翌日死亡した. 剖検では, 膵体尾部に出血性凝固性壊死性変化を示す急性膵炎をみとめ, 膵頭部には脂肪壊死がみられた. 膵内静脈毛細血管にはコレステリン結晶を含む血栓をみとめ, 小腸漿膜リンパ管は脂肪で充満していた。
    本例は高脂血症に合併した急性膵炎の本邦最初の剖検例である。高カイロミクロン血症の成因としてはLPLの低下が考えられており, 本例ではもともとLPL活性の低下と糖尿病があったが, 今回のエピソードの直接の誘因は不明である。
  • 清水 弘行, 下村 洋之助, 佐藤 則之, 大島 喜八, 森 昌朋, 小林 功, 小林 節雄, 林 哲, 田所 作太郎
    1986 年 29 巻 6 号 p. 539-541
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Little is known about changes of ambulatory activity in diabetic animals. The present study was undertaken to determine such activity in streptozotocin (STZ)-induced diabetic rats. In addition, the turnover of dopamine in the rat striatum, which has been thought to be closely related to locomotor activities, was investigated.
    The results of the present study were as follows:
    Experiment 1. Ambulatory activity was gradually decreased following increase in the blood glucose level. The degree of the decrease was signficantly related to the elevation of blood glucose level (r=-0.76, p< 0.05)
    Experiment 2. We measured the turnover rate of dopamine as DOPAC (3, 4-dihydroxyphenylacetic acid)(ng/g)/DA (Dopamine)(ng/g). In diabetic rats, dopamine turnover rate was significantly decreased (STZ-Gronp 0.102± 0.003 vs. Control Group 0.112± 0.003 (p< 0.05)). The ratio of the decrease was also significantly correlated with the elevation of blood glucoseluevel (r==0.693, p< 0.01).
    It is suggested that the change of dopamine turnover in the striatum may play an important role, at least in part, in ambulatory activity.
  • 森 豊, 須甲 松信, 奥平 博一, 松葉 育郎, 鶴岡 明, 佐々木 温子, 西村 正彦, 信太 隆夫, 種瀬 富男, 池田 義雄
    1986 年 29 巻 6 号 p. 543-546
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Changes in the subsets of spleen lymphocytes in non-treated and Cyclosporin (Cs)-treated NOD mice were anaylsed using immunofluorescent techniques by FACS. The number of spleen cells in non-treated NOD mice aged 120 days was significantly more decreased than that in ICR mice of the same age. All of the percentages of Thy 1.2, Lyt 1 and Lyt 2 positive cells in non-treated NOD mice were significantly increased compared with those in ICR mice. Moreover, both percentages of Thy 1.2 and Lyt 1 positive spleen cells in Cs-treated NOD mice were significantly decreased compared with those in non-treated NOD mice, while no significant difference was observed in the percentage of Lyt 2 positive spleen cells between non-treated and Cs-treated NOD mice. The ratio of Lyt 1+ cells/Lyt 2+ cells in Cs-treated NOD mice was significantly more decreased than that in non-treated NOD mice. These results suggest that Cs may exert its suppressive effect on development of insulitis in NOD mice by altering the compartmentalization of lymphocyte subsets.
  • 1986 年 29 巻 6 号 p. 547-569
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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