糖尿病
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30 巻 , 11 号
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  • 生水 晃, 西川 光重, 稲田 満夫
    1987 年 30 巻 11 号 p. 981-986
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症早期における尿中glucosylated albumin (GA) 排泄の選択性 (尿中GA/血清GA比) 低下の疾患特異性および血糖コントロールの変動との関係を検討した.定性的に尿蛋白陰性の糖尿病患者 (糖尿病群) 24例, 高血圧患者 (高血圧群) 9例, 無症候性血尿患者 (血尿群) 4例, 正常者10名を対象とした.選択性は, 糖尿病群で有意に低下したが, 正常者と高血圧群, 血尿群との間に有意差はなく, 選択性低下は尿蛋白陰性糖尿病に特徴的な現象と考えられた。また, 血糖コントロールによる選択性の経時的変化では, 2, 3カ月間で血清GA, HbA1の改善をみても選択性の低下は回復しなかったが, 6カ月から13カ月間血清GA, HbA1をほぼ正常に改善した症例では, 選択性低下の著明な回復がみられた。よって, 選択性の低下は, 2, 3カ月の短期間の血糖改善では回復せず, 6ヵ月から1年間程の巌格な血糖管理により, 可逆的に改善し得ると考えられた.
  • 倉八 博之, 森寺 邦三郎, 石原 隆, 早稲田 則雄, 笠倉 新平, 五十嵐 哲也, 真坂 美智子, 岩丸 博
    1987 年 30 巻 11 号 p. 987-994
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病の血清フルクトサミン (FRS) をRoche ® のフルクトサミン・テストで測定した.FRS値は健常者 (n=395) で2.56±0.23 (m±SD), 糖尿病者で (HbA1≦10%, n=120) の群では3.37±0.42,(HbA1>10%, n=50) の群で4.42±0.64Mmol/lであり, 3群間にそれぞれ有意差 (p<0.001) が認められた.同時採血のFRSとFBS, FRSとHbA1にはr=0.643, r=0.825の正相関があった.入院の糖尿病者で治療開始後4週のFRSは過去2週間のFBSと有意 (p<0.001~0.01) に相関し, また糖尿病性昏睡例や不安定型糖尿病者の観察からFRSは過去7~15日間の血糖変動を反映している結果を得た.BSが正常でも高クレアチニン血症や黄疸のある例のFBSは健常者より高く, 低アルブミン血症では低くなった.この機序の詳細は明らかでないが, これら血液生化学に異常がある場合, FRSの評価に注意を要する.FRSとHbA1の組み合わせが, より詳細な糖尿病コントロール指標となることが期待される
  • 佐々木 陽, 堀内 成人, 長谷川 恭一, 上原 ます子
    1987 年 30 巻 11 号 p. 995-1002
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    昭和35年から54年までの期間に当センターを受診したインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者1,939名 (男1,200名, 女739名) を昭和59年末まで平均9.4年間追跡し, 生命予後および危険因子を検討した.
    1) 観察期間中の延べ観察数を分母とした平均年間死亡率 (1,000対) は, 男31.35, 女21.99で, 初診時年齢が高くなるほど上昇した.また, 大阪府の死亡統計から計算した予測死亡数と比較したO/E比は, 男1.69, 女1.74で, 初診時年齢の若いほど高く, 若年発症患者の死亡リスクの高いことが示唆された.2) 初診時年別に生命予後の年次推移をみると, 35歳未満の若年群の生命予後の改善が顕著であった.また, 平均死亡年齢および平均罹病期間も経年的に改善される傾向がみられた.3) 生命予後に対する危険因子としては, 初診時年齢45歳未満では罹病期間, 空腹時血糖, 蛋白尿, 治療方法が, 45~64歳では性, 年齢, 収縮期血圧, 空腹時血糖, 網膜症, 蛋白尿が, 65歳以上では性, 年齢, 蛋白尿がそれぞれ有意であった
  • 佐々木 陽, 堀内 成人, 長谷川 恭一, 上原 ます子
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1003-1011
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    昭和35~54年の間に当センターを受診したインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者1,939名 (男1,200名, 女739名) を昭和59年末まで平均9.4年間追跡し, 死亡例503例について死因を検討した.1) 死因は脳心腎血管疾患が約半数を占め, うち心疾患19.5%, 脳血管疾患16.7%, 腎疾患13.1%で, また悪性新生物は26.6%であった. O/E比は腎疾患が13.81で最も高く, 心疾患は3.08であった.2) 死因分布は発症年齢と関係が深く, 腎疾患は若年発症患者に高率であった. 虚血性心疾患, 脳血管疾患および悪性新生物は逆に発症年齢の高いものに多くなる傾向を示した.3) この25年間の死因の経年的な変化をみると, 虚血性心疾患が昭和35~49年の8.9%から昭和55~59年の15.3%まで顕著な増加を示した.4) 虚血性心疾患, 脳血管疾患, 腎疾患の各死亡群について初診時所見との関係をみると, 腎疾患群は若年発症で, コントロール不良のものが多く, 平均死亡年齢も若いことが見出だされた.
  • 岡田 奏二, 宮井 陽一郎, 佐藤 公明, 樋口 徹, 正木 善告, 荻野 泰久, 市木 研, 太田 善介, 武田 悼, 依田 忠雄
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1013-1016
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    今回の研究目的は, 小児IDDMの発症初期にみられる低血清C4値の意義を明らかにすることにある. 発症後1年未満の21例が本研究に用いられた. このうち, 11例はICSA陽性であり, 残り10例はICSA陰性であった. ICSA陽性対象者 (n=11) の血清C3濃度63.6±8.9mg/dl (Mean±SD), 血清C4濃度20.5±5.3mg/dlは対照者のそれらとの間に差が認められた (それぞれ. p<0.02, p<0.005). ICSA陰性対象者 (n=10) の血清C3濃度77.5±14.1mg/dl, 血清C4濃度33.5±10.1mg/dlはICSA陽性対象者 (n=11) のそれらとの間に差が認められた (それぞれ. p<0.02, p<0.005). ICSA陽性対象者を発症5ヵ月以下 (n=7) と6カ月以上 (n=7) とにわけると, 血清C3濃度については両者間で有意差を認めなかったが, 血清C4濃度では前者17.9±4.3mg/dlと後者25.3±3.4mg/dlとの間に有意差を認めた (p<0.02). 発症5カ月以下のICSA陽性対象者 (n=7) のその1年後の血清C3濃度73.1±8.6mg/dl, 血清C4濃度22.4±4.0mg/dlは初回のそれらより有意に高値を示した (それぞれ. p<0.05, p<0.005).
    これらの所見は, 小児IDDMの発症初期における血清C4濃度はひとりgenetic factorのみによって規定されているのではなく, classical complement pathwayの充進に由来する血清C4濃度の低下が相加されていることを示唆している.
  • 真山 享, 赤井 裕輝, 渡辺 力夫, 阿部 茂樹, 門伝 昌巳, 本郷 道夫, 豊田 隆謙, 後藤 由夫
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1017-1022
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性自律神経障害による胃排出能の異常が食事摂取後のインスリン需要動態および血糖コントロールに与える影響について検討した. 胃排出能正常な糖尿病者 (N群) 4名, 胃無力症 (胃排出能高度異常) の糖尿病者 (G群) 7名の計11名を対象とした.
    胃排出能は99m-Tc-Tin colloidにより標識した試験食摂取後のアイソトープ胃内残存量をガンマカメラにて経時的に測定し, 全例に人工膵島 (Biostator®) によるfeedback controlを行い, インスリン注入動態を観察した.
    G群では食後のアイソトープ胃内残存率がN群に比較して高値であり, 150分後ではG群, 74.1±7.4%(M±SD), N群21.3±5.4%であった (p<0.01). 食後インスリン需要量はN群でG群よりも高値であり, 150分後ではN群11.7±5.3単位, G群5.6±2.1単位であった (p<0.05).
    prokinetic agentの投与により, 胃排出能が著明に改善した6例では, 血糖日内変動, HbA1ともに明きらかに改善し, 良好なコントロールが得られた.
    胃排出能の異常は血糖の不安定性の原因の1つであり, インスリン需要動態に大きな異常をもたらす. 胃排出能の改善により, 食後インスリン需要量が適正化し, 良好な血糖コントロ一ルを得ることが可能となる.
  • 坂東 一雄, 久保田 昌詞, 関谷 正志, 今野 英一, 山崎 義光, 河盛 隆造, 七里 元亮, 鎌田 武信
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1023-1028
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    NIDDMの膵B細胞を“resting”の状態に保持する機序として, 血糖制御状態, 血漿インスリン反応のいずれの因子が重要かを, 人工膵島システムを用い血糖および血漿インスリン濃度を種々のレベルにクランプし, 検索した. 健常人において, インスリン低血糖試験 (0.1U/kg, 0.3U/kg) 時, OGTT (インスリン投与, 非投与) 時ともに, 血糖制御状態を同一にすると, 血漿インスリン濃度の差異にかかわらず, 血漿CPR反応は同程度に認められた. NIDDMにOGTTを施行, 血糖を高血糖にクランプしたとき, 血漿CPR反応は血漿インスリン濃度が低値, 正常値, 高値のいずれの場合でも高反応であった. また, 血糖応答反応を正常パターンにクランプしたとき, 血漿インスリン濃度が低値, 正常値のいずれの場合でも血漿CPR反応は低値を維持した.
    以上, 健常人およびNIDDMとも内因性インスリン分泌は血糖制御状態に依存し, NIDDMの膵B細胞を“resting”の状態に保つには, 血漿インスリン反応とは無関係に, 血糖制御状態の正常化が重要であることが示唆された.
  • 楊 志成, 谷山 松雄, 丸山 太郎, 片岡 邦三
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1029-1033
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    進行した慢性合併病を有する60歳男性糖尿病患者がネフローゼ症候群による全身浮腫を来した際, 血中Creatine Kinase (以下CKと略す) 活性6,867IU/l (MM100%) と著明な高CK血症を呈した. 血中Aldolase値も79IU/lと高値であった. 筋萎縮を認め, 筋電図, 筋生検所見で軽度の神経原性変化を認めたが, 筋酵素の逸脱をもたらす筋原性変化はなく, また甲状腺機能低下症, 糖尿病性ケトアシドーシスなどの高CK血症を呈する病態も合併していなかった. ネフローゼ症候群の治療による浮腫の軽減, 体重の減少に伴い, 血中CK, ALD値も低下した. 浮腫の再発により酵素値は再び増加したが, 血液透析開始後水分貯留の完全な正常化とともに, CK, Aldolase値も正常となった. 糖尿病性末梢神経障害によるsubclinicalな神経原性骨格筋変化に間質液貯留がひきがねとなって高血症を呈したと考えられた
  • 片岡 伸久朗, 江草 玄士, 小川 潤一郎, 久保 敬二, 小武家 暁子, 高山 定松, 山根 公則, 原 均, 西本 幸男
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1035-1038
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病壊疽の多くは下肢に発生し, 他部位に発生することはまれである. われわれは有熱時の氷冷を契機として両耳介・鼻尖部に壊疽をきたした糖尿病の1例を経験したので報告する.
    患者は44歳女性, 昭和55年からバセドウ病の治療を行っており, 昭和56年アイソトープ治療目的で当科入院時に糖尿病を指摘された. 昭和57年より経口血糖降下剤治療中であったが, 昭和60年3月急性肺炎による熱発に対して氷冷を行ったところ, 両耳介・鼻尖部に壊疽を生じた.
    入院後, 経口血糖降下剤をインスリン治療に変更し, 局所の抗生剤塗布, debridementにより同年6月壊疽は治癒した.
    寒冷・加圧などの誘因があれば, 糖尿病性壊疽は下肢以外の部位にも出現しうることが示され, 患者指導の面で留意する必要があると考えられた.
  • 森 昌朋, 山口 真史, 道又 敏夫, 阿久沢 まさ子, 入内島 徳二, 大島 喜八, 下村 洋之助, 小林 功, 小林 節雄
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1039-1042
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    We explored whether camostat mesilate, a potent protease inhibitor, could change the blood glucose level in insulin-treated diabetic patients. Administration of camostat mesilate in a dose of 800 mg for one week caused a significant decrease in the basal and maximal level of blood glucose in response to arginine infusion. Camostat mesilate also decreased the maximal level of blood glucagon in response to arginine infusion, while its basal level was not changed by the same drug. Neither the basal level nor maximal response of blood C-peptide was changed by camostat mesilate. It is concluded from the present data that camostat mesilate may be an efficient drug in decreasing the basal and amino acid-induced level of blood glucose in insulin-treated diabetic patients; the latter reaction is attributed, at least in part, to a decrease in the blood glucagon level, but not the blood insulin level, while the former does not depend on these two endocrine factors.
  • 横田 邦信, 谷口 郁夫, 清水 光行, 斎藤 宣彦, 磯貝 行秀, 山田 治男, 松永 篤, 原 正道, 永野 剛蔵, 荻原 正雄
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1043-1045
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study was to analyze the cardiac function of diabetic patients. The cardiac index, using the CO2 rebreathing technique, was determined at rest and after exercise in 20 diabetic patients (NIDDM: 17 males and three females) and in five healthy volunteers as a control (five males). No abnomalities on the electrocardiogram were found in any of the patients either at rest or after exercise.
    The results were as follows: 1) In comparison with the control group, there was a significant reduction of the increase in the ratio of the cardiac index in diabetics. 2) This reduction of the increase in the ratio of the cardiac index was recognized in diabetics without any other diabetic complications. 3) These phenomena were in accordance with the degree of diabetic retinopathy.
    In conclusion, cardiac dysfunction of diabetic patients during exercise was recognized even in the early stage of diabetes mellitus. This was thought to reflect a decrease in cardiac reserve. Cardiac dysfunction is considered to occur as a result of the following factors: a) abnormalities of contractile protein of the heart muscle; b) metabolic disturbance and c) the structural abnormalities of capillaries in the human diabetic heart as we have already reported.
  • 葛谷 健, 青木 伸, 一色 玄, 奥山 牧夫, 柿崎 正栄, 門脇 孝, 陣内 冨男, 日比 逸郎, 堀野 正治, 松田 文子, 宮村 敬
    1987 年 30 巻 11 号 p. 1047-1063
    発行日: 1987/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The Adhoc Committee on Diabetic Twins was organized in the Japan Diabetes Society in 1984 to collect data on diabetic twins in Japan. During past 3 years, the Committee collected data on 87 pairs of twins, one or both of whom had diabetes mellitus or glucose intolerance. Among them, 63 were monozygotic and 24 were dizygotic twins. Probands, who are defined as those who developed diabetes or glucose intolerance earlier, included 21 patients with IDDM, 56 with NIDDM, one case with diabetes of unknown type, and 9 with borderline glucose intolerance. Physicians in charge of diabetic twins were asked to fill out a form for detailed informations and some additional examinations when necessary. These data were gathered and analyzed by the Committee. The Committee ended the term in 1987 after 3 year's activity, and reports on main results obtained so far.
    (1) Concordance rate for diabetes in monozygotic twins was 45%(5/11) in IDDM and 83%(38/46) in NIDDM cases. In dizygotic twins, concordance rate was 0%(0/10) in IDDM and 40 %(4/10) in NIDDM cases. It was significantly higher in NIDDM than in IDDM, and in monozygotic than in dizygotic twins.
    (2) Concordance rate was higher in patients with the onset of diabetes above the age of 20 years than in those whose age of onset was below 20 years.
    (3) The period of diacordance was not shorter in discordant pairs than in concordant pairs.
    (4) In IDDM cases, about 90% lived together at the onset of diabetes, while more than 80% of twins lived separately in NIDDM pairs at the time of onset. This was independent of zygosity and whether they are concordant or discordant for diabetes. It is probably due to the difference of the age of onset of IDDM and NIDDM.
    (5) The frequency of positive family history and the prevalence of diabetes in parents and siblings other than co-twins were higher in NIDDM than in IDDM cases, irrespective of whether they were concordant or discordant.
    (6) The presence or absence of various complications agreed in 68-97% of concordant diabetic pairs. There were a few pairs discordant for the severity of retinopathy. In these pairs the difference in the duration of diabetes or in the degree of hyperglycemia would explain the difference in severity of retinopathy.
    (7) Glucose tolerance test in 6 co-twins of discordant pairs of IDDM revealed that 4 had normal glucose tolerance and 4 had normal insulin response. In 8 co-twins of discordant pairs of NIDDM, normal glucose tolerance was found in only 2 cases and normal insulin response also in only 2 cases.
    (8) The thyroid autoantibodies were more frequently positive in IDDM than in NIDDM patients, and the positive and negative tests agreed well between monozygotic twin pairs irrespective of concordance for diabetes. Data on islet cell antibody and HLA antigens were obtained in too few twin pairs to draw any substantial conclusions. All of IDDM patients who were tested for HLA antigens had HLA DR 4.
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