糖尿病
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30 巻, 8 号
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  • 種瀬 富男
    1987 年 30 巻 8 号 p. 707-708
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 藤井 恵子, 永峰 康孝, 大島 一洋, 上田 隆, 白川 悦久, 弘田 明成, 島 健二
    1987 年 30 巻 8 号 p. 709-714
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病自己管理にとって, 尿糖値が有用であるためには, 家庭において尿糖の定量が手軽にできる必要がある. この問題解決のために, まず, 血糖自己測定器で尿糖自己定量が可能か否かを検討した. さらに, 種々の条件下蓄尿に際しての尿糖濃度の変動についてもあわせ検索を加えた.
    デキストロスティックス/デキストロメーターII ® (以下デキストロと略す), グルコスティックス/グルコスター® (以下グルコと略す), ダイアトロール/トーエコー® (以下ダイアと略す) を検討対象測定系とし, 対照法としてフジドライケム1000®を用いた. デキストロで尿を測定した場合, 発色部分が不均一に呈色し, 定量は不可能であった. グルコ, ダイアの場合, いずれも均一に呈色し, 原尿で測定する限り, それらの測定値は対照法のそれによく類似した. 希釈尿を用いた際ダイアの場合理論値によく一致したが, グルコでは理論値と解離した. ダイア測定系の精度は同一熟練者, および熟練者で測定者が異なった場合, CVはそれぞれ4%, 5.2%であった. 非熟練者の場合のCVは10%と熟練者のそれに比べやや劣った.
    E.coliを添加し, 蓄尿すると25℃, 37℃の場合, 経時的に尿糖濃度は低下した. しかし, 患者尿をそのまま用いた場合, 蓄尿による影響は患者により異なったが, 24時間以内では測定値に変化は認められなかった.
    以上の成績より, ダイア測定系で尿糖自己定量が可能であることが明らかとなった. また, 糖尿病自己管理に本測定の応用の可能性が示唆された.
  • Coenzyme Q10投与の効果
    茂久田 修, 伊東 康男, 村上 功, 池田 匡, 富長 将人, 真柴 裕人
    1987 年 30 巻 8 号 p. 715-721
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病心筋のグルコース代謝を明らかにする目的で, ストレブトゾトシン (STZ) 糖尿病ラット心筋におけるグルコース取り込み, 乳酸生成,[1-14C]-glucoscの酸化について検討するとともに, coenzymc Q10 (CoQ10) 投与の影響について検討した.
    体重120gのウイスター雄ラットにSTZ 60mg/kgを投与し7日間飼育したもの (STZ群), STZ投与後CoQ1010mg/kgを連日投与したもの (STZ+CoQ10群) および対照ラットについて心を摘出しLangendorffモデルの灌流実験を行った. 1mMグルコースおよび [1-14C]-glucoscを含む灌流液を用いて2ml/minの流速で30分間灌流した.
    対照群のグルコース取り込みは心湿重量当たり9.0±1.4μmol/30min/g (mcan±SD), 乳酸生成は40.5±12.4μmol/30min/g, グルコース酸化は39.5±4.0nmol/30min/gであったが, STZ群ではそれぞれ4.4±2.6μmol/30min/g, 25.0±6.8μmol/30min/g, 22.0±7.8nmol/30min/gといずれも有意な (P<0.01) 低下を示した. STZ+CoQ10群ではグルコース取り込みは4.6±2.8μmol/30min/g, 乳酸生成は23.7±4.8μmol/30min/gでそれぞれSTZ群と差を認めなかったが, グルコース酸化は30.7±5.2nmol/30mil/gとSTZ群に比し有意に高かった (p<0.05).
    今回の実験からSTZ糖尿病ラット心筋のグルコース取り込み, 嫌気的解糖および好気的解糖はともに著明に低下していることが示され, またCoQ10投与により糖尿病ラット心筋におけるグルコース酸化が改善される吋能性が示唆された.
  • 森田 須美春
    1987 年 30 巻 8 号 p. 723-728
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    軽症のインスリン非依存型糖尿病患者における内因性インスリン, グルカゴンおよび腸管グルカゴン分泌に及ぼすインスリン作用について, glucose clamp法を用いて検討した. その結果, 正常者, 糖尿病者いずれにおいても, それぞれの空腹時血糖値に維持した状態において, 2時間にわたる40mU/m2/minのレギュラーインスリン注入により血. 中CPR, IRG, Gut GLIは有意に低下した, しかしながら, その抑制の程度はいずれも糖尿病群では正常者に比して有意に低値であった. このことは, 正常者と差を認めない空腹時血糖を持つ症例や, 治療によって空腹時血糖の改善した症例においても同様に認められた。このとき, 糖質代謝におけるインスリン作用, metabolic clearance rate (MCR) は, 正常者の8.8±0.2ml/kg/minに比して糖尿病群では4.8±0.4ml/kg/minとインスリン感受性の低下が存在した.
    以上の結果より, 外因性インスリンは, 内因性インスリン, グルカゴンのみならず腸管グルカゴン分泌をも抑制することを明らかにした. しかし, これらの内分泌機能相関において, インスリン未治療の糖尿病では正常者より低下しており, MCRからみた末梢組織でのインスリン感受性も同様に低下していることが明らかとなった.
  • 牛車腎気丸とメコバラミンの比較検討
    坂本 信夫, 佐藤 祐造, 後藤 由夫, 池田 義雄, 高橋 昭, 矢野 三郎, 竹田 亮祐, 馬場 茂明, 兼子 俊男, 三村 悟郎, 田 ...
    1987 年 30 巻 8 号 p. 729-737
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性神経障害に対し, 漢方製剤である牛車腎気丸とビタミンB12製剤であるmecobalamin (methyl-B12) の有効性に関する比較検討試験を行った. すなわち, 牛車腎気丸 (7.5g/日) を試験薬 (G群, 48例), mecobalamin (1.5mg/日) を対照薬とし (M群, 38例), 封筒法により割りつけたwell-controlled studyを12週間以上実施, 群間比較を行った.
    自覚症状ことに, しびれに対してG群の改善率は69.8%とM群37.1%に比して有意に (p<0.05) 大であった. また, 性欲減退および陰萎を合計した症例の改善率は, G群で29.6%, M群13.3%と前者が後者に比して大である傾向 (p<0.10) を示した. G群の全般改善率は77.1%とM群52.6%より有意に (p<0.01) 大で, 有効性 (p<0.02), 有用性 (p<0.02) もG群がM群より大であった.
    以上の成績は, 糖尿病性神経障害の治療上牛車腎気丸が有用であることを示唆しているものと思われる.
  • 大谷 敏嘉, 八尾 建史, 佐藤 麻子, 岩崎 直子, 樋上 裕子, 笠原 督, 平田 幸正
    1987 年 30 巻 8 号 p. 739-746
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1980~1984年に東京女子医科大学糖尿病センター通院中の25歳未満発見NIDDM 97名 (男51名, 女46名, 発見年齢18.4+4.2歳 [mean±SD], 罹病期間7.1±6.4年) について, 糖尿病の遺伝歴と肥満および細小血管症との関係を検討した. 同期通院中の25歳未満発症IDDM 127名 (男60名, 女67名, 発症年齢11.8±5.9歳, 罹病期間10.5±7.2年) を対照とした.
    第一度近親に糖尿病を認める発端者は, NIDDM 49.0%, IDDM 11.9%であった (p<0.005). NIDDMで, 三世代にわたってNIDDMの遺伝を有し, 同胞のうち半数以上にNIDDMを認める発端者をMODY, MODY以外のNIDDMをNIDDYと規定したところ, 11.5%にMODYがみられ, 20歳未満発見発端者では19.2%, 20歳以上25歳未満発見発端者では2.3%にMODYを認めた (p<0.025).
    過去に肥満を認めたものは, NIDDM 30.9%, IDDM 3.9%であった (p<0.005). 肥満はMODYでは1人もなく, NIDDYでは34.9%にみられた.
    網膜症は, NIDDM 36.8%(単純22.1%, 増殖14.7%), IDDM 53.2%(単純43.7%, 増殖 9.5%) にみられた。MODYは41.7%(単純25.0%, 増殖16.7%), NIDDYは36.1%(単純21.7%, 増殖14.5%) に網膜症を認めた. 腎症は, NIDDM 14.7%, IDDM 10.3%にみられた. MODYは16.7%, NIDDYは14.5%に腎症を認めた. 若年発症NIDDMであってもIDDMと同様に重症細小血管症がみられ, また, MODYもNIDDYも細小血管症をおこしやすいものから, おこしにくいものまで幅広いheterogencityを有するものと推論した.
  • 石井 英博, 末廣 朋来, 宮崎 和則, 船越 顕博, 井林 博, 古賀 明俊, 許斐 康煕, 自見 厚郎
    1987 年 30 巻 8 号 p. 747-751
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は27歳女性. 意識消失発作を主訴として入院し, 絶食試験・血管造影・経皮経肝門脈カテーテル法などの諸検査によりインスリノーマと診断し, 手術で膵内の計6個のインスリノーマを摘出. 2年後に高カルシウム血症の精査にて再入院し, 副甲状腺機能亢進症の診断で単発性の副甲状腺腺腫を摘出した. 下垂体には異常を認めず, また家族歴を欠き, 多発性インスリノーマと副甲状腺腺腫を呈した散発例の多発性内分泌腺腫症 (MEN) I型と診断した. 膵インスリノーマでは腺腫内のインスリン, グルカゴン, ソマトスタチンおよびhuman pancreatic polypcptide (hPP) など各種ホルモン測定, 免疫組織化学および電顕像などの所見から, 多種ホルモン産生能を示し, また各腺腫ごとにこれら各種ホルモン産生パターンが全く異なることを認めた. また, 腫瘍内インスリンのHPLC分析ではインスリンの構造異常は認めえなかった.
  • 袴田 睦, 伊藤 光泰, 大橋 弘幸, 仁瓶 禮之
    1987 年 30 巻 8 号 p. 753-759
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Painless thyroiditis (以下, PT) 発症とともに臨床的に糖尿病を発症した1例を報告した. 51歳女性で入院2ヵ月前より口渇, 多飲多尿, 動悸が出現し体重減少を認めた. 入院時, 無痛性のびまん性甲状腺腫を触知した. 末梢血甲状腺ホルモン値のヒ昇, 131I甲状腺摂取率の低下, 甲状腺自己抗体の上昇を認める一方, FBS 181mg/dl, HbA1c 13.5%と糖代謝異常を認めた. 短期間のβ-blocker, 経口血糖降下剤の投与にて, 甲状腺機能, 糖代謝は正常化した. 甲状腺マイクロゾーム抗体のヒ昇に伴ってTSHの一過性上昇が認められた. 経口ブドウ糖負荷試験は, 初め, インスリン分泌反応の低下を認めたが, 甲状腺機能が正常化するにしたがいインスリン分泌能は回復し, 正常血糖曲線を示した. ICA, ICSAは陰性であった. 本例において, 一過性の甲状腺機能亢進が糖代謝悪化の主因と考えられるが, PT発症に関連する免疫学的異常が, 糖尿病発症に筋かの影響を与えた可能性もあり, 今後詳細な検討が必要である.
  • 橋本 尚武, 牧野 英一, 金塚 東, 藤原 敏正, 桜田 正也, 岩岡 秀明, 平良 真人, 大沢 一仁, 山口 卓秀, 吉田 尚
    1987 年 30 巻 8 号 p. 761-765
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    コクサッキーB3ウイルス感染がInsulin-dependent diabetes mellitus (IDDM) の発症に強く関係したと思われるDiaminodiphenyl Sulfone (DDS) 症候群の1例を報告する.
    症例は60歳, 主婦, DDS症候群のためプレドニン服用中突然に口渇, 多飲多尿出現し, 意識レベル低下し, 同時に血糖高値, 血液pH 7.23, 尿ケトン体陽性にて糖尿病性ケトアシドーシスと診断された. 発症経過, また以後に行ったインスリン分泌能検査, HLA検査などよりIDDMと診断された.コクサッキーB3ウイルスの中和抗体価は, 発症直後4倍であったが, 21日目には128倍に上昇し約2ヵ月後に4倍に低下した. 他のウイルス抗体価は有意な変動は認められなかった.
    本例は, IDDM発症とコクサッキーB3ウイルス抗体価の推移を考えると, コクサッキーB
    3ウイルス感染がIDDMの発症の病因と強く関連した症例と思われた.
  • 須藤 裕一郎, 伊藤 光泰
    1987 年 30 巻 8 号 p. 767-772
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者に抑うつ症や神経症がかなり高率に認められること, また合併症としての中枢神経障害の存在が最近注目されている. われわれはケトアシドーシスや胃無力症がなく, 抑うつ症により嘔吐をくりかえしたインスリン依存性糖尿病の1例を報告する. 症例は33歳の女性で, 1971年に糖尿病を発症, 過去3回悪心, 嘔吐にて当院に入院, 1985年3月14日より再び同症状が強く入院した. 入院時眼底Scott IIIa, アキレス腱反射, 振動覚の低下を認めた. 血糖コントロールとともに約3ヵ月で嘔吐は消失した. 以後良好な血糖コントロールでケトアシドーシスもないにもかかわらず悪心, 嘔吐を生じ再度入院した. 心電図R-R間隔CV=0.07%の著しい低下, 起立性低血圧から自律神経障害を認めたが他の神経学的検査, 消化管造影は異常をみとめなかった. 精神科的検査で糖尿病が心因となった抑うつ状態と診断, 抗うつ剤治療を開始, 翌々日より嘔吐は完全に消失しその後12カ月間症状の改善をみた. 糖尿病患者の原因不明の消化器症状において, 一部では精神症状とくにうつ状態が関与していることを考慮する必要がある.
  • 1987 年 30 巻 8 号 p. 773-792
    発行日: 1987/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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