糖尿病
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30 巻 , 9 号
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  • 三家 登喜夫, 曽和 亮一, 英 肇, 森田 一, 田畑 宏道, 久保 一紀, 近藤 渓, 南條 輝志男, 宮村 敬
    1987 年 30 巻 9 号 p. 795-802
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    グルカゴン (G) による血漿Cペプチド (CPR) 低反応者におけるインスリン分泌能の特徴を, 糖尿病 (DM) の病型分類との関連性において検討した. Glmg静注後のCPR反応における5分値と前値との差 (△G) が0.5ng/ml以下である10wresponder50名, △Gが0.6ng/ml以上のII型DM患者128名 (II群), および健常者9名 (N群) を対象とした. 対象者にアルギニン (A) 49を静注し, 血漿CPR反応における5分値と前値との差 (△A) を求め, △G/△Aを算出した. II群ではN群に比し, △G, △Aはともに低値であったが, △G/△Aでは差を認めなかった. Low responder中, I型DMで罹病期間が2年以上の者や, II型DMのインスリン治療患者では, △G, △Aが低値である者が多く, △G, △Aの平均値の算出は不可能であった. 一方low responder中でも, 1型DM発症初期の者 (Ib群) やII型DMの非インスリン治療患者 (IIb群) では, △AはII群と同程度にまで保たれており, それらの△G/△AはII群やN群に比し有意な低値であった. IIb群では1型DMと類似のHLAを高率に有しており, うち2名は後日インスリン依存性DMへと移行した.
    以上より, 1型DM初期ではGによるCPRの低反応が特徴的であるが, Aによる反応は比較的保たれていた. このような性質を有する者は小数例ながらもII型DMと考えられている群の中にも存在しており (IIb群), これらの者は現時点ではNIDDMであるが, 1型DMと類似の病態である可能性が示唆された.
  • 鈴木 隆, 佐藤 信行, 鈴来 和男, 梶沼 宏, 葛谷 信貞
    1987 年 30 巻 9 号 p. 803-809
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重篤な合併症のないインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者46名と非肥満健常者10名を対象として, 厳格な食事療法を行い短期間に血糖値を改善した際の治療にともなう膵B細胞機能の変動を, 24時間尿中C-ペプチド排泄量 (24hU-CPR) と食事負荷における血中C-ペプチド (CPR) 反応を測定し検討した。NIDDM患者では治療にともない空腹時血中CPR値は低下する傾向を認めたが, この成績は24hU-CPRが治療にともない減少し, これは主として基礎CPR分泌量の減少に由来するとしたわれわれの成績に対応するものと考えられた. また食事負荷後の追加CPR分泌は治療にともない増加する傾向を認めた. 食事負荷ではNIDDM患者の血中CPR反応は健常者のそれをうわまわる場合があり, 血中CPR値の総和を血糖値の総和で割った値 (ΣCPR/ΣBG) でNIDDM患者の膵B細胞機能を評価することが必要であると考えられた.
  • 小川 明男, 葛谷 英嗣, 山田 和範, 井村 裕夫
    1987 年 30 巻 9 号 p. 811-817
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    筋緊張性ジストロフィー症 (MD) に伴うインスリン抵抗性の成因を検討した. 正常血糖曲線を示す, 非肥満のMD患者7例および健常者 (N) 5名を対象にeuglycemic glucose clamp (インスリン注入速度40,200mU/m2/min) を施行した. インスリン受容体の測定は赤血球と培養皮膚線維芽細胞を用いた. euglycemic glucose clampでのinsulin clearance rateをま両群間に差はなかった. 体重当たりのglucosedisposal rate (GDR) の用量反応曲線は, MD群で右方移動と最大反応量の低下を示した. fat free space当たりのGDRの最大反応量は両群問に有意差はなく, 体重当たりのGDRの最大反応量の低下の一因として体脂肪量の相対的増加 (筋肉量の相対的減少) の関与が示唆された. 赤血球および培養皮膚線維芽細胞の125I-インスリン結合はMD群で低下 (主に結合親和性の低下に基づく) していた. 以上より, 一次的なインスリン結合の異常がMDのインスリン抵抗性の成因と考えられた.
  • 老籾 宗忠, 増田 章吾, 中道 恒雄, 前田 裕一郎, 秦 文彦, 北村 嘉章, 西本 茂樹, 松本 真一郎, 畑中 裕司, 馬場 茂明
    1987 年 30 巻 9 号 p. 819-823
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    毛髪蛋白glycation測定をIDDM発症時期の証明に用いうる可能性を検討した.
    病歴, HbA1cの成績から, 発症時期の明確な16歳女性のIDDM症例の毛髪glycationをlysineのε-amino基にgiucoseが結合して生成されたfructose-lysine (Amadori化合物) を酸性加水分解して得られるfurosineで測定した. 発症後3, 5, 9か月の時点で採取した毛髪を用いても, 毛髪の成長速度を考慮すると, IDDMの発症以降に成長した毛髪の部分でfurosine値は高値を示した.
    以上, 毛髪glycationは過去の任意の時点, あるいは過去の連続した時点の血糖状態を反映するため, IDDMの発症時期の判定にも有用な新指標となることを確認した.
  • 伴場 信之
    1987 年 30 巻 9 号 p. 825-836
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者について, 2種の血小板凝集抑制剤,(E)-3-[4-(1-imidazolylmethyl) pheny1]-2-ProPenoate (OKY) 5mMと含硫アミノ酸のtaurine (Tau) 50mMのin vitro血小板凝集能 (比濁法) におよぼす影響について検討した.[成績](1) Epinephrine (Epi) 0.1, 0.5μg/mlおよびADP1, 2, 3μMによる凝集率は対照群に比し, 糖尿病群で有意の高値を示した. (2) OKY添加時 (Epi1.0μg/ml, ADP3μM惹起凝集) およびTau添加時 (EpiO.5μg/ml, ADP2μM惹起凝集) で, 対照群に比し糖尿病群で血小板凝集の抑制の程度が有意に弱かった. (3) 糖尿病群と対照群を併せて検討すると, 凝集率および抑制の程度はHbA1と有意の正および負の相関を認めた.[結論] 糖尿病では, 血小板凝集能は亢進しており, 2種の抑制剤に対する感受性は低下していた. この血小板機能異常は, 比較的長期間の高血糖状態が関与する可能性が示唆された.
  • 梅村 喜三郎
    1987 年 30 巻 9 号 p. 837-843
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糸球体メサンギウムは糖尿病性腎症における主要な病変の場であり, かつ, 糖尿病ラットでメサンギウム細胞 (M細胞) の機能異常の生じていることが報告されている。この異常の成因を解明する目的で, ラットよりM細胞を培養分離しポリオール代謝の有無およびその特性を検討した.
    培養M細胞はその形態学的および生化学的特質により同定した. 本細胞にはポリオール経路の酵素活性, aldosc reductase (AR) およびsorbitol dchydrogenaseが存在し, かつ, ARは他組織由来のものと同様なkineticsを示した.本細胞をglucoseまたはgalactose含有液で孵置したところ, 容量依存的にポリオール蓄積が生じ, また, この蓄積はAR阻害剤により有意に抑制された.
    以上より, 糸球体M細胞でのポリオール経路の存在が確認され, 高血糖状態では, M細胞内にポリオール蓄積が生じ, M細胞機能異常が惹起されるものと考えられ, これが糖尿病性腎症進展に関与している可能性が示唆された.
  • 河村 孝彦, 堀田 饒, 榊原 文彦, 中村 二郎, 鬼頭 柳三, 松前 裕己, 洪 尚樹, 深沢 英雄, 角田 博信, 佐野 隆久, 奥山 ...
    1987 年 30 巻 9 号 p. 845-851
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Bacitracinは Bacillus licheniformisから得られるcyclic polypeptideでペプタイドホ, レモンの崩壊を防ぐproteolytic inhibitorとして汎用されてきた. ところが最近, bacitracinの細胞外での本来の働き以外にも細胞内で代謝に直接作用を持つことが報告されるようになった. そこでわれわれはWistar系雄ラットの単離脂肪, 肝細胞を用いて, bacitracinの代謝に及ぼす直接作用を検討した. 単離脂肪細胞実験で, bacitracinは, epinephrine, theophylline, dibutyrylcAMPによるlipolysisに対し, insulinと同様の抗脂肪分解作用を有したが, glucagonによるliPolysisに対しては, 1mMまではその作用を増強し, それ以上の濃度では逆に抑制的に働いた. このことは単離肝細胞実験でglucagonによるglucose productionやketogenesisで同様に観察された. 以上よりbacitracinは通常使われる濃度 (01-5mM) で, 直接的に代謝過程に作用し, ペプタイドホルモンの標的細胞におけるin vitroの実験にbacitracinを使用することの危険性が明らかとなった.
  • 竹内 昭一, 多田 久也
    1987 年 30 巻 9 号 p. 853-858
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症 (以下, 腎症と略す) において尿へfibronectin degradation products (以下, Fn DPと略す) が排泄されるか否かを明らかにするため, 高度な蛋白尿を有する糖尿病4例を対象に, gelatinを用い尿と血漿よりfibronectinを分離, さらに, 5%SDS-Polyacrylnide gel elctrophoresisによりその分子1量を推定した. 次に, 腎症の進展と尿Fn DP排泄率との関係を調べる目的で糖尿病64例, 健常者11例を対8象に, 24時間尿Fn DP排泄率と尿蛋白ならびに他の腎機能検査成績との関連を検討した. それらの結果, 1腎症の尿に分子量19×103から80×103のFn DPを証明し得たが血中には認められなかった. 蛋白尿が高度になるにつれ尿Fn DP排泄率は増加した (r=0.65, P<0.001), 尿Fn DPと尿β2-microglobuln, 血清creatinine, 血清β2-microglobulnなどとは正の相関, 血清albuminとは負の相関関係にあった.
    以上より, 糖尿病者の尿へFn DPが排泄されることが明らかになり, その排泄率は腎症の進展と密接な関係にあると考えられた.
  • 須田 成彦, 佐藤 潤一, 秋山 悟, 高桑 博, 鳥居 宣夫, 添田 仁, 金沢 真雄, 植木 彬夫, 能登谷 洋子, 伊藤 久雄
    1987 年 30 巻 9 号 p. 859-864
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    要約: 重篤なる低血糖発作を頻発するインスリノーマ患者において, 術前に低血糖に対しジァゾキサイドを投与し, 血糖維持に有効であることを人工膵島にて確認した症例を経験したので報告する. 症例は70歳男性, 68歳時より早朝意識消失発作ありインスリノーマを疑われて当科入院, 入院後, 腹部血管造影にて腫瘍が確認された. 空腹時血糖12mg/dl, IRI (nmunorcactiveinsulin) 16μU/mlであり, 低血糖発作頻発のため, 血糖のコントロールには中心静脈カテーテルより高濃度のブドウ糖投与を必要とし, さらに術前にジァゾキサイド200mg/dayを経口投与した. ジァゾキサイドの血糖上昇作用を定量的に表すため, 人工膵島を用い2000Calの食事下にて血糖を80mg/dlに保つために必要な経静脈的ブドウ糖投与量を, 午後2時より翌日午前8時までの18時間について測定した. その結果ジァゾキサイド投与前の必要量は1209, 投与後は389と血糖の維持にジァゾキサイドの有効性が確認された. 本例では手術的に直径約10mmの腫瘍および米粒大の腫瘍2個の存在が確認された. 腫瘍インスリン含量は17.8U/wt.g. であり, ゲル炉過像では大分子インスリンが72.4%を占めた. 本例は術後低血糖発作なく軽快した.
  • 谷亀 光則, 富野 康日己, 江口 一彦, 金重 秀明, 野本 保夫, 堺 秀人
    1987 年 30 巻 9 号 p. 865-870
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    要約: 最近われわれは, 糖尿病の経過観察中にガス壊疽を併発した3症例を経験したので, 本邦における文献的考察も加え報告する. 糖尿病性ガス壊疽の起炎菌は自験例の (症例2) を含め2例を除き, 本邦報告30例はすべてNon-Clostridium (主にBactroides, E.coli.) であった. また糖尿病性ガス壊疽は, 非糖尿病性ガス壊疽に比べ予後が悪く, 生存例は肢切断術を施行しているものが多かった. 自験生存例 (症例3) では, 局所のレントゲン撮影により早期にガス壊疽が発見されており, 発見の時期が予後に大きく関与している可能性が示唆された. 糖尿病患者は, 一般に易感染性でわずかな病変でも注意深い観察が必要であり, 局所のレントゲン撮影によるガス壊疽の早期発見と, 外科的処置を含む適切な治療の早期開始が重要であると思われた.
  • 今野 英一, 考藤 達哉, 高橋 盛男, 野村 誠, 鮴谷 佳和, 七里 元亮, 鎌田 武信, 川上 正人, 池上 敬一
    1987 年 30 巻 9 号 p. 871-876
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    要約: 左肩関節周囲と左腎周囲に, それぞれ原因菌の異なるガス産生感染症をほぼ同時に発症し, 救命しえたIDDM症例を経験したので報告する. 症例は29歳女性で7年前初妊時に糖尿病を指摘され, インスリン治療を開始するも, 以後のコントロールは不良であった. 発熱, 左肩関節痛あり, X線写真にて関節周囲のガス像を認め, ガス壊疽の診断の下に左上肢帯切断術施行. 1ヵ月後左側腹部腫瘤出現し, CTなどにて気腫性腎周囲膿瘍と診断, 左腎摘出術を施行した. 前者の原因菌はKlebsiella, 後者はEnterobacter, St.faecalisと異なっていた. 糖尿病患者に2種類のガス産生感染症を合併したという報告は他にみられず, しかも予後不良の両疾患を治ゆしえたという点で極めて興味深い症例であった
  • 佐藤 則之, 諏訪 邦彦, 下村 洋之助, 高橋 正樹, 清水 弘行, 上原 豊, 大島 喜八, 小林 功, 小林 節雄
    1987 年 30 巻 9 号 p. 877-880
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    While frequent infection is an important cause of mortality in patients with diabetes mellitus, the precise mechanism has not been explored. On the other hand, stimulated neutrophils producea burst of oxidative metabolism which results in the death of bacteria. Chemiluminescence, whichis reported to be a sensitive indicator of oxidative metabolism, is simultaneously correlated withantimicrobial activity. We examined luminol-dependentchemiluminescence (LDCL) using whole bloodin streptozotocin (STZ)-induced diabetic rats. Four days after ip administration of STZ (60 mg/kg), the LDCL activity in the diabetic rats decreased significantly Comparid control rats (4 days: Cont, 5.12±1.53, DM, 1.10±0.07, p<0.01; 17 days: DM, 1.01±0.39, p<0.05 (KC/min2/106 gran.)). But the blood glucose levels were significantly more eleveated in the diabetic rats than in controlrats (4 days: 399±9mg//dl, 17 days: 598±8mg/dl, Cont.: 77±8mg/dl). Ten days after administrationof NPH insulin to diabetic rats, the LDCL activity significantly increased (O.04U: 1.61±0.09; 0.40U: 1.99±0.47; 4.00 U: 3.3±0.43 KC/min2/106 gran.).
    These results indicate that an increased susceptibility to infection in diabetic rats results fromimpaied of neutrophils to produce ability active oxygen species.
  • 浅葉 義明, 丸山 太郎, 武井 泉, 谷山 松雄, 片岡 邦三
    1987 年 30 巻 9 号 p. 881-883
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Insulin autoantibodies (IAAs) are regarded as a serological marker of on-going autoimmunity and developement of insulin dependent diabetes mellitus (IDDM) in Caucasians. Since there have been no reports on IAAs in Japan, we studied IAAs in relatives of Japanese patients with IDDM and correlated the results with HLA, islet cell surface antibodies (ICSA) and beta cell function.
    Twenty non-diabetic relatives of patients with IDDM were studied. IAAs were measured by the polyethyleneglycol (PEG) precipitation method with 125I-human insulin and expressed as insulin binding capacity. HLA was detected by a microcytotoxicity test and ICSA were examined by the indirect immunofluorescence method using Ballb/c mouse islet cells. Beta cell function was studied by a 75g oral glucose tolerance test (0-GTT). Four of 20 sera from relatives showed high 125I-human insulin binding, well above the mean+3 SD of those from helthy controls. No sera from healthy controls showed such high 125I-insulin binding. IAA-positive sera were obtained from 2 siblings and 2 children. There was no relation between IAAs and HLA, ICSA and beta cell function tested by 75g O-GTT. These results suggest that IAAs may be a serological marker of Japanese individuals at high risk to develop IDDM.
  • 1987 年 30 巻 9 号 p. 885-892
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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