糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
32 巻 , 3 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 宇治原 典子, 高橋 千恵子, 馬場園 哲也, 佐中 孜, 平田 幸正
    1989 年 32 巻 3 号 p. 155-160
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症患者における高カロリー蛋白制限食の効果を6か月にわたり検討した.血清クレアチニン (Cr) 2.0~5.0mg/dlの糖尿病性腎不全患者24名に対し, 高カロリー蛋白制限食 (A群: 8名), 高カロリー蛋白非制限食 (B群: 6名), 糖尿病食 (C群: 10名) を投与し, 6か月経過を追った.A群では, 6か月後有意なCr, 血清尿素窒素 (BUN) の上昇は認めず, 1/Cr直線の傾きは-2.67±1.27×10-2から-1.60±16.9×10-2と有意に改善した (p<0.05).また, 6か月後に血清蛋白 (TP), ヘマトクリット (Ht) などの低下は認めなかった.これに対し, B群では, 3か月後に有意なCrの上昇 (p<0.05), BUNの上昇傾向を認め, C群では, 6か月後に有意なCrの上昇 (p<0.05), BUNの上昇傾向を認めた.以上の結果より, 糖尿病性腎不全患者に対する蛋白制限食の有効性が示唆された.
  • 佐々木 陽, 堀内 成人, 長谷川 恭一, 上原 ます子
    1989 年 32 巻 3 号 p. 161-167
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    型糖尿病における糖尿病性網膜症の発生状況, すなわち罹患率 (incidence), 関連する危険因子, 網膜症出現までの期間を明らかにする目的で, 初診時に網膜症の認められなかったII型網膜症患者976例 (平均年齢52.1±10.9歳) を対象に平均8.3年間の経過観察を行った.1) 観察期間中に糖尿病性網膜症に罹患したものは322例 (33.0%) に達し, 延べ観察人年 (person-year) 1,000対の罹患率は39.8であった.網膜症罹患率は糖尿病の発病年齢, 空腹時血糖値, 治療方法と有意の関係がみられたが, 収縮期血圧, 喫煙などとの関係はみられなかった.2) また, 網膜症罹患率は観察期間が長くなるほど上昇するが, 同時に空腹時血糖値との関係も強く, 空腹時値≧200mg/dlのものは観察期間5年以上では常に高い罹患率を示すのに対し,<140mg/dlものはどの観察期間においても最も低率であった.3) 糖尿病発病から網膜症の出現までの期間は平均9.2年で, 糖尿病発病年齢の若いものでは長い.このうち, 発病年齢35歳未満群では空腹時血糖値の影響が大きく, 空腹時値が高くなるほど網膜症出現までの期間が短く, 低いものでは長くなる傾向がみられた.
  • 大城 康一, 芳田 久, 長嶺 文雄, 砂川 隆二, 具志堅 政道, 関 振中, 石川 和夫, 比嘉 清憲, 村上 啓治, 三村 悟郎
    1989 年 32 巻 3 号 p. 169-175
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的虚血性心疾患における糖尿病の関与を明らかにするため, 冠動脈造影所見における重症度・形態について検討した.方法冠動脈造影にて75%以上の有意狭窄を有する150例中, 糖尿病群20例, impaired glucose tolerance群 (IGT) 20例と糖尿病以外の冠危険因子及び年齢を一致させた対照群20例とを比較した.冠動脈造影所見の重症度はGensini Scoreを用い狭窄度を点数化し, その合計点により決定した.形態に関してはRosch分類を用いた.成績Gensini Scoreは3群間で有意差はなかった.形態に関しては3群ともconcentric typeが最も多かったが, tubular typeについては糖尿病群はIGT・対照群と異なりirregular typeが多かった.特にirregular with ulcerating Plaque typeは全例糖尿病群であった.結論糖尿病群の有意狭窄病変の好発部位及びGensini Scoreによる重症度は対照群とほぼ同じであったが, 形態ではtubular typeに関してirregularが多いという特徴がみられた.
  • 野田 勝己, 梅田 文夫, 迫 康博, 橋本 俊彦, 井口 登与志, 三村 和郎, 國崎 真, 田尻 祐司, 石井 英博, 名和田 新
    1989 年 32 巻 3 号 p. 177-181
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者に併発する神経障害の早期評価法について検討した.13名の神経障害を合併する糖尿病 (NIDDM) 患者と12名の神経障害を認めないNIDDM患者および12名の健常者の下肢内側踝における振動覚閾値 (VPT) を振動感覚計TM-31Aを用いて測定した.さらに最大振幅150μmで内側踝を5分間連続振動刺激し, 直後, 2, 5分後にVPTを測定してその変動を比較検討した.連続振動刺激後のVPTは, 健常者およびNIDDM患者のいずれにおいても前値に比較し有意に上昇したが, 5分経過後に前値まで回復したのは健常者だけであった.さらに, 連続振動刺激後のNIDDM患者のVPTは, 健常者に比較し有意に高値であった.一方, 連続振動刺激直後の振動覚閾値の上昇は空腹時血糖 (FPG) およびHbA1c値と有意の正相関を認めた.
    以上より連続振動刺激後のVTPは, 臨床的に神経障害を認めないNIDDM患者においても有意に上し, 刺激直後のその上昇は血糖コントロール状態と関連することが示唆された.
  • 阿部 房江, 矢野 充保, 弘田 明成, 伊藤 尚史, 吉岡 秀雄, 島 健二
    1989 年 32 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィ (HPLC) 法を利用してGlycated Albumin (GA) 測定法を開発した.イオン交換カラムを用いてアルブミンを分離し, さらにホウ酸カラムにGAを吸着させ, Non-GA, GAに分離する.本測定系について基礎的検討を加えるとともに, Glycated protein (GP) 測定法の一つであるFructosamine HPLC法によるGA測定法は, 測定精度が良好である (変動係数: 同時129-3.77%, 日差4.94%) のみならず, FA測定に干渉する物質 (ビリルビン, アスコルビン酸) の影響もなく, また, 血清GA, 血漿GA値間に有意差はなく, 血中蛋白濃度による影響も認められなかった.これらの点FAと異なった.本法を用いての健常者 (155名), IDDM患者 (35名).NIDDM患者 (30名) のGA値はそれぞれ17.0-23.3, 23.4-53.8, 20.3-42.7%であった.本法は精度良く, 臨床応用が可能である.
  • 小野 百合, 加藤 雅彦, 対馬 哲, 工藤 守, 中川 昌一
    1989 年 32 巻 3 号 p. 189-193
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病慢性合併症の一つである神経障害のうち, 中枢神経機能に関して, 適切な検査法として最近聴性脳幹反応 (Auditory Brainstem Response: ABR) が注目されており, 近年, 糖尿病患者においてもABRの各波潜時および, Interpeak latency (IPL) の延長の報告がみられている.今回, 同一20症例につき2年間の観察期間を経てABR潜時が変化するかいなか, また, 変化するとすれば, どの部位が延長するか, どのような場合に延長するかにつき検討したので報告する.
    22歳~54歳の糖尿病患者20名を対象とし, DISA system 1500を用い80dB~120dB刺激時のABRを測定した.
    1) 2年間に, ABRは, I波, III波, V波潜時ともに延長していたが, その延長は主に末梢神経側のI波潜時の延長によるもので, 中枢神経側の変化は少なかった.2) 2年間における末梢神経伝導速度の変化とABRの末梢神経側を示すI波潜時の変化とはほぼ一致した.3) ABR各波潜時の延長に関与する因子としては, 糖尿病患者の腎機能の悪化が推定された.
  • 日高 秀樹, 中島 譲, 青木 孝彦, 原田 真理子, 鈴木 正昭, 小杉 圭右, 原納 優, 繁田 幸男
    1989 年 32 巻 3 号 p. 195-201
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病における末梢血管障害 (PVD) を220例の糖尿病患者において検討し, その臨床像について横断的調査を行なった.
    動脈拍動の片側性欠損, 安静時血管性雑音, ドップラー法による足関節血圧異常のいずれかを有するPVDは77例 (35%) に認められた.これらの所見が多数認められる例では間歇性跛行, 皮膚潰瘍, 壊疽などの症状を示した.PVDを有する症例には心筋梗塞, 脳血管障害の既往が多いのみでなく, 糖尿病性細小血管障害である網膜症, 腎症および神経障害も高頻度に認めた.PVDの頻度は加齢, 糖尿病罹病期間により増加し, インスリン治療患者に多かった.46-65歳の134例で動脈硬化症の危険因子を検討したが, 血中脂質値とは有意の関係を示さなかった.
    これらの成績はPVDが本邦の糖尿病患者においても少なくなく, 糖尿病が重症であるほど高頻度に認められること, およびその臨床的重要性を示している.
  • 中村 宏志
    1989 年 32 巻 3 号 p. 203-208
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症に対する高蛋白食負荷の影響を動物性蛋白と植物性蛋白に分け検討した. 健常人11名と糖尿病患者17名に対し, 体重1kgあたり1gの蛋白を負荷し, 1時間ごとのクレアチニンクリアランス (Ccr) と尿中アルブミン排泄量 (AER) とfractional albumin clearance (FAC) を測定した. 健常人でのCcrは動物性蛋白負荷で, 負荷前99.1±8.1ml/分1.48m2, 負荷後1時間114.3±13.3, 2時間125.1±16.1, 3時間135.0±18.1と上昇したが, 植物性蛋白負荷では, 有意の差を認めなかった. 患者では, normnoalbuminuriaの段階では健常人と同様の反応が認められたが, 他の者では, 動物性, 植物性蛋白いずれの負荷でもCcrの変化を認めなかった. 尿中AERとFACは, 健常人, 患者とも動物性, 植物性蛋白いずれの負荷でも有意の変化を認めなかった. 以上より, 糖尿病性腎症に対する高蛋白食の影響はアミノ酸組成と腎症の段階により異なることが示唆された.
  • 谷川 敬一郎, 古家 寛司, 川口 美喜子, 加藤 譲
    1989 年 32 巻 3 号 p. 209-214
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病を合併した糖原病1a型の1例 (32歳, 女性) の血中ケトン体と血糖の動態について検討した.48時間の絶食試験では, 血糖およびインスリンは開始12時間後で著明に低下した.その後よりケトン体は検査を終了まで徐々に増加した.759経ロブドウ糖負荷試験では, 血糖と同様にケトン体も, 30分, 60分後に高値であった.インスリン負荷試験 (0.2U/Kg) ではケトン体, 血糖はいずれも90分に底値を示し, ケトン体は150分から240分まで急峻な反跳現象を示したが血糖は240分でも前値に回復しなかった.以上の成績は, 本症例の病態はケトージスであり, 血糖の低下の際のエネルギー代謝にケトン体が効率よく利用されていると考えられる.しかしながら本例が糖尿病を合併した病因についてはなお不明である.
  • 宮本 直紀, 白川 悦久, 黒田 泰弘, 阿部 房江, 島 健二
    1989 年 32 巻 3 号 p. 215-217
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/09/13
    ジャーナル フリー
    We studied changes in the serum fructosamine (FRA) levels with aging in 127 non-diabetic children whose ages ranged from 0 to 16 years. The mean serum FRA concentration in non-diabetic children was 2.28±0.17 mmol/l and there was no signficant difference in the level between boys and girls. Statistically ignificant correlations were observed between age and the serum FRA level (r=0.47, p<0.01), as well as between age and the serum total protein level (r=0.45, p<0.01). There was also significant correiation between the serum level of FRA and total protein (r=0.47, p<0.01). This study revealed an increase in the serum FRA levels with aging in non-diabetic children, which might be due to an age-related elevation of the serum protein levels. The serum FRA levels in children must be evaluated with due consideration to these factors.
  • 森田 千尋, 馬場園 哲也, 大谷 敏嘉, 平田 幸正
    1989 年 32 巻 3 号 p. 219-221
    発行日: 1989/03/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ExacTech® in a pen-sized digital glucose meter which requires 30 sec to reach a value after the appilication of whole blood, without wiping or washing of the test strip. The purpose of this study is to evaluate the accuracy of ExacTech®. When plasma samples of three different glucose levels (75 mg/dl, 165 mg/dl, and 351 mg/dl) were measured twelve times repeatedly with ExacTech®, the coefficients of variation were 8.0%, 7.8%, and 6.7%, respectively. When the venous blood glucose and plasma glucose levels from patients with diabetes were measured both with ExacTech® and with an autoanalyzer, the coefficient of correlation was 0.943 (n=156).
    We cnclude that this meter is both convenient and accurate, and is of potential use for self-monitoring of hood glucose levels.
feedback
Top