糖尿病
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33 巻 , 6 号
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  • 芳野 原, 岩井 正秀, 松下 正幸, 松葉 光史, 森田 宗幸, 永田 浩一, 前田 英一, 鹿住 敏, 馬場 茂明
    1990 年 33 巻 6 号 p. 429-434
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Clofibrate系薬剤のひとつであるclinofibrateのラットにおけるリポ蛋白, 特にVLDLートリグリセライド (Tg) の代謝動態への影響について観察した. 実験動物としてはWistar系雄ラットを用い, clinofibrateは0.1%として粉末飼料に混じて与えた (Cf群). コントロール群には粉末飼料のみを与えた (C群). clinofibrate投与14日目に12時間絶食の後, 超遠心によるリポ蛋白分画の採取とTriton WR1339を用いてTg分泌率の測定を行った. 血中総コレステロール (Ch), リン脂質 (Pl), Tg, さらにVLDL-Tg, LDL-およびHDL-ChはすべてCf群で有意に低下した. Cf群においては血中Tgの有意な低下 (75%, P<0.001) にもかかわらずTgSRの低下はわずかであった (16%). さらにTriton静注後新たに分泌されたVLDL粒子はごくわずかではあるが有意に (P<0.01) Ch-richであった. 以上clinofibrateの血中脂質低下作用はリポ蛋白の分泌抑制によるものよりもむしろ血中からの除去の亢進がその主なメカニズムと考えられた. またその原因のひとつとしては新たに血中に分泌されるVLDL粒子の組成を本薬剤が変化せしめる可能性が示唆された.
  • 朝山 光太郎, 宮尾 晃代, 土橋 一重, 東田 耕輔, 雨宮 伸, 加藤 精彦
    1990 年 33 巻 6 号 p. 435-440
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肥満児24例に2週間の減食療法を行って, 血清リポ蛋白代謝過酸化脂質の変動につき検討した. 治療により全例で体重減少が認められ, 血清中高比重リポ蛋白 (HDL) 以外の分画のコレステロール, トリグリセリド, 動脈硬化指数, インスリン, 過酸化脂質等動脈硬化促進因子の低下と, 動脈硬化阻止因子であるHDL2-Cの総コレステロールに対する比の増加が得られた. 肝機能障害は血中コレステロール貯留に関与しており, 治療で改善した. 経過中アポリポ蛋白A1, A2, Bは低下し, ヘパリン負荷後血中リポ蛋白リパーゼ, 肝性リパーゼ活性は変動しなかった. 血清インスリンは肥満度と正相関, HDL-C, HDL2-Cとは負相関することから肥満におけるHDL-Cの低下に組織インスリン感受性低下が関与している可能性が示唆される. 減食療法によって血中過酸化脂質を低下させることは, 動脈硬化の面からのみでなく細胞の老化防止という観点からも意義が認められる.
  • 尾山 秀樹, 米田 正也, 津島 公, 河合 洋二郎, 松木 道裕, 西田 聖幸, 堀野 正治
    1990 年 33 巻 6 号 p. 441-446
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    血中インスリン抗体 (抗体) のインスリン (イ) 動態に及ぼす影響を検討した. 12人の糖尿病患者に早朝空腹時速効型イを急速静注し, 125I-モノヨードイ結合率 (結合率), 総イ, 遊離イおよび血糖の動きを観察した. 抗体保有患者においては結合率はイ注射直後で最低値を示し, 120分までにはほぼ前値に復帰していた. 総イと結合イは注射直後最大値を示した. 抗体保有糖尿病患者と非保有糖尿病患者で遊離イを比較すると, 前者では注射早期の血中上昇率が低く, 遅れて高イ血症を示した. コンピュータプログラムで計算した総イ血中半減期は40.2±5.1分 (0.1U/kg注射時), 65.5±13.3分 (0.04U/kg注射時) で, 対照より明らかな延長を認めた.
    以上より, 静注されたイは速やかに抗体に結合するが, それはすぐにゆっくりと解離を始める. このため抗体のない場合より遅れて高イ血症や低血糖を起こす可能性がある.
  • 櫻田 正也, 川勝 正明, 鈴来 和男, 梶沼 宏
    1990 年 33 巻 6 号 p. 447-452
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    本態性高血圧を合併した糖尿病患者30名と心疾患, 糖尿病, 起立性低血圧を認めない本態性高血圧患者36名に携帯型自動血圧計を用いて非観血的に24時間血圧測定を行い, 血圧日内変動をcosinor法にて分析し, 糖尿病性合併症との関係を検討した. 対照高血圧群では血圧のpeakは日中みられたが, 糖尿病群では対照群と同様な症例と, 深夜あるいは早朝などの時間帯にpeakとなる症例がみられた. 糖尿病性腎症およびレニン・アルドステロン系と血圧日内変動異常との間には有意な関係は認められなかった. 糖尿病性神経症および網膜症と血圧日内変動異常との間には有意な関係が認められ, 特に, 深呼吸時および起立時の心拍変動数異常などの自律神経障害をきたした症例にはpeak時間の異常が有意に多かった. 高血圧を合併した糖尿病患者における血圧日内変動異常の発症には糖尿病性神経症, 特に自律神経障害の関与する可能性が示唆された.
  • 和井内 英樹, 武井 泉, 丸山 博, 片岡 邦三, 阿部 信一, 猿田 享男
    1990 年 33 巻 6 号 p. 453-457
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者118名のクレアチニンクリアランス (Ccr) を, glucoseの影響を受けるPeters法 (P法) と, 影響を排除できるOwen法 (O法) の二法で測定し比較検討した. P法の血清, 尿中クレアチニンの測定値はglucoseの影響により高値となり, 特に血清クレアチニン値が顕著な影響を受けた. そのためP法のCcrは血糖値の高い例ほど低値となり, 尿中albumin正常例 (<15μg/min) でも平均で0法の101ml/minに対し74ml/minと低値であった. 一方0法ではmicroalbuminuria (15-150μg/min) 例のCcrが尿中albumin正常例より有意 (P<0.05) に高値でhyperfiltrationの病期の存在を示唆していた.
    0法でCcr150ml/min以上の8例中7例は罹病期間10年未満の症例であった. 以上より糖尿病患者のCcr測定法として0法がより正確な腎機能を反映し早期腎症の診断に有用なこと, NIDDMでもhyperfiltrationが発症早期の症例を中心にみられることが示唆された.
  • 原田 俊英, 郡山 達男, 石崎 文子, 片山 禎夫
    1990 年 33 巻 6 号 p. 459-466
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    著者らは35人のインスリン非依存性糖尿病者と11人の健常者について非観血的携帯型自動血圧計を用いて30分おきに24時間の血圧を測定した. また種々の自律神経機能検査を行なった. 健常者では, 昼間の血圧の平均が睡眠中の血圧の平均よりも高かった. 糖尿病者35人のうち26人は健常者と同様であったが (A群), 9人は睡眠時血圧の平均が覚醒時のそれより高かった (B群). B群はA群に比して有意に糖尿病罹病期間が長く, 体性末梢神経障害, 網膜症の合併率が高かった. 糖尿病者において, 睡眠時と覚醒時の血圧の平均値の差は, 罹病期間, 起立やsustained handgripの負荷前後の血圧差, R-R間隔のCV%, バルサルバ操作前後の心拍数変化との間で有意に相関していた. したがって糖尿病者における血圧日内変動の異常性は, 交感神経系, 副交感神経系ともにその機能障害が大きく関与しており, 糖尿病の進行とともに出現すると考えられた.
  • 中埜 幸治, 沢田 学, 長谷川 剛二, 繁田 浩史, 近藤 元治, 金綱 隆弘
    1990 年 33 巻 6 号 p. 467-471
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は49歳女性. 主訴はインスリン・アレルギー. 1973年糖尿病の診断. 8年間の経口剤治療. 1981年8月インスリン (以下In) 治療に変更, 6週後動物Inに対し局所アレルギーを示し, 1年2カ月後 (82年10月) In投与部位にLipoatrophyを認めた. その後種々のヒトInを使用するも病態は改善せず. 1985年12月, 4カ月間Inとステロイドの混注療法を施行, その間局所アレルギーは軽快するも, Lipoatrophyは改善せず. 1986年7月合剤ヒトIn AR-HM (NPH (P-HM)/Actrapid (A-HM): 7: 3混合, Novo社) 使用直後より局所アレルギー消失, In皮内反応でも同Inに対してのみ陰性で, 1年後Lipoatrophyも回復する稀な症例を経験した. 長期のIn抗体 (IgE/IgG) および皮内反応の推移より, AR-HM投与によりInに対し自然脱感作し得たと考えられたので報告する.
  • 東 桂子, 大森 安恵, 秋久 理真, 清水 明実, 平田 幸正, 仁志田 博司, 山口 規容子, 中林 正雄, 武田 佳彦
    1990 年 33 巻 6 号 p. 473-478
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    計画妊娠および血糖正常化への努力により, 糖尿病性合併症の増悪なく3人の健常児を出産し得た7歳発症IDDMの1例を報告する. 症例は31歳主婦. 日本国籍アメリカ人 (白人), 7歳で糖尿病と診断され, NPHインスリン20単位開始. 19歳で来日. 20歳で日本人と結婚. 24歳, 妊娠を希望し当科初診血糖コントロール不良のためインスリン混合注射を朝夕2回とす. 血糖コントロールは良好となり, 糖尿病性合併症も問題なく, 妊娠を許可され受胎. 26歳, 妊娠38週, 21409の男児を誘発分娩児は低体重の他異常なし. 27歳妊娠38週で32249の男児を誘発分娩, さらに31歳, 妊娠37週, 33059の男児を自然分娩. 第2, 3子とも新生児低血糖, 高ビリルビン血症以外異常なし. 母体は糖尿病性網膜症Scott Iaの他合併症を認めず本例は我が国で報告された糖尿病妊婦分娩例中発症年齢が最年少の7歳で, 計画妊娠により3児を得た貴重な小児糖尿病症例である.
  • 清水 明実, 大森 安恵, 佐中 真由実, 小浜 智子, 木戸口 裕, 平田 幸正, 中林 正雄, 仁志田 博司, 中村 博
    1990 年 33 巻 6 号 p. 479-484
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    増殖性網膜症を合併したが光凝固療法を施行後, 計画妊娠し, 網膜症の悪化なく, 生児を出産し得た4歳発症インスリン依存型糖尿病の1例を報告する. 本症例は4歳の時糖尿病を発症後, インスリンを朝夕2回注射し, 18歳までは合併症なく経過したが, 就職後血糖コントロールが不良となり網膜症が進行した. 1984年 (20歳) 妊娠前の糖尿病管理を求めて初診増殖性網膜症を認めたため光凝固を施行した. その後塩糖を良好に保ち, 両眼底とも増殖膜を残して新生血管, 網膜浮腫は消失, ScottVaに安定した.
    1987年 (23歳) 妊娠. 妊娠中インスリン需要量は最高60単位/日, HbA三10.0-12.3%. 網膜症の進行なく, 妊娠37週3日, 帝王切開によって37189の男児を得た. 児は低血糖以外合併症を認めず, 分娩1年2カ月後の現在, 発育は良好である. 母体の網膜症はScottVaのまま安定している.
    計画妊娠により児の奇形のみならず母体の網膜症の進展を防止し得た症例といえる.
  • 園部 正信, 安田 斎, 久永 卓, 前田 憲吾, 山下 真木夫, 吉川 隆一, 繁田 幸男
    1990 年 33 巻 6 号 p. 485-487
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Considering the implication of vascular and metabolic disruption in the pathogenesis and progression of diabetic neuropathy (DN), we investigated the effects of a combination of prostaglandin (PG) E1 analogue, OP 1206·α CD (OP), and aldose reductase inhibitor (ARI), ICI 128436 (ICI), on the polyneuropathy in long-term streptozocin (STZ)-induced diabetic (DM) rats. DM rats were treated daily with OP alone (10μg/kg/day), OP (10μg/kg/day) and ICI (35mg/kg/day), or saline by gastric gavage for 2months, heginning 5 months after induction of diabetes. Age-matched non-DM rats were treated with saline in the same manner, as controls.
    Body weight reduction and hyperglycemia of DM rats were unchanged throughout the experiment irrespective of treatment. The reduction in sciatic motor nerve conduction velocity in DM rats (49.8±2.1m/s), p<0.01 vs control (57.6±1.4) was significantly improved at the end of the experiment with OP (53.2±1.7, p<0.05 vs untreated DM), and was normalized by treatment with the combination of OP and ICI (55.9±1.7, p<0.01 vs untreated DM). Sciatic sorbitol accumulation and myo-inositol depletion in DM rats were improved only by the combined regimen. Impaired sciatic Na+, K+-ATPase activity in DM rats, moreover, was restored to the control level with this regimen.
    These results suggest that (1) a combination of PGEi and ARI may be more effectivefor neuropathy in long-term STZ-DM rats, (2) both vascular and metabolic disruptions may be implicated in the progression of DN, and (3) this combination therapy should be considered for the treatment of human DN.
  • 1990 年 33 巻 6 号 p. 489-505
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2011/08/10
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