糖尿病
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34 巻, 1 号
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  • 垂井 清一郎
    1991 年 34 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 特に血糖コントロール状態との関連について
    中畑 久, 平井 裕一, 辻野 守泰, 熊坂 義裕, 増田 光男, 中村 光男, 小沼 富男, 武部 和夫, 工藤 肇
    1991 年 34 巻 1 号 p. 7-13
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    IDDM患者19例の多形核白血球 (PMN) 貧食, 殺菌能を検討した.またNIDDM患者40例, 若年対照5例, 成人対照13例についても測定し, 比較検討した.貧食, 殺菌能の測定はStaphylococcus aureus209P株を用い, Quieらの方法に準じた.NIDDMは成人対照に比し負食能は有意差なく, 殺菌能のみ有意な低下を認めた.一方IDDMでは若年対照に比し, 貧食, 殺菌能共に有意な低下を認めた.NIDDMとの比較でも貧食能は全ての時間に有意な低下を認め, 殺菌能も30, 60分値で有意な低下を認めた.またHbA1c値を指標とした糖尿病コントロール状態との検討でも, 貧食, 殺菌能 (30分値) ともにHbA1c値と相関関係 (各々P<0.01) が認められた.以上IDDM患者PMNの貧食, 殺菌能は対照はもとよりNIDDM患者と比較しても低下しており, その低下は糖尿病のコントロール状態と関係し, コントロール不良状態がIDDM患者PMN機能低下の一因になっている可能性が示唆された.
  • 高速フーリエ変換の新しい応用
    田中 逸, 柏木 厚典, 原田 夏樹, 小川 勉, 朝比奈 崇介, 池淵 元祥, 繁田 幸男
    1991 年 34 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者を本態性高血圧合併および自律神経障害合併の有無により4群に分類し, 携帯式連続血圧測定装置により血圧を30分毎に24時間 (48回/日) 測定した.データは24次までの高速フーリエ変換と各周期のパワー密度解析から, 合成余弦曲線へ回帰化し, 日内リズムについて検討した.その結果, 1) 自律神経障害非合併の正常血圧群および本態性高血圧群の血圧は, 12時間および24時間の周期成分による合成余弦曲線で回帰可能な日内リズムの存在が示唆された.2) 両群の回帰曲線は, 昼間に二峰性の上昇と夜間一峰性の下降を示した.3) 自律神経障害を合併する正常血圧群, および本態性高血圧群では, パワー密度解析に一定の傾向が認められず, 血圧は細かく変動しており, 日内リズムが障害されていることが示唆された.
    この血圧日内リズムの障害が糖尿病性自律神経障害に特異的な現象であるかどうかに関しては, 自律神経障害を合併する他疾患について, さらに本解析法による検討が必要である.
  • 性生活調査より
    高橋 良当, 大和田 一博, 森 浩子, 川越 千恵美, 古味 隆子, 井上 幸子, 平田 幸正
    1991 年 34 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当センターに入院した既婚女子糖尿病者で, 重症合併症を有さない患者79名に質問紙法調査を行い, 性障害の実態を調べ, 糖尿病病態や心理社会的要因との関連について検討した.その結果, 性欲の低下が38%, 局所湿潤の低下56%, 絶頂感の低下51%, 性交痛39%に認められた.そこで, 局所湿潤と絶頂感と性交痛の障害度を総合判定し, 性障害のない患者群, 軽度障害群, 高度障害群に分け3群間で比較したところ, 高度障害群では性欲や性交回数の低下, 日常生活上のストレス, 糖尿病発症以前から夫婦関係に問題のある患者が有意に多く, 患者は神経質, その夫は社交的な性格が目だった.一方, 年齢, 糖尿病罹病期間, HbAlc値, 糖尿病性合併症の進展度は3群間で有意な差は認められなかった.
    以上より, 糖尿病女子の4~6割に性障害が認められ, その性障害は糖尿病の病態より, 夫との関係や生活上のストレスなどの心理社会的要因との関連が強く認められた.
  • 春日 伸予, 田嶼 尚子, 松島 雅人, 縣 俊彦, 北川 照男, Ronald E Laporte, DERI研究班
    1991 年 34 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児期発症IDDMの生命予後に対して医療体制がどのように関連しているかについて, 全国調査された18歳未満発症IDDM1428例を対象に解明を行った.生命予後の指標である死亡率は, 1965~69年診断群よりも1970~79年診断群の方が低かった.医療体制の指標のうち, 病院総数, 医師総数, 一般病院の医師数の対人口数は, 年代による差がほとんどなかったが, それらの指標は1980年代においてのみ死亡率と有意な関連を示していた (P<0.05).また, 栄養士数も両年代において生命予後との関連が認められた.これより, 近年において医療体制が生命予後に及ぼす影響が大きくなっていることがわかった.したがって今後, 生命予後の改善を医療体制の面から考えると, 生命予後と有意な関連を持つ病院数や医師数, 特に人材面では一般病院の医師数と栄養士数の地域差をなくし, 偏りのない医療体制を確立することが重要であると言える.
  • 有田 好之, 木村 寿成, 伊藤 鉄英, 澄井 俊彦, 橋本 通, 梅田 文夫, 名和田 新
    1991 年 34 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は28歳女性, 糖尿病の家族歴なし.16歳時, 口渇, 多飲, 多尿, 全身倦怠感で糖尿病を発症.初診時, 空腹時血糖FBG286mg/dl, 肥満度15%, ケトアシドーシスなく, 糖尿病性合併症を認めなかった.インスリン療法を続けていたが, 節制不十分のためコントロール不良で28歳時にはtriopathyが出現した.16歳時に施行したPS試験でアミラーゼ1因子の低下を認めた.その後, 膵外分泌機能は漸次低下し, 28歳時には2因子の著明な低下となった.アルギニン負荷試験におけるグルカゴン反応の低下, グルカゴン負荷試験におけるCPR反応の低下を認めた.超音波内視鏡体部CT, ERPで膵体尾部欠損症と診断された.本症の糖尿病, 膵外分泌機能低下の発症, 進展に膵体尾部欠損症の関与が強く示唆された.
  • 石崎 恒美, 中野 亮一, 鴨井 久司, 鈴木 満喜子, 武田 啓治, 井口 正男, 鈴木 正博
    1991 年 34 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は34歳男性.生来より知能低下があり, 27歳時からIDDMでインスリン治療を受けていた.34歳時の8月から右聴力低下, 12月には頑固な頭痛が出現し, 左外斜視, 律動性眼球運動, 四肢筋の萎縮, 腱反射の消失が存在した.難聴は両側の蝸牛神経障害を伴う感音性障害で, その後回転性眩量, 失調性歩行, 左動眼神経麻痺による眼瞼下垂が出現し, 髄液の細胞数, 総蛋白の増加のため副腎皮質ホルモンを使用した.しかし奏効せず, 中止したところ強膜炎, 虹彩毛様体炎, 左難聴も出現したため再投与したが, 両眼の葡萄膜炎と角膜炎を併発し, 右眼は網膜剥離のため失明した.この間, 血糖調節は不良であった.検査所見では梅毒反応陰性で高血糖と赤沈, CRF, IgG, IgA, CH50の軽度増加を認めたがICSA, ICAは陰性でHLA-DRはDR2, DRW11であった.以上より, 本症はIDDMに定型的Cogan症候群を合併した極めてまれな1例と思われる.
  • 金綱 隆弘, 森 裕, 平清水 一範, 金 龍起, 中埜 幸治, 近藤 元治
    1991 年 34 巻 1 号 p. 51-54
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Capsaicin (trans-8-methyl-N-vinillyl-6-nonenamide) is known to reduce only the nociceptor activity of c fibers.
    Topical 0.025 % capsaicin cream was used to treat 13 patients with painful diabetic neuropathy. The cream was prepared by mixing extracts of red pepper and Sahne® cream.
    Among the 13 patients, 12 tolerated the trial, and completed more than 2 months of the therapy. One patient dropped out because of a severe local burning sensation.
    Of the 12 patients, 6 achived an excallent result (more than 80 % relief of pain), and 3 achieved a good result (79-50 % relief) after 6 weeks of the treatment. The only adverse reaction was a local burning senestion experienced by 2 patients including the one who dropped out.
    Topical capsaicin may be a safe agent for the management of painful diabetic neuropathy, however it requires vehicle-controlled clinical trials with many subjects.
  • 1991 年 34 巻 1 号 p. 55-72
    発行日: 1991/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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