糖尿病
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34 巻 , 10 号
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  • 横山 宏樹, 大谷 敏嘉, 笠原 督, 南 昌江, 内潟 安子, 平田 幸正
    1991 年 34 巻 10 号 p. 849-855
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    30歳未満発見非肥満糖尿病患者58名においてインスリン依存度の経過を追跡し, その予後の検討を行った. 糖尿病発見後1か月時, 6か月時, 1年時, 2年時, 3年時における空腹時血清Cペプチド値 (B-CPR: ng/ml) およびインスリン投与量 (I-dose: U/kg) を調査し, 各患者を各時点において, A型 (B-CPR≦0.6, I-dose≧0.5), B型 (B-CPR≦0.6, I-dose<0.5), C型 (B-CPR>0.6, I-dose<0.5), D型 (B-CPR>0.6, I-dose≧0.5) に分類した. 発見1か月時にA型, B型であった患者は, 3年時はともに100%がA型に至った. 発見1か月時C型, D型の患者は, 各々その19%, 50%が3年後にA型へ至った. C型よりA型へ至る緩徐なインスリン依存度の進行は, 男性に, また発見時尿ケトン体陽性者に, 多い傾向を認めた. 以上より, 発見1か月時でインスリン分泌が低下しているとインスリン依存度は進行していき, 3年内に確実にIDDMと診断できると考えられた.
  • 青木 雄次, 柳沢 康敏, 清沢 研道, 古田 精市
    1991 年 34 巻 10 号 p. 857-863
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存性糖尿病 (DM) 患者40例, 慢性肝障害 (LD) 患者14例, DM+LD患者20例および正常者15例を対象として, 尿中C-ペプチド (UCP) を用いて日常のインスリン分泌量を比較した. 早朝空腹時にC-ペプチド (CP) とクレアチニンの尿中クリアランス比 (CCP/CCR) を測定し, また24時間UCP (24h-UCP) を測定した. (24h-) UCPの補正値= (24h-) UCP/(CCP/CCR×10) とした. 空腹時におけるCPの尿中排泄率は, UCP実測値で平均7.1 (2.2~21.3)%, その補正値で3.5 (2.4~5.3)%であった. 24h-UCPの補正値と血中CPの総和はr=0.93と良好であった. 24h-UCPの補正値によるCPの尿中排泄率が3.5%として1日インスリン分泌量を算出した結果, 健常者では54±20U/日, DM患者では38±23U/日, DM+LD患者では77±38U/日, LD患者では115±54U/日であった. これらより, LD患者ではインスリン必要量の増加が示唆され, その必要量を十分分泌しえない場合に高血糖を呈するものと推測された.
  • 北岡 治子, 馬嶋 素子, 北沢 明人, 磯谷 治彦, 池上 陽一, 間島 毅彦, 坂根 貞樹, 武田 京子, 高松 順太, 大澤 仲昭
    1991 年 34 巻 10 号 p. 865-871
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者におけるこむらがえりの頻度を明らかにするとともに, 糖尿病性合併症, 血中電解質濃度などの臨床所見との関連性を検討した. 健常者206例, 糖尿病患者200例を対象にアンケート調査を施行した結果,(1) 毎日一度以上こむらがえりがおこるものは, 健常者ではみられないのに対し, 糖尿病患者では4.5%に見られた. (2) 週に一度以上のこむらがえりは健常者では1.9%, 糖尿病患者では11.5%にみられ, 有意に高頻度を示した. (3) 臨床所見との関連性の検討の結果, 糖尿病患者におけるこむらがえりは, 女性, インスリン治療者に多い傾向がみられた. (4) 末梢神経障害の高度のものより正常のものに多く, 網膜症, 腎症とは一定の関係はみられなかった. (5) こむらがえりの頻発群と稀発群では, 血中電解質濃度に差はみられなかった. 以上より糖尿病患者では健常者に比べこむらがえりが高頻度に認められることが示された.
  • 大沢 功, 佐藤 寿一, 押田 芳治, 佐藤 祐造, 坂本 信夫
    1991 年 34 巻 10 号 p. 873-878
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    glimepirideのインスリン作用に及ぼす影響を, ラットにeuglycemic clamp法 (EC) を実施し検討した. Wistar系雄性ラットを用い, CA群 (glimepirideを2週間およびEC前に投与)・CH群 (glimepirideを2週間投与)・AH群 (glimepirideをEC前に投与)・CT群 (生理食塩水を2週間投与) の4群間で比較検討した. その結果physiological hyperinsulinemia (約100μU/ml) の状態では, CA群・CH群・AH群のglucose infusion rate (GIR) はCT群に比較し有意に高値を示した. 700μU/ml以上の高インスリン血症下では, GIRは4群間で有意差を認めなかった. 以上の結果より健常ラットでは, glimepirideはin vivoにおける末梢組織でのインスリン感受性 (sensitivity) を有意に改善させるが, インスリン反応性 (responsiveness) には影響を及ぼさないと考えられた. すなわちglimepirideは, インスリンレセプター結合レベルあるいはレセプターを介する情報伝達機構への作用を有している可能性が推察された.
  • 小野 百合, 加藤 雅彦, 工藤 守, 中川 昌一
    1991 年 34 巻 10 号 p. 879-885
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性神経障害の原因として血流障害説がある. 我々は選択的thromboxane (TX) 合成酵素阻害剤を神経障害を有する糖尿病患者に投与し, 血管収縮作用のあるTXA2の産生を阻害し, 血管拡張作用のあるPGI2の産生を充進し, TXA2/PGI2比を改善することにより四肢の血流と末梢神経機能を改善しうるかにつき検討した. 投与後に1) 血漿TXB2は有意に低下し, 血漿6-keto-PGFは有意に上昇し, 血漿TXB2/6-keto-PGF比は有意に低下した.2) MCV, SCVは上下肢ともに有意に改善を示した. 3) 上下肢で振動覚閾値は改善を示した. 4) 深部皮膚温度, 皮膚血流は上指, 手掌, 下趾, 足底ともに有意に増加した. 5) 下肢MCV, 皮膚温度, 皮膚血流の改善度は各々有意の相関を示した. 今回の結果より, TX合成酵素阻害剤の使用が四肢の血流改善と糖尿病性神経障害の治療法として期待される.
  • 渡會 隆夫
    1991 年 34 巻 10 号 p. 887-894
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高脂肪 (HF) 食飼育ラットを用い, チロシン特異的キナーゼ (TK) 活性を有し構造・機能上類似性のあるEGF受容体 (EGFR) およびインスリン受容体 (INSR) の結合能・自己燐酸化 (AP) 能を比較した.SD系ラットを2週間HF食 (60%脂肪) または対照 (C) 食 (12%脂肪) で飼育後, 肝マイクロゾーム膜 (MP), 受容体分画 (RP) を調製した.EGFR結合能は, HF群で36.9±6.6%(vs59.9±6.2%C群) と有意に低下し, 受容体数 (R0) の減少を認めた (936±141pMvs1795±119pM).EGFRのAP能は, 蛋白あたりでHF群はC群の40%に低下したが, R0当りでは有意差はなかった.一方INSRでは, 結合能はRPで差を認めず, MPで結合親和性の低下を認め, AP能はHF群で蛋白あたり, R0あたり, ともに低下していた.HF食によりEGFRおよびINSRはともに自己燐酸化能低下を呈し, その原因はEGFRではR0減少, INSRではTK活性の低下と異なった.EGFRの発現・TK活性調節はINSRと異なることが証明された.
  • 坂内 千恵子, 佐藤 栄子, 川上 康, 奥田 諭吉, 多久和 陽, 松島 照彦, 川井 紘一, 山下 亀次郎
    1991 年 34 巻 10 号 p. 895-900
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    浮腫性硬化症は皮膚の硬化性変化を特徴とする稀な結合組織疾患といわれているが, 当科入院インスリン非依存型糖尿病患者63例中7例の項部・上背部に, 指圧痕を残さない浮腫状に盛りあがった皮膚の硬化・硬結を認めた.男性2例・女性5例, 平均年齢52歳, 3年から20年の糖尿病歴, コントロール不良・肥満・網膜症・蛋白尿・神経障害・心血管障害を半数以上に, 免疫グロブリン高値を2例に認めた.3症例の皮膚生検で浮腫性硬化症に特徴的な所見, すなわち真皮の著明な肥厚・コラーゲン線維増生・膨化・走行の乱れ・皮下脂肪組織への浸潤, 酸性ムコ多糖の沈着を証明し, 糖尿病性浮腫性硬化症と診断した.本症は糖尿病患者では稀な病変でなく, 診察に際し項部・背部の皮膚変化に注意を払うこと, また本症を認めたら糖尿病性合併症を伴う頻度が高いので, その検索を速やかに行うとともに, 免疫グロブリン系の検討を行うことが重要と考えられた.
  • 葛山 あゆ子, 千丸 博司, 森 久也, 加嶋 敬, 永田 隆己, 高橋 伯夫, 吉村 学
    1991 年 34 巻 10 号 p. 901-906
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者における好中球貪食能をMicrococcus lysodeikticus (M.lys) を用いた好中球貪食能検査法にて検討した.糖尿病患者106例中, 貪食能正常例は59例 (55.7%), 低下例は47例 (44.3%) であった.貪食能正常群, 低下群における年令には差を認めなかった.罹病期間は正常群11.8±1.0年に対し低下群では14.8±1.1年と有意に長かった (P<0.05).FPGおよびHbA1は両群間に差はなかった.血中ケトン体はβ-ヒドロキシ酪酸が正常群46.4±7.3μmol/lに対し低下群では81.0±14.8μmol/lと高値を示した (p<0.05).また, 低下群ではインスリン治療者が多く, 網膜症合併率も高かった.低下例のうちの8例について, 患者洗浄血球に健常者血漿を加えて貪食能を測定した結果, 全例が正常化した.糖尿病患者における貪食能低下の原因は好中球そのものよりもむしろ血漿因子の関与が示唆された.
  • 宮川 高一, 川村 直, 樫山 麻子, 広田 さゆり, 渡辺 昭夫, 山本 真司, 末岡 常昌, 長谷部 正晴
    1991 年 34 巻 10 号 p. 907-914
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性自律神経障害の1つである糖尿病性胃無力症に稀に胃石症が合併することがある.今回我々は糖尿病に合併した胃石症を3例経験した.うち2例は高度の糖尿病性自律神経障害を基礎として発症した非柿植物胃石とおもわれた, 第1例は49歳, 男.胃石が十二指腸球部に嵌頓し, 上部消化管イレウスによる重篤な代謝性アルカローシスを惹起した.第2例は54歳, 女で, 巨大な胃潰瘍を合併し, 出血性ショックに至った.一方他の1例は49歳, 男で柿の大量摂取の既往があり, 胃潰瘍を合併した柿胃石症であり, 糖尿病性神経障害の関与は少ないと考えられた.これら3例の胃石症は各々病態が異なり, 多彩な症状と合併症を伴っていた.糖尿病は胃石形成の重要な基礎疾患であり, とくに非柿植物胃石では20~50%に糖尿病を合併するにもかかわらず, 本邦における報告は極めて少ない.糖尿病性自律神経障害には胃石を合併することにも留意する必要があるとおもわれ報告した.
  • 柳瀬 幸子, 豊田 長康, 有馬 美香, 宇治 幸隆
    1991 年 34 巻 10 号 p. 915-921
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は27歳, 20歳発症のインスリン依存型糖尿病で, 昭和63年4月糖尿病性ケトアシドーシスを発症したが, 妊娠と判明したため同年5月当科に紹介された.入院時 (妊娠8週) に網膜症は認められなかったが, インスリン療法により自己血糖値を指標にして急速に血糖を低下させたところ, 網膜症が発生し妊娠19週には両眼とも増殖性網膜症に進行した.左眼には光凝固術が施行されたが, 自己血糖値が検査室の静脈血漿グルコース値に比べて高く測定されていることに気づき, 目標血糖値を適正化したところ, 網膜症は劇的に改善し, 右眼に予定されていた光凝固は中止された.本症例における網膜症の増悪は, 罹病期間7年および妊娠という背景因子に加えて, 血糖値の急激で落差の大きい低下がその主因となったと考えられる.この大きな血糖値の落差を招いた原因の一つは, 自己血糖値の評価が不十分であったことによるものであり, ここに反省をこめて報告する.
  • 永井 隆, 佐藤 稔, 冨沢 貴
    1991 年 34 巻 10 号 p. 923-929
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    一過性眼底出血と半月体形成性腎炎を合併した糖尿病の一例を経験し報告する. 症例は54歳, 男性.顔面, 下肢に浮腫が出現し, 尿タンパク強陽性, 空腹時血糖179mg/dl, 総タンパク4.09/dlであり, 糖尿病, ネフローゼ症候群と診断し腎生検により半月体形成性腎炎と診断した.入院後BUN, クレアチニンが急増しurokinase, predonisolone, dipyridamole, cyclophosphamide使用後BUN, クレアチニンは正常化し尿タンパクも漸減した.インスリン使用量は漸減しpredonisoloneによるインスリン拮抗作用や腎機能の改善に伴うインスリン半減期の短縮や食欲の改善によると思われる.また, 腎炎の治療直前には認められなかった眼底出血が1年以内に出現した.経過中, 血糖の著しい変動はなく, 血圧も安定しており, 腎機能が急速に悪化し, 総コレステロールが増加した2~3カ月間に眼底出塩が出現した可能性があると思われた.
  • 1991 年 34 巻 10 号 p. 931
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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