スポット尿にて蛋白尿を認める当院外来通院中の糖尿病患者32名を対象とし, より全身のプロスタノイドを反映すると考えられる尿中11-dehydm-TXB
2, (11DTX), 2, 3-dinor-6-keto-prostaglandin F
1α(23D6) とより腎局所の障害を反映すると考えられる尿中thromboxane (TX) B
2, 6-keto prostaglandm F
1α (6keto PG) の排泄比より腎障害時に腎局所と全身のそれぞれのプロスタノイドの産生の比率が変化しているかを検討した. 尿中TXB, 尿中TXB
2/6keto-PG, 尿中TXB, /11DTX, および尿中TXB2/6keto-PGと尿中11DTX/23D6の比率は尿タンパク, 尿Alb, 尿NAG, 尿β
2MG, 尿Na量と有意の正相関を示した.しかし尿中11DTX値はこれらとは全て相関を有さなかった.尿中TXB
2, 6keto PG, 11DTX, 23D6量の比より, 腎障害時には全身に比し腎の局所的なTXA
2の産生亢進が発生していると推測された.
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