糖尿病
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37 巻 , 10 号
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  • 大森 安恵
    1994 年 37 巻 10 号 p. 715-716
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 小川 万紀子
    1994 年 37 巻 10 号 p. 717-723
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    [口腔内診査] NIDDM 30名, 健常者30名の成人男性を対象に, 未処置齲蝕歯数, 処置齲蝕歯数, 欠損歯数, 歯石沈着状態, 歯周疾患罹患状態について検討した. その結果, 齲蝕罹患において健常者とNIDDMの2群間で有意差は認められなかったが, 歯石沈着 (p<0.01) および歯周疾患 (p<0.001) はNIDDMにおいて有意に高頻度で発症していた.また, 齲蝕, 歯石沈着および歯周疾患の程度とその時点でのNIDDMのコントロール状態との関連性はみられなかったが, 罹患期間が長期 (10年以上) の者において, 重症度齲蝕歯数 (C4) の減少と処置齲蝕歯数の増加 (p<0.05), 歯石沈着 (p<0.05), 歯周疾患の進行 (p<0.05) が認められた.
    [唾液成分の測定] NIDDM 47名 (男32名, 女15名), 健常者45名 (男33名, 女12名) の成人を対象に, 午前9時から11時の空腹時に5分間の安静混合唾液を採取した. 唾液分泌量を測定後, グルコース, ラクテート, カリウム, カルシウム, 無機リン, 免疫グロブリンA濃度をVideo Chemistry 600 (アムコ社製) を用い, 測定した.
    その結果, NIDDMにおいて唾液分泌量の減少 (p<0.01), 唾液中に含まれるグルコース, カリウム, カルシウム, 無機リンおよび免疫グロブリンAの濃度が有意に高いことが認められた (p<0.001).
  • 由井 克昌, 田中 明, 諸星 政治, 内村 功, 沼野 藤夫
    1994 年 37 巻 10 号 p. 725-730
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    我々は血中トロンボモジュリン (TM) が糖尿病, 特に合併症進展例で高値を示すことを報告した. しかし血中TMは非糖尿病疾患の血清クレアチニン値 (Cr) 上昇例でも高値を示す. 血清Crの影響を除外するため健常43例と非糖尿病透析17例より得られた回帰直線の式TM=9.44Cr+11.0を用い, 各Cr値の直線上のTM値を100%として糖尿病の各TM値を%で表現し検討した.糖尿病51例のTM値は146.7±63.8%(M±SD) で健常19例の98.9±17.2%より有意高値 (p<0.005) を示した.糖尿病性網膜症軽症群122.8±38.5%に対し中等症群185.3±81.0%と有意高値 (p<0.05) を示した.蛋白尿陰性群124.3±31.1%に対し高度蛋白尿を認める群208.2±73.9%と有意高値 (p<0.005) を示した.またTM値は糖尿病罹病期間と有意正相関 (r=0.290, p<0.05) を認め, 血清Crで補正した今回の検討でも, 糖尿病細小血管症と血中TM値との特異的な関係が示唆された.
  • 柳沢 幸江, 若林 孝雄, 佐藤 ミヨ子, 山縣 文夫, 伴野 祥一, 河津 捷二
    1994 年 37 巻 10 号 p. 731-738
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    調理方法の異なる米飯, すなわち飯・粥・硬飯のglycemic indexを求めた. 対象はインスリン非依存型糖尿病患者 (27名) と健常者 (7名) とし, 試料 (75gグルコース相当量;粥409g, 飯198g, 硬飯162g) 負荷後の血糖およびインスリン分泌反応を測定した. 併せて, 試料のin vitroの消化性と咀嚼消化性を分析した. 粥は, 飯に比べ吸収速度が速く, 糖尿病患者では, 食後2時間までの血糖上昇量および, インスリン分泌反応が, 飯より有意に高かった. 健常者では, インスリン分泌反応のみ, 粥が有意に高かった. 一方, 硬飯は飯に比べ消化性は低いが, 摂取時の咀嚼程度が高く, 糖尿病患者では硬飯負荷後の血糖上昇量の方が飯より有意に高かった, インスリン非依存型糖尿病患者における米飯のglycemic indexは, 飯を100とすると粥は146, 硬飯は122となり, 調理法により異なることが示された.
  • 伴野 祥一, 河津 捷二, 清水 美津夫, 大野 富雄, 加藤 典弘, 伊藤 嘉人, 石井 主税, 村田 和彦, 中野 隆光, 斉藤 俊光, ...
    1994 年 37 巻 10 号 p. 739-746
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Remnant like particles (RLP) は, アポ蛋白A-1と, B-100のモノクロナール抗体からなるアフィニティゲルに吸着しないリポ蛋白で, 新しく分離されたレムナントリポ蛋白 (レムナント) である. インスリン非依存糖尿病 (NIDDM) 217例のRLP-コレステロール (RLP-C) は, 4.8±5.9mg/dlで, 非糖尿病 (317例) の3.1±4.5mg/dlより有意に高く (p<0.001), 異常者 (RLP-C≧5.0mg/dl) の頻度もそれぞれ31%, 10%と前者で有意に高かった (p<0.001). NIDDMでは, RLP-Cは, 血糖コントロール不良群は良好群より, 肥満者は非肥満者より高かったが, 罹病期間では差がなかった. また, 尿中アルブミン量の増加に従いRLP-Cは増加し, 200mg/g・Cr以上の群では, 7.8±11.4mg/dlで, それ以下の群に比し有意に高かった (p<0.05).以上のように, 糖尿病ではRLP-Cが高く, 血糖コントロールの悪化や腎症の合併などで増加する. 糖尿病における動脈硬化の発症にレムナントが関与するとの報告もあり, RLP-Cの長期観察が必要である.
  • 長谷川 豊, 荒木 博陽, 小友 進, 阿部 俊一, 渡辺 正弘
    1994 年 37 巻 10 号 p. 747-752
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    自然発症糖尿病マウス (C57BL/Ksj-db/db) の末梢神経障害に対するLipo-PEG1の効果を検討した. 末梢神経機能の指標としては, 後肢足底部から導出したF波を用い, F波が出現するまでの潜時を測定し, 対照マウス (C57BL/Ksj) のF波潜時と比較した. C57BL/KsjのF波潜時は4.73±0.20msecであった. 一方, C57BL/Ksj-db/dbのF波潜時は5.81±0.17msecと, C57BL/Ksjと比較して有意 (P<0.01) に遅延していた. C57BL/Ksj-db/dbのF波潜時の遅延は, Lipo-PGE1 (1, 3μg/kg, i.v.) の連続投与で用量依存的に回復した.Lipo-PGE1 3μg/kgの4週間連続投与群では, F波潜時の遅延は0.6msec短縮され, 有意 (P<0.01) な効果が認められた. 本実験結果より, Lipo-PGE1の糖尿病における末梢神経障害に対する有効性が示唆された. また, F波の測定は末梢神経障害の評価法としても有用性の高いことが示唆された.
  • 高橋 秀夫, 加畑 隆通, 早野 信也, 橋本 俊夫, 仁平 武, 田山 満男, 住谷 亮逸, 佐々木 英夫
    1994 年 37 巻 10 号 p. 753-757
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は29歳男性. 19歳時にIDDM発症. コントロール不良のまま8年経過した後に強化インスリン療法にて厳格な血糖コントロールを行なった. 1カ月後より下肢の疼痛, 上半身の発汗過多, 起立性低血圧, 両眼の羞明感を主症状としたpost-treatment neuropathyを発症した. 両眼とも対光反射は消失し, 近見反応ではゆっくりとしたtonicな縮瞳を示した. 左眼の瞳孔には副交感神経の再生によると思われる分節麻痺も認められ, 瞳孔緊張症と診断された. また, 通常の瞳孔緊張症と異なり, 両眼ともphenylephrineによる散瞳は良好であり, 交感神経の再生によると思われる過敏性も同時に存在していた. post-treatment neuropathyの病因も自律神経をはじめとした神経線維の変性と再生であると考えられており, 本症例のような長期間コントロール不良の糖尿病では, 急激な血糖降下の際には瞳孔の変化に関しても注意深い観察が必要であると思われた.
  • 篠原 規恭, 布井 清秀, 佐藤 雄一, 吉成 元孝, 藤島 正敏
    1994 年 37 巻 10 号 p. 759-765
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    高度のるいそうを主訴に入院した29歳の女性で, 入院後6回にわたり昏睡に至る低血糖を起こし, 神経性食思不振症による低血糖と診断された稀な症例を経験した. 中心静脈栄養で低血糖は改善し, 体重35kgで退院したが, 1992年2月再び体重が25kgまで減少し, 歩行困難のため再入院. 入院3日目に低血糖昏睡を生じ, ほぼ呼吸停止の状態で発見. 気管内挿管とブドウ糖静脈内投与により回復した. 中心静脈栄養のみでの体重増加は不十分で, 外泊を褒美に体重を記録させるオペラント条件付けをしたところ, 体重は43kgまで増加し退院. 神経性食思不振症による低血糖昏睡は極めて稀であるが, 突然死の一因になる可能性がある.低血糖昏睡は, 入院による絶食時間の延長で誘発された. 拒食や点滴拒否など治療上の対応も困難であり, 十分注意すべき病態と考えられた.
  • 渡邉 真理, 明比 祐子, 伊東 祐信, 桑原 寛, 橋口 純, 伊東 康子, 浜口 和之, 桶田 俊光, 坂田 利家, 高木 良三郎
    1994 年 37 巻 10 号 p. 767-772
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は49歳, 男性. 平成3年10月2日より風邪気味であった. 10月6日から連日7~8合を飲酒し, 8日午後より口渇, 全身倦怠感が出現. 翌朝症状が増悪し, 腹痛も出現したため来院した. 血糖798mg/dl, 尿糖 (卅), 尿中ケトン体 (卅), 血清K7.1mEp/l, 血液ガスにてpH7.08であった. ECGでST上昇が認められ, 急性心筋梗塞 (AMI) の合併が疑われた. しかし, 血清K値の是正により3時間後にSTレベルは正常化したため, 高K血症に伴ったST上昇と考えられた. 本症例のようにケトアシドーシス発症時にST上昇をきたすことは稀で, 過去20年間に11例が同様の病態を呈し, 偽性心筋梗塞という概念で報告されている. 既報告例と我々の症例との詳細な比較検討を行った.
  • 坂本 信夫, 堀田 饒, 豊田 隆謙, 池田 義雄, 松岡 健平, 春日 雅人, 吉川 隆一
    1994 年 37 巻 10 号 p. 773-788
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    アンケート調査の方法で, 全国225施設から, 11,648名が集計され, 1981~1990年の10年間の日本人糖尿病患者の死因が分析された. 11,648名中2,289例が剖検例で, 主な結果は以下の通りである.
    1) 全症例11,648名の死因の第1位は血管障害 (糖尿病性腎症, 虚血性心疾患, 脳血管障害) の39.3%, 第2位が悪性新生物の29.2%, 第3位は感染症の10.2%で, 高血糖に基づく糖尿病性昏睡は僅か上7%にすぎなかった.
    2) 死亡時年齢から糖尿病患者の死因をみると, 20歳代以降いつでも頻度が比較的高いのが糖尿病性腎症と感染症で, 脳血管障害は30歳代以降10%前後と一定しているが虚血性心疾患は60歳代から頻度が高くなった. また, 悪性新生物は30歳代からみられ, 男性は30歳から, 女性は40歳以降ほぼ30~40%の頻度を示している.
    3) 死因の地域特異性は, 以下の三群の大別では認められなかった. すなわち, (1) 東北・北海道 (2) 大都市地域 (東京, 名古屋, 大阪, 横浜, 京都, 福岡を中心とした), (3) は (1), (2) 以外の地域.
    4) 寿命に及ぼす血糖コントロール状況の影響をみた場合, 悪性新生物と肝硬変を除き, 一般的に血糖コントロール不良群で短命で, その傾向は糖尿病腎症でよく現われていた. 死亡時平均年齢は67.3歳で, 血糖コントロール不良群は良好群に比べて約2.2歳短命だった.
    5) 糖尿病罹病期間を加味して血糖コントロール状況の良否と死因を検討すると, 細小血管症の糖尿病性腎症の発症・進展に血糖コントロール状況の良否および糖尿病罹病期間が及ぼす髪響は大きいが, 大血管症の虚血性心疾患, 脳血管障害に対してはこれら両因子が直接的に大きく関与している可能性が細小血管症に比べて小さいことが窺われた.
    6) 糖尿病の治療内容から死因を検討すると, 食事療法21.1%, 経口血糖降下剤療法25.4%, インスリン療法 (経口血糖降下剤併用療法も含む) 44.6%とインスリン療法が最も多かった.血管障害との関連では, インスリン療法は糖尿病性腎症に高頻度で, 腎症の62.8%を占めた.
    7) 各種併発症と血管障害との関連は, 糖尿病性網膜症および末梢血管障害 (糖尿病性壊疽) の併発は糖尿病性腎症に, そして冠動脈硬化は虚血性心疾患で亡くなった例であった.
    8) 糖尿病患者の平均寿命は, 男性66.5歳女性68.4歳で同時代の日本人一般 (糖尿病も含) に比べて, 各々9.42歳, 13.50歳短命であった. 前回の調査 (1971~1980年) の成績に比べて, 10年間で男性は3.40歳女性が3.55歳の寿命の延びが認められたが日本人一般でも同時に男性2.60歳, 女性3.07歳の延命が観察されていることから, 糖尿病の管理・治療の進歩とは断定出来なかった.
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