血中糖化アルブミンglycated albumin (以下GAと略す) は, 過去約2週間の血糖コントロール状態を表す指標として糖尿病臨床に用いられている。正常妊婦, 糖尿病妊婦においてGAをGAA-2000 (京都第一科学) を用いて測定し, すでに血糖コントロール指標として使用されているフルクトサミン, HbA
1cを同一サンプルで測定比較することにより, 糖尿病妊婦のコントロール指標として有用かどうかを検討した.正常妊婦のGA値は正常非妊婦と差は認められなかった. 一方, 糖尿病妊婦において, GAはHbA
1cより早期に正常域に入り, フルクトサミンとGAはほぼ同じ時期に正常化した.しかしGAはフルクトサミンと異なって妊娠経過に伴う血清蛋白, アルブミン変動の影響を受けず, HbA
1cに比べより短期間の血糖コントロールを反映するため, 糖尿病妊婦の血糖コントロール指標として有用であることを認めた.
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