糖尿病
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37 巻 , 4 号
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  • 石井 宏幸, 多田 久也
    1994 年 37 巻 4 号 p. 247-253
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    本研究は, 高ブドウ糖濃度 (HG) による培養メサンギウム細胞の増殖能, 細胞障害性, 接着・伸展能の変化を明らかにし, それらの変化が, 高浸透圧の効果か否か, さらにポリオール代謝異常に起因するか否かを, epalrestatを用い検討する.HG (33~50mM) 条件下では, 5mMの低ブドウ糖濃度 (LG) に比し, 細胞数の減少ならびに [3H]-thymidine uptakeの低下がみられた.高マンニトール (HM) 条件下では, 増殖能はLGとHGの中間を示した.HGによる増殖抑制はepalrestatを添加しても是正されなかった. 一方, HG条件下では, [51Cr]-放出率の増加や接着・伸展細胞率の減少がみられた.これらの変化は, HM条件下ではみられず, epalrestat添加により是正された。以上より, HGは培養メサンギウム細胞の増殖抑制, 細胞障害性の亢進, 接着・伸展能の低下をきたすことが明らかになった.さらに, 細胞障害性の亢進, 接着・伸展能低下の機序として, ポリオール代謝異常が示唆された.
  • 根本 昌実, 森 豊, 横山 淳一, 西村 正彦, 池田 義雄
    1994 年 37 巻 4 号 p. 255-259
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    自然発症I型糖尿病LETLラットのCyclophosphamide (CY) 誘発糖尿病に対するNicotinamide (NA) の発症予防効果を検討した.生後15~20週齢雄性未発症LETLラットを3群に分けた.I群: 生食水5mlを腹腔内投与したLETLラット群 (n=25).II群: CY (100mg/kg) を2回腹腔内投与したLETLラット群 (n=33).III群: CY投与とNA (500mg/kg) を連日皮下注射したLETLラット群 (n=19).IV群: CY投与した糖尿病非発症系LETOラット群 (n=11).10週後の各群の累積糖尿病発症率は8.0%, 36.4%, 15.8%, 0%であり, CY投与によりLETLラットの糖尿病発症は有意に促進され, CY誘発糖尿病はNA投与により有意に抑制された.I群の未発症LETLラットではラ氏島炎は認められなかったが, I, II, III群の糖尿病発症LETLラットとII, III群未発症LETLラットの一部にラ氏島炎が観察された.大量のNA投与はCY投与で誘導されたラ氏島炎の出現率と程度を抑制しないにもかかわらず糖尿病発症を抑制した.
  • 工藤 節, 亀山 正明
    1994 年 37 巻 4 号 p. 261-269
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞 (AMI) における高血糖が血漿可溶性フィブリンモノマー複合体 (SFMC) の濃度とその組成に及ぼす効果を明らかにし, かつ, fibrin線維の形状に及ぼす効果についても実験的に検討した.AMI 15例につき血糖, フルクトサミン (FRA), fibrinogen (Fbg), fibronectin (Fn), SFMCの各濃度とSFMCの組成 [Fn/fibrin (ogen)] をsolubilityの指標とし1病日から21病日まで測定した.14病日では, 初診時のFRA 285μmol/l以下の群 (I群) はSFMC, Fbgとも前値に復したが, FRA 285μmol/lを超える群 (II群) ではSFMCは再上昇し, I群に比し有意に高い値を示した.しかし, Fn/fibrin (ogen) はSFMC濃度とは逆に有意に低値であった.Fbgも高値が遷延した.他方, 実験的に糖化をうけたFbg, Fnからのfibrin線維は太く, 重合の進行したものであった.
    以上より, AMI発症後高血糖が持続するとthrombin発生は遷延し, solubilityの低下したSFMCが形成されると思われた.
  • 高木 敬文, 柏木 厚典, 前川 聡, 繁田 幸男
    1994 年 37 巻 4 号 p. 271-278
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    培養血管平滑筋細胞 (VSMCs) におけるインスリンシグナル伝達機構とその脱感作について検討した.VSMCsにおいて, 0.33nM非標識インスリンにより50%結合抑制を示す高親和性の特異的 [125I]インスリン結合を認めた.部分精製したインスリン受容体 (IR) の自己燐酸化は0.17nM (24μU/ml) より, 細胞のS6キナーゼ活性は1nM (144μU/ml) よりインスリン濃度依存性に上昇した.VSMCsを10nMインスリンと12時間艀置することにより, [125I] インスリン結合は対照より39%減少し (p<0.05), インスリン刺激によるS6キナーゼ活性の上昇は対照より67%減少した (P<0.01). 一方, 同処置により [125I] insulin-like growth factor I (IGF-I) 結合およびIGFIによるS6キナーゼ活性化に変化を認めなかった.以上の結果よりVSMCsにおいて生理的濃度でインスリンのシグナル伝達系が活性化され, インスリン長期処置によりIR特異的な脱感作がみられた.
  • 川端 徹, 安田 斎, 繁田 幸男
    1994 年 37 巻 4 号 p. 279-288
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    低血糖性脳障害の発症進展機序解明のため, 海馬シナプス部の免疫組織学的検討を行なった.ラットにインスリン15単位/kgを投与し, 30分間の平坦脳波の低血糖昏睡を惹起.神経樹状突起蛋白のMAP2, シナプス前軸索終末蛋白のsynaptophysinおよびGAP43 (軸索成長, synaptogenesis, 神経伝達物質放出に関与) をABC法で染色した.回復30分後に細胞変性を認めないCA1外側部でMAP2の一過性の染色性低下を認めた.さらに回復2時間から7日後まで神経細胞壊死の拡大に伴い, 歯状回堤部, 支脚からCAIへと低下部位の拡大を認めた.GAP43は神経細胞変性早期から樹状突起が分布する歯状回内分子層で染色性が増強し, 7日後, 同層を越え顆粒細胞層の壊死細胞周囲にまで拡大した.synaptophysinの染色性は内分子層で軽度増強していた.以上の成績は低血糖性脳障害の進展機序が脳虚血と異なること, 神経細胞変性過程あるいは神経シナプスの修復過程にGAP43が関与することを示唆している.
  • 大沢 まゆみ, 佐藤 麻子, 高野 靖子, 荷見 澄子, 大森 安恵
    1994 年 37 巻 4 号 p. 289-293
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) に低クロール血性アルカローシスを混在したNIDDMの1例を経験した.症例は37歳男性で, 糖尿病の家族歴, アルコール多飲歴を有する.平成3年12月初旬, 口渇, 多飲, 多尿出現, 1カ月後歯肉炎, 暴飲暴食を契機に体重減少, 嘔気, 嘔吐が出現し経口摂取不能となったため当センター受診.血糖635mg/dl, 血中3-β-ヒドロキシ酪酸9, 700μmol/l動脈血中HCO3 13.0mmol/lとケトーシスの状態であったが, 血清Cl 77 mEq/lと低クロール血症を認め, 血液のpHは7.571とアルカレミアを呈していた.当センターにおける過去1年の嘔吐を主訴とするDKA患者では, Clは正常あるいは上昇して呼吸性代償が働いてもアシドーシスを呈しており, 本症例のようにアルカレミアに傾いた例は1例も認めなかった.酸塩基平衡において稀な病態であると考えここに報告した.
  • 大沢 謙三, 小池 伸彦, 篁 俊成, 永井 幸広, 小林 健一
    1994 年 37 巻 4 号 p. 295-300
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    高齢のインスリン非依存型糖尿病患者3例において, 合併する高脂血症の治療目的にベザフィブラートを投与したところ, 数日後より低血糖発作の頻発を認めた.3例とも経口血糖降下剤使用中であり, 1例はSU剤二次無効症例であった.症例1ではグリベンクラミド2.5mgをトルブタミド500mgに変更, 症例2ではグリベンクラミド6.25mgを2.5mgに減量, 症例3ではグリベンクラミド10mgとブフォルミン100mgを全て中止したが, いずれの症例もHbA1c 5.2~6.6%の良好な血糖コントロールを保った.SU剤投与中の患者でのべザフィブラートによる低血糖誘発の報告は他に1例を認めるのみであり極めて稀である.いずれも高齢者における薬物クリアランスの低下により, ベザフィブラートの耐糖能改善効果およびSU剤との薬物相互作用の程度が増強された可能性が示唆された.
  • 谷川 敬一郎, 大国 智司, 加藤 譲
    1994 年 37 巻 4 号 p. 301-306
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    既報の, 糖尿病を合併した糖原病 (グリコーゲン病) Ia型の女性 (39歳) に, 新しい経口糖尿病薬, CS 045 (400mg/日) を投与し, 糖, 脂質代謝に及ぼす影響について検討した.投与前6ヵ月間の平均HbA1cは8.4%であったが, 投与後10週頃より低下する傾向を認め, 投与6ヵ月後のHbA1cは7.0%まで低下した.CS 045投与5ヵ月後の75gブドウ糖負荷テストでは, 投与前と比較して血糖の低下とCペプチド分泌の軽度の増加を認めたが, インスリン分泌には変化を認めなかった.CS 045投与前のEuglycemic clamp法によって, ブドウ糖のmetabolic clearance rateの低下を認め, インスリン抵抗性の存在が示唆された.CS-045の投与はこの病態の改善に有効であった.
  • 曽根 博仁, 奥田 諭吉, 水谷 正一, 朝倉 由加利, 浅野 道子, 鶴島 陽子, 小川 雅士, 山岡 孝, 鈴木 誠司, 伊坂 正明, ...
    1994 年 37 巻 4 号 p. 307-310
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Ibudilast (3-isobutyryl-2-isopropylpyrazolo-[1.5a] pyridine) is a prostacyclin mediated vasodilator and anti-platelet agent that has a relatively long duration of action and is orally active. Non-insulin dependent diabetic patients were studied to evaluate the effects of ibudilast on hemodynamic changes in the circulation by two dimensional Doppler echography and laser blood flowmetry. Before and 1 h after administration of ibudilast (10 mg) or elastase (1800 U), the cross-sectional area (Area) of the dorsal pedis artery and its Blood Flow Index (BFI), calculated from maximum flow velocity and Area, were determined. Dermal microcirculatory blood volume (MCBV) was also measured with the laser blood flowmeter. In the ibudilast group, the Area was significantly increased from 2.72±0.32 to 3.21±0.35mm2 (Mean±SE, p<0.05). The BFI was also siginificantly increased from 28.3±3.7 to 37.0±5.2 (p<0.01). In the ibudilast group, MCBV was also significantly increased from 3.82±0.70 to 4.96±0.71 ml/min/100g tissue (p<0.01). No significant changes were observed in the data of the elastase group, and no side effects were observed in any of the patients in either of group. The results of this study suggest that ibudilast may be useful in ameliorating diabetic macro-and microangiopathy of the lower limbs.
  • 井上 正幸, 傳 秋光, 鳴瀧 恭也
    1994 年 37 巻 4 号 p. 311-315
    発行日: 1994/04/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Extracted lipids from erythrocyte membranes were analyzed by gas chromatographic mass spectrometry.Hydroxy stearic acid and hydroxy lignoceric acid were not detected in healthy subjects but were present in diabetic patients, using ion chromatography.Findings were confirmed by mass spectrometry.These analytical findings suggest that 1) peroxidation of poly-unsaturated fatty acids occurs due to the suppression of superoxide dismutase activity in diabetic erythrocytes, 2) from a physiochemical point of view, these hydroxy fatty acids might be associated with reduced fluidity of the erythrocyte membranes in diabetics, and 3) ion chromatography is useful for detecting hydroxy fatty acids of erythrocyte membranes.
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