糖尿病
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37 巻 , 6 号
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  • 前田 憲吾, 安田 斎, 寺田 雅彦, 川端 徹, 川合 寛道, 滝川 智子, 上古 真理, 吉川 隆一, 繁田 幸男
    1994 年 37 巻 6 号 p. 395-401
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    近年, 糖尿病ラット坐骨神経のcAMP含量の低下および神経Na/K-ATPase活性調節におけるcAMPの役割が報告されている。しかし糖尿病末梢神経のcAMP低下機序について充分な検討は行われていない.そこでこれを解明するために, ラットを用いて免疫組織学的, 生化学的検討を行った.cAMPに対する免疫組織染色では軸索のみが増強された.軸索の消失した神経切断遠位部のcAMP含量は非切断側に比して有意に減少したが, 糖尿病, 正常ラット間で有意な変化は認められなかった.正常ラットに比べて, 糖尿病ラットの神経adenylate cyclaseとphosphodiesterase活性は差を認めなかったが, isoproterenol刺激による神経cAMP蓄積量は有意に減少していた.これらの結果から, 糖尿病坐骨神経では軸索由来のcAMP含量が低下しており, その機序として受容体からadenylate cyclaseにいたるsignal transductionの障害による可能性が示唆された.
  • 廣瀬 順弥
    1994 年 37 巻 6 号 p. 403-409
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    本態性高血圧症とインスリン感受性低下の関連をSteady State Plasma Glucose (SSPG) 法で検討した.対象は健常群7例, 境界域高血圧 (BLHT) 群10例, 本態性高血圧症 (HT) 群9例で, 非肥満 (body mass index<25kg/m2), 75gOGTT正常例, 未治療である.本法で得たglucose clearance (GC) は健常群に比しBLHT群, HT群で有意に低値 (p<0.05, p<0.01) を示した.GCと収縮期血圧 (SBP), 拡張期血圧 (DBP), 平均血圧 (MAP) はいずれも有意な負の相関 (p<0.01, p<0.01, p<0.01) がみられた.7590GTT時basal IRIは各群間で差はなく, DBP, MAPと有意な正の相関 (p<0.05, p<0.05) があった.インスリン面積 (ΣIRI) は健常群に比しBLHT群およびHT群で有意に高値 (p<0.01, p<0.01) であり, DBP, MAPと有意な正の相関 (p<0.05, p<0.05) があった. また, SSPG法施行中血中カテコールアミンは増加せず, FENaは変化がみられなかった. 重回帰分析による検討ではSBP, DBP, MAPいずれもΣIRIに比しGCが最も強く関連 (p<0.01) がみられた.以上より本態性高血圧症における血圧は高インスリン血症よりもインスリン感受性低下とより強い関連を有する可能性が示唆された.
  • 瀧川 智子, 安田 斎, 寺田 雅彦, 川端 徹, 前田 憲吾, 上古 真理, 森田 昌子, 吉川 隆一, 繁田 幸男
    1994 年 37 巻 6 号 p. 411-417
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者40例において食事性低血圧 (postprandial hypotension;PPH) の有無と背景因子の検討を行った.食後2時間までの血圧を測定し, 20mmHg以上の血圧低下を陽性とした.また同時に神経伝導速度, Schellong test, 心電図R-R間隔CV値および心電図QTcの測定, uroflowmetryを施行した.PPHは19例 (48%) に認められ, インスリン分泌能との関連はなかった.またPPH陽性群は各種神経機能の低下傾向を示し, 特に起立性低血圧との相関が強く (r=0.424, p<0.05), 交感神経機能障害を反映している病態と考えられた.また高血圧糖尿病患者の79%にPPHがみられ, 非高血圧糖尿病患者のPPH陽性群は陰性群に比べ有意に高齢であった.また60歳以下の非高血圧糖尿病患者のうちPPH陽性例は2例で, 陰性例に比べ血糖コントロールが有意に不良であった.以上の結果からPPHの発症に血糖コントロール不良, 高血圧, 加齢が関与している可能性が示唆された.
  • 酒井 謙, 半田 みち子, 中村 隆一, 岡島 重孝, 小口 修司, 竹下 栄子, 丸山 博
    1994 年 37 巻 6 号 p. 419-424
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は73歳男性.1987年頃より全身倦怠感が出現し時々冷汗, 意識混濁を認めていた.89年1月, 高インスリン血症 (IRI2660μU/ml: 二抗体法) を偶然指摘され当院入院した.入院時, 空腹時total IRIは801μU/ml, free IRIは11μU/mlであり125I-インスリン結合率 (PEG法) 87.7%と高値, 血糖日内変動にて低血糖を認めた.インスリン抗体はIgGに属しL鎖はκ型優位で, Scatchard plots analysisにて結合親和性は二相性を呈した.インスリン使用歴はなく, 誘発する可能性のある薬剤投与歴もなかった.以上よりインスリン自己免疫症候群と診断し, 自己抗体産生抑制および低血糖治療目的にてステロイドパルス療法を施行した.その結果血糖日内変動における低血糖は消失し, total IRI, 125Iインスリン結合率は著明に減少した.本症例では, ステロイドパルス療法が明らかに有効であったと思われたので報告した.
  • 竹宮 孝子, 朝長 修, 佐藤 麻子, 佐中 真由実, 屋代 庫人, 大原 昇, 長廻 紘, 荷見 澄子, 大森 安恵
    1994 年 37 巻 6 号 p. 425-430
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は15年以上のインスリン非依存型糖尿病歴を有する69歳の女性である.腹部膨満感と便秘を主訴として平成4年2月に入院した.主訴は平成元年10月に急性心筋梗塞罹患時に行った心カテーテル検査後に出現し, その後徐々に増悪した.腹部単純X線像や腹部CTなどにおいて小腸壁に気体が貯留し, 多発性のポリープ様病変が認められたため, 腸管嚢腫様気腫症 (Pneumatosis cystoides intestinalis, PCI) と診断された.症例は40~50%の高濃度酸素を6日間吸入した結果, 症状が改善し, また嚢腫は殆ど消失した.退院後15カ月経過した後も症状は再発していない.PCIは糖尿病性神経障害による胃腸障害に症状が似ていることから, 鑑別すべき疾患の1つとして重要であると考え, ここに報告した.
  • 西村 真子, 千葉 泰子, 上杉 由美子, 谷 長行, 鳥羽 健, 伊藤 正毅, 野本 努, 堂前 洋一朗, 柴田 昭
    1994 年 37 巻 6 号 p. 431-436
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病長期未治療の58歳の女性.重荷を持ち上げた後右臀部痛が出現し歩行不能となった.さらに嘔吐出現, 摂食不能, 昏睡状態となり近医に入院.糖尿病性ケトアシドーシス, ショック, DICの診断を受け当科へ紹介された.CTにて右腰部・臀部に多発性筋膿瘍の所見を認め, さらに切開排膿術施行時に化膿性仙腸関節炎の所見を認め, 多発性筋膿瘍はこの部より波及したと診断した.起因菌は膣常在菌のPrevotella.biviaであり, 抗生剤治療および切開排膿により改善した.化膿性仙腸関節炎は稀な疾患であり, さらに多発性筋膿瘍を続発した症例の報告はなく, 起因菌が弱毒菌であるP.biviaの報告もない, 本例では基礎疾患として糖尿病を合併していることが一連の病状悪化と関連していると考えられた.過去, 長期未治療糖尿病患者で重症感染症の報告が敬見され, 糖尿病患者で炎症と腰痛の所見があれば仙腸関節炎は考慮すべき疾患の一つと考えられた.
  • 堀田 一彦, 石田 芳彦, 前田 哲男, 日下 孝明, 吉田 宗義, 鹿住 敏
    1994 年 37 巻 6 号 p. 437-441
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    65歳の女性で, インスリン依存性糖尿病を急激に発症した1例を報告する。血清中では, ICAとICSAのみならず, 胃壁細胞下垂体前葉細胞および甲状腺マイクロゾームに対する自己抗体も検出された.グルカゴン静注刺激に対する血清CPR反応も非常に低く (頂値: 0.5ng/ml), 1日尿中CPR排泄量も低値であった (11.5μg/日).60歳以上で発症したインスリン依存性糖尿病の本邦における論文報告例は, 本症例を含んで7例と稀であった.
  • 高井 昌彦, 二宮 一敏
    1994 年 37 巻 6 号 p. 443-446
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Claims dealing with the precipitation in the syringe and infusion route obstruction during continuous subcutaneous insulin infusion (CSII) have increased since the supply of bufferedfast acting human insulin preparation was withdrawn from the Japanese market.
    When the precipitations encountered in the syringes at our institution were examined under a microscope, they were found to be a conglomerate of amorphous particles such as are seen in isoelectric precipitation. The pH of the insulin solution was found to be slightlydiminished. When the CSII syringe and catheter were examined for dissolution of zinc into the insulin solution the zinc ion content was found to be slightly increased. No bufered fast-acting human insulin preparation is currently available in Japan. It is known that, depending on the preservative, the solubility of insulin decreases in response to an increasing concentration of zinc ions in the insulin solution. The present study suggests that the occurrence of precipitation during CSII may be associated with the dissolution of acidic substances and zinc ions from the syringe and catheter used in CSII.
  • 山本 道也, 末廣 正, 安岡 伸和, 中内 優, 乾 泰通, 中村 寿宏, 依岡 孝秀, 公文 義雄, 橋本 浩三
    1994 年 37 巻 6 号 p. 447-449
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    It has been reported that impairment of glycogen synthase, the key enzyme in glycogen synthesis, could be a genomic marker of NIDDM. Groop et al. identified a polymorphism by Xbal digestion of the glycogen synthase gene. We studied 55 unrelated patients with NIDDM and 40 unrelated nondiabetic subjects with no family history of NIDDM. Using PCR on genomic DNA from the leukocytes of these subjects, we amplified a region of the genomic DNA encompassing the Xbal new cleavage site (an intron 302 base pairs upstream from position 1970 of cDNA) with sense and anti-sense primers;5'CTCTCCGACCTTCTGGACTG3'(1935-1954) and 5'GCTCGTAGGTGAAGTGCTCT3'(2014-2033), respectively.
    The Xbal new cleavage site in the PCR fragment was found in one of 40 non-diabetic subjects and none of the 55 patients with NIDDM. Therefore, Xbal polymorphism of the glycogen synthase gene is rare in Japanese and can not be used as a genomic marker for Japanese NIDDM.
  • 1994 年 37 巻 6 号 p. 451-467
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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