糖尿病
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37 巻 , 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 水本 博幸, 田宮 宗久, 松田 彰, 松谷 久美子, 伊古田 明美, 紅粉 睦男, 真尾 泰生
    1994 年 37 巻 7 号 p. 471-477
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    入院による急速な血糖改善が網膜症に及ぼす影響を検討した. 対象はインスリン非依存性糖尿病の入院時無網膜症 (NDR) 89例と単純性網膜症 (SDR) 39例である. 1年後の網膜症で判定し, 諸因子 (入院時の年齢性別, 推定罹病期間, 肥満度, 血圧, HbA1c, アキレス腱反射 (ATR), アルブミン尿, 蛋白尿, 治療法, アルコール摂取喫煙) とHbA1c改善率=[(入院時-3カ月後) HbA1c/入院時HbA1c×100] が30%以上のものを急激な血糖改善の指標とした. 年平均のHbA1cは入院後3カ月毎の平均とした. 入院時DNR89例は1年後5例がSDRに2例が前増殖性網膜症 (PPDR) に, 計7例が悪化, 入院時NDR39例は1年後5例がPPDRに悪化, 9例が消失した. ATR消失例に3カ月でHbA1cが30%以上改善した時, 悪化が高率に認められたが, ATRが存在した例では急速な血糖改善による影響は極めて少なかった. 1年後もNDRの例とSDRからNDRに改善した例は有意に血糖コントロールが良好で年平均のHbA1cは7%以下であった.
  • 大久保 由美子, 横山 宏樹, 佐藤 麻子, 馬場園 哲也, 吉野 博子, 荷見 澄子, 大森 安恵
    1994 年 37 巻 7 号 p. 479-484
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は38歳の男性でFallot四徴症を有し, 8歳時Glenn手術を施行している. 1973年20歳でインスリン非依存型糖尿病 (NLDDM) が発見され, 発見後6年で単純性網膜症, 7年で持続性蛋白尿, 12年で増殖性網膜症が認められた. 今回腎機能の悪化およびうっ血性心不全の増悪により, 糖尿病発見後18年で透析導入した. 透析導入当初上肢に返血したところ乳糜胸を併発し, Glenn手術による血行動態の変化が原因と考えられた. 透析方法を下肢に返血するように変更し, 以後問題なく経過している.
    またわが国における若年発症のNIDDM患者では単純性網膜症の出現は発症後16.6年, 増殖性網膜症は18.9年と報告されており, 本例はこれと比較しかなり早期に合併症が出現している. その原因として血糖コントロールが不良であったことに加え, Fallot四徴症による組織の慢性的な低酸素状態が増悪因子となった可能性が考えられた.
  • 佐藤 則之, 田中 雅史, 荻原 貴之, 清水 弘行, 下村 洋之助, 森 昌朋
    1994 年 37 巻 7 号 p. 485-491
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病の易感染性の原因の一つとして, 好中球機能低下が示唆されている. 今回, 好中球機能の重要な因子である活性酸素生成能が低下していた, 頸部actinomycosis感染NIDDMの1例を経験したので報告する. 症例は56歳男性. 頸部痛, 発熱を主訴に入院. 7年前に糖尿病を指摘. 入院時FBS198mg/dl, HbA1c11.6%, 尿中ケトン体陰性. 好中球活性酸素生成能 [ルミノール (L-DCL) およびルシフェリン依存性化学発光 (CLA-DCL)], および好中球ミエロペルオキシダーゼ (MPO) 活性の明らかな低下を認めた. 頸部腫瘤よりの生検にてactinomycosisと診断. インスリンによる血糖コントロールと, ペニシリン療法により, 頸部腫瘤の縮小, 炎症所見, HbA1c, L-DCL, CLA-DCL, およびMPO活性の改善が認められた. 非常に稀な疾患である頸部actinomycosis症が本症例に併発した原因の一つの機序として, 高血糖に伴う好中球活性酸素生成能 (特に, MPO-H2O2--Cl-系) 低下の関与が考えられた.
  • 藤崎 知文, 樫田 久枝, 鮫島 浩, 波多江 正紀, 甲斐 元朗, 加治屋 昌子, 福島 茂, 宮田 典男
    1994 年 37 巻 7 号 p. 493-498
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は31歳初産婦. 25歳時, 他疾患で近医受診し尿糖指摘されたが放置. 28歳時 (1988年11月), 左眼痛を主訴に当院眼科受診し, 糖尿病網膜症を指摘された. このとき空腹時血糖337mg/dl, HbA1c12.5%. 以後インスリン治療していたが網膜症が進行し, 両側の光凝固施行. 29歳時には右硝子体手術施行. 妊娠前の網膜症の状態は活動性はなく, 31歳で妊娠成立した. 妊娠経過中は強化インスリン療法にて血糖コントロールを良好に保ち, また眼科, 産科と緊密な協議を行ないながら管理に努めた. 網膜症は不変のまま39週3日で帝王切開にて30629の健常男児を出産した. 出産後6ヵ月の眼科検診では網膜症の悪化はみられず, 現在厳重な経過観察中である. 硝子体手術後であっても網膜症が安定している状態であれば妊娠出産が可能と考えられる. またこのような症例では内科医, 産科医, 眼科医によるチーム医療が必須である.
  • 井上 正幸, 傳 秋光, 鳴瀧 恭也
    1994 年 37 巻 7 号 p. 499-502
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Using gas chromatographic mass spectrometry, we identified cholesteryl-6 (2, 6-di-tertialy butylphenol-4)-thioether (CT) in the urine of diabetics with hypercholesterolemia who were being treated with oral glibenclamide, 2.5 mg, and probucol, 500 mg/day.
    Presumably probucol was hydrolyzed to form 4-mercapto-2, 6-di-tertialy-butylphenol (MBP), the MBP reacted with cholesterol-5 α, 6 α-epoxide, oxidized cholesterol, and CT was then formed as a result of dehydration and condensation reactions.
    Probucol is expected to be useful in preventing diabetic macroangiopathy and removing oxidized cholesterol from the plasma into the urine.
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