糖尿病
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37 巻, 8 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 金澤 康徳
    1994 年 37 巻 8 号 p. 563-564
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 田原 保宏, 島 健二
    1994 年 37 巻 8 号 p. 565-572
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖化アルブミン (GA) および糖化ヘモグロビン (GHb) と過去の血糖の相関についての臨床的指針を得るため, 血糖変化にランダムなゆらぎを導入し, 理論的解析を行った.シミュレーション結果によると, GAおよびGHbはともに安定型糖尿病における長周期の血糖変動をよく反映したが, 不安定型糖尿病における短周期の血糖変動はよく反映できなかった.GAおよびGHbと血糖の相互相関係数の解析においては, 安定型糖尿病の場合は, GAは10~15日前, GHbは20~40日前の血糖との相互相関が最大となったが, 不安定型糖尿病の場合は, ともに直前の血糖との相互相関が最大となった.以上の結果は, GAおよびGHbと過去の血糖の相互相関係数は対象者の血糖安定性に大きく依存することを示す.今後, 糖化蛋白と過去の血糖の相互相関を調べる際には, 対象者の血糖安定性を考慮に入れなければならない.
  • 平嶋 司, 河野 一弥, 森 茂人, 岡本 宏
    1994 年 37 巻 8 号 p. 573-581
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) のモデル動物であるOLETFラットの糖尿病に対するNicotinamideと3-Aminobenzamideの効果を検討する目的で, 糖尿病発症前 (生後7週齢) とすでに経口ブドウ糖負荷試験 (OGTT) で糖尿病と診断された高週齢 (生後36~73週齢) のOLETFラットにNicotinamide並びに3-Aminobenzamideを90日間投与した.その結果, 糖尿病発症前のOLETFラットにNicotinamideを投与した群では糖尿病の発症が有意に抑制され, 病理組織学的検査においても膵ランゲルハンス島の肥大や線維化の発現が抑制された. 一方, 高週齢のOLETFラットに対しては, 糖尿病の改善効果がみられ, これらのラットの膵臓には再生したと考えられる膵B細胞が多数認められた.しかし, 3-Aminobenzamide投与群ではNicotinamide投与群ほどの効果はみられなかった.
  • 川野 貴弘, 金内 雅夫, 杉本 和夫, 土肥 祥子, 西浦 公章, 土肥 和紘
    1994 年 37 巻 8 号 p. 583-590
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    マクロファージ (Mφ) における糖化LDL (G-LDL) の処理機構を解明するために, 正常ラット (C群) および糖尿病ラット (DM群) 腹腔Mφによる無処理LDL (N-LDL) とG-LDLの細胞内蓄積最および分解量の差異を検討した.
    C群およびDM群で, MφによるG-LDLの細胞内蓄積量と分解量はN-LDLに比して有意に高かった.MφによるN-LDLあるいはG-LDLの細胞内蓄積量および分解量は, C群とDM群の間で差を示さなかった.一方, DM群で, Mφによる無処理アルブミンと糖化アルブミンの細胞内蓄積量には差がみられず, アセチル化LDL (A-LDL) の分解量はG-LDLの過剰添加でも抑制されなかった.以上より, MφによるG-LDLの取り込みはN-LDLに比して増加しており, またDM群Mφで, G-LDLはA-LDLのスカベンジャーレセプターなどの特異的な高親和性レセプターを介さない経路で処理されることが示唆された.
  • 宮本 美知子, 吉成 元孝, 飯野 研三, 山本 操, 加来 隆一郎, 姫野 治子, 岩瀬 正典, 藤島 正敏
    1994 年 37 巻 8 号 p. 591-598
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病では動脈硬化性疾患の危険因子の一つとしてLp (a) が挙げられている.しかし, 糖尿病でLP (a) が上昇するか否かについては疑問がある.そこで高脂血症未治療のインスリン非依存性糖尿病患者83例における血清Lp (a) 濃度を測定し, 危険因子としての意義をApoB/ApoA1比やatherogenic index (A.I.) と比較検討した.合併症のない糖尿病患者22名のLp (a) は14.8±14.9 (±SD)) mg/dlで健常者の文献値と不変であった.Lp (a) と空腹時血糖やHbA1cとの関係は認められなかった.網膜症, 蛋白尿, 虚血性心疾患合併例のLp (a) は合併症のない糖尿病より有意に高値を示したが, 重回帰分析では蛋白尿のみが重要であった.Lp (a) は他の脂質諸量とは独立しており, ApoB/ApoA1やA.I.と比較すると大血管合併症例で有意に異常値検出率が高いことから, 糖尿病の大血管合併症に対してもよりよい指標と考えられた.以上より, Lp (a) は糖尿病自体では高値とならないが, 蛋白尿と強く関係し, ApoB/ApoA1やA.I.よりも優れた糖尿病性大血管合併症の危険因子と考えられた.
  • 丸山 明子, 横山 宏樹, 青木 かを里, 内潟 安子, 大森 安恵
    1994 年 37 巻 8 号 p. 599-606
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    東京女子医大糖尿病センターを1963年以降1990年12月31日までに初診し, 受診登録されている30歳未満発症のIDDM患者のうち1年以上当センターに通院した509名を対象に生命予後調査を行った.1992年7月1日現在509名を追跡し, 488名 (95.9%, 3518person-years) の生存状況を明らかにした.その平均発症年齢は14歳で調査時までの平均罹病期間は13年であった.IDDMの定義は急激な糖尿病症状で発症し, 診断後1カ月で空腹時血清Cペプチドが0.6ng/mml以下と内因性インスリン分泌の低下をきたし, 発症時より0.5U/kg/day以上のインスリン治療を必要としたものとした.全死亡者は488名中11名 (2.3%) で, 標準化死亡比 (SMR) は一般人口の死亡率を1とすると2.8であった.死亡原因は腎死4例 (36.4%), 心筋梗塞は2例 (18.2%), 糖尿病性ケトアシドーシス1例 (9%), 不明4例 (36.4%) であった.不明4例のうち1例は膵腎同時移植後術後経過は良好であったが手術10日目に死亡他の2例は突然死が推測された.残り1例については全く不明であった.
  • 佐々木 陽, 堀内 成人, 長谷川 恭一, 上原 ます子
    1994 年 37 巻 8 号 p. 607-613
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者における虚血性心疾患 (CHD) および脳血管疾患 (CVD) 死亡に対する危険因子について検討した.対象は当センター登録の糖尿病患者 (NIDDM) 1, 939名で, 追跡期間中に503例が死亡し, うちCHI) 62例, CVD84例であった.1,000人年対死亡率はCHDが男3.95, 女2.57, CVDが男5.12, 女3.86で, 加齢とともに上昇した.初診時因子のうち死亡率との関係がみられたのは, CHDでは加齢高血圧, 心電図虚血性変化, 高コレステロール血症, 糖尿病性網膜症, 尿蛋白であり, 一方, CVDでは加齢, 高血圧, 心電図虚血性変化, 糖尿病性網膜症, 尿蛋白, 治療法であった.以上の関係をさらにlogistic modelを用いて解析した.また, CHDおよびCVD死亡例の初診時因千を「その他の死因」死亡例と比較すると, CHD死亡例では肥満度, 心電図虚血性変化, 血清Cholestreol値および血清Triglycerides値に, またCVD死亡例では初診年齢死亡年齢および血圧に有意差がみられた.
  • 金森 晃, 田中 啓司, 梅沢 慎一, 野口 匡子, 大和田 里香, 守屋 達美, 的場 清和, 藤田 芳邦, 矢島 義忠
    1994 年 37 巻 8 号 p. 615-620
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病を合併したMitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis, and strokelike episodes (MELAS) 患者のインスリン分泌能, インスリン感受性について検討した.症例は41歳, 女性.3年前より糖尿病治療中で, 今回, 強直性間代性痙攣のため入院した.やせ, 高乳酸血症, 難聴を伴い, 筋生検ではragged-red fiberを認めた.末梢白血球のミトコンドリアDNAをPCR法を用いて解析した結果, tRNALeu (uuR)をコードする領域の塩基番号3243の点変異 (A→G) を認めた.血糖是正後の75gOGTTでインスリン分泌能の低下を認めた.経過中3回施行したeuglycemic glucose clampにおけるmetabolicc learance rate of glucoseは4.97, 5.58, 5.73ml/kg/minと, いずれも正常対照群 (9.37±0.92, n=5, mean±SD) に比して低値であった.本症例の糖尿病発症機序として膵B細胞からのインスリン分泌能低下に加え, 末梢組織におけるインスリン感受性低下の関与が示唆された.
  • 本多 一文, 蘇原 広光, 粟田 卓也, 佐久間 伸子, 岡田 耕治, 石川 三衛, 岩本 安彦, 葛谷 健, 齋藤 寿一, 菊池 方利, ...
    1994 年 37 巻 8 号 p. 621-628
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ケトアシドーシス (DKA) を伴い急性発症したにもかかわらず, インスリン治療 (IT) を長期間必要としなかった2症例を報告する.第1例は女性.20歳時に全身倦怠感・口渇を訴え受診.DKAと診断されITが開始されるが, 退院後ITを自己中止.約3年後再受診するが, インスリン分泌能は著しく改善しており, 薬物療法を要さなかった.膵島細胞抗体 (ICA) が持続陽性で, humanleucocyte antigens (HLA) DR抗原はDR2とDR4を有した.症例2は男性.48歳時に感冒様症状後, 全身倦怠感・口渇等を訴え当科受診.DKAと診断され, ITが開始されるが, 2年半後ITを必要としなくなった。その後, 感冒様症状後の一時的な血糖の上昇・尿中ケトン体排泄を繰り返し, 54歳時より持続的にITを必要とした.第1例はI型糖尿病であると推察され, ICA持続陽性に反し長期の寛解を認めた.第2例では耐糖能の急激な増悪にウイルス感染の関与が示唆され, 第1例と異なる病態と考えられた.
  • 1994 年 37 巻 8 号 p. 629-637
    発行日: 1994/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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