糖尿病患者における虚血性心疾患 (CHD) および脳血管疾患 (CVD) 死亡に対する危険因子について検討した.対象は当センター登録の糖尿病患者 (NIDDM) 1, 939名で, 追跡期間中に503例が死亡し, うちCHI) 62例, CVD84例であった.1,000人年対死亡率はCHDが男3.95, 女2.57, CVDが男5.12, 女3.86で, 加齢とともに上昇した.初診時因子のうち死亡率との関係がみられたのは, CHDでは加齢高血圧, 心電図虚血性変化, 高コレステロール血症, 糖尿病性網膜症, 尿蛋白であり, 一方, CVDでは加齢, 高血圧, 心電図虚血性変化, 糖尿病性網膜症, 尿蛋白, 治療法であった.以上の関係をさらにlogistic modelを用いて解析した.また, CHDおよびCVD死亡例の初診時因千を「その他の死因」死亡例と比較すると, CHD死亡例では肥満度, 心電図虚血性変化, 血清Cholestreol値および血清Triglycerides値に, またCVD死亡例では初診年齢死亡年齢および血圧に有意差がみられた.
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