糖尿病
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38 巻 , 12 号
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  • 根本 茂子
    1995 年 38 巻 12 号 p. 921-929
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病検診における血漿1, 5-anhydroglucitol (AG) 測定の有用性について検討した.対象2, 150例 (正常者1, 626例, IGT 393例および糖尿病131例) の空腹時血糖 (FPG), ヘモグロビンA1c (HbA1c), 血漿フルクトサミン (FRA) およびAGを測定し, AGに対するFPG, HbA1cおよびFRAの比 (FPG/AG, HbA1c/AGおよびFRA/AG) を計算した.ROC曲線から, IGTと糖尿病の鑑別にはAG, FPG/AG, HbA1c/AGおよびFRA/AGがFPG, HbA1cおよびFRAより有用であった. AGの基準値 (15.5μg/ml) 未満の症例は, 正常者の5.4%, IGTの15.5%, 糖尿病の90.1%. また, FPG/AGの基準値 (6.0mg/dl/(μg/ml)) より高値の症例は正常者の5.7%, IGTの19.8%, 糖尿病の93.9%.糖代謝異常診断の頻度から, AGおよびFPG/AGの糖尿病検診における診断的価値は, FPG, HbA1c, FRA, HbA1c/AGおよびFRA/AGのいずれよりも大であった. 以上から, AGおよびFPG/AGは多数の糖尿病検診受診者の中から糖尿病を診断するために有用である.
  • 高桜 英輔, 大沢 謙三, 家城 恭彦, 牧野 博, 瀬戸 光
    1995 年 38 巻 12 号 p. 931-937
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性壊疽の発症に自律神経障害にもとづく動静脈 (A-V) 短絡路の関与が注目されている. 今回, 99m Tc-microsphere albumin (MISA) の動注により下肢のA-V短絡率を算出し, 壊疽および末梢神経障害との関係を検討した. 壊疽を有する糖尿病G群10例, 末梢神経障害 (+) N群14例, 末梢神経障害 (-) C群14例, 計38例に対し99m Tc-MISAを左右の大腿動脈へ注入し, 全身の放射能に対する肺の放射能比 (%) としてA-V短絡率を算出した. G群 (7.1±13%, M±SE), N群 (3.9±0.3%) のA-V短絡率はC群 (1.9±0.5%) に比し有意に高く, また心電図R-R間隔変動係数とA-V短絡率の間には有意な負の相関が認められた. 以上の成績から99m Tc-MISAの動注により算出したA-V短絡率は糖尿病性自律神経障害の定量的評価法として有用であること, 糖尿病性壊疽の発症機序としてA-V短絡率の増加は重要な因子であることが示唆された.
  • 中村 宏志, 片桐 尚, 中川 理, 谷 長行, 伊藤 正毅, 柴田 昭
    1995 年 38 巻 12 号 p. 939-943
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    炭水化物摂取後の血糖上昇が食塩の同時摂取により増強される機序について検討した.健常人12名に, 流動試験食 (A食) を飲用させ, 超音波法により胃排出時間を求めた.検査前と開始後30~60分毎の血糖, IRI, gastrin, motilinも測定した.別の日に食塩5gを加えた試験食 (B食) を用いて同じ検査を施行した.さらに別の日に食塩5gをオブラートに包んだもの (C食) を用いて検査を施行した.B食とC食が, A食に比して, 負荷30~60分後において, 負荷前からの△BSが有意 (p<0.05) に高値であり, △IRIは, A食に比してB食とC食が, 負荷30~60分後において有意 (p<0.05) に高値であった.B食とC食の胃排出半減時間は, A食に比して, 有意 (p<0.005) に短縮していた.B食とC食の摂取30分後のmotilinがA食摂取時に比して有意 (p<0.05) に増加していた.食後血糖が食塩摂取により増強されるのは, 胃排出時間短縮による糖質の吸収促進のためであり, この現象は味覚を介するものではないことが判明した.また, この反応にはmotilinが関与していることが示唆された.
  • 坂内 千恵子, 鈴木 誠司, 小田原 雅人, 川上 康, 松島 照彦, 川井 紘一, 奥田 諭吉, 山下 亀次郎
    1995 年 38 巻 12 号 p. 945-950
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症の増悪過程への活性酸素の関与を検討するため, 抗酸化剤α-tocopherol 300IU/日をNIDDM患者11例に投与. 3ヵ月後赤血球SOD活性は11例中8例で増加.尿中アルブミン排泄 (UAE) が減少した5例全例のSOD活性は増加し, UAE不変4例中2例のSODは増加し, 両者の関連性が示唆された. 12ヵ月間のUAEを検討し, 投与群11例のUAEは期間中有意の変動を示さず, 対照群30例は12ヵ月後平均203±40.2%(p<0.005) に増加. この中UAEが300mg/gCr未満の早期腎症例の検討で, 投与群8例は65.3±25.8mg/gCrから12ヵ月後73.6±28.9 mg/gCrで有意の変動を認めず, 300mg/gCr以上への移行例なし. 対照群24例は51.4±10.2mg/gCrから12ヵ月後160.8±73.6mg/gCr (p<0.005) に増加, この中3例が300mg/gCr以上に移行.以上から糖尿病性腎症の進展・増悪の抑制に抗酸化剤が有効であることが示され, 活性酸素が腎症の増悪に関与することが示唆された.
  • 金内 雅夫, 西岡 久之, 紀川 伊敏, 赤井 真弓, 川野 貴弘, 椎木 英夫, 藤井 謙裕, 土肥 和紘
    1995 年 38 巻 12 号 p. 951-957
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    DDM患者156例を対象として, 厚生省糖尿病調査研究班の分類により1期59例, 2期50例, 3A期8例, 3B期11例, 4期21例および病期不適合群7例に区分し, 腎生検組織所見と対比した. 1期では, 糸球体びまん性病変は軽微から中等度を示したが, 結節性病変はなかった. 2期では, 糸球体びまん性病変は軽度から中等度を示し, 少数例に結節性病変が認められた. 3A・3B・4期は, 中等度以上のびまん性病変に結節性病変を合併することが多く, 細動脈硝子化も高度であった. 尿細管間質病変は, 臨床病期の進行群ほど高度であった. 病期不適合群は, 微量アルブミン尿陽性であるが, GFR著明低下・血清クレアチニン値上昇を示した.その特徴は, 概して高齢であり, 高血圧や虚血性心疾患の合併率が高く, 細動脈硝子化と間質病変が高度なことに集約された.
  • 永井 隆, 根岸 哲夫, 冨沢 貴, 道又 敏夫, 森 昌朋
    1995 年 38 巻 12 号 p. 959-964
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    患者は76歳の男性. 46歳時より糖尿病で当院通院していた. 71歳時より糖尿病網膜症出現.73歳時より足底部にしびれ感を自覚し, 糖尿病性神経障害と診断した. 75歳時より上腹部に腹満感を自覚したが, 胃内視鏡では表層性胃炎であり, 腹部超音波では肝, 胆, 膵に異常は認めなかった. 72歳以後のHbA1cは7.0~7.5%であった. 1994年3月22日, 歩行障害出現. 3月24日, 左不全片麻痺のため当院受診. 脳梗塞と診断した. 入院時軽度の腹部膨隆を認めた. 第4病日, 突然の嘔吐後, ショック状態となり, 腹部X線上, 胃拡張を認め, 胸部X線上, 肺炎, 肺水腫を認めた. 急性胃拡張症によるhypovolemic shock, 嚥下性肺炎, 多臓器不全を併発したと診断し加療したが改善せず, 第7病日死亡. 本例の急性胃拡張症は消化管の器質的病変によるものよりもむしろ糖尿病性神経障害による胃麻痺が基礎にあたるために生じたと思われた.
  • 鈴木 普之, 三宅 隆史
    1995 年 38 巻 12 号 p. 965-969
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は79歳, 男性. 主訴は, 発熱, 腰痛, 右側腹部痛.既往歴に糖尿病があったが, 治療は中断していた.左精索静脈瘤切除および, 左慢性副睾丸炎に対し, 左睾丸摘出目的で入院.術後, 難治性の尿路感染症を合併した. 同時に, 糖尿病のコントロールは著しく不良で, インスリンを投与した. それから約3週間後, 発熱, 腰痛, 右側腹部痛を訴えた. 白血球数は, 22, 200/mm3と著増し, 腹部CTで右腸腰筋に低吸収域を認め, 腸腰筋膿瘍と診断した. 各種抗生剤を全身投与したが改善せず, 後腹膜経由で切開, 排膿した. 膿汁の培養により, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (以下MRSAと略す) を検出した. 引き続き抗生剤の全身投与を続行.ドレナージの効果があり, 腸腰筋膿瘍は治癒した. これまで糖尿病に合併した腸腰筋膿瘍の起炎菌としては, 黄色ブドウ球菌やβ 溶連菌などが本邦で報告されているが, MRSAが検出された症例は, 我々が検索した限り, 現在のところ見当たらない.
  • 斉藤 善蔵, 今村 順記, 篠原 豪秀, 梶波 康二, 竹田 亮祐, 亀田 健一
    1995 年 38 巻 12 号 p. 971-977
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は33歳, 男性. 1986年 (25歳) 尿糖を指摘されたが放置.1991年6月急に心窩部痛をきたして入院. 乳糜血症, 高血糖および血尿あり, 膵炎, 糖尿病および尿路感染症として治療し回復したが, 退院後の食生活が乱れがちで急性腹症を発し1992年4月に再入院し, 同上治療で軽快・退院.さらに1993年6月左背部痛, 発熱および食思不振のため入院した (第3回). 体型は女性様で, 肥満・女性化乳房・小陰茎を認め, 萎縮した睾丸を硬く触れた. HbA1c 10.9%, amylase血清 (膵型); 138, 尿; 2, 155IU/l, 総chol 881mg/dl, TG 2, 551mg/dl, HDL-chol 18mg/dl, VLDLおよびchylomicronの高値, ならびに画像所見より, NIDDM, V型高脂血症および膵炎と診断した. 性染色体の検索で核型46, XX/47, XXYのモザイクが判明し, 睾丸の生検にて精細管の高度萎縮とLeydig間質細胞の増生した病理組織を得てKlinefelter症候群と診断した.
    Klinefelter症候群に肥満, 糖尿病を伴い, 著しい高脂血症による膵炎をくりかえした症例の記載はなく, これらの合併に考察を加えた.
  • 黒田 紀行, 多田 達史, 梶川 達志, 新見 道夫, 石田 俊彦, 河西 浩一
    1995 年 38 巻 12 号 p. 979-983
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    It is thought that diabetes mellitus causes increased polyol pathway activity and decreased tissue myo-inositol levels. We analyzed myo-inositol contents in red blood cells from normal and diabetic subjects by high-performance liquid chromatography with pulsed amperometric detection (HPLC-PAD) which is a sensitive and simple method. The RBC myo-inositol levels were 91.58±27.45 (mean±SD) nmol/gHb in the normal subjects (n=24), 151.71±53.16nmol/gHb in diabetic subjects without microangiopathy (n=41), and 253.64±79.10nmol/gHb in diabetic sublects with microangiopathy (n=14). Concentrations of RBC myo-inositol in diabetic subjects without microangiopathy were significantly higher than those in normal individuals (P<0.01). Moreover, a significant increase in myo-inositol levels was observed in diabetic patients who had microangiopathy, as compared to those without microangiopathy, in all examined samples (P<0.01) incl ding glucose-or HbA1c-matched samples (P=0.0018). Although it is well known that RBC myo-inositol is increased in patients with renal failure, we found that concentrations of RBC myo-inositol in diabetic subjects (170.32±63.42nmol/gHb, n=39) were still significantly higher than those in normal individuals (P<0.01) even with a normal serum creatinine level. On the basis of these results, we suggest that determination of RBC myo-inositol by the HPLC-PAD method is useful for evaluating diabetic microangiopathy.
  • 1995 年 38 巻 12 号 p. 985-992
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2011/03/02
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