非肥満インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者に頻回採血静脈内ブドウ糖負荷試験を実施し, millimal modelの理論によりinsulin sensitivity (SI), glucose effectiveness (SG) を測定し, SI, SGに及ぼすangiotensin converting enzyme (ACE) 阻害剤の効果を検討した.高血圧合併群 (HD群, 降圧剤未投与症例のみ) のSI (1.5±0.210
-4/min・(μU/m
l), n=13, mean±SE) は正常血圧群 (ND群) のSI (2.8±0.510
-4/min・(μU/m
l), n=12) に比し有意に低値であった (p<0.05). 一方, HD群のSGはND群に比し低値の傾向があったが, 有意ではなかった.HD群のうち7症例にアラセプリル (50mg/日) を4週間投与したところ, SGには有意な変動はみられなかったが, 低下していたSI (1.5±0.4 10
-4/min・(μU/m
l)) は2.0±1.5 10
-4/min・(μU/m
l) と有意に上昇した (P<0.05).以上よりアラセプリルは高血圧合併NIDDMにおける降圧剤として有用であることが明らかになった.
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