糖尿病
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38 巻 , 5 号
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  • 中井 雅彦
    1995 年 38 巻 5 号 p. 333-339
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    近年, 血管内皮細胞の多様な機能に関する報告が増加している.自己免疫により糖尿病を発症するBBラットでは膵血管透過性 (pancreatic vennlarleakage: PVL) の亢進が知られており, 我々はMonastral blue B (MbB) 色素による微小血管機能検査法を用い, PVLと膵島炎, 糖尿病発症との関係を検討した.またPVLの病因的意義と発現機序についても検討した. 1) PVLは膵島炎に先行して出現し, 膵島炎の程度と相関した. 2) 活性酸素除去剤Superoxide dismutase (SOD) とCatalaseの前処置によりPVLは抑制された. 3) MbBは内因性TNFα 産生能を亢進させた. 4) シリカ頻回投与によりPVLは長期に抑制され, 膵島炎, 糖尿病発症も抑制された.以上より, PVLは膵島炎のinitiationや進展に重要な意義を持ち, PVLの発現にはMacrophage (MP) の機能が重要であることが示唆された.またPVLを長期に抑制できれば, BBラットの糖尿病発症も抑制できる可能性が示唆された.
  • 川崎 英二, 阿比留 教生, 矢野 まゆみ, 石橋 美和, 山元 秀文, 山崎 浩則, 松尾 浩, 魚谷 茂雄, 松本 一成, 山口 義彦, ...
    1995 年 38 巻 5 号 p. 341-346
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    NIDDMの発症様式を示し, その後インスリン治療を必要とした糖尿病患者114例において I型糖尿病の診断・予知マーカーである抗GAD抗体をRIA法にて測定し, 陽性者の臨床像を検討した. その結果, 対象114例中19例 (16.7%) に抗GAD抗体が検出された.また, インスリン 分泌不全群 (食後血中Cペプチド<1.0ng/ml) およびインスリン分泌保持群 (食後血中Cペプチド≧1.0ng/ml) における抗GAD抗体陽性率は, それぞれ35.9%(14/39), 6.7%(6/75) で, インスリン分泌不全群に有意に高率であった. ICAは抗GAD抗体陽性者19例中12例 (63.2%) に認められたが, 抗GAD抗体陰性者では検出されなかった. さらに抗GAD抗体陽性患者は, 陰性者に比ベインスリン治療開始までの期間が短く (平均2.9年), やせ型で (平均BMI20.0kg/m2), インスリン分泌能が有意に低い (食後Cペプチド平均値0.78ng/ml) というI型糖尿病の臨床的特徴を有していた. 以上より, 抗GAD抗体測定はNIDDMの発症様式を示した糖尿病患者におけるI型糖尿病の検出に有用と考えられる.
  • 馬場園 哲也, 寺岡 慧, 武田 将伸, 作家 有実子, 青木 かを里, 朝長 修, 高野 靖子, 横山 宏樹, 宇治原 典子, 高橋 千恵 ...
    1995 年 38 巻 5 号 p. 347-352
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎不全に対する腎移植の意義を明らかにすることを目的とし, 当施設で腎移植を行った糖尿病患者21名 (移植時年齢37.9±10.7歳) の予後成績を, 導入時年齢の分布を一致させた糖尿病透析患者247名 (導入時年齢49.8±9.0歳), および移植時年齢の分布を一致させた非糖尿病腎移植患者615名 (移植時年齢35.9±7.5歳) と比較した.糖尿病腎移植群における透析導入後の10年生存率は78.4%であり, 糖尿病透析群の37.7%に比べ明らかに高かった.両腎移植群の移植後の5年生存率は糖尿病群90.5%, 非糖尿病群89.2%, 5年生着率は糖尿病群83.5%, 非糖尿病群74.8%であり, 両群に差を認めなかった.以上の結果より, 糖尿病性腎不全に対する腎移植は透析療法に比べ予後改善の点で優れており, 非糖尿病患者と同等の予後成績が期待されることが明らかとなった.糖尿病透析患者の予後およびquality of lifeを考慮すると, 今後わが国においても腎移植の推進が急務といえる.
  • 中野 好夫, 三家 登喜夫, 英 肇, 澳 親人, 慈幸 弘樹, 南條 輝志男
    1995 年 38 巻 5 号 p. 353-358
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵ラ島アミロイド蛋白 (IAPP) は膵ラ島B細胞よりインスリンとともに血中に分泌されている新しいホルモン様物質であり, インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) の病因および病態との関連性が注目されている. 今回著者らは, 血漿IAPP値をCペプチド (CPR) 値と比較することにより, NIDDMにおけるIAPP分泌動態について検討した.
    空腹時IAPP/CPRモル比の検討より, NIDDM患者の中でも膵B細胞が持続的に過剰分泌状態におかれていると考えられる群 (空腹時CPR高値群およびグリベンクラミド服用群) では, IAPPの基礎分泌がインスリンに比し相対的により低下していることが示唆された. また, ブドウ糖グルカゴン同時静注負荷試験により, 耐糖能が境界型の段階においても既にIAPPの分泌予備能力がインスリンに比し相対的に低下していることが明かとなった. これらのことより, NIDDMの進展とIAPPの分泌低下との間に何らかの関連がある可能性が考えられた
  • 小中 一典, 日高 秀樹, 小島 秀人, 繁田 幸男
    1995 年 38 巻 5 号 p. 359-366
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食事性コレステロールの吸収モデル実験系として, CaCo-2細胞をmembrane filter上で培養し, [14C] コレステロールを含む混合ミセルとの孵置によるコレステロールのエステル化およびそ の細胞層を横断した分泌を検討した. オレイン酸非存在下では, 25-OHコレステロール添加により アシルCoA: コレステロール・アシルトランスフェラーゼ (ACAT) 活性を亢進させ, 細胞内でのエステル化が増加した条件下においてもその分泌は増加せず, インスリンによって抑制された. オレイン酸存在下では, エステル化の亢進と同時にコレステロールの分泌も増加し, インスリンはこの増加も抑制した. これらのことは, コルステロール吸収機構が多段階で調節されているのみでなく, 糖尿病のインスリン欠乏下でのコレステロール吸収増加には, ACATによるエステル化亢進のみでなく, リポ蛋白の合成・分泌段階におけるインスリン作用不足も関与することを示している
  • 国香 清, 鈴木 誠司, 山下 亀次郎, 板倉 光夫
    1995 年 38 巻 5 号 p. 367-374
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    アルシアンブル-(AB) を用いた尿中 (U) アルブミン (ALB) の陰性荷電 (NC) の測定法を考案し, 糖尿病性ALB尿 (DA) の排泄機序の解析に応用した. ABの試料との結合能 (ABBC) は, 血清, 尿, ALB添加濃度, 糖化ALB (GA) 濃度pH依存性で, NaCl添加量と反比例し, γ-グロブリンと無反応, 試料とABの反応沈澱物の成分が唯一ALBであることより, ABとALBとのイオン結合が確認された. 微量ALB尿群の臨床試料のS-GAとU-ABBCは, 対照群では逆相関で, S-GAが17.6%以上の糖尿病群では正相関に転じた. 顕性ALB尿群では, U-ABBCは両群で低値で, SGAに関係なくほぼ一定であった. 以上より, ALBの糖化依存性のNCを反映するU-ABBCはCB傷害の指標として有用であり, ALB尿発症の主要因子は, 糖尿病者では高血糖による荷電障壁傷害が, 非糖尿病の対照者ではこれ以外の因子の関与が考えられる.
  • 礒 薫
    1995 年 38 巻 5 号 p. 375-382
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病とした自然発症高血圧ラット (SHR) の腎障害の進展をアンギオテンシン変換酵素阻害剤 (ACEI) が防止するか否かを明らかにする目的で, SHR; control群, SHRにACEI投与群, SHRにストレプトゾトシン (STZ) を投与; STZ群, ACEI (captopril) を4週間投与;STZ+ ACEI (14W) 群, ACEIを後半の2週間投与; STZ+ACEI (3-4W) 群につきクレアチニン・ク リアランス (Ccr), 尿アルブミン排泄率 (UAE), 腎糸球体基底膜 (GBM) 外透明層のanionic sites (AS) 数を検討した.その結果, CcrはSTZ群に比し, STZ+ACEI (1-4W) 群でその上昇が抑制された. UAEはSTZ+ACEI (1-4W) 群, STZ+ACEI (3-4W) 群の両群でその増加が抑制され, 同時に, AS数はSTZ群でみられた減少が両群において抑制された. 以上より, ACEIは血圧上昇の抑制とGBMの透過性充進是正を介し, STZ糖尿病SHRの腎障害の進展を防止あるいは改善する可能性を有すると思われる.
  • 梅澤 慎一, 金森 晃, 野口 匡子, 大和田 里香, 守屋 達美, 的場 清和, 藤田 芳邦, 矢島 義忠
    1995 年 38 巻 5 号 p. 383-388
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は55歳, 女. インスリン注射の中断を契機に糖尿病性昏睡となり入院. 初診時に右下腿動脈閉塞の所見を認めた. 急性代謝失調の改善およびFogartyカテーテルによる主幹動脈の血栓除去後も末梢動脈への血流再開を認めず, さらにウロキナーゼによる選択的血管内血栓溶解療法を施行したが改善をみなかった. また, 経過中に播種性血管内凝固症候群を合併したが, 右下肢膝上切断術により救命しえた. 患肢の動脈造影像および切断肢の病理組織学的所見から動脈硬化は軽度であり, 本症例の動脈閉塞は, 動脈硬化にみられる局所の血管因子を主因として発症したものではなく, 糖尿病性昏睡により高度に加速された血液因子を主因として, 多数の微小血栓が末梢の細動脈~毛細血管レベルで形成されて惹起されたものと推測された. 糖尿病性昏睡に合併する動脈血栓症の病態を考える上で興味ある症例と考えられた.
  • 棚橋 忍, 三原 昌弘
    1995 年 38 巻 5 号 p. 389-394
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は76歳, 女性. 55歳糖尿病と診断された.平成4年9月になり右上肺野に空洞性病変内にニボーを認めたため入院した. 入院時グリクラジド40mgを服用していた. 肺真菌症の可能性を考えミコナゾールを400mg経静脈的に投与した.ミコナゾール投与後5日目より食欲低下をともな. 低血糖発作が出現した. 血糖は30~40mg/dlであった. このためブドウ糖の持続点滴を行った. グリクラジド中止後2日目の早朝空腹時血糖値は36mg/dlと低値であるにもかかわらず, 血清IRI, CPRは13.5μU/ml, 4.1ng/ml増加して. たことよりインスリンの過分泌が考えられた-グリクラジド濃度がミコナゾール投与前0.2μ9/mlであったのが, グリクラジド中止2日目にても4, 6μ9/mlと著増していた. このことはグリクラジドの代謝の遅延を示すものと考えられたが, この原因としてミコナゾールが肝臓のP-450を阻害することによりグリクラジドの代謝遅延が生じたことが考えられた.
  • 倉本 充彦, 趙 龍桓, 黄 重毅, 八木 一夫, 野崎 修, 王 伯銘, 小林 哲郎, 酒巻 建夫, 金塚 東, 牧野 英一
    1995 年 38 巻 5 号 p. 395-400
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は49歳の女性で, 慢性骨髄性白血病 (CML) の治療のためインターフェロン-α2b (IFNα) を使用中にインスリン依存型糖尿病 (IDDM) を発症した. 昭和60年, CMLと診断され, 平成3年6月より, IFN-α600×104単位の筋注を週2回ずつ受けた. 平成5年7月に高血糖が出現し, 糖尿病と診断された. HbA1c18.8%, 血中総ケトン体, 8240μmol/lと高値であり, 食後血中Cペプチド0.6ng/mlと低値であった. ICAは陽性であるが, ICSAは陰性であった. HLAの検索では, DR4/DRgI) RB10405と0901, DQA10301, DQB10401と0303で日本人におけるIDDMの発症に強く関連する1) QAlとDQB1遺伝子であった. 甲状腺マイクロゾーム抗体価は高値で, 軽度の甲状腺機能低下を認めた. IFN-αは免疫学的機序を介して膵β 細胞を傷害し, IDDMを発症する可能性がある.
  • 谷山 松雄, 鈴木 吉彦, 榎本 詳, 佐藤 温, 杉田 江里, 杉田 幸二郎, 渥美 義仁, 松岡 健平, 伴 良雄
    1995 年 38 巻 5 号 p. 401-404
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    The substitution of guanine (G) for adenine (A) at positioln 3243 of mitochondrial DNA, first demonstrated in MELAS patients, has been found in some diabetics, and this mutation seems to be one of genetic factors for diabetes mellitus. Because mutational mitochondria coexist with normal mitochondria (heteroplasmy), conventional PCR-RFLPm methods may not detect a mutation When a majority of the mitochondrial DNA in leukocytes is normal. We tested the efficacy of specific PCR amplification in detecting the 3243G mutation using a primer whonse 3' base was complementary to the mutational base. This mutation-specific PCR amplification method permitted detection of the mutation in 2 patients with MELAS and in a diabetic patient whose mutation was detected by the PCR-RFLP method in biopsied muscle but not in peripheral leukocytes, and in two other diabetic patients.Specific PCR amplification for detection of the 3243G mutation is a simple and senisitive method and is useful inevaluating this mutation in diabetes mellituls.
  • 新田 孝作, 湯村 和子, 二瓶 宏
    1995 年 38 巻 5 号 p. 405-408
    発行日: 1995/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    In order to assess glomerular endothelial permeability, we established an in vitro model using an immortalized bovine glomerular endothelial cell line. We examined the effect of high glucose concentration on albumin permeability across glomerular endothelial cell monolayers. Thirty millimolar D-glucose doubled albumin permeability (12.1±1.3%) compared with 10mM D-glucose (6.4±0.8%), but the albumin permeability of endothelial cells exposed to 10mM glucose+20mM mannitol was 6.8+0.5%. In addition, H-7 (25μM), a protein kinase C (PKC) inhibitor, suppressed the increased albumin permeability induced by 30mM glucose (7.8±0.9%). Lactate dehydrogenase release by endothelial cells incubated with 30mM glucose, on the other hand, was no different than when incubated with 10mM glucose, indicating that cytolysis was not associated with these events. These findings suggest that PKC activation is an important signal transduction pathway by which high glucose concentration increases glomerular endothelial albumin permeability.
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