回腸閉鎖の児を出産した32歳の妊娠糖尿病の1例を経験した. 第1子 (3, 760g), 第2子 (3, 600g) はともに巨大児の傾向があり, また第1子妊娠中に糖尿, ケトン尿を認めた. しかし母親は精査されることなく今回第3子を妊娠した. 妊娠33週で切迫早産, large-for-gestational age (推定体重3, 900g), 超音波で児の腸閉鎖を認めたため入院した. 入院後1, 200 kcalの食事制限でケトン尿が続いた. 妊娠36週での75g経口ブドウ糖負荷テストは糖尿病型, HbA
1cは5.1%であった. 妊娠37週で帝王切開で得られた児の体重は3, 776gであった. 児の回腸閉鎖を認めたため, 翌日手術を受けた. 本症例はprediabetesが疑われる妊娠における, 妊娠早期からの糖尿病の精査と管理の必要性を強く示唆する.
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