糖尿病
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38 巻 , 8 号
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  • 森 茂人, 平嶋 司, 河野 一弥, 名取 孝
    1995 年 38 巻 8 号 p. 593-599
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    NIDDMのモデル動物であるOLETFラットの糖尿病ならびに糖尿病性腎症に対する食餌制限の効果について検討した.生後6週齢から80週齢まで通常摂餌量の30%制限量を与えたOLETFラットでは飽食群に比べ糖尿病の発症が抑制され, 膵ランゲルハンス島の病変も軽度であった.また, 糖尿病を発症したOLETFラットに30週齢から80週齢まで30%制限量を与えると, 糖尿病発症率は徐々に減少し糖尿病の改善が認められた.30%食餌制限群の尿蛋白量は飽食群に比べ減少し, 腎糸球体病変の程度も軽度であった. 以上のようにOLETFラットは, ヒトと同様に食事療法により糖尿病が改善し, 腎症の進展も防止されたことから, ヒトの糖尿病研究, 特に合併症の研究に有用であると思われた.
  • 荒木 勉, 東福 要平
    1995 年 38 巻 8 号 p. 601-606
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    自律神経障害を有する糖尿病患者では安静時のQTc時間が延長していることが報告されているが, 今回我々は糖尿病患者における運動負荷後のQTc延長と自律神経障害の関連について検討した.糖尿病群20例・健常対照群20例にMaster試験 (2階段) を行い, 安静時と負荷直後・3分後・5分後のQTc時間および安静時からの変化量 (ΔQTc) を測定した.その結果, 安静時および負荷直後・3分後・5分後のQTc時間, 負荷直後のΔQTcには両群間に有意差はなかったが, 負荷3分後・5分後のΔQTcは糖尿病群において有意に大きかった.特に負荷5分後のQTc時間が安静時より20msec以上延長した糖尿病患者群では残りの患者群に比べて安静時のRR間隔変動係数が有意に小さかった. 糖尿病患者における運動負荷5分後のQTc延長は軽症, または早期の自律神経障害の指標になりうる可能性が示唆された.
  • 永野 聖司, 守友 康則, 黒川 宗一, 荏原 徹, 内藤 博邦, 坂巻 良一, 古川 誠一, 平野 勉, 稲葉 昌久, 辻 正富
    1995 年 38 巻 8 号 p. 607-613
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    日本糖尿病学会の判定基準による境界型170人について血清過酸化脂質 (lipid peroxide: LPO) を測定し年齢, 性をマッチさせた健常人およびNIDDMと比較した.境界型はWHOの定義によりimpaired glucose tolerance (IGT)(n=58) を分け, IGT以外の境界型をnon-IGT (n=112) として検討した.血清LPOはthiobarbituric acid reactive substances (TBARS) として測定した.血清TBARS値は健常人と比較してnon-IGT, IGT, NIDDM各群で有意に高値であった (p<0.001) が3群間には有意差はなかった.non-IGT, IGTともに健常人にみられたTBARSと年齢との正相関は失せ, non-IGTでは血清脂質特にトリグリセライド (TG) と正相関し (p<0.01), IGTではbody mass indexと正相関を示した (p<0.05).境界型, NIDDMともにTBARSとインスリン分泌との間に相関はみられなかった.血清LPOが動脈硬化性疾患の発症, 進展に重要な役割を演じるとする報告があり, 血清LPOの観点からは境界型はNIDDMと同等の動脈硬化を起こし易い集団であることが示唆された.
  • 内藤 博邦, 平野 勉, 芳野 原, 古川 誠一, 永野 聖司, 足立 満
    1995 年 38 巻 8 号 p. 615-624
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    低比重リポタンパク (LDL) のなかでも小型で密度の高いLDL (Small Dense LDL) に催動脈硬化性が高いことが最近注目されている.糖尿病腎症は腎症のない糖尿病より心血管合併症の発症頻度が著しく高いことからこれにLDLの質的異常が関与しているか否かを調べる目的で種々の程度の糖尿病腎症患者のLDL粒子サイズを測定した.インスリン非依存型糖尿病 (84名) は87%が高血圧を合併していたことから対照群は本態性高血圧患者 (26名) を選んだ.腎症はアルブミン尿 (AU) の程度から以下の4群に分類した.尿中アルブミン/クレアチニン比が20mg/g以下を正常AU, 20-200mg/gを微量AU, 200-1,000mg/gを顕性AU, 1,000mg/g以上を多量AU. LDL粒子サイズは全血清をSudan Black Bで前染色して3%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し, VLDLとHDL間に泳動されたLDLをVLDLからの移動度 (Rf) であらわすLipoprint TM LDLsystemを用いて測定した.対照群においてもNIDDMでもRfは正常AU群に比し微量AU群で高値 (すなわちLDLの粒子がより小型) であり, 多量AU群ではさらに高値を示した.多量AU群は他群に比し血清脂質, アポタンパクBは高値, HDLコレステロールは低値を示した.LDL粒子サイズは血清トリグリセライド (TG) と負に相関することが知られている.しかし重回帰分析の結果, AUの程度とRfはTGと独立して相関することや, TGが150mg/dl以上の高TG血症を除外しても糖尿病性腎症でRf値が高値であることより糖尿病性腎症でLDLサイズが小型化する理由は高TG血症以外に腎障害に伴う他の代謝異常が想定された.本研究の結果は糖尿病性腎症ではLDLの小粒子化し, これが本症で多発する心血管合併症発症の危険因子として関与しうることを示唆した.
  • 岡田 和将, 菊岡 弘芳, 粉川 美香, 五百崎 美帆子, 竹内 けい子, 岡村 哲明, 中尾 大成, 細 隆信, 近藤 溪
    1995 年 38 巻 8 号 p. 625-630
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    組織学的に軽度の肝硬変像を混じるC型慢性活動性肝炎にたいするインターフェロン-α の投与開始5カ月後, IDDMを発症した症例を経験したので報告する.症例は糖尿病の家族歴のない51歳男性.1992年8月にC型慢性活動性肝炎と診断し, 翌年4月からインターフェロン投与が開始され同年9月2日頃から突然, 糖尿病臨床症状および高血糖が出現しグルカゴン負荷試験および尿中CPR測定により内因性インスリン分泌の極度の低下が認められIDDMと診断した.IDDM発症後1年以上経過した現在も多量のインスリンを要し血糖は不安定な状態でコントロールが困難である.本例のIDDMはインターフェロン-α によって発症したと考えられ, 肝硬変像を有したC型慢性活動性肝炎という基礎疾患においてインターフェロンが膵β 細胞にて主要組織適合抗原の発現を増強し, 自己免疫性機序を誘発した可能性が考えられた.
  • 川角 正彦, 東島 利夫, 望月 健太郎, 有坂 知之, 広瀬 俊一
    1995 年 38 巻 8 号 p. 631-636
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は85歳男性.心不全, 肺炎で入院し心不全に対してdigoxin, furosemideが投与され, 頻発する心室性期外収縮, 心房細動に対してdisopyramide (DPM) 300mg/day分3ならびにmexiletineが投与開始された.また肺炎に対する抗生物質も同時に投与されていた.その後, 第12病日から, 著しい低血糖による意識消失発作が出現した.しかしDPMを中止し経過観察したところ低血糖発作は消失した.低血糖発作の分類ではfasting hypoglycemiaであった.低血糖発作時にinsulinの過剰分泌は認められずeuglycemic clampでは末梢糖利用の亢進を認めなかった.glucagon試験での血糖上昇は認めたが, その反応は鈍く, insulin分泌の欠如もみられた.以上より, 本症例はDPMにより引き起こされた低血糖発作であり, その機序としてglycogen storageの低下が関与していることが推察された.
  • 谷川 敬一郎, 秦 利之, 藤脇 律人, 加藤 譲, 北尾 学
    1995 年 38 巻 8 号 p. 637-641
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    回腸閉鎖の児を出産した32歳の妊娠糖尿病の1例を経験した. 第1子 (3, 760g), 第2子 (3, 600g) はともに巨大児の傾向があり, また第1子妊娠中に糖尿, ケトン尿を認めた. しかし母親は精査されることなく今回第3子を妊娠した. 妊娠33週で切迫早産, large-for-gestational age (推定体重3, 900g), 超音波で児の腸閉鎖を認めたため入院した. 入院後1, 200 kcalの食事制限でケトン尿が続いた. 妊娠36週での75g経口ブドウ糖負荷テストは糖尿病型, HbA1cは5.1%であった. 妊娠37週で帝王切開で得られた児の体重は3, 776gであった. 児の回腸閉鎖を認めたため, 翌日手術を受けた. 本症例はprediabetesが疑われる妊娠における, 妊娠早期からの糖尿病の精査と管理の必要性を強く示唆する.
  • 岩崎 誠, 米田 正太郎, 置塩 達郎
    1995 年 38 巻 8 号 p. 643-647
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    尿病に前部虚血性視神経症 (以下AION) と突発性難聴をほぼ同時期に併発した1症例を報告する. 症例は53歳の女性で, 8年の病歴を有するインスリン非依存型糖尿病と高血圧症を基礎疾患とした. 糖尿病はグリクラジドで治療され, 比較的良好な血糖コントロールであった. 1994年6月突然の左眼のかすみと視力低下のため眼科を受診し, AIONと診断された. AION発症1週後, 左耳の耳鳴が起こり, 突発性難聴と診断された. ウロキナーゼ, プロスタグランディンE1, ビタミンB1, B12が投与されたがAIONについて改善はなく, 突発性難聴のみ軽快した. 頸動脈の血管雑音の存在, MRIでの皮質下の多発性脳梗塞の確認などから, 病因として, 脳動脈の粥状硬化性病変による循環不全が推定された.
  • 鈴木 吉彦, 安田 斎, 渥美 義仁, 細川 和広, 松岡 健平
    1995 年 38 巻 8 号 p. 649-655
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    反復する疹痛発作と多発性単神経炎型の知覚障害を呈した63歳糖尿病男性を報告する. 50歳で糖尿病と診断されたが血糖コントロールは良好だった. 58歳で疼痛を伴う単神経障害を発病し疼痛部位は神経走行にほぼ一致し, 感覚消失を伴い多発性に短期間に進行した. 一般諸検査で異常なく顕著な炎症所見はなかった. 筋電図検査で障害部位に一致し神経伝導速度低下を認め単神経障害の多発性を確認した. 腓腹神経生検では有髄神経線維密後は減少し, 神経周膜が中等度肥厚し一部高度肥厚も認め部分的に中等度の単核球浸潤を伴った. 以上の臨床経験から本例は感覚性神経周囲炎を有すると診断した. その後ステロイド投薬が奏功した点は過去の報告例と似ていたが高血糖を招き患者自ら服薬中止した点に問題を残した. 本疾患の原因機序は不明だが, 糖尿病性神経障害の多彩な病像の中で見過ごされているかもしれない. 今後多発性単神経障害を持つ例での鑑別疾患として重要と考えた.
  • 相原 一夫, 景山 茂, 谷口 郁夫, 磯貝 行秀, 中道 昇, 川村 将弘
    1995 年 38 巻 8 号 p. 657-660
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Relaxant effects of a potassium channel opener (PCO) on contraction induced by norepinephrine and interactions of PCO and sulfonylureas in aortas from control and diabetic rats were investigated. Relaxant effects of PCO on norepinephrine induced contraction were attenuated in diabetic rats as compared with those in control rats, suggesting an abnormality of potassium channels in diabetes. With sulfonylurea pretreatment, the contraction-response curves for the relaxant effects of PCO were significantly attenuated and also shifted to the right in diabetic rats as compared with those in control rats. Tolbutamide exerted an effect in a concentration range similar to the therapeutic range, suggesting the possibility of an interaction between tolbutamide and PCO in clinical usage.
  • 1995 年 38 巻 8 号 p. 661-674
    発行日: 1995/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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