NIDDM患者における糖尿病網膜症 (DR) 発症予防に関与するHbA
1cの限界値を求めることを目的とした. 対象は1983-85年初診の罹病期間3年未満, 30-65歳発見のNIDDM患者で初診時DRを認めず, 8年間継続して眼底およびHbA
1cを観察し得た176人 (男81/女95) である. 眼底検査は検眼鏡で最低年1回施行, HbA
1cは月1回測定し8年間の平均値を使用した. 8年目のDR有病率は平均HbA
1cが6%未満0%, 6~7%未満13.5%, 7~8%未満11.9%, 8~9%未満44.2%, 9%以上41.5%であった. 多変量解析では8年目のDRには△BMIと平均HbA
1cが関与し4年目のDRには△BMIのみが関与した. DR発症予防にはHbA
1cを6%未満とすることが重要と考えられた.
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