当センターの糖尿病患者 (NIDDM) 1,939名について平均15年間の追跡調査を行い, その生命予後に関係する因子について検討した. まず, 初診時の各因子別にOdds比をみると, 男, 初診時年齢45歳以上, 空腹時血糖値140mg/d
l以上, 高血圧, 心電図虚血性変化, 糖尿病性網膜症, 蛋白尿, 経口薬およびインスリン治療の各群においてOdds比が有意に増加した. また, 初診時所見を生存例と死亡例の間で比較すると, 死亡例では男が多く, 発症年齢, 初診時年齢, 空腹時血糖値, 収縮期および拡張期血圧が高く, 心電図虚血性変化, 網膜症, 蛋白尿, 経口薬およびインスリン治療が多くなっている. 一方, 多重ロジスティック・モデルによる解析では, 性別, 初診時年齢, 空腹時血糖値, 高血圧, 網膜症, 蛋白尿, 治療方法と生命予後との関係が有意であった. 以上の関係をさらに初診時年齢群別に観察すると, 関連する危険因子が年齢によって大きく異なることが見出された.
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