糖尿病
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39 巻 , 5 号
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  • 松本 都恵子, 大橋 靖雄, 岡 芳知, 菊池 方利
    1996 年 39 巻 5 号 p. 319-327
    発行日: 1996/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者における虚血性心疾患の成因を明らかにするため, インスリン非依存型糖尿病患者1, 159例を対象とし, 初診時における心電図虚血性変化の頻度と危険因子を検討し, 網膜症, 蛋白尿, 神経障害の細小血管症の危険因子と比較した.(1) 心電図虚血性変化は, 133例 (全体の11%) に認められ, その頻度は年齢とともに増加した.(2) 虚血性変化有群は無群に比し, 高年齢, 初診年が早い, 高血圧, 高コレステロールの特徴を有した.(3) 多変量解析にて収縮期血圧ならびに初診年齢が有意な危険因子であった. 性別, 罹病期間, 肥満度, 空腹時血糖値は有意でなく, コレステロールは傾向を示した.(4) 心電図虚血性変化の危険因子は蛋白尿の危険因子と類似したが, 網膜症ならびに神経障害とは大きく異なった. 糖尿病患者において虚血性心疾患は, その発症に加齢と高血圧が深く関与すること, 細小血管症の中では腎症と多くの共通点を有することが示唆された.
  • 小杉 栄二郎
    1996 年 39 巻 5 号 p. 329-337
    発行日: 1996/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病者の尿グルタチオンS-トランスフェラーゼ (以下GST) 活性を測定し, 腎障害との関係を調べ (study 1), 次いでストレプトゾトシン (以下STZ)-糖尿病ラットの腎でのGSTの局在を免疫組織学的に検討した (study 2). 尿を凍結乾燥し, 50倍に濃縮することで尿GST活性を定量し得た. Study 1で, 尿GST活性は対照者の値に比し糖尿病者で高値であった. 尿アルブミン排泄指数により分類された腎症の重症度が進行するとともに尿GST活性は上昇した. 尿GST活性はN-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼやβ2-マイクログロブリンとも有意な正の相関々係がみられた. Study 2では, 抗GSTYa抗体によりSTZ投与ラット群では, それぞれの近位尿細管が染色されたが, 強く染まるものと弱く染まるものと, その染色性が異なった. しかし, STZとインスリン投与ラット群では健常対照ラット群と同様に近位尿細管は均一に染色された. 抗GSTYp抗体では, 3群とも髄質のみ染色され, 各群間に差をみい出せなかった. 以上より, 尿GST活性の上昇は, 糖尿病による近位尿細管上皮細胞透過性亢進によるGSTの尿中への逸脱増加による可能性が推察される.
  • 上古 真理, 安田 斎, 前田 敏博, 吉川 隆一
    1996 年 39 巻 5 号 p. 339-347
    発行日: 1996/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性神経障害 (DN) の形態学的評価法として皮膚生検によるprotein gene product (PGP) 9.5の免疫組織化学が有用であるか否かを検討した. 検討には通常の光学顕微鏡的解析 (解析1) および共焦点レーザー顕微鏡による画像解析 (解析2) を行った. 対照者のPGP9.5陽性表皮内神経線維長は解析1で年齢と負の相関が見られ (R=-0.5, P<0.05) たが, 糖尿病患者では同様な相関はみられず, 年齢に整合させた対照者と比べると有意な減少を示した (p<0.05). 一方, 真皮内PGP9.5陽性神経線維の長さ, 面積は高齢者および糖尿病患者ともに明瞭な変化を示さなかった. 知覚症状を有する患者において解析1で有意に表皮内神経線維長は減少 (p<0.05), 腓腹神経伝導速度と正相関 (r=0.48, p<0.05) を示し, 有意ではないものの同様な変化は解析2でもみられた. 以上の成績は加齢により表皮内神経変性がみられ, 糖尿病患者では年齢に関係なく同様な変性がみられることが示唆され, 皮膚生検PGP9.5免疫染色による表皮内神経線維長の定量的計測がDNの評価に有用であることが示された.
  • 根本 昌実, 森 豊, 横山 淳一, 田嶼 尚子, 池田 義雄, 西村 正彦, 磯貝 行秀
    1996 年 39 巻 5 号 p. 349-354
    発行日: 1996/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    NODマウスの糖尿病発症への飼料の影響を食物繊維摂取量の面から検討した. 4週齢雌性NODマウスを高繊維食である長期飼育用飼料MM3と低繊維食である特殊繁殖飼料MB3を用いて24週間飼育した. 体重, 飼料摂取量は両群間で有意差を認めなかった. 蛋白質, 脂肪摂取量はMB3群で, 可溶無窒素物摂取量は逆にMM3群で有意に増加していたが, 摂取エネルギー量は両群問に有意差を認めなかった. 食物繊維摂取量はMM3群で有意に増加していた. 累積糖尿病発症率は両群間に有意差を認めなかった. また, MM3, MB3群の平均糖尿病発症週齢は各々24.6±5.7, 22.7±4.7週であり, 有意差を認めなかった. しかし, 糖尿病未発症マウス膵インスリン含量の比較検討ではMM3群はMB3群と比較して有意に膵インスリン含量が保持されていた. 病理組織学的にはinsulitisの程度に有意差を認めなかった. NODマウスにおいて食物繊維の長期摂取により膵インスリン含量を保持するが糖尿病発症には影響を与えなかった.
  • 野村 佳世子
    1996 年 39 巻 5 号 p. 355-362
    発行日: 1996/05/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    NIDDMの血管内皮細胞機能低下をより早期に知る目的で, venostasis testにて軽度の虚血状態とし (Study I), 次に, より強い虚血となるhand grip stress test (Study II) を行ない, 種々の内皮細胞機能のマーカーの変化と糖尿病腎症 (腎症) の進展度との関連を調べた.Study IではNIDDM37例, 健常者10例に早朝空腹時にマンシェットにて上腕を平均血圧で5分間圧迫し, 血漿フイブリノーゲン (Fbg), 可溶性フイブリンモノマー複合体 (SFMC), 第VIII因子関連抗原 (VIII Rag), IV型コラーゲン (IVC) 濃度の変化をみた. Study IIではNIDDM36例, 健常者13例に上腕の圧迫に加え手掌開閉運動を行い同様に測定した.腎症を早朝尿のアルブミン排泄指数 (UAEI)<20mg/g・Cr (1群), 20≦UAEI<200mg/g・Cr (2群), UAEI≧200mg/g・Cr (3群) に分け比較した. Study Iでは腎症が最も進展した3群でのみSFMC, VIII-Rag, IV-Cが上昇したが, Fbgは不変であった. Study IIでは3群に加え新たに2群でもSFMC, VIII-Rag, IV-Cの増加を認めた.
    以上より, 腎症が未だ早期の病期でも高度な虚血により血管内皮細胞や内皮下は障害を受け易いことが示唆された. したがって, NIDDMにおける血管内皮細胞障害の進展を予知するのにhand grip stress testが有用と考えられた.
  • 勝盛 弘三, 高橋 千恵子, 佐藤 麻子, 石黒 直子, 大森 安恵
    1996 年 39 巻 5 号 p. 363-368
    発行日: 1996/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    種々ある糖尿病合併症の一つに皮膚結合組織病変がある. 私達は糖尿病性腎症にScleromyxedema(硬化性粘液水腫)を合併し, 血液透析を導入した症例を経験した.
    症例は32歳女性, 平成3年6月検診で糖尿病を発見され, 既に増殖性網膜症があり, 他院で汎光凝固術を受けた. 血糖は常に200mg/dl以上あり, 平成3年11月当院を初診. 両眼に眼底出血, 持続性蛋白尿を認め, インスリン療法を開始したが, 5カ月で通院中止, 平成4年3月より下肢の皮膚硬化が出現, 4月より体質改善目的で民間療法を実行し3年間継続した. 皮膚硬化, 高窒素血症が進行し平成7年3月当院再受診入院, 血液透析を開始した. 皮膚硬化部位は生検し, ムチン (ヒアルロン酸) の沈着あり硬化性粘液水腫と診断した. 一般に難治であるが, 本症例はステロイド, 血液透析により軽快傾向であり, 今後注意深い定期観察が必要である.
  • 1996 年 39 巻 5 号 p. 369-403
    発行日: 1996/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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