糖尿病
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39 巻 , 8 号
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  • 磯野 元秀, 羽田 勝計, 戸川 雅樹, 鹿野 勉, 荒木 信一, 仲川 孝彦, 石田 猛, 猪木 健, 小幡 賢一, 吉川 隆一
    1996 年 39 巻 8 号 p. 599-604
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症の指標として, 尿中IV型コラーゲン測定が有用か否かを検討した. 酵素免疫測定法で測定した尿中IV型コラーゲンは, ゲル濾過で540kD付近の単一ピークを示し, intactコラーゲンを測定していると思われた. 尿中IV型コラーゲン排泄量には, 日内・日差, および運動による有意な変動は認められなかった. 外来通院中のインスリン非依存型糖尿病患者139名を24時間AERにより3群 (正常アルブミン尿, 微量アルブミン尿, 顕性蛋白尿) に分類し, 随時尿を用いて尿中IV型コラーゲンを測定した. 糖尿病患者の尿中IV型コラーゲンは, 健常者群より有意に高値であり, かつ腎症の進行ともに有意に増加した. また, 正常アルブミン尿群において, 尿中IV型コラーゲン高値例がすでに65%存在した. 以上より, 尿中IV型コラーゲン測定は, 糖尿病性腎症の指標として有用である可能性が示唆された.
  • 岩崎 皓一, 石井 明光, 湯原 淳良, 藤中 眞一, 池田 正毅, 守屋 美喜雄
    1996 年 39 巻 8 号 p. 605-611
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1991年から1993年の3年間に死亡した糖尿病患者419名を突然死と非突然死に区分しその臨床的特徴を検討した. 突然死 (24時間以内の予期せぬ内因死) は103名 (24.6%)(以下SD群) であり, 419名から突然死, 事故死, 自殺, 死亡状況不明, 悪性新生物を除いた非突然死 (以下NSD群) は180名であった. SD群の死因は心疾患69.9%で高齢者に多く, 死因不明13.6%, 脳血管障害8.7%, 慢性腎不全2.9%であり, NSD群では, 心疾患28.3%, 脳血管障害18.9%, 感染症17.2%, 慢性腎不全16.2%であった. 糖尿病のコントロール, 治療法, 合併症と突然死との間に明らかな相関はなかった. 狭心症, 陳旧性心筋梗塞高脂血症を併発している患者はNSD群に比し有意にSD群に多かった. SD群の47.5%は自宅での死亡であった. 糖尿病は外来診療が原則であるが, 自宅での突然死が多いことも念頭において診療する必要がある.
  • 中村 宏志, 中村 隆志, 中川 理, 大山 泰郎, 谷 長行, 伊藤 正毅, 柴田 昭
    1996 年 39 巻 8 号 p. 613-618
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    経口負荷した場合にhyperfiltrationを来す蛋白の中にも尿中AERを増加させるものとそうでないものがあるかを検討するために, 健常人女性10名とNIDDM女性10名に0.8g/kgの蛋白を (1) 牛肉, (2) 豚肉, (3) マグロ, (4) 卵白, (5) 牛肉+EPA, (6) 豚肉+EPAの形で, 経口負荷し, 負荷前後のGFR, AERを測定した. 健常人については, 6-keto-PGF1α, TXB2の尿中排出量も測定した. 健常人, NIDDMともに, (1)(2)(3)(5)(6) の負荷後にGFRの有意 (p<0.005) な増加を認め, また (1)(2) の負荷後にAERの有意 (p<0.05) な増加を認めた. 健常人で, (1)(2)(3)(5)(6) の負荷後に6-keto-PGF1αの, (1)(2) の負荷後にTXB2のそれぞれ有意 (p<0.05) な増加を認めた. 以上より, 獣肉は経口負荷するとGFR, AERの両者を増加させるのに対し, 魚肉はGFRを増加させるが, AERを増加させず, この差に脂肪酸組成の差とこれによるプロスタグランジンの反応の差が関与していることが示唆された.
  • 紀田 康雄, 川端 徹, 居出 理恵, 阪本 勝彦, 柏木 厚典, 吉川 隆一
    1996 年 39 巻 8 号 p. 619-625
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Lp (a) は冠動脈硬化の危険因子の一つと考えられている. インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) でもLp (a) は高く, 特に腎症と関連があるとする報告が多い. しかし, Lp (a) と糖尿病血管合併症の関係は明らかではない. 今回は, NIDDM患者の脳梗塞とLp (a) の関係を検討した. 頭部MRI所見から患者をN群 (脳梗塞を認めない, n=225), C群 (皮質枝梗塞群, n=43), P群 (穿通枝梗塞群, n=197例) に分けた. C群とP群は, N群に比べ有意に高齢で糖尿病歴が長く, 高血圧, 腎症, その他の血管合併症の頻度が高かった. C群ではN群と比べHDL-CとApoA1が有意に低く, Lp (a) は有意に高値であった. 多変量解析でもC群と加齢, 高血圧, ブリンクマン指数Lp (a) は独立した関連性を認めた. この事からLp (a) が, NIDDMの皮質枝脳梗塞の独立した危険因子として働いている可能性が示唆された.
  • 穂積 俊樹, 石田 芳彦, 島 扶美, 吉田 玲子, 稲葉 洋行, 能勢 義介, 山口 晃生, 天野 和彦, 横野 浩一, 鹿住 敏
    1996 年 39 巻 8 号 p. 627-633
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    高齢発症のSlowly progressive IDDMの1例を報告する. 69歳女性064歳時に口渇が出現し, 近医にてGlibenclamide漸増投与されたが血糖値の改善が得られず, 1992年5月当院入院. 同薬1日10mg投与で空腹時血糖231mg/dl, HbA1c12.7%. 1日尿中CPR排泄量は6.9μg, Glucagon負荷後 (6分値0.7ng/ml) および75gOGTT (頂値1.4ng/ml) でも血清CPRは低反応であった. ICA, ICSA, 抗胃壁細胞抗体, 抗甲状腺マイクロゾーム抗体抗サイログロブリン抗体は持続的に陽性であった. 抗GAD (Glutamic Acid Decarboxylase) 抗体価も高値 (12, 985U/ml) であり7GAD65に対する抗体であった. HLAではA26, A-, B7, B62, Bw6, Cw3, Cw7, DR1, DR14, DR52, DQ1, DQ-, DPw2, DPw4を認めた. 中間型インスリン8単位朝1回投与にて血糖コントロールは改善傾向を示した. Slowly progressiveIDDMは30~50歳代発症のものが多く, 60歳以上の高齢発症例の論文報告は本症例を含めて4例のみである.
  • 中谷 文夫, 高橋 良当, 善平 朝昭, 黒木 宏之, 岩崎 直子, 吉野 博子, 田坂 仁正, 大森 安恵
    1996 年 39 巻 8 号 p. 635-641
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は25歳女性. 17歳のとき糖尿病を指摘され, 18歳以後は放置状態であった. 25歳時, 腎盂腎炎に罹患しインスリン治療を開始するも2カ月後自己判断でインスリンを減量した. その3カ月後, 糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡になり, 当院救急外来を受診した. 受診時, 触診にて収縮期血圧60mmHg, 血糖1603mg/dl, 血中3-OHBA4800mmol/l, 動脈血分析にてpH6.973, HCO3-63mEq/l, 血清Cr4.8mg/dlであった. 輸液とインスリン静脈内持続注入で治療開始したが, 昏睡と低血圧が遷延した. 第3病日に意識と塩圧が正常化したが, 両側上下肢の運動性および感覚性の末梢神経障害と右臀部の褥瘡が認められた. 腓腹神経生検では, 著明な軸索変性と大食細胞の出現がみられ, 炎症性細胞浸潤や血管内血栓は認めなかった. 本症例は糖尿病性ケトアシドーシスに合併した多臓器不全による急性軸索性末梢神経障害と考えられた.
  • 作家 有実子, 佐伯 明子, 馬場園 哲也, 高橋 千恵子, 岩本 安彦, 大森 安恵
    1996 年 39 巻 8 号 p. 643-648
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    内分泌疾患や遺伝性疾患などに伴ういわゆる二次性糖尿病においても糖尿病に特有の合併症を引き起こすが, 血液透析にいたるような腎不全に至ったKlinefelter症候群の報告は少ない. 我々は, 糖尿病性腎症により血液透析に至ってからKlinefelter症候群と診断された1例を経験した. 症例は55歳思春期より外性器発育不全を自覚していたが, これまで精査せず放置していた. 昭和49年 (35歳), 糖尿病と診断されたが, その後の血糖コントロールは不良で, 平成4年 (53歳), 高窒素血症が認められた. 平成6年 (55歳), 虚血性視神経炎のため当院眼科で入院加療中, 腎不全が進行し血液透析を導入, 当科に転科した. 身長165.3cm, 指極長167cm, 陰茎未発育, 睾丸小指頭大. 血糖コントロールはHbA1c 9.2%と不良で, 正常血糖クランプ法によるブドウ糖注入率は2.66mg/kg/minとインスリン抵抗性を示した. 血清テストステロンは低値で, LHとFSHの基礎値は高かったがLHRH負荷試験ではLH, FSHともに低反応であった. 染色体分析では47XXYでありKlinefelter症候群と診断した. 本症候群に合併する糖尿病においても, コントロールが不良の場合には慢性合併症の進展に十分留意すべきことを示唆する症例と思われた.
  • 梶原 進, 富永 正樹, 山本 匡介, 水田 敏彦, 原 俊哉, 瀬戸口 洋一, 堺 隆弘
    1996 年 39 巻 8 号 p. 649-654
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖原病1a型は糖新生酵素グルコースー6-フォスファターゼ (G6Pase) 活性の欠損により起こる常染色体劣性遺伝疾患である. 今回我々は低血糖, 高脂血症, 高尿酸血症を主訴とし37歳で診断された成人の糖原病1a型患者の遺伝子解析をおこなった. その結果, この患者は本邦の糖原病1a型では主流を占めるG6Pase遺伝子G727T変異 (GSD 1a G727T変異) のホモ接合体であることがわかった. この患者の家系についても遺伝子解析を行い, 家系内に多数のヘテロ接合体を持つ保因者を認めた. 保因者の中に糖原病1a型の検査所見を呈する者は無く, 正常者と変わらぬ検査所見を示した. したがって, この疾患が常染色体劣性遺伝であることが遺伝子レベルで確認でき, この方法で保因者を含む患者の遺伝子診断が可能であることが証明された.
  • 切塚 敬治, 西崎 浩, 郡山 健治, 額田 成, 有岡 靖隆, 元淵 雅子, 吉木 景子, 立住 加代子, 近藤 敏子, 坪井 修平
    1996 年 39 巻 8 号 p. 655-658
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Kobe West City Hospital is located in the region most severely damaged during The Great Hanshin Earthquake. The influence of the earthquake on the glycemic control of 177 diabetics in our hospital was investigated retrospectively. The values of HbA1c before and after the earthquake were compared. The mean value of HbA1c increased significantly after the earthquake (7.74±1.82% vs 8.34±2.07%; p<0.01). Ninety nine of 177 patients (55.9%) showed a greater than 0.5% increase in HbA1c after the earthquake. We examined the causes of this exacerbation. The level of HbA1c was not significantly changed by the following factors, the opportunity to exercise, the state of the state patients' houses, or from long-term residence in shelters, sex or age.The increase in HbA1c was more frequently observed in the patients receiving insulin therapy than those with other therapy. An interruption of drug therapy was seen in 15 of 144 patients. Fluctuations in HbA1c were also compared between patients with appropriate diet (AD) and those with inappropriate diet (IAD). The increase in HbA1c was statistically significant in patients with IAD (p<0.01), but not in patients with AD. This study showed an increase in HbA1c in diabetic patients after The Great Hanshin Earthquake. The increase in HbA1c was mostly caused by IAD.
  • 春日 明, 小澤 ゆか子, 鈴木 竜司, 丸山 太郎, 猿田 享男
    1996 年 39 巻 8 号 p. 659-662
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    We investigated the diagnostic accuracy of a combined radioligand binding assay (RBA) for both glutamic acid decarboxylase (GAD) 65 and IA-2 autoantibodies (Ab), compared to separate RBAs for each autoantibody. 35S-GAD65 and 3H-IA-2 were produced by in vitro translation. Sera from 18 insulin-dependent diabetes mellitus (IDDM) patients and 20 healthy subjects were tested. Neither GAD65 nor IA-2 was detected by either combined or separate RBAs in the healthy subjects. In the IDDM patients, the concordance between the two RBAs for GAD65Ab was 100%. The concordance for IA-2, however, was 89%, because two sera with high titer GAD65Ab were falsely positive. There were strong correlations between the indexes of the two RBAs (r=0.982, r=0.965 for GAD65 and IA-2, respectively). In conclusion, the combined RBA for GAD65Ab and IA-2Ab has good diagnostic accuracy and will be a useful screening test for large numbers of NIDDM patients or for the general population.
  • 1996 年 39 巻 8 号 p. 663-676
    発行日: 1996/08/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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